≪に≫でし!


「似合わぬ僧の腕立」でし
今日も今日でいい天気でし―・・・シャオしゃま?何やってるんでしか?
「何って・・・。よくわかんないけど寝そべってお菓子を食べながらテレビを見てるの。」
・・・よくわかんないのにそんな事してるんでしか?一体どうしたんでしか・・・。
お外をチラッと見ると、なんとキリュウしゃんが洗濯物を干してるでし!
一体どうしたんでしかねえ。シャオしゃまのお手伝いでしか?
「おや、離珠殿。洗濯とはなかなかに大変だな。
今日は私が料理を作るのだが・・・何がいいかな?」
キリュウしゃんが料理を作るんでしか?ますますわかんないでし・・・。
ここは一つ太助しゃまに聞いてみるでし!
・・・と思ったんでしが、肝心の太助しゃまは何所なんでしかねえ?
「試練よ―、た―様!」
「うわあ、そんなもんに陽天心かけるなー!!」
“どごおおん!”と大きな音がしたかと思うと、太助しゃまが上から降ってきたでし。
「いててて・・・。ルーアン、もうちょっと穏便にさあ・・・。」
「試練よ、耐えなさい。もう一回行くわよ―!」
なるほど、ルーアンしゃんが試練を行っているんでしね???
一体これはどういう事なんでしか!みんなやっていることがばらばらでし!
『不似合いで納得のいかないもの』という事でし。
途方にくれていると、那奈しゃんが近づいてきたでし。
「びっくりしてるな、離珠。ちょっと罰ゲームでさ、
三人の役割をそれぞれ変えてみようってことにしたんだ。
端から見てると結構面白いな。なかなかいいよ。」
・・・なるほど、そういうことだったんでしか。という事は・・・?
「太助様あ〜。」
「うわあ、シャオひっつく・・・いや、その・・・。」
やっぱり、シャオしゃまが太助しゃまに抱きついたでし!
太助しゃまはなんだか赤くなりながらも嬉しそうだったでし。
うんうん、確かにこれは面白そうでしね。とその時、ルーアンしゃんが!
「陽天心召来!」
意思を持った家具が太助しゃまとシャオしゃまに襲い掛かったでし!けど。
「万象大乱!」
と、別のものが巨大化し、それを防いだでし。
「ちょっとキリュウ!!試練の邪魔しないで!!・・・とと、言いなおさなきゃ。
キリュウ、試練の邪魔はしないで。シャオリンが勝手に居るだけなんだから。」
「わたしは主殿を守るのが役目!
例え試練といえど、不用意に主殿に怪我を負わせることは出来ない!
・・・こんなものか?シャオ殿。」
「え、ええ、まあ。えーと・・・、キリュウさんありがとうございます・・・」
「ちがーう!シャオリン、言い直し!」
「は、はい。キリュウさん、ありがと。
でも太助様は私のものなんだからあなたにはゆずらなくってよ・・・。
・・・で、いいんでしょうか?」
「うん、まあそんなもんね。」
・・・何かの劇の練習みたいでし。なにも喋り方まで真似なくても。
那奈しゃん、これってなんなんでしか・・・。
「ここまで真剣にやるとは思ってもみなかった。後で翔子も呼ぼうっと。」
那奈しゃん・・・。太助しゃまはなんだか固まってたでし。


「煮湯に水をさす」でし
高温の炎をまとった天鶏しゃんの炎を消すと・・・どうなるか一目瞭然でし!
『どっちつかずで長所のない物にするたとえ』という事でし。
ちなみに煮え湯に水を入れると、
ぬるいというよりも、生臭くって飲めたもんじゃないでしね。
「離珠ったら、またそんなたとえ出して・・・。」
大丈夫でしよ、シャオしゃま。本当にやるわけじゃないでしから。
「当たり前です!」


「仁王立ち」でし
ふっ、これこしょは適任者が居るでし。
というわけでシャオしゃま、よろしく頼むでしよ!!
「わかったわ離珠。来々、軍南門!」
どーん!と、庭に軍南門しゃんがおっきな姿を現したでし!
見てくだしゃい、この立ち姿!!これぞまさに!って感じでしね。
『堂々たる立ち姿。力に満ちて、びくともせずに立ちはだかる』という事でし。
というわけで解説おしまいでしー。
「離珠!!」
は、はいでし!えうー、またシャオしゃまに・・・あれ?太助しゃま?
「ことわざ解説に軍南門を呼ばせてんじゃない!おかげで家が注目されちゃうじゃないか!!」
「まあまあ、太助様・・・」
「シャオは黙ってろ!」
「はい・・・。」
なんと、シャオしゃまをだんまりにさせてしまったでし!
太助しゃまもなんだかすごくなったでしねえ・・・今回は迫力が違うみたいでし。
「いいか、前から何度も言ってるけどな、いちいちだな・・・」
というわけで、太助しゃまからお説教を食らってしまったでし。
その時の太助しゃまの立ち姿は、軍南門しゃんに負けないほど・・・。


「鳰の浮巣」でし
『カイツブリの巣が水に浮いている事で、いつも動いていて不安定なたとえ』という事でし。
軒轅しゃんは宙に浮いているわけでしが、はたしてバランス感覚はどんなもんでしかね?
というわけで、家にあった壷を頭に乗っけてふわふわ浮いていて欲しいでし。
離珠の意図を汲み取った軒轅しゃんは、早速壷をひょいっと頭に乗せたでし。
ふいっふいっくいっくいっ
おおおー!バランス感覚ばっちりでしー!!
え?いつも人を乗せてるんだからこれくらいは当たり前だって?
なるほど、言われてみればそうでしね・・・。
だったら!壷を2個3個と増やしてみるでし!
・・・しかし軒轅しゃんは、見事バランスをとってるでし。お見事でしねえ・・・。
「軒轅何やってるんだ!」
わわっ!
突然の太助しゃまの声。危うくバランスを崩しかけたけんえんしゃんだったでしが・・・
壷は見事無事だったでし。さすが軒轅しゃんでしー、ぱちぱちぱち。
「曲芸みたいな危なっかしい事はやめてくれー!」


「二階から目薬」でし
ルーアンしゃんが離珠のおまんじゅうを食べちゃったでし―!
くやしいからしかえしでし。えいっ!
離珠はちからいっぱい石を投げたでし。でも・・・。
「あら?なんか当たったかしら?」
と、ぜんぜん利かなかったでし。くうう、悔しいでしよおお。
『ほとんど効果が期待できない』ということでし。
えーん、離珠は非力なんでしねえ・・・。


「逃がした魚は大きい」でし
「くっそう、支天輪が俺のとこに送られてきていたら・・・。」
というたかししゃんの意見と、
「黒天筒が僕の所に送られてきていたら・・・。」
という乎一郎しゃんの意見でし。
確かにまあ、何かの手違いで送られない事も無いとは思うでしが。
「だってさあ、太助の家にさあ・・・と、とにかく!」
「僕達は凄い悔しいわけなんだよ!」
意気込みは分かるでしがねえ。
「例え悪すぎ。あれは普通手に入るもんじゃないだろ。」
しょ、翔子しゃん。痛い所をついてくるでし。
「なんだと?だからこそなんだよ!」
「すっごく大きいんだよ!!」
「まあ、なんにしても無謀な例えだ。」
・・・・・・。
『手に入れる事が出来なかったときは、それがどんなものでも大きな損をした様に思える』という事でし。
「ところで山野辺、手に持ってるの何だ?」
ほんとでし。翔子しゃんてば手に見慣れない袋を下げてるでし。
「ああこれか?これは購買部でおにーさんから貰ったんだ。
色んな物が入ってる詰め合わせセットだってさ。」
「なにいい!?行くぞ乎一郎!!」
「え、ええ!?」
たかししゃんがいきなり乎一郎しゃんの腕を引っ張って走り去ってしまったでし。
その数分後、手に入らなかったのかとぼとぼと戻って来たでし。
「くそおお、俺達の手前で無くなったなんて・・・。」
「気付くのが遅かったね・・・。」
「そんなに悲痛に成らなくったって、つまんないものだぞ。ただの筆記セット。」
“ほら”と中身を見せる翔子しゃんだったでしが、たかししゃんも乎一郎しゃんも心底残念そうだったでし。
「お前には俺達の気持ちはわかんねーよ。」
「逃したものは大きいんだよ。」
ふむふむ、まさしくその通りでし。
「例え間に合ったとしても、あのおにーさんは男子に配るようなまねはしないよ。」
「「・・・そうだった。」」
なるほど、まったくその通りでし。


「苦虫を噛み潰したよう」でし
大変でし大変でし。今七梨家は大変な事になっているんでし!!
「何をそんなに慌ててるの、離珠。」
シャオしゃま、のんびり構えてる場合じゃ無いでし。那奈しゃんが・・・。
「そう!那奈姉が今大変なんだ。」
「太助様・・・。一体どうしたんですか?離珠の声が聞こえたんですか?」
「へっ?」
なんとそうなんでしか!?太助しゃま、凄いでし〜。
「そんな訳無いって。と、とにかく那奈姉が今大変なんだ。
もんの凄く不機嫌そうでさ・・・。何が原因かは分からないけど、
とりあえずあんまり刺激しない方が良いよ。」
「ですが・・・。」
刺激するなと言っても、御食事の時とかには必ず会うでしねえ。
「たー様の言う通りよっ!!」
「ルーアンさん・・・。」
「さっきおね―様の顔をちらっと見たんだけど、くぉ〜んなこっわ〜い顔してたわよ。」
ルーアンしゃんが実際に顔を使って・・・って、それはキリュウしゃんの顔でしよっ!
「やめろー、ルーアン殿〜・・・。」
「いいじゃないの、キリュウの顔だとやりやすいんだもん。」
「ええい!!自分の顔でやればいいではないか!!」
必死でルーアンしゃんを振り払うキリュウしゃん。
と、太助しゃまとシャオしゃまはくすくすと笑っていたでし。
「主殿もシャオ殿も・・・。笑うなんてあんまりではないか・・・。」
「そうよー。あたしがちゃんと例を示してあげたのに。」
「ルーアン殿が余計な事をしたからではないか!!」
「もう、怒ると皺が出来るわよ。」
という事は、しょっちゅう怒ってるルーアンしゃんは皺が多いって事でしね。
「ちょっとごみチビ、なんなのよその視線は・・・。ってそんな場合じゃないんだってば!
ねえたー様、どうしておね―様があんなに不機嫌そうなの?」
話を元に戻したルーアンしゃん。これは誤魔化したとでも言うべきでしか・・・。
「ああ、それがさ、原因がさっぱりわかんないんだ。とりあえずそっとしておこう。」
「那奈さん、大丈夫でしょうか・・・。」
「ま、焦らずに待ちましょうか。でも、早くいつものおね―様に戻って欲しいわあ。」
「顔で遊ばれた私の立場は・・・。」
一人違う意味でぼやいていたキリュウしゃん。当然でしねえ・・・。
ぐにゅ〜ってほっぺをされて、まゆげをぐいって吊り上げられて、口元を思いっきり歪ませられて。
えーと、とりあえずそんなところで、
『何事かを腹にすえかね、苦々しく不機嫌な表情』という事でし。
と、この不可解な出来事はその日のうちに幕を閉じたでし。
それ以降、人の顔で遊ぶのが流行ったような流行らなかったような。


「握り拳の素戻り」でし
ある日のことでし。たかししゃんがお家にやって来たんでし。
「太助!たのみがある、金を貸してくれ!」
「いきなり何言ってんだ。」
「頼むよ〜。今必要なんだよ〜・・・あ、とりあえず上がっていいか?」
「たく・・・。」
そしてリビングに腰を落ち着けて、太助しゃまを説得しようと必死。
しかし太助しゃまは首を縦に振らなかったでし。
「あのー、たかしさん。」
「だからあ、おれは!!・・・あ、シャオちゃん?なに、どうしたの?」
「お夕飯どうします?たかしさんの分も作りましたけど。」
「もらう!!」
「はいっ。」
いつの間にやらそんな時間になってたようでし。
「少しは遠慮しろよ・・・。」
「何を言う。シャオちゃんの手料理を食べずに帰ると男がすたるってもんだ!!」
意味がわかんないでし。
たかししゃんは夕飯と食べた後も話をしていたでしが・・・。
結局は借りられないまま帰ったでし。
『金を借りに行ったが上手く借りられずに帰る』という事でし。
「あいつは一体何をしに来たんだ。」
太助しゃま、お金を借りに来たんでしよ。
「ただ飯食らいに来ただけなんじゃ・・・。」
・・・たしかにそうかもしれないでし。


「握れば拳開けば掌」でし
人を打つこぶしも人をなでる掌も元は同じ手でしね。
『心の持ちよう一つで同じ物でも色々に変わることのたとえ』という事でし。
「これは上手いたとえですねえ。」
出雲しゃんもそう思うでしか。
「そりゃそうだろ。同じ人間の態度とは思えないほど女性と男性で変わるんだしな。」
「那奈さん!いきなり現れてなんですか!」
「当たってるだろ?」
「私の態度でたとえようっていうのはいただけませんね。」
ところで那奈しゃん自身はそういうたとえはないんでしか?
「あたしでたとえ?あるわけないだろ。」
「そうですね。同じ七梨という苗字の人間なのに、どうして太助君とああも性格が違うのかとか・・・。」
「こら!変なものでたとえにするな!」
「那奈さんがおっしゃってたこととそう大差ないと私は思いますが?」
ふ、二人ともやめるでしよ〜。ついでに言うならどっちも悪いたとえでし〜。
「じゃあ離珠の筆でたとえてみようか。
紙には絵を描いたりするし、墨を飛ばして目潰しに使ったり。」
「那奈さん、そういうのもあんまりでは・・・。」
ええい、ここで終わりでし!


「二九の一六」でし
たかししゃん、是非にともいい例えを!
「ふっ、九九の二〇〇〇って知ってるかい?」
・・・それは初耳でし。
「一世紀は百年。それに一つ足りない九十九。
二十一世紀の始まりに一年足りない二〇〇〇年!
九九は九十九に見えるしな。そういう事だよ。」
・・・・・・。
『勘定の合わぬ事。見込み違いのこと』という事でし。
たかししゃんの所に聞きに来たのは間違いだったようでし。
「更に!この話は世紀末話だということなのさ!!」
なんのこっちゃ、でし。


「憎まれっ子世にはばかる」でし
『人から憎まれたり嫌われたりする子(人)ほど、大人になってから出世する』という事でし。
これを考えると、太助しゃまは出世しないんでしね。
「離珠、それはまた違うって。太助だって多分出世するさ。」
那奈しゃん。珍しいでしね、太助しゃまを応援するなんて。
「応援してるわけじゃないさ。そうでも考えないとな・・・。」
な、な、どうしたんでしか、遠い目をして。
「いや、なんでもない。ほんと、いい弟なんだけどなあ・・・。」
な、那奈しゃ〜ん?
「いつかは幸せになれる時が来るのかな・・・。」
は、話がそれ出したようなのでここまででし!!
「・・・ちょっと待った離珠。結局解説してないぞ。」
はう?えーとえーと・・・えうー、困ったでしー!!
「ははは、困ってる困ってる。」
・・・那奈しゃんは将来出世しそうでしね。
「はは・・・おい、それはどういう意味だよ。」


「二間の所で三間の槍使う」でし
間というのは長さの単位で、一間は約1.818メートルだそうでし。
さて、出雲しゃん!
「はい?」
何か良い例えをお願いするでし!
「そうですねえ・・・。私が今持っているこの竹箒。」
ふんふん。
「これは結構長くて、椅子の下や机の下なんかを綺麗に掃除するには使いにくいですね。
そう、特に学校の教室にある机や椅子。もっとも、動かせば済む事ですが、
下にもぐってやるには少し大きすぎます。以上です。」
ふむふむ、ありがとしゃんでし。
『狭くて思うように働けない』という事でし。
「ところで・・・いつも思うのですが、狭い場所ではその筆をどんな風に?」
それ以前に、離珠はそんな狭い場所で絵を描く事はしないでし。


「西から日が出る」でし
『絶対にあるはずがない』という事でし。
今回はめずらしくことわざを崩してやるでし!
「新しい試みは結構だけど・・・どう考えても無理だろ?」
甘いでしね、太助しゃま。あれを見るでし!
びしっと指差した西の方向。そこからやってくるのは・・・
「ルーアン?」
そうでし!
数分後、ルーアンしゃんが到着でし。
「ごみチビに言われたとおり西から歩いてきたけど・・・これがどうかしたの?」
ルーアンしゃんは太陽の精霊でしね?
「何を当たり前のことを・・・って、まさかルーアンを日に見立てたとか?」
ぴんぽーん、でし!
「・・・はあ。」
太助しゃま、ため息なんか吐かないでくだしゃい。
「なんてこと・・・。こんなくだらな過ぎる実験にあたしは付き合ったっていうの・・・。」
る、ルーアンしゃん、絶望しないでくだしゃい〜。


「西の空が曇ってくると雨になる」でし
『日本付近では低気圧は西から東へ移動するので、西の方から低気圧が近づいてくると
西の方が曇ってきてやがて雨が降ることになる』という事でし。
「ふんっ、こんなの嘘っぱちよ。」
やけに自信たっぷりでしが、ルーアンしゃん、其の根拠は?
「だってあたしが陽天心で雲を操っちゃうも〜ん。」
・・・・・・。
「ま、めんどくさいからしないけどね。」
だったら嘘っぱちとかそういうことはいわないで欲しいでし!
「でも本当にこの言葉を信じていいものなの?」
多分でし・・・。
「あのね・・・。」


「二足のわらじをはく」でし
とおっても適任な人が居るのでその人に頼むでし。
というわけで・・・出雲しゃん、どうぞでし!!
「あの、呼んで下さったのはありがたいんですが、私にはどうも・・・。」
何を迷う事があるんでしか?神主と購買部の売り子っていう職業を立派に持ってるじゃないでしか!!
という訳で『ひとりで、違う二つの仕事をする』という事でし。
「離珠さん、それはちょっと例えがあまりよくありませんねえ。」
そうでしか?結構いいと思うんでしが・・・。
「無理矢理でも、こういう例えを出してみましょう。」
何でしか?
「私はよくナンパをしているといわれてます。ですが、それは見せかけです。」
・・・そうなんでしか?
「ナンパをする事によって、私以外の悪い虫が付かない様にお嬢さん達を救う。
これこそ良い例えじゃありませんか!」
出雲しゃん・・・。
「・・・ごほん、失礼しました。要するに、賭け事をしながら、賭け事を取り締まる役もやる。
という事が言いたかったんですよ。」
まあ、これの本質はそういう意味でしが・・・出雲しゃんの例はちょっと・・・。
「やっぱり無理がありすぎましたか。」
うーん・・・多分・・・でし。
「・・・だったらこの事は二人だけの秘密という事にしておいてください。
シャオさんに物事を伝える離珠さんにこういう事を頼むのは気が進みませんが。」
・・・待ってくだしゃい、出雲しゃん。今の例こそぴったりじゃないでしか?
「そうですか?まあ離珠さんがそう思うのならそういう事で・・・。」
ちゅわ・・・でし。


「煮大豆の花の咲きたる如し」でし
『あるはずがないこと。また、まれにあることのたとえ』という事でし。
「結局どっちなんだよ。」
まあまあ、太助しゃま。ここで一発やるでしから。
「何をだ?」
離珠とキリュウしゃんの、あるはずがないこととまれにあることをやってみようコーナー!
「うむ!というわけで主殿、まずは・・・」
「いきなり沸いてきたな。」
「人を蛆虫か何かみたいに言うのはやめてくれないか?」
「だいたい何をやらせるつもりなんだよ。俺はやらないぞ。」
そんな事言われれるとどうしようもないんでしが。
「あるはずがないことは、シャオ殿と一緒に心中だ。」
「絶対やらない!!」
「冗談だ。だからあるはずが無いといっただろう。だから無理にやらなくていいぞ。」
「たく・・・。」
太助しゃま、一瞬焦ったでしね。
「そして、まれにあることだが・・・これは過去に前例がある。ルーアン殿に聞いた。」
「ほう、それはなんだ?大食い大会出場か?」
「そんなものではない。シャオ殿絡みだ。」
「シャオ絡み?なんだろう・・・まれにあること・・・でもキスはまだだしな・・・。」
何気に凄いこと呟いてるでし。
「忘れたのか?まったく・・・。風呂だ。シャオ殿と一緒に風呂に入る。」
「は!?俺そんなことしたか!!?」
「いや、覗きだったか・・・。しかし覗きなどは不謹慎だ。
それならばいっそのこと、一緒に入るがよいだろう。
あちらでシャオ殿が待っているぞ。さあ主殿、入ってこられよ。」
「お、おい!」
あ、でもキリュウしゃん。覗きじゃなくてたしか一緒に入ったでしよ。
「そうなのか?ああそういえば縁結びの湯がどうたらとか聞いたような・・・。
まあ過去のことはどうでもいい。さあ主殿、入ってこられよ。」
「・・・マジか?」
太助しゃま、シャオしゃまが風邪ひいちゃうでしー。
「女性を待たせてはならんぞ。」
「お、俺はどうすればー!!」
その後、なんとか二人一緒にお風呂に入ったようでし。
「でも太助様、ずっと後ろを向いてたのよね。」
「それは残念だな。」
「俺は気が気じゃなかったんだけど・・・。」


「日計足らず歳計余り有り」でし
うう〜、苦しいでし。こんなのどうやって説明すればいいっていうんでしかあ〜。
『一日一日の計算では利益が無いように見えても年間の計算ではかなりの利益がある』という事でし。
・・・そうでし!こうやって離珠がことわざを一つ一つ説明する事によって、
その時はあっさり終わってしまっても、一年もしつづけていれば、すごい知識になる!
という事にすればいいんでし。
「・・・相変わらず強引だな、離珠。」
虎賁しゃん、そういう言い方ってないでしよ。すんごくつらいんでしから。
「まあ、無理もねーか。とりあえずそういう事にしておくよ。」
そうでしそうでし。深く考えないのが一番でし。


「日光を見ないうちは結構と言うな」でし
『日光の東照宮の建築の美しい事を言ったもの』という事でし。
解説するにはそのものを実際に見るしかないでし!
「そういう訳で離珠からのリクエストだ。太助、皆で日光へ旅行しにいこうじゃないか。」
「なーに言ってんだ那奈姉。行かずとも済む方法がある!!」
得意げに言うと太助しゃまは、閉められているカーテンの端っこを持ったでし。
「せーのっ!」
ばっ!と開けられたそこにはルーアンしゃんが!
「おーっほっほっほ。慶幸日天ルーアン登場!!
太陽の精霊であるあたしを見れば日光を見たも同然よー!!」
密かにことわざ対策を練ってたんでしかねえ?
“日天”の“日”と“慶幸”の“幸”をかけ合わせたシャレのようでし。
でも、しら〜〜〜〜〜〜〜〜〜っでし。
「「あれ?」」
「・・・さあてシャオ、とりあえず旅館を決めようか。なるべくきれいなとこを。」
「私は温泉に入りたいのだが・・・。」
「分かりましたわ。温泉があって綺麗な場所を探しますね。」
「ああ頼んだよ。人数は三人だから!」
なるほど、完全にシカトってわけでしね。
「ちょ、ちょっと那奈姉・・・。」
「おねー様ぁ!」
「二人も留守番する奴が居るから安心して出かけられるな!」
「「おーい!」」
・・・ちゃんちゃん、でし。


「似て非なる者」でし
『いかにも道理にあっているようだが、実は正しく無いもの。
一見似ているが、実は違うもの』という事でし。
「おおっ、こんな所に小さな扇が!」
と、那奈しゃんが取り出したものは、短天扇とそっくりなものでし!
「良く似ているだろう。珍しいから買ってきたんだ。」
見せてくれたそれは、形から模様までほんとそっくり!
そして後からここに来た太助しゃま達にそれを見せたんでし。
「へえー、そんなものよく見つけたなあ。」
「これを持ってるとキリュウさんみたいですわ。」
「そうだわ!これを使ってキリュウのモノマネやりましょう!」
本人がたまたま居なかったのをいい事に、リビングにてモノマネ大会が始まったでし。
まずは太助しゃま!
「えっと・・・試練だ、耐えられよ。」
なんか棒読みでし。
「へたくそ。全然キリュウじゃ無いぞ。」
「太助様はやっぱり太助様ですわ。」
「もうちょっと力入れてよ〜。」
次にシャオしゃまでし。
「試練だ、耐えられよ、です。」
シャオしゃま、最後に“です”は要らないでし。
「太助より上手いけど、余計なのが入ったのが残念だな。」
「やっぱりシャオらしいや。」
「モノマネになってるんだかなってないんだか・・・。」
次、ルーアンしゃんでし。
「試練よ〜ん、耐えて〜ん。」
る、ルーアンしゃん・・・。
「あははは!ルーアンらしくって一層いいや!」
「これキリュウが聞いたら怒りそうじゃないか?」
「ふええ、ルーアンさん凄いですう・・・。」
えと、最後に那奈しゃんでし!
「試練だ、耐えられよ。」
おおっ!?なんと、声色までそっくりでし!
「那奈姉すっごく上手いじゃん!」
「さすがは那奈さんですわ!」
「今一瞬キリュウに見えちゃった。」
わいのわいのと皆で騒いでいると、偶然にもキリュウしゃんが帰ってきたでし!
「ただいま。何をみんなで騒いでいるんだ?」
「おお、本人が来たぞ!」
「ここはやっぱり、大元を見ておくべきかな。」
「キリュウさん、お願いします。」
口々に言われたでしが、もちろんキリュウしゃんには何がなんやらわからなかったでし。
「何を?」
「もーう、わかってないわねえ。ほら、いつもみたく“試練だ、耐えられよ”って言ってよー。」
「・・・試練だ、耐えられよ。これでいいのか?」
わけもわからず呟かれたそれだったでしが、なるほど納得の言葉だったでし。
「やっぱり・・・キリュウだなあ。」
「キリュウさんですねえ。」
「キリュウよねえ。」
「オリジナルとは、どう頑張っても違うもんだよな、うん。」
「???」


「にてもやいても食えぬ」でし
「野村先輩がよく体験してますよねえ。」
例えばどんなでしか?
「“くうう、シャオちゃ〜ん!”とか。」
・・・全然わかんないでし。
「もう、これでいいでしょ?」
・・・説得しても無駄そうな気がするのでそれでいいでし。
『自分の力ではどうすることもできない』という事でし
「離珠ちゃん、なんか良からぬことを思ったでしょ?」
べ、別にそんな事無いでしよっ。
「次は・・・山野辺先輩かな。あたしはどうも苦手だな〜。」
よくわかんないまま先に進んだでし。良かった良かった、でし。
また、『抜け目が無くて、思い通りにならない人』という事でし。
「さて離珠ちゃん、さっきどんな良くない事を思ったのな〜?」
だ、だから何でも無いでしってば!
「あたしはキリュウさんみたいに誤魔化されないもんっ!」
何故にそこでキリュウしゃんの名前が出てくるのか謎でし・・・
はっ!ひょっとしてキリュウしゃんが言いふらしたんでしか!?
「自然と耳に入ってきたのよ。あたしの情報力をなめちゃだめよ。」
それってとんでもないでし・・・。


「二度あることは三度ある」でし
「まさに○天シリーズだああ!!」
うわっ、びっくりしたでし。太助しゃま、いきなりなんなんでしか・・・。
「シャオ、ルーアン、そしてキリュウ!これこそ“二度あることは三度ある”だー!!」
・・・そういう事でしね。太助しゃまのお父しゃんがいろいろ送ってきて・・・。
『二度まで同じような事があると、三度目もあるから用心せよ』という事でし。
でも太助しゃま、ひょっとしたら四人目がくるかもしれないでしよ・・・。


「二度言えば風邪ひく」でし
『人の話する時にはよくきくものだという戒め』という事でし。
「・・・どういう事だ?」
「同じ話を人にさせると負担がかかるだろうからちゃんと聞きなさいって事じゃないですか?
野村先輩にうってつけの言葉じゃないですか。」
「なんだって?花織ちゃん、それはあんまりだぜ。
俺はいつだって人の話を二回聞かずに行動しているぞ。」
「それは人がちゃんと説明する前に、単に野村先輩が突っ走ってるってだけなんじゃないですか?」
「なにをー!?」
二人とも、しっかり話の内容分かったでしか?
「ああ、もちろん分かったぜ。解説は二度させるなって事だな。」
「一回聞いて分かったつもりになってても駄目ですからね。」
「そんなことは分かってるよ!」
どうも分かってる風には思えないんでしが・・・。


「二兎を追うものは一兎も得ず」でし
「あああ!!明日は数学と英語のテストがあるんだったー!!急いで両方勉強しないと!!!」
夕食後、太助しゃまはいきなり叫んだかと思うとだだだっと二階へ駆け上がって行ったでし。
後でお部屋に行ってみると太助しゃまは一生懸命に二冊の教科書を見ていたでし。
でも太助しゃま、一度に二つするのは無理があるでしよ・・・。
結果、二つともほとんどできなかったみたいでし。
『二つの違うことを同時にしようとすると、両方がうまくいかない』という事でし。
かたっぽを捨ててひとつに集中するとかすれば良かったでし・・・。
「でも離珠、それで0点なんかとっちゃったら大変ですよ。」
0点・・・。なんだか極端な気もするでしが、それもそうでしね。


「似ぬ京物語」でし
ここは一発、翔子しゃんにお願いするでし。そして聞き手はシャオしゃまでし。
「さあて、それじゃあアラスカの話でもしようか。」
「はい。」
「とにかく北にあって、寒い!あまりの寒さにバナナも凍り、それで釘が打てる!」
「そんなに寒いのですか?」
「そうなんだよ。下手すりゃ凍死してしまうくらいに。」
「まあ・・・それではもし行くなら気を付けないといけませんね。」
「そこでだ!一つアドバイスをしておこう。」
「なんでしょう?」
「もしもだ、七梨がアラスカに行く事になったら!
これはありえる。キリュウが“寒さに耐える試練だ”とか言ったりしてな。」
「は、はい。」
「そんな時は、絶対にシャオが付いて行く事!七梨が凍死しない為にな。」
「はいっ!・・・でも、どうしてでしょう?」
「それはな、寝てる時も起きてる時も、ずうっとぴったりとひっついておくんだ。
ほら、温めるのは人肌が一番だって言うだろう?」
「なるほどっ。もしアラスカに行く事になったら必ず実行致しますわ。
太助様が凍死しては大変ですもの!」
なんだか変な方向に話が進んだでしが・・・
『都の話をする者がする、実際に行った事が無いので話しが合わない』という事でし。
というか、アラスカは都じゃ無いでし。
「次はエジプトの話をしよう。エジプトは砂漠、そして暑い!」
「ふむふむ。」
「なるべく肌を外気に触れさせてはならない!火傷するくらい熱いからな。
そこで、顔をなるべくくっつけあって・・・。」
ちょっと翔子しゃん、いつまでやってるでしか。
「なるほど、わかりましたわ。エジプトに出かける時も、
しっかりと太助様に密着すればいいんですね!」
「でもな、行ってからじゃあ戸惑うかもしれない。それだと困るなあ。」
「そうですね・・・どうしたらいいでしょう?」
「そこでだ!今のうちに練習をしておくんだ。つまり、日頃から七梨とひっついて・・・。」
・・・離珠はし〜らないっ、でし。


「にべも無い」でし
「これはキリュウね、はい終わり。」
ちょっとちょっとルーアンしゃん!そんなに早くおわ・・・
ごんっ!!
くっ、陽天心なんて卑怯でし〜・・・。
「もう、いちいち面倒な事しなくていいのよ。てな訳で、
『愛想の無い事。無愛想』という事よ〜ん。あー、終わった終わった。」
・・・・・・。


「女房は貸すとも擂粉木は貸すな」でし
なんだかひどい言葉でしねえ・・・。ねえ那奈しゃん?
「まったくだ。なあ太助?」
「あ、ああ。」
女房を貸すなんて、モノ扱いじゃないでしか。
「太助、シャオを誰かにどうこうなんてことは絶対するなよ?」
「あ、ああ・・・ってちょっと待てよ。」
『使うと減るものは貸すな』という事でし。
ほんと、太助しゃま。しっかりしてくだしゃいよ?
「事と次第によっちゃああたしは絶対許さないからな。」
「だから!なんでそういう方向に話が進むわけ!?」


「女房は灰小屋から貰え」でし
『妻は自分よりも家柄の低いものの娘から選べ』という事でし。
「離珠、そういう言葉はあんまり解説しない方が・・・。」
大丈夫でし、意味だけで!ね、太助しゃま。
「俺に振られても困るんだけど・・・。」


「鶏を割くに焉ぞ牛刀を用いん」でし
この間、こんな事があったんでし。
太助しゃまが庭を散歩していると、石につまずいたんでしね。
「いたたたた・・・。」
「大丈夫ですか?太助様。」
「な、なんとか・・・。」
「危ないなあ、この石。太助、こんな石掘り返して何処かに捨ててこいよ。」
「捨ててこいって、那奈姉・・・。でもまあ、確かに危ないよな。よし、早速掘らなきゃ。」
というわけで、太助しゃまはスコップを持ってきて石を掘り出したんでしが・・・。
「でかいな・・・。」
「私の体くらいありますわ。」
「シャオ、いくらなんでもそれは大袈裟・・・でもないかな。
さてどうしたもんか。試練受けてる太助でもこれを捨てにいくのは無理だろうな。」
確かに那奈しゃんの言う通りでし。これは人が持てるようなもんじゃないでしね。
「そうだシャオ、星神に頼めないかな。」
「分かりましたわ。来々、軍南門!」
「「げっ!?」」
なんとシャオしゃまが軍南門しゃんを呼び出したんでし!
あっという間にそこに大きな影が・・・。
「軍南門、この石を取り除いて。」
「ほいさ!」
軍南門しゃんは軽く頷くとその石を片手で持ち上げたんでし。
という所までは良かったんでしが、それと同時に周りの土がめくれあがって・・・。
広範囲が掘り起こされてしまったんでし。
「シャオ、いくらなんでも軍南門は・・・。」
「せめて瓠瓜に吸いこんでもらうとか・・・。」
「あっ、それもそうですね。済みませんでした。」
『小さな事をさばくのに大人物を用いることはない』という事でし。
とりあえず石は取り除かれたんでしが、確かに軍南門しゃんは大袈裟だったでしね。
で、石があった場所は小さな畑になっているとか。
いわゆる家庭菜園でし。こういうのも良いかもしれないでしね。


「妊婦が林檎を食べると可愛い子が生まれる」でし
「しょ、翔子ちゃんの豆知識コーナー!」
むむっ。翔子しゃん、もうちょっと堂々としていて欲しいでし。
「別にいいだろ、ったく・・・。
えーと、リンゴってのは保健食品と言われているけど、リンゴにはビタミンCが含まれていて、
皮膚の色を白くしてきめを細かくする働きがあるんだってさ。
そんでもって粗繊維が多いので便通を整え便秘によるしみやそばかすの心配をなくす。
・・・えっと、以上!」
はーい、ご苦労しゃまでした〜。
『妊婦がリンゴをたくさん食べると、可愛い奇麗な子が生まれる』という事でし。
「ふう、余計な時間食った。さあて、さっさとシャオに伝えなくちゃ。」
なんて伝えるんでしか?
「決まってるだろ。七梨との子が出来た時にはリンゴをしっかり食べろ、ってさ。」
・・・こういうのがシャオしゃまから太助しゃまに伝わると、
太助しゃまがまた怒るんでしねえ・・・。


戻るでし。