≪な≫でし!


「無いが意見の総じまい」でし
『酒色にふけるものは、どんなに言い聞かせても聞かないけれど、金を使い果たして無一文になれば、
嫌でも遊べなくなるので、それが最後の意見と同じ効果を表して遊び心が止まる』という事でし。
「よくわかったぞ、つまりは山野辺だ。」
「おい野村、そりゃどういう意味だ?」
「つまりだ、シャオちゃんと俺の仲を邪魔しようとするのも、その気力があるからで、
その気さえ尽きさせれば山野辺の人にちょっかいを出す遊び心が止まるってわけだ!」
「なんだそりゃ・・・。」
呆れ顔の翔子しゃんでしが、離珠も同感でし。
たかししゃんの言うことはよくわかりましぇん。
「要するにだな、シャオちゃんに妙な事を吹き込むのをやめさせるためには・・・」
「なにっ!?たかし、山野辺の妙な嘘を止める方法があるのか!?」
「うわっ、七梨?」
いきなり現れたでし。
「おっ、飛びついてきたな太助。そうだ、山野辺の暴挙を止めるにはこれしかないと俺は悟った!」
「そうか、詳しく聞かせてくれたかし!」
「ああ、もちろんだ!」
「頼りにしてるぞ!」
・・・と、二人で笑いながら去っていってしまったでし。
一体何を話しゅつもりなんでしかねぇ?
「ほっとけほっとけ。まったく、あたしはお金の事を直にずばり言ってくるかと思ってたのに。」
けど翔子しゃん、しょれだとしょのまんまでしよ。
「そのまんまだったら酒を出さなきゃならないだろ。あたしは酒飲まないよ。」
しょれもしょうでしね。


「無いが極楽知らぬが仏」でし
昔々あるところに、しょれはしょれは質素な暮らしをしていた、ルーアンしゃんというひとがいたでし。
「はぁ〜あひもじいわぁ〜・・・今日も豆のスープ一杯だけだなんて。」
ぐぎゅるるる〜と、盛大に腹の虫を鳴らしながらルーアンしゃんは日々の生活に飢えていたでし。
「・・・お腹いっぱいの食事。それだけあれば何も要らない、何も要らないわ・・・。」
毎日毎日、ルーアンしゃんはしょれだけを望んで、祈っていたでし。
一方、しょれはしょれは贅沢な生活をしていた、キリュウしゃんというひとがいたでし。
「ふ、ほどよい甘さにほどよい辛さ。そしてなんと涼しく暖かい、これぞ贅沢の極み!
ああ、美味しい料理と優れた空調は天国を作り出すものだなぁ。」
しょんなことに毎日ひたっていたでし。
「だが・・・まだ足りぬな。うむ、何もせずともすべて用意してくれるという環境を作らねばな。
寝る場所も、優れた目覚ましが日替わりでせっとされるような、そんな楽なのがいいな。」
動機はあれでしが、なんとキリュウしゃんが怠惰な生活を望み始めたでし。
その後もどんどん度が増してゆくのは別の話でし。
お腹いっぱいの食事を望んでたルーアンしゃんとはえらい違いでしっ!
というわけで『貧しいことは不幸のようだが却って幸せ』という事でし。
贅沢を知らないから欲にからむことがなく、それなりに貧乏でも幸せなんでし。
「いや、劇中のあたしは全然幸せそうじゃないでしょ?」
「そうだな。私の方も高望みはしているが、不幸せではなさそうだ。」
・・・しょんな文句つけるなんて二人ともきらいでし。
離珠は不幸でしねー。
「だから、ちゃんとした解説やんなさいよ!」
「すっかり投げやりだな・・・。」


「無い子では泣かれぬ」でし
『子で苦労はしても子のあるほうがよい』という事でし。
「そのとおりよ、離珠ちゃん。」
ちゅわっ!?
「子は本当に大切な存在なのよね・・・。」
え、えっと、たしかあんたしゃんは・・・。
「驚かせてごめんね。ちょっと帰ってきただけなの。」
たしか、太助しゃまの・・・。
「ああ、あの扉の向こうに太助もシャオちゃんもいるだろうに、もどかしいわ。」
ふえ?
「残念だけど、もう行くわね。さあて、愛を振りまきに行かなくっちゃ!」
ちょ、ちょっと待つでし〜!


「無い子では泣かで有る子に泣く」でし
『子を持てば苦労することのたとえ』という事でし。
「苦労・・・。そうだな、随分と苦労した。」
ちゅわっ!?
「だがしかし、さゆりの愛あってこそ、だ。二人ともとてもいい子に育ってくれた。」
も、もしかして、あんたしゃんは・・・。
「子を持ってこそ初めて分かる苦労もある! 持たずして恐れてはいかんな!」
って、しょれだと主旨がずれてるような・・・。
「はっはっは、ではさらばだ!」
ま、待つでしよ〜!


「内證は火の車」でしq
「昔々のことなんですけどね。」
「うん。」
「以前仕えていたご主人様が、さる方におうちを攻められていて・・・。」
「うん。」
「その方の家は、見るととっても豪華で、とても大きなお城みたいだったんです。」
「ふーん。」
「けれどもそれは壁だけで、中はお城とはかけ離れていて・・・。」
「う、うん。」
「ご主人様は、苦笑しながら仰ったんです。“彼は、家の権威を守るために仕方なく攻め入っただけなんだ”って。」
「へ、へええ・・・。」
「寛大な心でご主人様はその方をお許しになって・・・というお話ですわ。」
「なるほどねぇ。」
『外見はさほどではなくても、内実は貧しくて非常に苦しい』という事でし。
シャオしゃまとしょの主しゃまと一緒に事情を聞いた時は、あまりの実情に、離珠は涙いっぱいだったでしよ。
ちなみにこの言葉、ないしょうはひのくるま、と読むでしよ。
「ところでさぁシャオちゃん。どうして僕にそういう話をしてくれたの?」
「それは、乎一郎さんがその主様にそっくりだったからですわ。」
「僕が?」
「はい。その眼鏡といい、レンズといい、縁といい・・・。」
「・・・眼鏡、だけ?」


「ないそではふれぬ」でし
これは誰もがしょっちゅう体験してる事と思うんでしね。
そんな中からそっと一つだけ取り出してみるでし・・・。
・・・それはある晴れた日の事でし。
この日は学校も休みで、シャオしゃまと太助しゃま、そして離珠でお散歩を楽しんでいたんでし。
「わあっ!太助様、ほらほら、とっても綺麗ですよお!」
いつのまにか町を抜けて、ちょっとした丘に三人とも来ていたんでし。
「シャオ、そんなにはしゃがなくても・・・。」
そう言いながらも、太助しゃまは笑いながら後を追ったでし。
ところがその時!!
太助しゃまが何かにつまずいたと思ったら、とんでもない方向に倒れてしまったんでし!
丁度そこは、きりたった崖。それでも太助しゃまは、落ちる寸前でなんとか端っこにしがみついたんでし。
「くっ・・・。」
「た、太助様!!」
慌てて駆け寄るシャオしゃま。懸命に引っ張り上げようとしたんでしが、とてもシャオしゃまの力じゃ無理だったでし。
「そうだ、星神・・・!!」
「どうした、シャオ?」
「支天輪・・・忘れて・・・来てしまいました・・・。」
涙ながらに訴えるシャオしゃま。それでも懸命に引っ張り上げようとするでし。
しかし太助しゃまは一瞬ふいっと笑って言ったでし。
「シャオ、いいからもう手を離すんだ。」
「でも!!」
「このままじゃあシャオまで落ちてしまう。そんなのは俺はいやだ。」
「でも、でも・・・!!」
その時、一瞬シャオしゃまの手が緩んでしまったんでしね。それを合図に太助しゃまの体はずずずずっと!!
「太助様!!」
どしん!
「あいたたた・・・。ふう、だから手を離せって言っただろ?」
「え?」
シャオしゃまと一緒によおく覗きこむと、約一・二メートルほど下に太助しゃまが。
なんと、そんなにすごい崖じゃあなかったんでしね。ともかく良かったでし。
けれどその帰り道、シャオしゃまはずうっと泣いていたでし。
「シャオ、もういいから泣くなって。」
「でも、ひっく、あの崖がもし、ぐすっ、本当にすごい崖だったら・・・。
私が、ぐすっ、支天輪を忘れてきたばっかりに・・・。」
「シャオ・・・。」
「ご主人様を御守りしたいのに守れないなんて・・・守護月天失格です・・・。」
いつまでもいつまでも泣き止まないシャオしゃま。太助しゃまは困った顔をしてたでし。
太助しゃまも、どうやって慰めていいやらわからないのかもしれないでしね。
『困っている人に何かをしてあげたいとは思っても、自分にお金や力が無くては何もできない』という事でし。
ところがしばらくして、太助しゃまがシャオしゃまを立ち止まらせてそっと抱きしめたんでし。
「・・・太助、様?」
「シャオ、主を不幸から守るのが守護月天なんだよな?」
「え、ええ・・・。」
そして、顔を向かい合わせてシャオしゃまを見つめる太助しゃま。
「だったらもう泣くんじゃない。シャオが悲しそうな顔をするだけで、俺は不幸だよ。」
「太助様・・・。」
「な、シャオには笑顔が一番だよ。笑って?」
「・・・はい!」
とまあ、そんな訳で(ほんとはいろいろあったんでしが、離珠じゃあ表現できないでし!)
シャオしゃまは太助しゃまに笑顔を見せて、二人仲良く帰ったんでしね。
・・・というところで御終いでし!


「泣いて育てて笑うてかかれ」でし
『子を育てるのに苦労しない親はないが、真心をもってよく育てれば必ずその子は立派に成人する。
すると、年老いたあとには楽しくその子の世話になることができる』という事でし。
「これって、老後はその子供に世話になるって事なんだよな。」
しょうでしよたかししゃん。よくわかってるでし。
「たかしくんの場合・・・やっぱりそうやって子供を育てるのかな?」
「どういう意味だ乎一郎。俺は自分の子供をあてにして将来なんて考えないぞ。」
しょうでしね。たかししゃんの場合・・・。
「あ、そうか。子供に自分の技術を教えるとかそういう感じ?」
「おおそうそう、そういうことだ。一子相伝、熱き魂を後世に伝える!」
たかししゃんらしいでしね。
「どう伝えるんだろ。」
「そりゃお前、がーっとだよ、がーっと。」
・・・離珠は全然わかんないでし。
「育てられる子供も大変だね・・・。」


「泣いて馬謖をきる」でし
三国時代の蜀の軍師孔明しゃんが信頼していた部下馬謖しゃんがいたんでし。
ところがある戦いで、命令通りに戦わずに負けてしまった馬謖しゃんに対し、
孔明しゃんは涙を流しながらきる命令をくだしたそうでし。
『規律を守るために自分の気持ちを抑えて罰をくだすこと。
方を正しく行うには自分の気持ちを犠牲にする』という事でし。
「ということは・・・シャオリン、あんたも星神に対して罰を行ったりすることがあるの?」
「きる、なんてことはとんでもないですが・・・怒るくらいは・・・。」
シャオしゃまってば怒ると怖いでしから。
「離珠!」
「そうねえー。たしかにシャオリンってば怒ると恐いわよねー。」
「ルーアンさん!」
「いいじゃないの。首きったりしないんなら怒るので十分だと思うわよ?」
そうでしそうでし。
「うーん・・・。怒るより他に何かするべきなのでしょうか?」
「無理にしなくても・・・そうねえ、過ちを犯した星神をあたしにしばらく貸しなさい。」
「ふえっ?それでどうするんですか?」
「あたしがこきつかってあげるから。つまりはあたしの元で働く、ってな寸法よ。」
そんなの絶対嫌でし!!
「そうですね・・・。良い考えかも・・・でも・・・。」
ちょっとシャオしゃま!何悩んでるでしか!!


「無い名は呼ばれず」でし
名の無いものは呼びようが無いということで、
『事実のないところには噂などは立たない』という事でし。
「というわけで!事実のないところに噂を立ててみようぜコーナー!」
たかししゃん主催でし。
「さて、噂を立てられるやつはもちろんお前だ太助。」
「はぁ!?なんで俺が!」
しょれは多分お約束ってやつでしね。
「まずは・・・シャオちゃんと毎日一緒にお風呂に入ってるんだぜー!って噂だ!」
「そ、そそそそ、そんなことしてねー!」
「そして・・・シャオちゃんと毎日一緒の布団で眠ってるんだぜー!って噂だ!」
「す、すすすす、するわけねーだろが!」
「うっせー!一つ屋根の下で暮らしてるくせに、立ってしかるべき噂だー!!」
たかししゃん、たしかに事実がないところの噂でしが、ただの言いがかりでしよ。
「まったくだ!」
「う、ううう、うるさーい!ちくしょー!!」
だだだだだっ
「あっ、おいどこいくんだよ、たかしー!」
・・・行ってしまったでしね。
「ったく、何なんだ一体・・・。」


「無いもの喰おうが人の癖」でし
『たくさんある物だとそれほどほしがらないものだが、
少ない物や無いものはほしがるのが人情である』という事でし。
「というわけで、シャオの支天輪を街の皆が狙ってるらしいぞ。」
「まあ翔子さん、それは本当なのですか!?」
「ああ、本当だ。気をつけろ、少しでも油断したら、あっという間に支天輪は奪われてしまう。」
「たしかに、支天輪はこの世に二つとない代物ですが・・・それにしても、どうしたらいいんでしょうう?」
「大丈夫。七梨のそばにいるんだ。片時もつかず離れず・・・絶対に七梨がシャオをまもってくれる。」
「でも、太助様にご迷惑じゃ・・・。」
「試練だよ、試練。そうでなくても、そこでシャオを護れない七梨じゃないって。シャオは頼っていいんだよ。」
「翔子さん・・・はいっ、わかりましたわ!」
・・・と、以上が経由のあらましでし。
納得できたでしか、太助しゃま。
「事情はよーくわかった離珠。どうせ山野辺が仕組んだとかじゃないかと思ってたんだけど・・・。」
「太助様ぁ。私は絶対に離れませんからね。」
「だからって風呂トイレ食事就寝にまで離れないなんてやめてくれー!」
「でも・・・。」
「っていうかもう寝不足で・・・俺、限界・・・。」
ぱた
「た、太助さまぁ!」
ちゃんちゃん、でし。
しかもこのたとえ話はことわざの意味から結構遠いのが難点でし。
がばっ!
「だったらそんな解説にするなー!」
「太助様、元気になられたんですね?ではお食事にしましょう。その前にお風呂がいいですか?」
「うう・・・もういいかげんにしてくれー!」
今度こそ、ちゃんちゃん、でし。


「無い物は金と化物」でし
『あるように見えても実際にないものは金だし、
あると言われているが実際にないものは化物』という事でし。
「・・・離珠、おれはこの言葉と意味を見てしみじみ思うことがあるんだ。」
どうしたんでしか太助しゃま。なんだかないーぶでし。
「どっちもさ・・・いろんな意味でさ・・・俺の周りに・・・」
ふんふん。
「・・・いや、なんでもない。なんでもないんだ、ちくしょー!」
だだだだっ!
ああっ、太助しゃま!
・・・行ってしまったでし。
もう、悩みしゅぎでし。“お約束”という事にしておけば万事おっけーでし!
「おめーのその解決法もどうかと思うけどな。」
なんでしか虎賁しゃん。居たんなら太助しゃまを止めてほしかったでし。
「いや、おいらにも坊主の気持ちはなんとなくわかるからさ・・・。」
ほへ?


「内憂外患」でし
「うちではルーアンやらに悩まされ・・・。
学校ではルーアンやらに悩まされ・・・。
俺って苦労が耐え無いよなあ・・・という事だ、離珠。」
ルーアンしゃんが原因なんでしか?
「う〜ん、代表って事でさ。」
わかったでし。
『国の中に起こる様々な心配事と外国との間に生まれるわずらわしい事件。
内にも外にも心配事がある』という事でし。
「ちょっとたー様!!なんであたしがそんなに引き合いに出されなきゃ成らないのよ!!」
「いや、そう言われても実際・・・。」
「いずピーなんかが適役じゃないの!!
学校では購買部で、それ以外で色々と!!」
「う、うーん。」
話がそれ出したでし。じゃあこの辺で終わ・・・
「ごみチビ!勝手に終わんないでよね!!!」
えうー、そう言われても・・・。


「無いよりまし」でし
おるすばん、おるすばん、でし。
皆しゃんの帰りを待っているうちにおなかが空いてきたでし。
薄皮饅頭・・・は無くて、いも羊羹・・・も無くて・・・。
えうー、小さなおかきしかないでしよ〜。
でも、何も無いよりはいいでしね。
『例え質の悪いものでも、全然無いよりはある方がましである』という事でし。
「その通りよ!」
びくっ!る、ルーアンしゃん。
「なにもないなんて冗談じゃないわ!」
そんな事より、出掛けたんじゃなかったんでしか?
「ではいっただきまーす!」
ああー!!食べちゃだめでしよー!!


「直き木に曲る枝」でし
『まっすぐな木にも曲った枝があるように、正しい人にもいくらかは欠点や弱点がある』という事でし。
「これは要するにだな、シャオ殿のような清楚で真面目な精霊にも、間違いがある、と。」
「あら、いやにシャオリンを褒めちぎってるじゃないの。買収された?」
「何を馬鹿な。私はただ思ったことを言ったまでだ。」
「ふーん。でも、間違いがある、とも言ってるのよね・・・たとえば?」
「ほら、主殿のことで悩むと、得意の料理すら手につかなくなる・・・とかだな。」
「ああ、たー様が弱点ってことね。」
「そうは言ってないが・・・。」
「言ってるも同じでしょ。つーか、あたし達精霊にとっては、主様は弱点たりえるのよ。」
「ふむ、そうか。」
「というところでおしまし。オチなしよ。」
むむむ、いい話を長く続けつなげてくれると思ったら、ルーアンしゃんケチでし。


「長生きは恥多し」でし
『長生きをしていると恥をさらす事が多いから早く死んだ方がよかったかもしれない』という事でし。
「これはシャオにとっては禁句、だろうな。」
シャオしゃまに限らないでしよ、太助しゃま。
「そう、だよなぁ・・・。でもさ、寿命のある人間にとって、こういうことを考えるものなんだな。」
太助しゃまはどうなんでしか?
「そんなの、聞くまでもないだろ。俺はさ、絶対に、早く死んだ方がよかったなんて思わないよ。」
しょれでこしょ太助しゃまでし。頑張って、1000年でも2000年でも生きてくだしゃいでし。
「いや、それは無理だから・・・。」


「長い舌は短い手のしるし」でし
『大言をはく者はいざとなるとなにもできない』という事でし。
「よし、離珠ちゃん。俺がぴったりの例を出してやろう!」
(しょんなことしなくても、多分たかししゃんしょのものがいい例になると思うでし。)
「何?」
・・・なんでもないでし。
「じゃあいくよ。俺は、ルーアン先生の陽天心を超える!」
ふえ?
「たとえばルーアン先生が絨毯やさおに陽天心をかけると、そいつらは飛べる!
それを超えるために、俺は宇宙にまで飛び出してやる!」
・・・・・・。
というわけで、学校の屋上でし。
「さあ、ここから宇宙へ・・・。」
・・・どうしたんでしか?
「・・・ふっ、やっぱりいざってなると宇宙になんて飛べないもんだな。」
当たり前だと思うでし。
「というわけで!以上だ離珠ちゃん、いいたとえだったろ?」
うー・・・。


「長居はおそれ」でし
これを解説する為にキリュウしゃんに協力をお願いしたんでし。
「まったく、なんで私が・・・。」
まあまあ、すっごくいい案じゃないでしか。
という訳で結果報告でし!
その1:ルーアンしゃんと花織しゃんでし!
「・・・ねえルーアン先生。」
「何よ小娘。」
「何であたし達こんな狭い部屋に閉じ込められたんですか?」
「知らないわよ。キリュウの奴、何考えてんのかしら・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「息が詰まりそう・・・。」
「こっちもよ。なんであんたなんかと一緒なんだか。たー様なら良かったのに。」
「な!こ、こっちだって、ルーアン先生が七梨先輩なら良かったのに!!」
「・・・まあ正論よね。」
「ですね・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
・・・なんだか予想外でし。
「離珠殿、この後私は二人から思いっきり仕返しをされたのだが。」
気にしちゃあだめでしよ。運が悪かったんでし。
「・・・・・・。」
それじゃあもう一つの結果報告でし!
その2:太助しゃまとたかししゃんでし!
「おい太助。」
「なんだよたかし。」
「どうして俺までキリュウちゃんの試練に付き合わなきゃならないんだ。」
「俺が知るかよ。だいたいな、お前が用も無いのに家に来るから巻き込まれるんだよ。」
「なにー!?俺はシャオちゃんに会うという重大な用があったぞ!!」
「はいはい・・・。でもなあ、毎度毎度うちで長居するのは止めてくれよな。」
「分かったよ。・・・なあ太助。」
「なんだ?」
「もしかしてキリュウちゃんはそれを教えようと俺達を?」
「・・・考え過ぎじゃ無いのか?でも・・・ありうるかも。」
「だろ!?さすがキリュウちゃん。友情を大切にしろって事なんだな・・・。」
・・・なんなんでしか、これは。さっぱりじゃないでしか!!
「この後二人からえらくもてなしを受けた。こういうのは喜ばしい事だ。」
な、なにをのんきなこと言ってるでしか!!ことわざの解説が〜・・・。
『仲の良くない人と長く一ヶ所にいると争いが起こるし、仲良しでも気まずくなる場合がある』という事でし。
・・・くうう、これというのもキリュウしゃんの所為でし!!
「なんで私の所為になるんだ。大体離珠殿が強引な方法を!!」
強引とはなんでしか!!ばっちりじゃないでしか!!!
・・・とまあ、ちょっとした喧嘩をしてしまったでし。(もちろん後で仲直りしたでしよ)
まさかこんな結果になるとは・・・がっくりでし。


「長芋で足を突く」でし
『油断して思わぬ失敗をする』という事でし。
また、大げさな事のたとえ、でし。
「これは一体どういう状況なんだろうな、太助。」
「俺に聞かれても・・・って、余計な事考えて無いだろうな、たかし。」
「だってさ、長芋だぜ?これはやるっきゃないだろ、なあ乎一郎!」
「僕に言われても・・・っていうか何をやるつもりなの?」
「ふっふっふ、俺は既に手に入れてきた、コレが長芋だ!」
じゃじゃーん、とたかししゃんが高らかに取り出したのはたしかに長芋だったでし。
「これを使えと、俺に太助の足をつけと天が告げる!」
「げ、ま、まさか・・・。」
「でいっ、でいっ、でいっ!」
「い、いてっ、いてっ、いてっ!」
「どうだ、油断したな太助、まさか俺に長芋で足を突かれるとは思ってなかっただろう!」
「思うかそんなもんー!」
・・・よくやるでしね、たかししゃんも。
「離珠ちゃんさぁ、これでいいの?」
よくないに決ってるでし。でもまぁ・・・よしとしてやるでし。
「微妙に偉そうだね、なんか・・・。」
「でいっ、でいっ、でいっ!」
「い、いてっ!つーか乎一郎、たかしを止めてくれー!」


「長い物には巻かれよ」でし
『力の強大なものに対しては手向かいようがなく、手向かえばやられてしまうから、
勝てぬ相手には手向かわないで、相手の言うままになっている方がよい』という事でし。
「えらくなげーな。」
しょがないんでしよ虎賁しゃん。離珠は長いものに巻かれ中なんでし。
「誰だよそれって。」
ほら、しゅぐしょばに居るじゃないでしか。
「そばぁ?っていうかなんで正座なんか・・・」
「離珠、反省しましたか?」
「おわあっ!げ、月天さま!?」
シャオしゃまぁ、ちゃんと離珠は反省したでしよぉ。
もう二度と、墨汁とお醤油を勝手に交換しないでしぃ。
「そう。わかったのならいいんですよ。」
ふぅ、ひどいめにあったでし。
「・・・・・・。」
「あら、どうしたの虎賁。」
呆けてるでしね。やっぱりシャオしゃまには逆らっちゃだめでしってことでしよね。
「いや、使い方間違ってるだろ。それ以前に・・・月天さま。」
「うん?」
「離珠を甘やかしすぎですって。」
「え?」
ほへ?


「長追は無益」でし
『敵が逃げた時は、長追いをするとかえって不利になるものだから、
ある程度で敵を追うのをやめるのがよい』という事でし。
でも、天陰しゃんはどこまでも敵を追って追って追い詰めてるでしよね。
ふるふる
ほへ?時と場合による?しょもしょも、シャオしゃまは追って大丈夫な時にしか追わせない?
こくこく
ふむ・・・ということは、シャオしゃまは優れた軍師ってことでしね!
こ・・・く、こく?
何故躊躇するでしか。こういう時は素直に頷いておくんでしよ。
ふるふる
ほへ?シャオしゃまはしょもしょも軍師じゃないって?
こくこく
むむう・・・分かったでし。逃げの天陰しゃんを追い詰めても不利になるでしからね。
ぶるぶる
え、逃げてない?ついでに、しょんな侮辱しゅる離珠を追いかける・・・でしか?
こくこく
しえーっでしーっ!


「長口上はあくびの種(ながこうじょうはあくびのたね)」でし
秘密:これは世紀末企画でし!・・・って、なんてバレバレなんでしか!!

では虎賁しゃん、お願いするでし。
「おーし、わかった。
そもそも、離珠がどうしてことわざ解説をしているかと言うと・・・」
とかいう長い挨拶は止めたほうがいいって事でしね。
『だらだらと長い挨拶は退屈なので、なるべく短く簡単に話したほうがいい』という事でし。
「ちょっと待て。おいらはまだほとんどなんにも喋っちゃいないぞ?」
長いと迷惑だしわかりにくくなるからこれでいいんでし!
「そんな解説だから強引だとかいうのがたくさん・・・」
だから虎賁しゃん、もういいでしってば!
「言っておくがこれは挨拶じゃ無いぞ!」


「長崎ばってん江戸べらぼう神戸兵庫のなんぞいやついでに丹波のいも訛」でし
『各地方の方言の特徴をいったもの』という事でし。
「これは解説するまでもありませんね。そのままですから。」
しょうでしね、出雲しゃん。
「でも折角ですから・・・“離珠でし”というのを付け加えてみますか。」
ほへ?
「ほら、離珠さんは語尾に“でし”を付けますし。」
・・・言いたいことは分かるでしが、離珠は地方じゃないでしよ?


「仲立ちより逆立ち」でし
「これは要するに、シャオ殿とルーアン殿の事か。」
しゃしゅがキリュウしゃんでしね。
『仲立ちの難しいことのたとえ』という事でし。
本当は、ルーアンしゃんだけが仲悪くしてるだけなんでしがね。
「ただ、別段私にとってはそう仲が悪いとは思わないがな。」
だったらどうしてたとえに出したんでしか。
「そういう話を聞いたものだからな。」
誰からでしか。
「禁則事項だ。」
・・・誰でしかね、キリュウしゃんによくわからないものを吹き込んだのは。
「企業秘密だ。」
翔子しゃんか那奈しゃんか・・・。
「離珠殿、聞いているか?企業事項だぞ。」
間違えてるでしよ。


「泣かぬ子を泣かす」でし
『おとなしくしている子をわざわざ泣かすことで、いらないことをする』という事でし。
離珠とキリュウしゃんの、おとなしくしている子をわざわざ泣かしてみようコーナー!
「うむ!というわけで主殿、縁側で幸せそうに日向ぼっこしているシャオ殿を泣かせてくるがよい。」
「いや、その主旨おかしいって。なんでシャオを泣かす必要があるわけ!?」
太助しゃま、離珠は哀しいでし。もっと素直になってくだしゃい。
「幸せそうに見えて、実は哀しいのかもしれないではないか。そこを主殿によって心の内を、涙を明かすんだ。」
「それはそれでことわざと意味が違ってきてないか?」
ええい、つべこべ言わずに行くでしよ!
・・・シャオしゃまー、今太助しゃまがシャオしゃまを泣かしぇにゆくでしからねー。
「・・・離珠殿、何をしている。」
いや、一応シャオしゃまに予告を。
「そんな事をしたらシャオ殿が素直に、泣いたら主殿が喜ぶーなどと、
翔子殿のような発想であっさり泣いてしまうではないか!」
「何気に棘のある物言いするな、キリュウ。」
仕方ないんでしよ。しょれにもう手遅れでし。何故なら・・・。
「何故なら?」
とっくに気付いて今後で泣いているでし!
「なんだとっ!?」
「ぐすっ、キリュウさん、これでいいんですか?」
「あ、ああ・・・いや、う、ううーん・・・。」
キリュウしゃん悩んじゃったでし。
「太助様ぁ、これでいいんですよね?太助様、喜んでくださいますよね?」
「うわ、本当に山野辺的発想を・・・ってぇ!シャオ、泣かなくていいんだよ?」
「でも、折角玉ねぎを用意したのに・・・。」
「用意周到だな・・・って、俺まで泣けてきた・・・。」
「太助様、もしかして喜んでないですか?」
「いや、あのそうじゃなくて・・・ってそれより、その手に持ってる玉ねぎを早く処分してくれー!」


「鳴かぬ蛍が身を焦がす」でし
え―と、これは那奈しゃんに解説してもらう事にするでし。
「・・・随分いきなりだなあ。あたしに何をしろってんだ?」
もう、分かっているくせに。ことわざの解説でしよ。
「しょうがないな・・・。これは太助、そんでもってシャオの事だ、以上!」
ちょっとちょっと、それじゃあ簡単過ぎるでし。
「たくう、面倒くさいな・・・。つまりだ、二人とも・・・いや、まずはシャオ。
シャオは胸のもやもやが何なのかを知らない。つまり恋心を知らない。
という事で自分の気持ちを出せずに、それでいて想いを募らせている。
そんでもって太助。こいつはこいつで優柔不断っていうか、なんていうか・・・。
とにかくなかなか想いを口に出せないでいるんだな。言うべき言葉はわかっているくせに。
とまあそういう事だから、二人の気持ちが正確に伝わらないまま。
だからこそ二人の恋心が募っていってるんだろうな。」
どうもありがとしゃんでした。
『口には出さない者の方が恋の思いは切実である』という事でし。
なんともはや、こればっかりは切実な問題でしねえ・・・。


「中のよいで喧嘩する」でし
「よーし、たまにはこのあたしらが解説してやろう。離珠、感激するようにな。」
か、感激でしか?
「那奈ねぇ、本当にやんのか?」
「翔子、ここであたしらが一肌脱がなくて誰がやるんだ。いくぞ、始まりだ!」
「え、えーと・・・た、太助様ぁ、今夜は鮭のバター焼きですぅ。」
「おっ、そうか。シャオの料理は美味しすぎていつも舌がとろけちゃうほどだしな。どれどれ・・・。」
「お口に合うといいんですけど。」
「・・・むっ、シャオ、これバターじゃなくてマーガリンじゃないか?」
「あっ、そうなんですよ。丁度切れてて代用しちゃいました。」
「ダメじゃないか!バター焼きと言いながらマーガリンを使うなんて!」
「ご、ごめんなさい。でもでも、今日はお買い物に行く時間がなくて・・・。」
「そうか・・・でもな、嘘はいけないぞシャオ、嘘は。」
「太助様は細かいです。そんなに味は違わないと思います!」
「いいや、違う、違うね!牛乳と加工乳くらい違う!」
「太助様なんてもう知りません!・・・以上?」
「よし、ばっちりだ翔子。さあ離珠、これでいいだろ。」
・・・・・・。
『なかのよい同士は、睦まじすぎて、時々小さな喧嘩をする』という事でし。
「しっかしくだらない理由だなあ。ほんと細かいやつだよ太助。」
「っていうかこれ那奈ねぇのシナリオだろ?七梨がどうこうじゃないんじゃ・・・。」
しかも、こんな喧嘩をシャオしゃまと太助しゃまはしゅるんでしかねぇ?


「長飯長糞これも一得」でし
『あまり感心しない特徴でも、時には役に立つこともある』という事でし。
「・・・その、ことわざに含まれてるそれがどういう役に立つんだ?」
是非考えてみてくだしゃい、太助しゃま。
「うーん・・・前者は、シャオの手料理をゆっくり味わえるってことで・・・。」
シャオしゃま絡みでしか。
「後者は、居留守が使えるとか・・・。」
なんだか、非常にしょーもない考えのような気がしゅるでし。
「しょーがないだろ。大体、もうちょっとましな言葉が・・・。」
と、太助しゃまがぶつくしゃ文句を言ってるところでおしまいでしー。


「長持枕にならず」でし
「長持?長持ちするってことか?」
違うでしよ虎賁しゃん。衣服なんかを入れておく直方体の箱でし。
「そうか、それを枕にしようってことか。」
しょのとおりでし。しゃあ、是非やってみるでし!
「む、むむっ・・・おいらには大きすぎるなあ。」
離珠にも大きいでしね。というわけで!
『大は小を兼ねるというが、そうもいかない』という事でし。
「・・・おいら達が解説すんのでよかったのか?」
ばっちりでしよ。
「ぼうずとかに実践してもらう方が説得力ねーか?」
どうしてでしか?
「おいら達だと、普通の枕も大きすぎるだろうが。」
しょれは残念だったでしね。
「いや、あのな・・・。」


「流るる水はくさらず」でし
『いつも活動している者は、進歩しなかったり駄目になったりしない』という事でし。
つまり・・・
「そうだわ!!これを利用して、陽天心を食べ物にかければ長持ちするんじゃないかしら!!」
あ、あのう、シャオしゃま?
「早速ルーアンさんに頼んでみましょ。」
しゃ、シャオしゃま〜。
ぱたぱたぱたぱた・・・
行ってしまったでし。もう、陽天心で長持ちするなら苦労しないでしよ。
とと、途中に成ってたでしね。
いつもシャオしゃまみたいにお料理したり考え事をしたり・・・
まあ今回みたいに色んな案を出してるような人は、
いつもルーアンしゃんみたいにだらけたり料理だけ食べたり・・・
まあ食べ過ぎで寝こんだりしてるような人には成らないって事でし。
「なんつー強引な例え出してんだ・・・。」
はっ!?太助しゃま、いつの間に!!
「それより離珠、シャオを止めてくれよ。
家にある食材全部に陽天心をかけてもらうって聞かないんだ。」
ほ、本当にやろうとしてるなんて・・・。駄目でしよシャオしゃま〜!
「ルーアンさん、是非!」
「あんたねえ、駄目に決まってんでしょ!!」
「そこをなんとか。」
「あーん、誰か助けてー!!」


「流れ川に大魚なし」でし
「野村君、大人物・・・っていったら誰と思う?」
「ルーアン先生、そりゃあこのオ・・・」
「たー様に決ってるじゃないの〜ん!以上よ。」
「はあ、そう言うと思った。」
『大人物が働くにはそれ相当の大きな舞台が必要』という事でし。
で、しょの大人物である太助しゃまがが動くための舞台ってのはどんなでしか?
「そうそう、そこは気になるとこだなぁ。」
「舞台は既に整ってるわ。新たな時代を切り開くために、あたしの陽天心が障害となる敵を討つのよ!」
「敵ってなんですか・・・。」
なんだか、大破壊の予感でし。


「流れ川を棒で打つ」でし
こういう作業が大得意のたかししゃんにお願いでし。
「なんか引っかかる言い方だな・・・。まぁやってやるか。」
れっつぷれいでし。
「よーし、うりゃ!うりゃ!うりゃ!」
ばしゃ!ばしゃ!ばしゃ!
「うりゃ!うりゃ!うりゃ!」
ばしゃ!ばしゃ!ばしゃ!
「ふう、こんなもんか。」
川に波紋ができていたんでしが、
たかししゃんが叩くのをやめると、しゅぐに元の川の流れに戻ったでし。
もう、波紋なんて消えてしまって何もないでしね。
『いくらやっても後に何も残らない』という事でし。
これぞ、最もたかししゃんに似合う言葉でし。
「どういう意味だよ、それ・・・。」


「流に棹」でし
流れを下る舟にさおさすことで、勢いのついたところへ更に助力がふえることで、
『物事が調子よく進むことのたとえ』という事でし。
「こういうものを表すのに、わかりやすい例はやっぱりそのままをやることなんだけど・・・。」
しょうでしね、翔子しゃん。
「川で舟なんて漕いでたらなんか言われそうだしなぁ。また七梨さんとこが・・・って。」
翔子しゃんが何かしゅるのにどうして太助しゃまが言われるんでしか?
「言うまでも無いだろ。さあてと、ここは大げさにならないよう、流しそうめんの竹に離珠を・・・。」
離珠を?
「でも狭くて離珠がつまっちまうかなぁ・・・まぁ大丈夫だろ。」
い、いやでしっ!


「泣きっ面にはち」でし
今日は出雲しゃんのお家に、軒轅しゃんとおまんじゅうをごちそうになりにいったでし。
たくさん食べて、残った分はお土産としてもらったでし。
でもその帰り道・・・。
(帰ってゆっくり食べるでし・・・軒轅しゃん、前!)
離珠はあわてて叫んだんでしが、軒轅しゃんは走ってきた自転車にぶつかってしまったでし。
そして軒轅しゃんの背中にあったおまんじゅうは、川に投げ出されてしまったでし。
しかも離珠も軒轅しゃんも怪我をしてしまったでし。
「もう。これからは気をつけなきゃ、だめですよ。」
さらにシャオしゃまに少し怒られてしまったでし。
怪我はするし、おまんじゅうはなくすし、シャオしゃまに怒られるし・・・。
『悪い事が起こったうえに、さらに悪い事が起こる』という事でし。
やっぱり、おまんじゅうで浮かれていたのが、今日の失敗でしねえ・・・。


「泣き節にも流行がある」でし
『どんなものにもはやりやすたりがある』という事でし。
泣節っていうのは、佐渡の馬方が相川から小木の港へ通う道中夜通し馬を追いつつ歌った歌でし。
泣節のような歌にも流行があったんでしねぇ。
「・・・そんな事、よく知ってるな?」
ふふん、虎賁しゃん。離珠を甘く見てもらったら困るでしね。
今離珠にとって、日本のあちこちを調べまくるのが流行なんでし!
「ってことはすぐに廃れるんだろうな・・・。」
しゅぐってなんでしか!しゅぐって!


「泣く子と地頭には勝たれぬ」でし
『権力ある者には無理を言われても従うより仕方ない』という事でし。
これは誰をたとえにしゅればいいでしかねぇ・・・。
「こんなの簡単じゃない。」
あっ、ルーアンしゃん。
「シャオリンよ、シャオリン。まさしくそうでしょ。」
ふえ?
「とりあえず、あんたら星神の親分なわけだし。」
シャオしゃまは親分じゃなくて守護月天でしが・・・。
「あと、たー様絡みでよく泣くしね。」
しょの原因によくなってるルーアンしゃんがしょれを言うでしか。
「まぁ要するに、たとえばあれよ。
“離珠〜、薄皮まんじゅうが100個ほしいのぉ〜、くすんくすん。出雲さんからもらってきてぇ”
そんなとこじゃないかしら。」
・・・いくらなんでも、シャオしゃまはしょんなこと絶対しないと思うでし。
「ふーむ、それもそうね。あーもう、モノマネし損じゃないの。ったく・・・。」
ルーアンしゃんが勝手に言い出したくしぇに・・・。


「泣く子に乳」でし
「あたしが非常にいい実例を見せてやろう。」
ほんとでしか?那奈しゃん。
「ああ。さて、ここに太助が居る!!」
「なんだよ、いきなりひっぱってきて・・・。」
ほんとでし。いつのまに連れてきたんでしか?
「実は太助、かくかくしかじかでこういうわけなんだ。
というわけで、シャオの前で泣くんだ! そうすれば・・・」
「ふ、ふざけんなー!!お、お、おれは赤ん坊じゃないぞー!!」
なるほどお、そういう事でしか。って何がいいんでしか・・・。
「よし!さあ離珠、太助の顔、赤くなっただろ?」
あっ、そっちが本当だったんでしね。
『効果がたちどころにあらわれる事のたとえ』という事でし。
「な、何を偉そうに、い、言ってんだよ。あ、あか、赤くなるに決まってるだろ!!」
「ほんっとわっかりやすいやつ。」
というか、本当にこの解説でいいんでしか・・・?


「泣く子は育つ」でし
『大きな声で泣く子は丈夫』という事でし。
「これは実際に試してみるとしようか。」
那奈しゃん、試しゅってどうしゅるんでしか?
「この界隈で、最も大声で泣く奴は誰だ?」
・・・いきなりしょんな事聞かれても離珠にはわかんないでし。
「ふーむ・・・太助・・・じゃあないよな。シャオ・・・はすすり泣きが多いだろうし。」
あ、あの、那奈しゃん?
「そうだ、ピョンピョンちゃんはどうだろう。けど、問題はどうやって泣かせるかだなぁ。」
素朴な疑問として、皆しゃんの年齢で大声泣きしゅるかどうかが気になるでしね。
「いいんだよ。泣けって言えば泣くもんだ。案外暴力には屈するものさ。」
い、一体何をしようとしてるでしかああ!


「泣く子も地頭には勝たれぬ」でし
『上司の言うことには無理でも従わねばならない』という事でし。
離珠にとっての上司は多分シャオしゃまでしっ!
というわけでシャオしゃま、なんでも言いつけてくだしゃいでし。
「うーん、でも今離珠に手伝ってもらう事は何もないけど・・・。」
およよよ・・・離珠じゃあ頼りにならないっていうんでしね?
「別にそういうわけじゃないんだけど。」
わかってるでし、わかってるでし、けれども離珠は、手伝いたいんでしっ。
どんな無理難題でも、なんでもござれでしっ!
「じゃあ・・・りんごの皮を剥いてくれる?」
はいでしっ!普通の包丁は扱えないでしが、離珠にはこの手刀があるでしっ!
「や、やっぱり、お皿を並べててもらえないかな。」
シャオしゃま?一度頼んだことを取り下げるなんて、やっぱり離珠を信用してないでしっ!
「・・・離珠。」
はいでし。
「上司の言うことは従うんでしょ?」
はうっ!・・・わ、わかりましたでし。
「よろしい。・・・でも、私は上司じゃないんですからね。今回限りですよ。」
は、はいでし。


「泣く子も目を見る」でし
『相手の様子を見よ』という事でし。
離珠とキリュウしゃんの!泣いてる相手をじっくり見てみようコーナー!
「うむ。というわけで主殿、いきなりだが実践あるのみだ。」
「ほんとにいきなりだな・・・。で、誰が泣くんだ?まさかシャオじゃないだろうな・・・。」
違うでしよっ。恐れ多くてシャオしゃまにしょんなことしゃしぇられないでし。
「そのとおりだ。もしその様な狼藉を働けば、
今後私の夕飯は紅しょうが丼にさせられてしまうに違いない・・・くわばらくわばら。」
「なんじゃそりゃ・・・。で、えーと、誰が泣く役なんだ?」
しょれはでしねぇ、このひとでしっ。
「ぐすっ・・・およよよよ、たー様ぁ〜。」
「る、るるる、ルーアン!?」
「そうだ。頼んだらあっさり引き受けてくれてな。猫の手も借りたいとはこのことだ。」
キリュウしゃん、しょれは使い方間違えてるでしよ。
ともかく太助しゃま、ルーアンしゃんを・・・って、ああっ、しょんなに近づいたら見えないじゃないでしか!
「およよよよ、だってぇ、泣いてるあたしをたー様が深く慰めてくれるってことでしょ〜?」
「だあああ、引っ付くなあ!この、離れ、離れろって!キリュウ、なんとかしてくれー!!」
「ふーむ。ルーアン殿、試練の難易度を上げる必要はないのだぞ?今主殿は、大山鳴動してねずみ一匹なのだから。」
だあああ、キリュウしゃんまた使い方間違えてるでしってば!
「うふふふ〜、役得よーん。およよよよ〜。」
「って、笑ってるぞルーアン!」
「およよよよ〜、あたし泣いてるもーん。」
「目が笑ってるっての!」
「ふーむ、人選を誤ったかもな。下手な鉄砲数打てば当たるものなのだが・・・。」
キリュウしゃんもいいかげんにしゅるでしっ!


「なくて七くせ」でし
「離珠の、でしとかしゃしゅしょ言葉とか。」
虎賁しゃんのおいら言葉とか。
「月天様の、ものを考える時に人差し指を唇に当てて上を見るとことか。」
キリュウしゃんの殿付けとか。
「ルーアンの腕組とか。」
太助しゃまが驚いた時に目を丸くするところとか。
『どんなに無いように見える人でも、多かれ少なかれくせはある』という事でし。
「おい二人とも、なんかくせじゃ無いものまで出してないか?」
「ぼうずの姉さん。」
そんなことはないでしよ。
ちなみにこの後に、“あって四十八くせ”と続けて言う事もあるんでし。
「二人の強引かつアバウトな所とか。」
「いやいや。」
那奈しゃんには負けるでし。
「・・・・・・。それにしてもとっくにくせの話じゃなくなってるような・・・。」


「泣く時は泣いて渡れ」でし
ここは一つ、泣ける場面というものを作ってみるがいいでしね。
太助しゃま、早速用意お願いするでし。
「うおーん!俺は猛烈に感動して涙いっぱいだー!!」
・・・何やってるんでしか?たかししゃん。
「太助に後を任されたのさ。“たかし、親友として頼む、お前にしかできないんだ!”ってな。」
むむ、逃げられたでし。
ま、まぁたかししゃんに頼むのも悪くはないでしね、早速・・・って、もう出来上がってるでしね。
「ん?」
ほら、感動で涙いっぱいとか言ってたじゃないでしか。
「ああ、そっか。・・・で、これから何をすればいいんだ?」
えっ、あっ、えーっと・・・と、とにかく!
『周囲の事情に従って行くのがよい』という事でし。
「つまり・・・俺は泣いたまま登下校すればいいってことか?」
しょ、しょうでし、しょういうことなんでし!
「って、いくらなんでも違うだろ。さあ、どうすればいいんだ?」
う、しょ、しょれは・・・。
「それは?」
・・・うえーん、離珠何も考えてなかったでしー!うわーん!
「だああっ、なんで離珠ちゃんまで泣くんだよっ!」


「鳴く猫は鼠をとらぬ」でし
「これは絶対ルーアン先生よ。だって、口先ばっかりで全然七梨先輩をゲットできてないもの。」
いきなりでしねえ、花織しゃん。とまあそういう事でし。
『言葉の多い者は実行しない』という事でし。
・・・なんだか違う様な気もするでしが。
「何言ってるの。いつもいつも“たー様はあたしのものよ”なんて言ってるくせに、
全然そんな事ないルーアン先生。これこそまさにぴったりよ!」
まあそういう事にしておくでし。
とは言うものの、花織しゃんも十分あてはまっているような・・・。
「どうしたの?離珠ちゃん。」
な、なんでもないでし・・・。


「鳴く蟲は捕らる」でし
『なまじ何かできるために失敗することのたとえ』という事でし。
「うーんと、これは要するにあれでしょ。」
あれって何でしか?花織しゃん。
「あれって言ったらあれなのよ!あれ!」
あれじゃあわからないでし。
「だからぁ、あれなのよ、あれ!もう、わっかんないかなぁ・・・。」
・・・とまぁ、何か知ってるって見せかけたばっかりに、
とりとめもなくなってしまうってのはどうも例えとするには弱いでしが、これを使うことにしゅるでし。
「あ、思い出した!」
思い出した、って・・・“あれ”とか散々言ってなかったでしか?
「よく野村先輩が“俺ならこんな塀、ひとっとびだぜ!”とかってやって・・・
あれ?これってなんか違うような・・・。」
はいはい、もうおしまいでしっ!


「泣くより歌」でし
『同じ一生なら明るく暮らした方がよい』という事でし。
「つまりは、泣いてばっかの守護月天シャオリンより、
笑顔が麗しい慶幸日天ルーアンってことよね〜♪」
どこがどうなったらしょういう発想になるんでしかっ。
「あーら、事実じゃないのぉ。
公式版小説でもコミック版ドラマCDでも、シャオリンはしょっちゅう泣いてるわぁ。」
またしょんな楽屋ネタを・・・。
「けどねぇ、TVアニメ版はよくキレて物壊しまくってるのよねぇ。おお恐い恐い。」
もういいかげんにしゅるでしっ!


「無け無しの無駄遣い」でし
「うおーっ!あびるぜー!買うぜーっ!」
と、下流社会に生きるたかししゃんが、商店街でべらぼうな買い物をしているでし。
消しゴム、肉まん、輪ゴム、缶ジュース、茶封筒、乾電池・・・。
・・・なんだか、いきまいてる割には目的がしゃっぱりわからない無駄買いでし。
しょれに対して、上流社会に生きる翔子しゃんが、しゃなりしゃなりと一発でかい買い物を・・・。
「お客様、こちらの指輪などいかがでしょうか。」
「しないのにいらねーっての。それよりさ、こっちのヘアピン在庫処分だよね? 格安なのどれかなぁ。」
おっと、意外にも庶民派でし!
というわけで『お金をたくさん持っている者はむやみに使わないものだが、
お金のないものは十分にありもしないのにかえって無駄遣いをする』という事でし。
「・・・ごめん離珠ちゃん。たとえがさっぱりわかんない。」
「俺も乎一郎に同じだ。」
なんでしと!?もう、乎一郎しゃんも太助しゃまもちゃんと理解してほしいでし。
「理解以前に、たとえを実行するために無理矢理買い物させてない?」
「たかし大丈夫かな・・・って、四個入り乾電池をバラで買おうとしてるし。」
「ああっ、山野辺さん無料に値切ろうとしてるよ?」
「値切るっていうか泥棒に近いんじゃ・・・。」
・・・はらはら見守りつつ、これにて終了としちゃうでしっ!


「仲人口は半分に聞け」でし
『仲人は相手のよいことばかりを話してまとめようとするから、仲人の話には掛け値が多い。
だから、半分くらいに割引して聞いて、丁度良いものだ』という事でし。
しょうなんでしか?出雲しゃん。
「そうですね、言いえて妙かもしれません。しかし、何故私に?」
出雲しゃんは縁結びの神様を祭る神社の神主しゃんでし。
ということはしゅなわち、仲人と近いものがあるはずでし。
「なるほど、言いえて妙かもしれません。」
・・・しゃっきからしょればっかでし。」
「なるほど、言いえて妙かもしれません。」
出雲しゃんっ。
「立場上、あまり不用意な発言をするわけにはいかなくて・・・。」
しょうなんでしか?


「仲人七嘘」でし
『仲人の話には嘘が多いから、あまりあてにならない』という事でし。
「翔子が太助とシャオの結婚式で仲人やったらまさにこれだよなあ。」
「那奈ねぇ、そういうシャレに成らない事は言って欲しくないんだけど・・・。」
「どのみち翔子が仲人やるなんてことはないよ。」
「・・・まあ、な。あたしはやりたくない。」
むむう、なかなかばっちりなたとえでし。
勿体無いので是非実行してほしいでしね。そう、太助しゃまとシャオしゃまの子供が結婚する時に!
「なるほど!離珠冴えてるなあ。」
「あたしはやらないって言ってるだろ!!」


「仲人は宵の中」でし
『仲人は結婚式がすんでしまったらいつまでもいない方がよい。
結びの神も、式がすんでしまえば邪魔になるものだ』という事でし。
「なるほど、じゃあとっとと帰ってくれ宮内。」
「ちょ、ちょっと那奈さん!?私は今来たばっかりですよ!」
「そんなことないだろ。ほら、手土産のイチゴ大福をあたしはしっかり受け取った。」
「・・・で?」
「だから早く帰れ。」
「ちょっと!それじゃあ私がただ苺大福を届けにきた便利お手軽お兄さんじゃあありませんか!」
「自覚してるんなら早く帰れ。」
「違いますっ!」
な、那奈しゃ〜ん。いくらなんでもしょれでは出雲しゃんが・・・。
「見ろ、離珠が苺大福を早く食べたがっているぞ。お前が帰らないと開けられないじゃないか。」
「なっ、だ、だからなんでそうなるんですか!」
「縁結びの神主も、苺大福を届けてしまえば邪魔になるものだって事だよ。」
「説明になってませんっ!」


「仲人は草鞋千足」でし
『仲人のほねおりは大変なものだ』という事でし。
「見ろ七梨。あたしの苦労を察するべきだろ?」
「いきなりなんだよ山野辺。」
「言わないとわかんないかなぁ・・・。
シャオと七梨の!仲人に近いことやってるあたしをもちっといたわれっての!」
「仲人に近いって・・・ただ余計なおせっかいしてるだけじゃないか。」
「かあぁ、これだから七梨は・・・。
だいたいそう思うくらいだったら、さっさとシャオとしっかりくっつけっての。」
「よ、よよよよ、余計なお世話だっての!」
「はああ、やっぱりあたしの苦労は大変なものに間違いないみたいなものだな。」
「って、なに自分ばっか被害者面してんだよ!」
・・・どうもでしー、この辺でおしまいにしゅるでしー。
「勝手に終わるなよ離珠。まだあたしの愚痴は終わってないからな。まったく七梨は相変わらず・・・」
「ってえ!俺ばっか悪いように言うなよ!」


「情が仇」でし
『良いようにと思ってしたことが、かえって悪い結果になる』という事でし。 「ルーアンかな・・・。」
離珠も太助しゃまに同意見でし。ルーアンしゃんにとっては良いと思ってることかもしれないでしが、
太助しゃまにとって悪いことになったのは数知れず、でし。
「正確には、多分シャオにとって悪いとかそういうことだとおもうけどな。」
「主殿も離珠殿も。そうルーアン殿を邪険に思うのはよくないぞ。」
だったらキリュウしゃんはどう解釈しゅるんでしか?
「試練だ。」
「試練?」
「シャオ殿と主殿だけでぬくぬくと事が進むのには、時間を相当に要する。
だがしかし、ルーアン殿という刺激剤が加わる事により、より二人の間柄も進むというものだ。」
「刺激剤って・・・。」
キリュウしゃんも言うようになったでし。
「とはいえ・・・情と仇と表するには違う気がするがな。」
「あ、俺もそれにさんせーい。ルーアンの名前を出したけど、なんか合わないような・・・。」
ちょ、ちょちょちょ、なんでこんなところでことわざにけちをつけてるでしか!


「情に刃向かう刃なし」でし
ここは購買。しょんなある日のことでし。
「こんにちは、出雲さん。」
「おや、貴女は熱美さんですね。パンを買われにきたのですか?」
「あ、は、はい。・・・嬉しいです。名前、覚えてくださってるんですね。」
「それはもう、女性に優しくをモットーとしてますから。」
「ありがとうございます・・・。あ、そうだ、メロンパンあります?」
「ええ。」
「ええと、おいくら・・・あっ!?」
「どうしました?」
「いえ、そのお財布を忘れてきちゃって・・・。」
「なんとそうですか。ではお代は構いません、どうぞ無料で差し上げますよ。」
「い、いえそんな、悪いですよ。」
「いえいえ。貴女は可愛いですから。」
「そ、そんな・・・。」
はい、と丁寧にパンを渡す出雲しゃん。熱美しゃんはめろめろでし。
『情をかけられれば、どんな人でも背けないものだ』という事でし。
・・・とまぁ、しょんな一件があったわけでしよ。
「ちょーっと待った離珠ちゃん。これのどこが解説なんだ?」
失礼でしね、たかししゃん。お買い物に来たのにお金を忘れてる熱美しゃんに情けをかけてるじゃないでしか。
「情けっつーか・・・宮内出雲の場合は単に女子に甘いだけじゃ・・・。」


「情の酒より酒屋の酒」でし
「これはね・・・
“ルーアン先生今日も宿直だってさ、可哀相に。”
なんていう事よりも!!
“ルーアン先生今日も宿直だってさ。こりゃあ夜食を差し入れにいかないと!!”
ってのが断然いいってことなのよ!!!」
強調してるでしねえルーアンしゃん。
『同情ばかりではしようがない、それに良い事が伴わねばありがたくない』という事でし。
「ちなみに今日も宿直なのよね。ああ〜ん、誰か差し入れしに来てくれないかしら。」
連続で宿直が当たってるのはその都度サボってるのが原因だと太助しゃまから聞いたでし。
「んなもんどうだっていいのよ!!差し入れをよこせって言ってるのよ!!」
差し入れを強要するってのも珍しいでしね・・・。


「情けは質に置かれず」でし
「万象大乱。」
どがしゃーん!!
今日も今日とて試練が行われてるでし。
教室の中で頑張る太助しゃま。それを観戦してたたかししゃんと乎一郎しゃんが・・・。
「太助も頑張るよなあ。あんなのくらったら俺絶対死んでるよ。」
「それは大袈裟だよたかし君。でも、大怪我は間違いないだろうね。」
「太助、大変な奴だよな・・・。俺は心底同情するよ。」
「そうだね。僕も人の事はあまり言えないけど、やっぱり同情するよ・・・。」
とまあ、しきりに呟いていたでし。
もっとも、それが太助しゃまの試練への手助けになることはないんでしがね。
『同情してもらっただけでは仕方ない。
気持ちだけでは何にもならず少しも困っているのを救う足しにはならぬ』という事でし。
「・・・せめて応援でもするかな。」
「え?」
「フレー!フレー!た・す・け!!」
がくん
たかししゃんの応援により、太助しゃまの志気がダウン!ピンチでし!!
「がんばれがんばれた・す・け!!」
「うるさいぞたかし!!乎一郎、やめさせ・・・」
「万象大乱。」
ドゴオオオオーン!!
「ぐはあっ!」
「主殿、よそみはいかんな。」
意外な効果!たかししゃんの応援が更なる試練に!でし。
「やっぱり同情だけじゃあだめだもんな。」
「でもたかし君、さっきのじゃあ逆効果だよ・・・。」


「情は人のためならず」でし
「たまには短くいってみよう〜。」
しょ、翔子しゃん?
「人に情けっつーか、シャオはいろんな人に優しくしてるから、自然と慕われるんだよな〜。」
・・・短い、でしか?
「というわけで!
『人に情をかけておけば、いつかはめぐりめぐって良い事がある』という事だな。」
って、離珠の台詞をとっちゃだめでしっ!


「梨の皮は乞食にむかせ瓜の皮は大名にむかせ」でし
『ナシの皮は厚くむくのがよい』という事でし。
物事をするには適不適があることのたとえなんでし。
「なんで乞食だと皮が厚くなるんだ?」
・・・・・・。
太助しゃま。
「ん?」
太助しゃまの名字って、梨っていう漢字が含まれてるでしよね。
「ああ、七梨だからな。それがどうかしたのか?」
でしから、ここは太助しゃまがしょの理由を考えてくだしゃい。
「・・・・・・。」
了解でしね。
「要するに分からないんだな?」
・・・物事をしゅるには適不適があるんでし!
名字に梨の字を持つ人が理由を考えるべきでし!
「あのな・・・。」


「なしのつぶて」でし
今回はいきなりいくでし!
『こちらからした連絡に、なんの返事もたよりも無いようす』という事でし。
では、小話をどうぞでし。
「・・・親父のことだ。なあ、那奈姉。」
「そうか?結構連絡とか来てると思うんだけどなあ。」
「あのな、俺は送ってもらったものに対して色々言ってるんだぞ。
そのわりに見境無しに送りつづけてきやがるのはどういう事なんだよ。」
「つまり、太助の返事になって無いって事か?お前なあ、男だったら細かい事は気にするなよ。」
「それって関係あるのかよ。息子の手紙に対して、ちゃんと返事を書くのが普通だろ?」
「じゃあ今度あたしが抗議してやるよ。ちゃんと返事は書くようにって。」
「そうか・・・。でも念の為俺もやっとかなきゃ。」
「ま、無駄な努力だな。」
「・・・なんでだよ。」
「親父がちゃんと返事しようがしまいが、変なものを送る事には変わりないと思うよ。」
「それもそうか・・・。くっそー!!」


「茄子の花と親の意見は千に一つも仇はない」でし
『ナスの花にむだ花がないのと同じで、親が子にする意見に間違いはない』という事でし。
「ええ〜?」
「太助、その嫌そうな声はなんだ。」
「だってさぁ、那奈姉。素直に俺が納得できると思うか?」
「母さん・・・の言葉はあれかもしれんが、親父・・・の言葉もあれかもしれんが、
まあ無駄とか間違いは無いと姉ちゃんは信じたいぞ、うん。」
「なんだよその自信なさそうなのは・・・やっぱり那奈姉もあてにしてないんだろ。」
「そんなこと無いって。いいか、あたしがこうして今まで育ってきたのも、
母さんや親父の言葉あってこそってことも忘れちゃならないんだぞ。」
「ふーん。・・・じゃあやっぱり間違いが」
ぴきっ
「な・ん・だ・と?」
「わわーっ!う、うそ、冗談!口が滑ったっていうか言葉のあやってやつで・・・」
「太助ぇぇぇぇぇぇぇーっ!!」
「うひぃーっ!」
・・・なんにせよ、こうして元気でいるってことが、何より大事な事でしね。


「茄子の豊作は稲の豊作」でし
『ナスが豊作となるような時の天候は稲作にとっても極めて適しているのでやはり豊作になる』という事でし。
「これは実際に試してみるのがいいだろう。」
「だからってお庭に水田を作って茄子も育てるなんて・・・だめですよキリュウさん。」
「大丈夫。シャオ殿の花壇を侵すようなことはしないから。」
「茄子は構わないと思いますが、水田は無茶なんじゃ・・・。」
「大地の精霊である以上、妥協は許されないんだ。分かってくれシャオ殿。」
「は、はあ・・・。」
なんとか説得しにかかるキリュウしゃんでしが・・・と思ったら那奈しゃんの登場でし。
「ん?二人とも庭で何やってんだ。」
「あ、那奈さん。キリュウさんがお庭に水田を作るって・・・。」
「は?」
「那奈殿。茄子と稲とを同時に育ててだな、本当にどちらも豊作になるかどうかをだな・・・」
ぽんっ、と那奈しゃんはキリュウしゃんの肩に手を置いたでし。
「キリュウ。」
「なんだ?」
「そういう馬鹿をやるのもほどほどにしとけよ?うちの庭にそんな広さは無いだろ?」
「む、むう・・・」
「やるんだったら宮内神社でやれ。あそこなら広い。」
「そ、そうか!」
納得してる場合じゃないでしー!
シャオしゃま、止めてくだしゃい〜。
「出雲さん・・・お庭水田にしちゃっても許してくれるかしら・・・。」
シャオしゃまぁ〜!


「茄子を踏んで蛙と思う」でし
『びくびくしていること。ありもせぬことに恐れる』という事でし。
「ありえねーだろ、これ。どれだけ臆病なんだよ。」
しょう馬鹿にしてるのはたかししゃんでし。
「たかしくん、これはたとえだから。」
「いやいや乎一郎、たかしみたいに考えることは多分幸せなんだ。」
「おーおー太助。よくわかってるな。」
「幸せ・・・って?」
離珠もしょれは疑問でし。幸しぇってどういうことでしかねえ?
「それはだな・・・」
ぐにゃ
解説しようとした太助しゃまが何かを踏んづけたでし。
「この柔らかい感触は茄子・・・!と思いたい・・・!」
「早速かよ。気持ちはわからんでもないけど、いくらなんでも道端に茄子は落ちて無いだろ。」
「どれどれ・・・うわあっ!た、太助君、何、それ?」
「二人とも離れろっ!」
太助しゃまが危険を知らしぇたしょの瞬間!
「万象大乱。」
ずももももも
「うおおおおっ!?」
太助しゃまが踏んづけていたしょれはあっというまに巨大化。
たかししゃんと乎一郎しゃんは何とか難を逃れたでしが、踏んづけていた太助しゃまはしょれの上に・・・。
「って、ゴムボールか?これ。」
「キリュウちゃん!」
電信柱のてっぺんを見れば、しょこには堂々とキリュウしゃんが。
「本当はこんにゃくなりを使ってみたかったが、食べ物を粗末にするのはよくないからな。
そこで、ごむぼおるで代用した。主殿、それに乗って家まで帰られよ。」
「えらく手のこんだことをするな。わざわざ俺に踏んづけさせなくても・・・。」
「少々便乗しただけだ。さて、言っておくが大きさはちょくちょく変化するからな。」
「ええっ?乗って帰るってのも難しいのに・・・」
「試練だ、耐えられよ。」
・・・まぁしょんなわけで。
ぶにょんぶにょんと太助しゃまは試練をしながら帰宅の途についた、という事でし。
「そっか、太助君が言っていた茄子だと思い込めるのが幸せだっていうのは・・・。」
「試練だといつも身構えてなきゃいけない、という事でもない、っていうことか?」
ややこしいでしがしょういうことでしね。
・・・しょれにしてもキリュウしゃんも頑張るものでしね。


「名高の骨高」でし
『有名であるのにつまらない物だ』という事でし。
骨高とはごつごつしていることでし。
「まぁしょうがないんだよ。世界三大がっかり、なんていうものもあったりするしな。」
翔子しゃん、なんでしか?しょれは。
「デンマークの人魚姫像、ドイツのローレライ、オランダの小便小僧さ。
たしかに有名なんだけどな・・・ただ見るだけじゃつまんないな、あれは。」
翔子しゃんはどれも見たことあるんでしね。
「まあな。・・・そういや、多分シャオ達三精霊もそういうのがいいのかなぁ。」
どういう事でしか?
「噂を聞いて実際に会ってみれば、普通の女の子でがっかりして、とっとと引き上げる、みたいな。
ああでも、有名ってので既に困りものか。だめだなそれは、うん。」
・・・翔子しゃん一人で納得しゃれても困るでし。


「菜種から油まで」でし
『初めから終わりまで』という事でし。
「ルーアンの、料理の初めから終わりまで関わってやろうコーナー!」
おおー、なんて珍しいでしか!
「・・・と思ったけど、面倒だからやめるわ。」
がくっ。
「シャオリン、あんたも大変よねー。昔は家畜泥棒から入ってたんでしょ?
食材調達も楽じゃなかった時代は色々と苦労が絶えないわよねー。」
「い、いえ、さすがに泥棒さんには・・・。」
しょうでし!シャオしゃまはしょんなことしないでし!
「またまたぁ。箸持った細目がやってたんじゃないのぉ?」
「い、いえ、そんな、こと、は・・・。」
しゃ、シャオしゃま?
「ってゆーかごみチビ、あんたなんで知らないのよ。」
な、何かの間違いでしーっ!


「菜種から蕪まで」でし
『どこからどこまで』という事でし。
「つまり?」
全部のことでし。
「最初っからそう解説すればいいのに。」
しょれはお約束ってやつでし。
「へー、そう。」
ちなみにあんたしゃんは誰でしか?
「ぼ・・・俺はたかしく・・・たかしだよ。」
ばればれでし乎一郎しゃん。
「うーん・・・。」


「鉈を貸して山を伐られる」でし
これはたとえばこういう事でし。
「シャオリン、包丁貸してくれない?お料理作りたいのぉ。」
「いいですよ、はいどうぞ。」
「・・・ふっふっふ、引っかかったわね。」
「ふえ?」
「これであんたもおしまいよ。きえええええええ!!」
「きゃああああ、ルーアンさん!?」
ずしゃずしゃずしゃっ
・・・哀れ、シャオしゃまはルーアンしゃんにめった刺しにされてしまったでし。
『好意をもってしてやったことがかえって身のためにならず害を受ける』という事でし。
「ちょっと待て離珠。」
なんでしか?虎賁しゃん。
「なんか意味がずれてねえか?そりゃ、月天様は害を受けちまってるけど・・・。」
害なんてもんじゃないでし!なんでシャオしゃまがめった刺しにしゃれてるんでしか!?
「自分で作ったくせに・・・。まぁ、強引なのは今に始まったわけじゃないしな、許してやるか。」
なんで虎賁しゃんに許してもらわないといけないんでしかっ!


「夏歌う者は冬泣く」でし
『働ける時にぶらぶらしている者は、あとで生活に困る』という事でし。
「聞いたか那奈姉。」
「なんだよ太助。」
「あの出雲でさえ神主やら購買の仕事してるんだぜ?同期として姉貴はどうなんだよ。」
「あのな太助。人生ってのは時間という枠を惜しんでは後悔しかできなくなるんだぜ?」
「また難しそうな事言って、誤魔化す気だな?」
「宮内の場合は、たまたまあいつのやりたい事が購買の売り子だったって話だよ。」
「そういうもんじゃないだろ。だいたい那奈姉はいつもそうやって・・・」
はいはい、わけがわからなくなりしょうなのでここでおしまいでしよー。
離珠は、夏に歌って稼いで冬に泣いて稼いでいるのかと思ってたでし。
「離珠、それはさすがに違う。」
「いいなーそれ。満喫してそうで。」
「那奈姉・・・。」


「納所から和尚」でし
『一足とびに出世することのたとえ』という事でし。
「納所とは何だ?」
寺の雑務を扱っている下級の僧・・・でいいんじゃないかと思うでし。
「随分と曖昧な説明だな・・・そのようなもので納得できると思うか?」
キリュウしゃんならきっと納得できるでし。
「その心は?」
試練だからでし!
「却下だ。」
ぷうー。
「ふくれてもだめだ。そんな出世の仕方は認めないからな。」
しょれは使い方間違ってるでし・・・。


「夏布子の寒帷子」でし
『時節はずれの役に立たぬもののたとえ』という事でし。
「なぁ離珠。」
なんでしか、虎賁しゃん。
「布子ってなんだ?帷子って?」
知ってて聞いているでしね?ふふん、ならばしょんな質問は却下でし。
「いいから説明してみろって。じゃねーと解説になんねーだろ。」
ぷう・・・。布子は木綿の綿入れでし。帷子は麻の着物でし。
「ほお・・・。」
ふふん、どうでしか。離珠が知らないと思って聞いていたならしょれは虎賁しゃんがあしゃはかだってことで・・・
「で、それはなんで時節はずれになるんだ?」
・・・・・・。
「おい、離珠。」
・・・こ。
「こ?」
これにておしまいでし!
「だああ、またかよー!」


「夏の風邪は犬も喰わぬ」でし
『夏風邪を引くくらいつまらないことはない』という事でし。
「たしかにつまんないだろーな。」
「夏はただでさえ暑いのに、熱を出して更に暑くなんてなりたくないよね。」
「ところで遠藤、野村のやつ休んでるんだっけ?」
「そうだよ。今言ってた夏風邪だって。」
「野村らしいな。まったくつまんないやつだ。」
「山野辺さん、それは言いすぎだよ・・・。」
ちなみに、夏の風邪は馬鹿がひく、ともいうみたいでしね。
「よーし、野村は馬鹿決定。」
「いや、そんなあからさまに・・・。」
「あぁ、でも元から馬鹿だったか。ついでに七梨も危ないかもな、遠藤注意しろよ。」
「え、ええーっ?」


「夏の小袖」でし
『夏の冬着で、季節はずれのやくにたたぬもののたとえ』という事でし。
「そんな事ないわよ。」
何故でしか?ルーアンしゃん。
「ほら、キリュウが寒がりじゃない。だからキリュウは喜んで・・・」
「私は着ないぞ。」
おおっと、あらぬところからキリュウしゃんの登場でし。
「なんでよ。寒いの嫌いでしょ?コタツと合体して行動したいってぼやいてたじゃない。」
「そんなことをぼやいた覚えなどない。」
離珠も聞いたことないでしね。
「まぁいいわ。とにかく暑いのが防げるんだからこれを・・・」
「そして、私は暑いのも嫌いだからな。」
キリュウしゃんばっさり言い切ったでし。
「我侭ね。どっちか片方にしなさいよ。」
「ならばルーアン殿はどちらも我慢できるのだな?」
「まさか。過ぎたるものはなお及ばざるがごとしっていうじゃない。どっちも嫌よ。」
「ならば私と変わらない気が・・・」
「キリュウは試練とか言って耐える習性があるんでしょ?じゃあ耐えなきゃ。」
「そんな習性など持ち合わせていない!」
よくわからなくなってきたのでここでおしまいでしー。


「夏の入道雲は晴れ」でし
入道雲は天気の良いときに地面が日光で暖められ、部分的に強い上昇気流ができた時にみられるもの
というわけで『翌日も晴れることが多い』という事でし。
「ほっほー、それはいいことを聞いたぞ。なあ太助?」
「なんだよたかし。俺は明日忙し・・・」
「丁度今日は入道雲が出てる。でもって明日は熱き虫集めの日だ。もちろん太助は付き合うよな?」
「いやだから、俺は明日忙し・・・」
「宮内神社から出発するからな、朝十時に来いよ!絶対だぞ!」
「人の話聞けよ!俺は明日忙し・・・」
「じゃあな、太助ー!」
「おい、こらたかしー!」
・・・太助しゃま、お出かけでしね?
「いや、俺はだから・・・。」


「夏の蛤は犬も喰わぬ」でし
「どういうことだ?」
それはでしね、虎賁しゃん。
『夏のハマグリはまずい』という事でし。
「それまたなんでだ?」
産卵期が夏なのでその時期には味が落ちるしょうでし。
「なんでおめーはそんなこと知ってるんだよ。」
ふふん、だてにシャオしゃまのお料理を手伝ってるわけじゃないでしよ。
「月天様がそう言ってたのか?」
正しくは、シャオしゃまが翔子しゃんから聞いたしょうでし。
「あの不良ねーちゃんが・・・。」
・・・はっ!
「どした?」
も、もしかして嘘かもしれないでしー!
「いや、それはさすがにねーと思うが・・・。」


「夏の東風は凶作」でし
えーと・・・
『夏になると太平洋方面から南寄りの風が吹くのが普通だが、
時にはオホーツク海方面の気圧が異常に高くなり、温度の低い空気が東風となって吹いてくることがある。
こんなときには北日本は低温に見舞われ冷害をうけて凶作になる』という事でし。
以上、物知り出雲しゃんからの解説でし。
「難しい事を何気に知ってると思ったら、出雲のかよ。」
那奈しゃん、気に入らないんでしか?
「当たり前だろ。あたしに聞けっての!」
那奈しゃんだったらもっともっと上手く解説できるってことでしか?
「・・・まぁ、今回は見逃してやる。」
・・・・・・。


「夏の日は嫁に焚かせ」でし
「なんだかあまりよろしくなさそうな言葉だけど・・・。」
鋭いでしね、翔子しゃん。
『夏の暑いとき、火をたくのは嫌な仕事だから嫁にさせよ』という事でし。
「こらこらこら、なんだこの嫁いびりの言葉は。」
離珠に言われても困るでし。
「けど・・・シャオだったら喜んでやってそうなんだよなぁ・・・。」
・・・否定できないでし。
「けど・・・七梨のおかーさんだったら、一緒になって火を焚いてそうだなぁ。」
・・・なるほどでし。って、翔子しゃんはさゆりしゃんに会ったことあったでしか?
「那奈ねぇから聞いたよ。シャオからも。」
なるほどでし。


「夏の牡丹餅犬も食わぬ」でし
暑い暑い夏の日。今日は試練がお休みで太助しゃまとリビングでくつろいでいたんでし。
「しっかし暑いなあ。シャオも休ませておいて良かったよ。」
太助しゃまがこんな事を言ったでし。
実はお掃除をしようとしていたシャオしゃまを太助しゃまは止めたんでし。
こんな暑い日にやってると倒れてもおかしくない、でしから。
さすが太助しゃまは優しいでしね。で、シャオしゃまはお昼寝中というわけでし。
二人一緒に麦茶を飲んでいると、ぎいーっとリビングのドアが開いたでし。
「暑いわぁ。ねえたー様、おやつのこってないかしら。」
「おやつ?」
「そう、おやつ。いずぴーが持ってきたものとか・・・って、そう言えば戸棚にあったわね。
よーし、食べましょうっと。」
ルーアンしゃんはなんだか鼻歌を歌いながらキッチンへ向かったでし。
こんな暑い日によくもまあそんな物食べる気になるでしねえ。
「まだ残ってたのか。けれど腐ってるんじゃ・・・。」
ポツリと呟く太助しゃま。確かにそうでしよねえ。こんな夏の日に・・・。
と首を傾げていると、牡丹餅を持ったルーアンしゃんがやって来たでし。
「こんな日のために残しておいたのよ。あ〜ん、ルーアンったら偉いわあ。」
・・・一体何が偉いって言うんでしか。
「ルーアン、多分腐ってるから食べるのやめといた方が良いぞ。」
「何言ってるのたー様、そんな訳無いでしょ。じゃあいっただきまーす。」
太助しゃまがとめるのも聞かずルーアンしゃんは牡丹餅を食べ始めたでし。
その数分後・・・。
「イ、イタタタタ。お、お腹が・・・。」
「だから言ったのに。」
結局ルーアンしゃんは腹痛を起こしたみたいでし。もう、わざわざ残したりするからでしよ。
『夏の牡丹餅は腐りやすいから、腹痛など起こさぬように早めに食べるのが良い』という事でし。
残った牡丹餅は誰のお腹の中へ行く事も無く処分されたでし。
この日以来、ルーアンしゃんはわざと残したりせずにきっちりと食べ・・・
って、離珠の分まで食べちゃ駄目でしよー!!!


「夏の蟲氷を笑う」でし
昔々、あるところにたかししゃんという蟲がいたでし。
「ふっ、夏がもっとも似合う俺の熱き魂の前には、氷なんて無力だぜ!」
と、夏しかいないたかししゃんはいつも氷を笑っていたでし。
夏の虫は氷を知らないから、これを笑って自分の無知をさらす、ということでしね。
『見識が狭い』という事でし。
「なんつーたとえだ。」
これはこれは翔子しゃん。いい知恵をありがとうでし。
「それだとあたしが入れ知恵したみたいじゃないか。離珠が考えたんだろ?」
いつもの翔子しゃんを参考にしたので翔子しゃんありがとうになるんでし。
「いつものってどういうことだよ!」


「夏は鰹に冬鮪」でし
『カツオのシュンは夏で、マグロのシュンは冬だ』という事でし。
「ふっ、全部いただくわ。」
ルーアンしゃんが言うと妙に説得力あるでしね。
「おおぐらいだしなぁ、ルーアン先生は。」
「あら野村君、いたの。」
「ちょっと先生、それひどいですよ。」
「丁度良いわ。ここにいるってことは、あたしにご馳走してくれるってことよね。」
「へ?」
「へ、じゃないわよ。まぐろとかつお。それぞれ10匹はかたいわよね、よろしくねん。」
出たでし。ルーアンしゃんの脈略のないタカり攻撃!
「えーっと、俺これで失礼・・・」
「陽天心召来!」
ぴかーっ
「げええっ!?」
出たでし、逃がさないわよ陽天心!
「さあ野村君、ご馳走が待ってるわよ〜」
「ちょ、ちょっと待ってください先生、俺そんなお金持ってなくて・・・」
「大丈夫大丈夫、人身御供って言葉があるしね。」
「そ、そんなー!?」
・・・シュンって恐いでしね。


「夏は日向を行け冬は日陰を行け」でし
『体を丈夫にするために夏は暑いところに出るようにし、冬は寒いところにいるようにするのがよい』という事でし。
「なんだと?離珠殿、これは私への挑戦・・・いや、試練か?」
いきなりでしねキリュウしゃん。
えっと、これは挑戦とか試練じゃなくて、ことわざでしから・・・。
「そんなことわざなど認めるわけにはいかんな。
暑いのと寒いのとをわざわざ選べなど・・・試練以外なんだというのだ。」
えーっと、だから、体を丈夫にしゅるため、でしよ。
「ならばますます試練だな。」
えとえと・・・しょ、しょうでし!
また、『冬はひなた、夏はひかげを人に譲るようにし、何事にも出しゃばらないようにせよ』という事でし。
「・・・なるほど、そういう事ならば納得がいくな。」
ほっ、でし。
「そういう精神を身に付けよと・・・やはり試練か。」
だああ、試練に何でも結び付けちゃいけないでしー!


「七重の膝を八重に折る」でし
『嘆願する。また、非常に丁寧におわびする時のたとえ』という事でし。
これは実際に誰かにやってみてほしいでし。
「はぁ〜あ、七梨先輩教室に居ないなんて残念・・・。」
おっと、花織しゃんというカモ発見でし!
「離珠ちゃん?って、カモ・・・?」
なんでもないでし。花織しゃん、早速嘆願か丁寧におわびをしてほしいでし。
「なんであたしが・・・。えーっと、七重の膝を八重に・・・?」
しょうでししょうでし。
「ってだから、なんであたしが!ここは離珠ちゃんがお手本を見せるべきよ!」
離珠でしか?いやいや、離珠はしょんな・・・
「いいからやる!はい!」
ひ、ひえええ、なんだか花織しゃんが恐いでし。
「七梨先輩に会えなかったあたしのもやもやを静めるの!早く、嘆願するように!」
しょ、しょんな無茶苦茶な〜!
・・・・・・。
・・・しょんなわけで、結局離珠がやらしゃれてしまったでし。
実演は・・・二度と不可でし!


「七転び八起き」でし
「これは主殿が試練に立ち向かう姿が正にそれだな。」
キリュウしゃん、的確な言葉ありがとしゃんでし。
『幾度しくじってもへこたれずに、立ち上がって頑張る』という事でし。
太助しゃまは頑張って試練に立ち向かってるでしよね。
「うむ。たとえ大岩に追いかけられても、鋭い折鶴に刺されかけようとも。」
ちゅ、ちゅわ・・・?
「巨大なこけしの下敷きになろうとも、巨大虫に食べられようとも。」
ちゅわわわー!?
「主殿は、死のふちからでも這い上がって、再び立ち向かうんだな。」
い、いくらなんでも食べられたりしたら死んじゃうでしよー!
「心配するな、冗談だ。」
ほっ、でし。
「食べられかける、というところでとめているからな。」
待つでしー!!


「七下がり七上がり」でし
『人間は一生の間には何回も浮き沈みを繰り返す』という事でし。
人生の不安定なことのたとえ、でしね。
「たとえば誰だろう。」
たとえばたかししゃんなんてどうでしか?
「俺が浮き沈み? よしてくれよ、俺がなんで・・・」
「ぴったりだな。」
「た、太助?」
「ああ。七梨の言うとおりだ。」
唐突に二人の登場でし。
「山野辺まで・・・俺のどこが浮き沈みなんだ?」
「してるだろ。熱き魂がとかいって派手に騒いで。」
「かと思ったらシャオのことでしゅんとかなったりして。見ててバカだってよくわかるからいいけどな。」
「バ・・・な、なんだと山野辺ー!」
「お、浮いた。」
「これは浮いたんじゃなくて怒ってんだよ!」
「まぁとにかくだ、野村ってことでオッケーだな、離珠。」
・・・おっけー、でしかね?
「オッケーじゃねー!」
「浮きっぱなしだな。さすがたかし。」
「だから!これは浮いてんじゃないっつーの!」


「七皿喰うて鮫臭い」でし
「最悪な言葉ね。」
「そうですか?ルーアン先生みたいでいいんじゃないんですか?」
「こぉんの小娘・・・あたしみたいって!?」
「ルーアン先生って、おなかがすいてたら不味くてもとりあえず食べまくると思うんですよ。」
ふんふん、しょれはなるほど花織しゃんの言うとおりでし。
「で、食べ終わって“あー不味かった”って。」
とまぁ『腹いっぱい食べたあげく、不味いと言って文句をいう』という事でし。
「ふざけんじゃないわよ!ってか、こんな言葉の何がいいっていうのよ!」
「ルーアン先生を形容する言葉があっていい、っていうことですよ。」
「こんガキゃー!陽天心のサビにしてくれるわ!!」
・・・って、言ってる間に逃げてしまったでし。花織しゃんてば素早いでしね。
「待てコラー!!」


「七度尋ねて人を疑え」でし
それはある日曜日の出来事でし。
いつものごとく太助しゃまの家にたかししゃん達が遊びに来て、
さんざん騒いだ後に帰っていったんでし。
「まったく、毎度毎度よく来るよなあ・・・。
あれ?このテーブルの上にあった置物は?」
なんと、普段リビングのテーブルに飾られてある鳥の置物が無くなっていたんでし!
それを聞いたルーアンしゃんは、
「きっと誰かが勝手に持って行っちゃったのよ!どろぼーよ、どろぼー!!」
とまくしたてたでし。
「まあまあ。多分騒いでいる間にどこかに紛れ込んだんだろ。探してみようぜ。」
太助しゃまの言葉により、リビングを探しはじめたんでしが・・・
置物はさっぱりみつからなかったでし。
「無いじゃないの、たー様。」
「おかしいな・・・。やっぱり誰かが持ち去ったのか!?」
太助しゃままで疑い出した丁度その時。
ご飯の支度をある程度終えたシャオしゃまが、何か手に持ってリビングにやってきたでし。
「あら?お二人とも何をなさってるんですか?」
「あっ、ちょっと聞いてよシャオリン。誰かが置物を持って帰っちゃったのよー!?」
「あれ親父から送ってもらったやつで、珍しくきれいだったのに・・・。」
渋い顔のルーアンしゃんと太助しゃま。
ところがシャオしゃまは、首を傾げながら手に持ってたものを取り出したでし。
「あの、置物ってこれのことですか?」
「「ああーっ!?」」
なんとなんと!シャオしゃまがもっていたものがずばり探していた置物だったんでし!
「壊れるといけないと思ってキッチンへ移しておいたんですが・・・いけませんでしたか?」
「「なーんだぁ・・・。」」
太助しゃまもルーアンしゃんも、がっくりと肩を落としたでし。
『探し物が見付からない時には、人に疑いをかけたがるものだが、
軽々しく人を疑ってはいけない』という事でし。
何度も何度も探した後に人を疑っても遅くはないんでし!


「七つ泣き別れ」でし
『七つちがいの夫婦はうまくいかず離婚するものだ』という事でし。
「な、なんだってー!?」
もとよりこれは迷信でしがね。
「・・・ったく、びっくりさせんなよな。太助とシャオがダメになるかと思ったじゃないか。」
那奈しゃん、太助しゃまとシャオしゃまは7つちがいなんでしかね?
「よく考えたらそうだな。まったく、無駄な時間を使っちまった。」
・・・・・・。


「七つ七里に憎まれる」でし
『男の子の7,8歳は腕白盛りだから、近所近辺の人たちからにくまれ者になる』という事でし。
「だそうだぞ。野村、白状したらどうだ?」
と、いきなりたかししゃんに詰寄っているのは翔子しゃんでし。
「何だよ。なんで俺の所にくるんだ?」
「適任だと思ったから。な、シャオ。」
「えっと、翔子さんが仰るには、たかしさんの幼少の頃は破天荒過ぎて伝説になっていたとか・・・。」
シャオしゃまのしょんな言葉を聞いたたかししゃんはがたっと立ち上がったでし。
「何嘘っぱち言い振らしてんだよ山野辺!シャオちゃん、そんな事ありえないから。
俺の7,8歳といったらそりゃあもう・・・」
「誰かれ構わずいじめて敬遠されてたんだろ。大変だなぁいじめられたやつは。」
「お前は黙ってろ山野辺ぇぇぇ!」
小一時間しょんなからかいがしゃれていたでし。
実際はどうだったんでしかね?


「七つ迄は神のうち」でし
『七歳までの子どもは神様に守られている』という事でし。
「残念ながら知り合いにそこまで小さい子どもは居ないな。」
そうでしね、那奈しゃん。
「しょうがないから、将来太助とシャオの間に子供が出来た時にでもたしかめるとしよう。」
そうでしね。
「そんなわけで頼んだぞ太助!予約したからな!」
予約したでしよー。
「たく、那奈姉も離珠も・・・勝手にそんな事するなー!!」


「何某より金貸」でし
「つまりは、この世は金!ということだな。」
「直球だな。まぁ野村らしいけど。」
『名や株式がよいより実利を得る方がよい』という事でし。
翔子しゃんの家はお金持ちでしよね。
「そう、そうなんだよなー。山野辺、お前は勝ち組だぜ。」
「金があれば幸せってもんでもないけどな。」
「無いよりはある方がいいだろ?俺も将来は・・・。」
「じゃあキリュウの試練でも受けて、金が稼げる男にでもなってみたらどうだ?なんてな。」
一瞬いい案かとも思ったでしが、キリュウしゃんがどう思うでしかねぇ・・・。
「ナイスアイデアだ!おーし、早速挑戦を受けてくるぜー!」
・・・行ってしまったでし。
「短絡的なやつだなぁ。そもそもキリュウがそんな試練なんてするわけないと思うけど。」
翔子しゃん・・・ちょっとひどいでし。


「何事も因縁」でし
『世の中のことはみな前の世からのつながりである』という事でし。
「要するにどういうことだ?」
楽しみも苦しみもみな前の世からのつながりによっているのだという事でし。
「おんなじじゃねーか。」
虎賁しゃん、細かいことを気にしていては来世で苦労しゅるでしよ。
「星神の立場で来世とかを気にしてどうするんだよ。」
しょれもしょうでしね・・・だったら今を気にしゅるでし!
「は?」
つまり、今やっていることのつながりが今に繋がって・・・あれ?
「無理すんなって。」


「何事も縁」でし
『すべては縁で、縁が無ければどんな親しい仲でも結ばれない』という事でし。
「シャオと太助を見ていればわかるかな。以上。」
・・・えらくあっしゃりでしね、那奈しゃん。
「と言いたいとこだけど、これだと簡単過ぎるので宮内神社の神主君に無理矢理おいでいただいた。」
む、無理矢理でしか。
「那奈さん、そんなに腕を強くつかんでは痛いですってば。」
「宮内、お前はしょっちゅうシャオにちょっかいを出しているが・・・」
「はい、それが何か?」
「どんなに親しくなっても縁が無いんだから諦めろ。・・・という事だ離珠。」
ふ、ふえ〜・・・。
「ちょ、那奈さんそれは失礼というものでしょう!うちは縁結びの神様を祭っているんですよ!?」
「縁が無いところには結びようがないじゃん。そういう事だよ。」
「いえいえそういう事ではなくてですね、縁というものは作るものであって無いというわけでは・・・」
これ以上やると長くなりしょうなのでここでおしまいでしっ!


「難波の葦は伊勢の濱荻」でし
「これはあたしの出番かな。」
「いよっ、太助のおねーさん待ってました!」
手を叩いてノリノリなたかししゃんでしが、なんだか大げさでしね。
「世界各地を旅してるあたしゆえの解説だ。さて、取り出したるこれは・・・何かな、バキバキ君」
「凧、かな。正月にあげたりするやつ。」
しょういえばしょうでし。いつかの正月に太助しゃまとシャオしゃまとあげにいったでし。
「ところがだ、徳島ではこれを“いか”と呼ぶらしい。」
「まじっすか!? へえ〜。」
『「草の名は所によりてかわるなり難波のあしは伊勢のはまおぎ」で、
草の名ばかりでなく物の呼び名は土地によって違っている。風俗や習慣も変わっている』という事でし。
いかっていうのはいかとたことをかけてるんでしかね。
「・・・だったと思う、ってことで。」
「へ?」
「いやぁ、随分前に聞いた話だから自信がないんだよなー。まぁ不安に思ったら自分で調べといてくれや。」
「ちょ、ちょっと太助のおねーさん?」
「正確なのがわかったら教えてくれよー。以上。」
「そりゃねーってよー!」
・・・那奈しゃん、無責任でし。


「浪花の鰡は伊勢の名吉」でし
『所によって名も変わるということで、大阪でボラと呼ぶものを伊勢ではミョウギチと呼ぶ』という事でし。
「へ、へええ・・・おい、知ってたか乎一郎。」
「たかし君こそ。それにしても名前が随分と違うね。」
しょうなんでしよねえ。なかなか面白い変わりようでし。
というわけで、たかししゃんや乎一郎しゃんも何か知ってたら言ってみてほしいでし。
「・・・じゃあ乎一郎。宮内神社の神主のことをお前は何て呼んでる?」
「え、出雲さんのこと?」
「俺は宮内出雲。フルネームだ。ということだな。」
・・・しょういう、人の呼び方じゃなくって、もっと違うのがほしいでし。


「七日通る漆も手に取らねばかぶれない」でし
書置き:
これはルーアンしゃんの事でしと解説しようとしたらいきなり陽天心たんすとか陽天心べっどとかが襲ってきて
きゃーあれーっていう展開になってもはや続行不可能でしと判断したので後を託すでし・・・がくっ。
「なんだこれ・・・。ったく離珠の奴しゃーねーなー。だったらこの俺、虎賁様が後を引き受けてやるか。
『かかわりあわなければ害は無い』という事だな。
離珠の場合は、ルーアンっていうよりはことわざ解説、っていう気がしないでもねーけどな・・・。」


「名主の跡は芋畑」でし
『もと栄えていたものが今は見るかげもない』という事でし。
「離珠殿、これは何だ?どういうことだ?」
キリュウしゃん。どういうことも何も・・・
「芋畑がそんなにみすぼらしいということなのか!?どうなんだ!?」
ちょ、ちょちょちょ、キリュウしゃん、しょんな興奮しなくても・・・
「芋畑を格下に見るなど断固として許せん!」
・・・と、しょんなことがあって。
“名手の跡は焼け野原”に改訂しゃれてしまったでし。
「離珠、嘘はよくねーな。キリュウ姉がそんなこと言うはずねーだろ。」
うう、虎賁しゃんはしょの場にいなかったからしょんなことが言えるんでし。
「っていうか解説する奴が言葉改訂なんて・・・それこそ名手の跡は芋畑じゃねーのか?」
はうっ!


「名のない星は宵から出る」でし
『いちばん初めに出てくるものは大したことがない』という事でし。
また、待っているものはさっぱり来なくて待ちもしないものが早くからくるという事でし。
「この解説ってどうするんだ?」
ふふん、一番に出た星神とか精霊とか、しょうゆう安直なことはしないでしよ翔子しゃん。
「っていうかそれをやろうとすると半分自爆だしな。で、何にするんだ?」
太助しゃまの知り合いでし!えーと・・・
「ほほう。それってあたしのことかな?」
・・・しょうだったでしか?
「違うな。厳密には。っていうか人をたとえに出すなよ。」
だったら、今日の晩御飯にしゅるでし!
「どこの。」
えっと・・・
「七梨家の、とかってすんなよ。シャオが傷つくだろ。」
も、もちろんでしよっ!
「つーか晩御飯って・・・。せめて宮内神社のおみくじにするとかさ。」
あ、しょれにしゅるでしっ。翔子しゃん貴重な意見をありがとうでしー!
「あ・・・。うーん、っていうかおみくじって普通一度に一回しかひかないもんじゃ・・・まあいっか。」


「名は体を現す」でし
じゃじゃーん!離珠は名前に“離”って字があるでしね。
離珠は離れた所にいるシャオしゃまにメッセージを送ることができるんでしから、まあそういう事でし。
そして虎賁しゃん!見ての通り、虎みたいな尻尾があるでしね。
「おい、離珠。ちょっとそれは違うんじゃ・・・」
シャオしゃまは守護月天。なんと言っても主様をいろんな不幸から“守る”でしから当然でしね。
ルーアンしゃんは慶幸日天。主様に“幸せ”を授けるんでしから当然でし。
キリュウしゃんは万難地天。主様にいろんな試練、つまり“苦難”を与えるんでしね。
そして翔子しゃん。字の通り、“翔んでる”って感じがするでしよね。
「人の話聞けって離珠。ちょっと無理があるとおいらはおも・・・」
花織しゃん!乙女チックというところが“花”って気がするでしね。
出雲しゃん。シャオしゃまに近づくときは、まるで“雲”のごとく何所からでも出てくるでしね。
「ふーん、一理あるかも・・・って、こら離珠!人の話聞け!」
もう、なんでしか虎賁しゃん。離珠は今忙しいんでしよ。
「いいからここらへんでおしまい!だいたい他の連中の説明をどうつけるつもりなんだか・・・。」
むっ、失礼でしね、離珠はちゃんと考えているんでしよ!
『人の名前や物の名称は実態そのものを良く表現している』という事でし。
まあ、これだけ解説すれば大丈夫でしかね。


「なぶれば兎も食いつく」でし
「そぉーらたー様、こちょこちょこちょ〜。」
「いいかんげにしろルーアンー!!」
「きゃあ、たー様が怒ったわ〜。怒ったたー様もす・て・き。」
「す・て・き、じゃなーい!」
とまぁ、温厚な太助しゃまでも怒るときがあるんでし。
『がまんにも程度がある』という事でし。
「最近はしょっちゅう怒ってる気がするんだけどさ。」
細かいことは言いっこなしでしよ、虎賁しゃん。
「つーかぼうずのやつ、今回いきなり怒ってなかったか?」
だから、細かいことは言いっこなしでしよ、虎賁しゃん。
「そういういいかげんな解説がさ・・・」
きしゃー! いちいちうるしゃいでしね、虎賁しゃんは!
「・・・ま、離珠の場合はあんまりたとえにもならねーか。」
なんでしと!?


「鍋釜売っても」でし
たとえば目の前に一生もののお饅頭しゃんがあったとして、
でも離珠にお金がない時・・・。
鍋や釜なんてを売ってでも買ってしまうでし。
『どんな無理なやりくりをしても』という事でし。
「嘘をつくな嘘を!」
たかししゃんひどいでし。離珠は嘘なんかついてないでし。
「いや、そう涙ぐまれても・・・。と、とにかく!
これは、家計が苦しくて苦しくて、それで生活の必需品を売らなければならない状況で・・・。」
えうー、たかししゃん容赦ないでし・・・。
「ぐ・・・。」


「鍋の肌が湿ると雨」でし
「変わった天気予報ね、離珠。」
シャオしゃま。これはでしね・・・
『しめった温かい空気が鍋の表面に触れるとそこで冷やされて、
空気中に含まれていた水蒸気が露になって鍋の肌をしめらせる』という事でし。
「なるほど。つまりは鍋の底が湿っていると雨・・・あら、湿っているどころか濡れてるわ離珠。」
ふえっ?
「大変、洗濯物干しっぱなしなのを急いでとりこまなくちゃ!」
しゃ、シャオしゃまあ・・・行ってしまったでし。
ついしゃっき洗い物をしてたら湿って当然だと思うんでしが・・・。


「鍋蓋で鼠を押さえたよう」でし
鍋蓋で鼠を押さえたときは殺せば蓋が汚れるし、かといって逃がすのも惜しいので処置に迷うでしね。
『思い切りが悪いことのたとえ』という事でし。
「だからと言って、実際のたとえは出したくないな。」
そうでしね、太助しゃま。
「というわけで、語りたくはないたとえ話を出すよ。」
ふむふむ。それはなんでしか?
「たとえば俺が、しゃ、シャオに“だ〜れだっ”って、う、後ろから手で目隠しをする!
しかし間違えた!実は愛原だった!・・・シャレになってないほどやばいよな、これ。」
・・・太助しゃま、声からして決死のたとえだったみたいでしが。
「だめかな?」
微妙に違うと思うでし。
「よ、よーし。だったら姉貴と間違えたって事にしよう!これなら・・・。」
それでもさっきと違わないと思うでしが・・・。
「じゃあ仕方ない。離珠にしてみよう。」
太助しゃま・・・何かあったんでしか?


「鍋蓋と鼈」でし
「なんだこれ・・・俺には読めないぞ。」
たかししゃん、これはでしね・・・
「待て離珠ちゃん。自力で読んでみせる!」
しょ、しょうでしか・・・。
翔子しゃんは分かるでしよね?
「中学生に聞く漢字じゃないのは確かだと思うけどな・・・。
うーん、前後の言葉から察するに、スッポンかな?」
しゃしゅが翔子しゃんでし!
『ひどく違うもののたとえ』という事でし。
鍋の蓋とスッポンでは、丸い点が共通でもあまりに違いすぎるんでし。
「わかったぞ離珠ちゃん!これはまるがめだ!」
違うでしよ。
「何っ、違うのか!? うーん、うーん・・・。」
翔子しゃんの回答が聞こえてなかったみたいでしね・・・。
「つーか考えて分かるもんじゃないだろ、こんな漢字の読みなんて。」
翔子しゃんはばっちりわかってたでし。
「あたしのはただの推理だから。」
「わかったぞ! どんがめだ!」
違うでしよ。
「くっそう・・・。うーん、うーん・・・。」
「野村、惜しいところいってるんだけどな。」


「生壁の釘」でし
天鶏しゃんは、ずばり炎の鳥でしね。
こくり。
しょんな天鶏しゃんへ向かって、離珠が手で水をかけても効果なし!でし。
こくり。
『さっぱり手ごたえがないことのたとえ』という事でし。
今から実践してみるでしね〜。しゃあ軍南門しゃん、ホースの準備はいいでしか?
「うむ。」
!!?
いやいや天鶏しゃん、軍南門しゃんはあくまで水源の用意でし。実行するのは離珠で・・・
ばささささー
ああっ! なんで逃げるでしかー!


「なまくらの大荷物」でし
『怠け者が自分の力にもあわない大きな仕事をしようとする』という事でし。
「よく離珠が皿を並べようとかしてるじゃねーか。そういうことだろ。」
失礼でしね虎賁しゃん!離珠は怠け者じゃないでしよ!
「いや、力にも合わないってのは間違いないだろ。」
しょれはしょうでしが・・・。
「だいたい、最近はぼうずにちゃんと付き添ってるのか?月天様の言いつけ忘れて離れすぎてねーか?」
ぎくぎくぎくぎくっ
「そもそも今だって、こんなことわざ解説やってる場合じゃねーだろ。ぼうず、居間で一人だったぞ。」
ぎくぎくぎくぎくぎくぎくぎくぎくっ
・・・ふ、ふん、今の今まで休憩時間だったんでしよっ!太助しゃま〜、離珠が今行くでしよ〜。
「四六時中付き添う役割の奴が休憩するべきじゃねーだろ・・・。」


「怠け者の節句働き」でし
・・・日頃怠けている人って誰がいたんでしかねえ?
こういう事は、日頃からよく働いてる翔子しゃんに訊いてみるでし。
「あん?そんな事言ってる暇じゃないんだよ。今日中にこの課題をやっておかないと・・・。」
折角の休みの日だってのになんだか忙しそうでし。
「ああーもう、多過ぎだっての!くっそー、今週授業サボりすぎたな・・・。」
翔子しゃ〜ん・・・。
どうやら、日頃授業をサボっていたツケがまわって来たようでし。
絶対強制提出の宿題とやらが沢山あったみたいでしね。
『日頃怠けている人に限って、皆の休みの日にわざと忙しそうに働く』という事でし。
「・・・おい離珠、あたしを例えにしようってんじゃないだろうな?」
そのつもりでしが・・・って、もう遅いでしよ。
「だめだ!だいたいあたしは怠けてたんじゃなくって・・・ってこんな事やってる場合じゃない。
忙しいからもう帰ってくれ。」
分かったでし。そういえば離珠はどうやってここに来たんでしかねえ?
「おい!」


「海鼠の油揚を食う」でし
「これはまた珍しいもんを引っ張り出してきたな〜。」
那奈しゃん、わかるでしか?
「まぁ、一応。食ったこともあるし。」
『口がよくまわることのたとえ』という事でし。
「ナマコがぬるぬるしている上に油で口がなおすべる。
その口をしゅすの襟でふいたほどよくしゃべる人もいる。ってか。」
どういうことでしか?
「自分で考えな。あ、言っておくけどあたしは違うからな。くれぐれも。」
わ、わかったでし。


「鯰がさわぐと地震がある」でし
「どれ、ひとつ騒いでみよう。」
ほえ?
「万象大乱」
ぐらぐらぐらっ
わわわわっ!?
「なまずは居なかったが、少し家の下地面の部分を大きくしてみた。どうだ、揺れただろう。」
しょ、しょんなことをしてはいけないでしっ!
『ナマズが地震に敏感である』という事でし。
って、今回のキリュウしゃんはまったく違うでしよっ!
「万象大乱によって大きくなった地面がナマズのたとえであって・・・」
しょもしょも、地面が大きくなるってどういう状態でしかっ!
むしろキリュウしゃんが万象大乱って騒いだから地震が起きたようなものでしっ!
「・・・なるほど、上手いな離珠殿は。」
言ってる場合じゃないでしよっ!


「生兵法は大疵のもと」でし
「ここは一つ、真面目に解説といきましょうね。」
出雲しゃん!離珠はいつも真面目でしっ!
もう、折角頼みにきてこの出だしはひどいでし・・・。
「ああ、すみません。他意はなかったのですが・・・。こほん。
知恵の浅いのやうろ覚えの技術は危険そのものですね。」
うんうん、しょうでし。
「離珠さんを始めとした星神たちのようにしっかりとした技術なり力を持っているのならともかく。
・・・仮に、野村君が虎賁さんのように球技を教えようだとか、長沙さんのように治癒を行おうとか・・・。」
むぅ・・・たかししゃんで大丈夫なんでしか?離珠は不安でいっぱいでし。
「野村君はそういった分野はちゃんと勉強していないですからねぇ。下手をすれば大惨事になってしまいます。」
ぶるぶるぶる。おしょろしい事でし・・・。
『中途半端な生かじりの知識をもとにして物事をすると大失敗をする』という事でし。
「・・・いけませんね、何も知らない野村君だと、たとえとしてよくありませんでした。」
んん?・・・あっ、しょうでしね!
「と、このように、ことわざ解説の失敗をしてしまった私のようになることがある、と。」
い、出雲しゃん・・・。
失敗じゃないでしっ!ちゃんと解説してるでしっ!離珠は感激でしっ!


「生物識川へはまる」でし
これは“なまものしりかわへはまる”と読むでし。
「主殿、試練だ。歩いてあの川を渡ってもらおう。」
「いや俺忍者じゃないし・・・。」
「そう、その忍者だ。忍ぶ者、のように見事渡ってもらうのが今日の試練だ。」
「いや、あのな、キリュウ・・・」
「右足が落ちる前に左足、左足が落ちる前に右足、をそれぞれ出せばいいのだ。」
「いやだからさ・・・」
「理屈がわかればあとはそう歩くのみだ、簡単だろう?」
「・・・・・・(だめだこりゃ)」
しょして、キラキラした目のキリュウしゃん(太助しゃま談)を説得しきれず、
太助しゃまはしょの試練に挑戦して見事に川に落ちてしまったでし。
『なまじっか知っている者はそれくらいは知っていると軽率にやるから失敗する』という事でし。
「軽率、って・・・心外だなあ。俺は元々やりたくなかったのに・・・。」


「生物識地獄へ落ちる」でし
『生半可な知識の者は、仏法の悪口をいったりするので地獄に落ちてひどい目にあう』という事でし。
「そうなんだ?」
いや翔子しゃん、まじまじと聞かれても困るってもんでし。
「勝手に困られてもなぁ・・・うし、じゃあためしに悪口言ってみるか。」
よ、よした方がいいでしよっ。
「ルーアン先生の・・・いや、こういうのは愛原の役だ。」
ずるっ
「というわけで連れてきたぞ。ことわざについては説明しないで。」
「なんですか山野辺先輩。いきなり引っ張ってきて・・・。」
説明しないってどういう魂胆でしかっ!
「さぁ愛原、思う存分ルーアン先生の悪口を言ってみるんだ。」
「はあ? うーん・・・ルーアン先生の若作りー!」
きらーん
「なぁんですってええええ!!」
うわわわっ、陽天心の机集団が襲ってきたでし!
「ひいい!? ちょっと山野辺先輩、話が違うじゃないですか!
ルーアン先生の悪口を言ったら七梨先輩が喜ぶって!」
なんでしか、しょのシャオしゃまにつくみたいな嘘は。
「いや、七梨が飛んでくるかもなーって言っただけなんだけど。」
「待たんかこらー!」
「ちょ、ひえええ!?」
あれよあれよという間に、ルーアンしゃん含めて花織しゃんがあっちの方へ行ってしまったでし。
「うん、あれはひどい目にあってるも同然だな。これでよしか。」
何がいいんでしか! 生半可な知識とか仏法はどこへいったんでしか!
「七梨が絡むっていう生半可な知識と、仏法はルーアン先生。ばっちりでいいじゃん。」
ぜんっぜんよくないでしよっ!


「生酔本性違わず」でし
『酒に酔ってももともとの性質は変わらない』という事でし。
「へえ、そういうもんなのか。」
そうでしよ、たかししゃん。
たとえたかししゃんが酒に酔って“うあああああ!”とか叫んでも、
やっぱりそれはたかししゃんでし。
「そうか、そうなんだよな。そうなると俺の本性は叫びってことか・・・」
「あの、僕が思うにそれはいつものたかし君と変わらないよ・・・。」


「訛は国の手形」でし
「ううおおおー!!ぐわあああああー!!でやあああー!!」
・・・・・。
「ふう、今のが“こんにちは、ごきげんいかがですか”だ。」
というわけで、たかししゃんによるたかししゃんのためのたかししゃんの国ができたとしたら、
きっとこんな挨拶になるだろうという想定のもとのたとえでし。
『その人のことばによって生国が知れる』という事でし。
「絶対疲れるな・・・一日も居たくない。」
「太助ぇ、遠慮するなよ!」
「遠慮どころか避けて通るよ。」
「なんだとお!?」
う、うるしゃいでし・・・。


「鉛は刀となす可からず」でし
鉛はどんなに細工をしても刀にはならないし、銅は弓にはならず、木は釜にならない。
『ばかは使いようがない』という事でし。
「ばか・・・?それは誰のことだ?」
な、那奈しゃん、しょんな恐い顔を近づけないでくだしゃい。
離珠は那奈しゃんを差して言いたいわけじゃなくて、他にたとえを出してほしいだけなんでしよー。
「ふーん。っていうかこれ、ばかどうこうじゃなくて、使い方間違えるとダメってことじゃないの?」
ふえ?
「つまりさ、離珠を戦闘に使うだとか、軒轅を料理人にするとか、そういうたとえが合ってるんじゃないの。」
む、むむむ・・・確かにしょうでし。
「ちゃんと考えてやろうぜ。」
めんぼくないでし・・・。


「涙より早くかわくものはない」でし
『人の悲しみは永久につづくものではない』という事でし。
シャオしゃまの悲しみも永久につづくものではない、のでし。
「それはそうなのじゃが、やはり苦しみに囚われるシャオリン様を見るのは辛いものがあるのじゃ。」
しょれをうちやぶるために太助しゃまが頑張ってるわけでしねっ!
「うむそのとおりじゃ。じゃからこそ、もっとしっかりしてもらわねばならんというのにあの小僧は・・・」
「あのー。」
なんでしか?
「なんじゃ?」
「二人揃ってなんで俺の部屋で解説とかしてるわけ?宿題ができないんだけど・・・。」
しょれはお約束ってやつでしよ。
「これを傍らで聞くことにより小僧の意識も高まる。一石二鳥というやつじゃ。」
「頼むから他でやってくれー!」


「波に千鳥」でし
『絵になる取り合わせの例』という事でし。
早速海へやってきたでし〜。ささ、キリュウしゃん。
「わざわざそこまでしなくとも・・・。
まあいい。それでは文殿、飛んでみてくれ。」
キリュウしゃんに言われて颯爽と波の上を飛ぶ文しゃん。
これがやりたかったんでしよ〜!
「あの鳥で代役になるのか?」
「たー様、細かい事は言いっこなしよ♪」
「そうだぞ太助。こうやって海に来れたんだから!」
「さあ、皆で泳ぎましょう。」
そしてその後は皆しゃん海で遊んで・・・楽しかったでし〜。


「蛞蝓に塩」でし
「これ、何て読むんだ?」
「なめくじですよ、太助君。」
出雲しゃん、解説どうもでし。
「出たな、ふぁさぁ男。」
「変な肩書きを勝手につけるのはやめてもらえますか。」
ふぁさぁ
「・・・俺はそのふぁさぁを見ると憂鬱になるな・・・。」
と、今の太助しゃまのように、『すっかりしょげてしまう』という事でし。
「しょげるまではいってないぞ?」
また『苦手の前に出てちぢんでしまうことのたとえ』という事でし。
「ちぢこんでもないからな?」
「そうやってムキになってるところが十分当てはまっていると思いますがね。」
ふぁさぁ
「だからそのふぁさぁをやめろー!」


「なめくじの江戸行」でし
「主殿、新しい試練を考えた。」
「へえ、それはなんだ?」
「ほふく前進で学校へ向かってもらおう。もちろん私の妨害つきで。」
「・・・・・・。」
「どうした?主殿。」
「なあ、それってひょっとして死んじゃわない?」
「どうしてだ。」
「でかいマンホールが転がって来たりしたら、俺、避ける自信無いよ。
つーか、避ける事は無理だろうし。」
「そういえばそうだな。いい案だと思ったのに残念だ・・・。」
「けど、軽くならやってみる価値はあるかもな。」
「軽く?」
「そうだよ。いきなり死にそうな障害を作るんじゃなくて、ある程度の物をさ。」
「なるほど。言われてみれば、私が難易度を操作すれば良い事ではないか。
よし、早速やってみよう。」
そして、翌日それが行われたんでしが・・・。
「う、うう、夕方がきてもまだ家が見える距離ぐらいしか進めないなんて・・・。」
「やはり難しすぎたのだな・・・。」
ゆっくりゆっくりと太助しゃまが進む姿は正に!
『ぐずぐずしていてさっぱりはかどらない』という事でし。
キリュウしゃん、手加減をもっとするべきだったんでしよ。


「名よりも実」でし
「いくら七梨家が立派でも、美味しいごはんがないと暮らしていけないわ!」
そうダイニングで声高らかに主張しているのはルーアンしゃんでし。
『名前や見かけのよさよりも、実質の良いものの方が良い』という事でし。
「というわけでシャオリン〜。今夜はあたしの好きな天ぷらにしてね〜」
「あの、ルーアンさん、すでに今日はお鍋を作り始めてるんですが……」
ぐつぐつぐつ
しょういや今夜は鳥鍋でしね。離珠はシャオしゃまと一緒にお買い物に行ったんでし!
「じゃあそれでいいわ。ああ、ご飯が楽しみ〜♪」
鼻歌を歌いながらルーアンしゃんはあっさり退散してしまったでし。
「ルーアンさん、もうすぐご飯できますよ〜!」
「行ってしまったぞシャオ殿」
「ったくルーアンは行儀がいいんだか悪いんだか……」
「要するに食い意地がはってるってだけのことだろ」
席に着いてる皆しゃんにとっては、なんだかなぁな出来事だったでし。


「鳴る腹に祟りなし」でし
たとえばルーアンしゃんのお腹ってよく鳴ってるでしよね。
「失礼ね。四六時中鳴ってたりしないわよ。お腹がすけば鳴るの。」
まあまあルーアンしゃん。ただのたとえでしから。
『腹が鳴るのはそんなに重い病気ではない』という事でし。
「・・・ねえ、これだとなんか重くなくとも病気にかかってるように思えない?」
でも少なくともルーアンしゃんは重い病気にかかっていないということでしよ。
「だからあ!こんな解説じゃあ、あたしが病気と思われちゃうじゃないの!!」
そんなことは多分ないでしから大丈夫でし。
「それもなんかひっかかるわね・・・。」


「南船北馬(なんせんほくば)」でし
秘密:これは世紀末企画でし!・・・って、なんてバレバレなんでしか!!

ある日。太助しゃまのもとに一通の手紙が届いたんでし。
「・・・親父からか。手紙に変な細工とかしてないだろうな。」
えらく用心深く隅々まで点検する太助しゃま。
目がなんだか恐いのは気の所為じゃないでし。
「よし、異常ないみたいだな。えーと・・・
“ニイハオ太助!父さんは中国を相変わらず旅している。
長江を知っているか?あれはいいぞー。
以前泳いで上ろうとしたら・・・”
って、何考えてんだあの馬鹿親父!!」
手紙を読み出したと思ったら突然叫んだ太助しゃま。
冒頭に何やら凄い事が書かれていたみたいでしね。
「たく・・・。えーと・・・
“・・・というわけで、川は泳ぐのじゃなく船に乗せてもらった。”
当たり前だろうが・・・。
“上流に巨大なダムが建設されつつあるようだ。
世界で一番大きなものとなるらしい。あまりの大きさに父さんは・・・”
って、建設中のダムをよじ登ってんじゃねー!!」
再び立ち上がったでしぃ!で、また座ったでし。
まったく忙しいでしね。
「なんかもう読む気にならん・・・えーと最後の方は・・・
“広い広い草原をさまよっていたら、騎馬民族に出会った。
行けども行けども景色が変わらなかったので途方にくれていたので助かった。
どうやらかなり奥地に・・・”
・・・まさか遭難してないだろうな。でもまあ、無事だからこうして手紙を送ってきたんだろうな。」
ともかく、太助しゃまのお父しゃまはたくさんの場所を旅してたみたいでし。
『中国では南のほうは川や湖が多いので船で旅をするし、北のほうでは山や平地が
多いので馬で旅をする。それほど広い所をあちこち旅をすることのたとえ。』という事でし。
ほんと、色んなところを旅してるでしね〜。
「つーかずっと中国にいてよく飽きないもんだよなあ。
ま、それだけその国が好きだって事かな。」


「なんの糸瓜」でし
道端を太助しゃまが歩いていたら、
どか!!
という大きな音が!
見ると、道に倒れたおばあしゃんと、走り去って行く男女が見えたでし。
太助しゃまは急いでおばあしゃんを起こしに行ったんでし。
「大丈夫ですか?」
「え、ええ。ありがとう。」
「いえいえ。それにしても人を倒しても平気で走り去って行くなんて・・・。」
太助しゃまが呟いたそれは、おばあしゃんから話を聞くとその通りだったでし。
しかも、ぶつかったくせに自分達はそ知らぬ顔で去って行ったそうでし。
まったくとんでもない人もいたもんでしねえ。
『なんとも思わない事。少しも気にかけない事』という事でし。


「なんばん食いに金貸すな」でし
『金を貸す時には相手を見なければいけない。
トウガラシを食べると食欲が進むものだからつい余計食べる。
そんな不経済なことをする者に金を貸すと取れなくなる恐れがある』という事でし。
「つまり金を貸すならキリュウ、ってことだな。
さあキリュウ、たっぷり借りてくれ。」
「・・・翔子殿、私は金など借りたくないのだが。」
「いいじゃん。あたしが貸すって言ってるんだから借りてくれよ。」
「いや、借りた所で使うこともないし・・・。」
「使う必要なんてないんだよ。持ってればいいんだ。
あたしに返す時にしっかり利子をつけて返してくれればいい。」
「・・・・・・。」
「あれ?どうしたキリュウ。」
「私は金を増やせるわけではないのだが・・・。」
「じゃあ金はやめた。食物にする。返す時に大きくして返してくれ。」
「翔子殿!」
「やだなあ、冗談だよ冗談。とりあえずたとえに出たんだ。喜ばなくちゃな。」
「これは喜ぶべきなんだろうか・・・?」
多分、喜ばしいことなんでし。
なんちゃって、冗談でし。


戻るでし。