≪と≫でし!


「戸明けの戸たて」でし
『その場に始めから終わりまで居る人』という事でし。
始めから終わりまで居る人は始めに来て戸をあけて入り、
最後まで居て戸をしめて帰るでしからね。
「例えば誰だ?」
それは太助しゃまでし。
「そうか、俺か・・・って、なんで?」
おうちの扉の鍵をあけて、寝る前にしめるからでし。
「そりゃあ、この家に住んでるから・・・。」
じゃあ、一度それで競走をやってもらうでし。
「どんな競争?」
家の扉をあけたりってのをたかししゃん達に・・・
「やめろって。」


「桃源郷」でし
『世の中の争い事や、不幸な出来事、悲しい出来事などが一つも無い所。
夢に描くような楽しい平和な所』という事でし。
「そんな所あったら、シャオリンなんて居なくても良いわねえ。」
「ルーアン殿も居なくて良いぞ。」
「キリュウさんも必要無いかもしれませんね・・・。」
「という事だ。」
・・・・・・。
三人の言葉を纏めた那奈しゃんでしが・・・なんだか無理に言わせたってのがバレバレって感じでし。
「ま、こんな事をわざわざ言わなければならないくらい、今は平和なんだよ。」
太助しゃま、それはまた違うでしよ。
はう、わざわざ解説するのに苦労するんでしから、やっぱりここは平和なんでしねえ。
「それもまた違うって。」
たわいないツッコミをいれる虎賁しゃん。
こんなのんびりしてるってだけで、十分でしね。
「そんな事言ってたら、あたしがシャオ達に余計な事を言わせたみたいじゃないか。」
「みたいじゃなくて、本当に言わせたんだろうが。」
「確かにそうだけど・・・ええーい、辛気臭い話は止めだ!
翔子のとこにでも遊びに行ってこよ〜っと。」
・・・ボーっとしていても終わらなさそうなので、この辺で終わりにするでし!
「離珠、こんな中途半端で終わると、文句がかなり来るぞ。」
そんな細かい事を気にしていると、平和になれないでし!
「わけわからん・・・。そういう問題か?」
そうでし!


「東西南北の人」でし
いろいろ言いたい人が居ると思うんでしが・・・まずはシャオしゃま達でし。
「それじゃあ私から行くわね、離珠。
私は今までいろんな御主人様にお仕えしてきました。
ある時は、戦乱の世の小国の王様に。
またある時は、義を重んじる勇敢な武将様に。
そしてまたある時は、山奥に隠れ住む亡国の幼き姫君に・・・。
もちろんこれだけ仕えていると、住む場所もどんどん変わるものです。」
「ハーイ、次はこのあたし、ルーアンよん。
シャオリンみたいに具体的に言わないけど、とにかくあたしも中国を転々としたのよね。以上!」
「次は私か・・・。えーと、人づてに短天扇が渡り、色々な所へ行った。
その、所変われば品変わる、というものでもなかったな。
どの主も、試練など好んで受けはしなかった。やはり・・・。」
・・・話がそれそうなので次行くでし。
「離珠殿、私はまだ言いたい事が・・・。」
「キリュウ、後で一人になってからたっぷり言いなさいね。」
「そんな・・・。」
というわけで、更に太助しゃまでし。
「ふう、やっと出番だぜ。まあ、家の家族の事だ。
俺以外の三人、とにかく海外を旅行しまくって・・・。
ったく、中学生の俺一人に家を任せるなよな。だいたい・・・。」
またもや話がそれそうになったのでここでストップでし!
というわけで『諸国をさまよい歩き、住所が一定してない人』という事でし。
みなしゃ〜ん、きちんと一つのお家に住もうでし。
「離珠、それはちょっと違うぞ。そんな事より俺が言いたいのはな・・・。」
「離珠殿、私も話を区切られていた。とにかく試練とは・・・。」
またもや収拾がつかなくなってきたでし。ではさらばでし!


「灯台下暗し」でし
「おーい、離珠ー。どこだー。」
太助しゃまが離珠を探しているでし。
でも離珠は隠れてるんでし。太助しゃま、見事見つけてみるでし!
「あ、シャオ、離珠どこに行ったか知らないか?」
「太助様、離珠なら太助様の肩の上にいるじゃないですか。」
「えっ?」
そして見つかったでし。もう、答えを言っちゃだめでしよ。
『あまりに近くにありすぎると、逆に見つからない』という事でし。
ちなみにかくれんぼしてたわけではないんでし。太助しゃまを試したんでしよ。


「同病相憐れむ」でし
『同じ病気で悩んでいる人、同じ失敗をした人、同じような辛い身の上の人は、
相手の苦しい気持ちがよくわかるので、同上しあい、助け合う』という事でし。
「そうだよな、人間ってそういうもんだよ。
あいての気持ちがわかるからこそ、親身になれるってもんだ。」
そうでしね、太助しゃま。
「しかしどうして俺の周りの連中は・・・。」
「太助様?どうしたんですか、そんなに深刻そうな顔をして。」
あ、シャオしゃま。
「しゃ、シャオ・・・。えと、まあ大した事じゃ無いから。」
「でも・・・。」
太助しゃま!ここで隠してしまっては駄目でし!
「けどシャオに話しても要らない心配になりそうだしなあ。
やっぱりこれは俺自身の問題のようなきがするんだ。」
「太助様、私にはわからない事かもしれません。
でも、話してくださるまで、それはどうかわかりませんよ?」
太助しゃま、話すでしよ。
「そうか・・・。よし、話すよ。
俺ってさ、何人もの精霊の同じ主だろ?だから・・・。」
と、つとつとと難しい話を始めてしまったでし。
なるほど、これはたしかに話したところで同じ境遇にはなれないでしねえ。
途中離珠は眠ってしまって聞いてなかったんでしが、
シャオしゃまはしっかりと最後まで聞いて・・・どうなったんでしか?
「それは秘密よ、離珠。」
ええーっ?


「豆腐で歯をいためる」でし
『あるはずがないことのたとえ』という事でし。
でも、熱い湯豆腐で歯を痛める人がまれにはあるでしね。
というわけで!離珠と花織しゃんの!
「七梨先輩にお豆腐をたくさん食べてもらおうコーナー!」
「愛原・・・お前もか・・・。」
何をそんな落ち込んでるでしか、太助しゃま。
「そうですよ。豆腐料理をただたぁくさん食べてもらうだけなんですから。」
「そ、そうか。ならいいかな・・・って、誰が料理作るんだ?」
ふえっ?それはシャオしゃま・・・
「もっちろんあたしです!さあ、腕によりをかけて美味しい料理作りますからね!」
「え・・・。」
な、なんと・・・これは一大事でしー!!
「さあて、まずは豆腐と醤油と納豆とで豆攻めにして、次は・・・」
「おおい!何を作るつもりだー!!」
こ、これにてお終いでし!


「道楽息子に妹の意見」でし
「たかしお兄ちゃん!いつまでもそんなグータラしてたら駄目ですよ!!」
という花織しゃんの意見が出たんでしが・・・。
「うるさいな。俺の魂がグータラしろって言ってるんだからいいんだよ!」
というたかししゃんの返答!
『手応えが無いこと。親が言ってさえ聞かないのだから、妹の意見など聞くはずが無い』という事でし。
「なんであたしがこんな事言わなきゃならないんだか・・・。」
花織しゃん、離珠は密かに知ってるんでしよ。
いつぞやの温泉旅行の時、“お兄ちゃんみたい”とか思ってたじゃないでしか。
「・・・誰から聞いたのよそんなこと。」
ふふん、離珠の力を見くびっちゃあ困るでしね。
「もーう!だからってこんな扱いはないでしょー!?
まあでも、野村先輩の返答は離珠ちゃんが書いたものだからよしとしようか。」
そうでしね。
「でもいーい?野村先輩に絶対言っちゃ駄目だからね!!」
りょ、了解でしっ。


「蟷螂せみをうかがう」でし
『目の前の利益にばかり気を取られて、そのあとの事に気を配れ無い事。
また、次に迫る危険に気がつかない』という事でし。
蟷螂というのは、かまきりしゃんのことなんでし。
せみしゃんを狙っているかまきりしゃんが、
雀しゃんに狙われている様子に気がつかない、という状態でしね。
「で、例えはどうすんだ?」
虎賁しゃん、何か良い物をお願いするでし。
「お前なあ、最近おいらに頼ってばかりじゃねーか?」
じゃあ無しでいいでし。
「そんないいかげんな事言ってると。誰かに狙われるぞ。
ことわざ解説をやろうって奴に・・・。」
そ、それは誰でしか!?
「うーん・・・多分居ないな。」
がく。


「遠くの親類より近くの他人」でし
「絶対シャオ達の事だ!!」
うわっ、びっくりしたでし。太助しゃま、いきなり言わないで欲しいでし。
「うちの家族はしょっちゅう外国に行ってるから、いざって時に全然頼りにならない!!
けれどシャオ達はいつも傍にいてくれる。これぞまさに!!という事だ!!
あ、ちなみに俺はシャオ達を他人だなんて思ってないからな。」
太助しゃま、何処に向かって言ってるんでしか・・・。
『遠くにいる血のつながった者よりも近所にいる他人の方が頼りになる』という事でし。
待つでし。シャオしゃま達の事を他人と思ってないならどう思っているんでしか?
「へ?そりゃあ家族だってことだよ。血なんてつながってないけど、そんな物は関係ない。
シャオ達は俺の家族の一員なんだ!!」
家族・・・。まあそれはそれでいい事なんでしが、それだとことわざの意味と違ってくるような・・・。


「十で神童十五で才子二十歳過ぎては只の人」でし
『幼い頃はずば抜けた秀才だと思われた子供が、
成長にしたがって普通の人と変わらぬようになる事が多い』という事でし。
「太助もいずれ普通の人になっちゃうんだよなあ・・・。」
「なんだよ那奈姉。俺は普通の人だろ?」
「今は三精霊の主なんてやってるじゃないか。」
「でも、いつまでもそうでもそれはそれで困るしさ・・・。」
「普通の人になんて無理してならなくてもいいだろ?」
「無理なんてしてないって!というか俺は普通の中学生だー!」
「今は普通じゃないだろ。」
「だからあ!そういう事じゃなっくって!!」
今更太助しゃまが叫んでも、特に変わりは無いでし、ね。


「どか儲けすればどか損する」でし
「例えば賭け事とか株なんかで遊んでる連中にはいい教訓だよな。」
そうでしね、那奈しゃん。
『一度にどっと儲ければ、一度にどっと損するような時もある』という事でし。
昔中国でもそういう人を見かけたんでしが、そんなものだったでし。
「もっとも、家には縁の無い言葉だけどな。」
そうであることを願うでし。
「無いといったら無いんだ!あの太助を見ろ!」
たしかに賭け事とは無縁でしよねえ。


「読書三到」でし
ただいま離珠はキリュウしゃんのお部屋にお邪魔しているでし。
キリュウしゃんは何やら試練についての本を読んでいるみたいでしが・・・。
「・・・人を鍛えるのに効果的な試練。それは、普段の生活を良く見て・・・。」
なんと、声に出して読み始めたでし。
その前にじいーっと本を見つめていたりして、すっごく真剣だった見たいでし。
すべてを読み終えると、キリュウしゃんはばっちり分かったというような顔をしてたでし。
『効果的な読書の方法には、精神を統一・集中する事(心到)、
目でよく見る事(眼到)、声に出して読むこと(口到)の三つがあり、
特に精神の統一・集中が大事である』という事でし。
なんだかうらやましいでしねえ。離珠は喋る事は出来ないでしから。
それでも、精神統一と集中なら負けないでしよ!


「読書三余」でし
読書をするのによい時期として『一つ目は、一年のうちで最後に余った冬。
二つ目は、一日の最後に余った夜。三つ目は時間を持て余す雨の日。
このような余った時間を利用すれば、読書や勉強が良くできる』という事でし。
だから太助しゃま!しっかり読書をしようでし!
「なんでそうなるわけ?俺は別に時間が余ってるわけじゃ・・・。」
だったらルーアンしゃん!
「あんたこそ読書したらどうなの?絵を書いて伝える以外の方法が見付かるかもよ。」
・・・なるほど、それもそうでしね。早速虎賁しゃんに相談でし。
「「おい・・・。」」


「読書百ぺん義おのずからあらわる」でし
ここは、沢山本を読んでいそうな乎一郎しゃんにお願いするでし。
「うーん、どうしてそう思ったの?」
だって眼鏡をかけてるじゃないでしか。
「それはなんか違うような・・・。」
ともかく、始めるでし!!
「分かった。えーと、本を読む時は・・・」
違うでしよ、これを解読して欲しいんでし!!
すらすらすらっ
今までの伝える為の絵とは別に、離珠は一つの絵を描いたでし。
「・・・何これ?」
これが何を表わしているか言って欲しいんでし。
「ええっ?うーん・・・。」
真剣に考える乎一郎しゃん。頭をひねらせて首を傾げてじいっと絵を見て・・・。
数分の後にポンっと手を打ったでし。
「わかった。“軒轅しゃんと一緒に出雲さんの家へ御饅頭を食べに行ったんでし”だね。」
正解でし〜!!というわけで、
『最初意味のわからない本も、繰り返して読めば自然に意味や内容が分かってくる。
一冊の本を読めば役に立つ』という事でし。
「・・・離珠ちゃん、これは本じゃ無くて絵じゃない。」
細かい事は気にしちゃだめなんでし。
離珠は、本に限らずとも色んな物にこれはあてはまる、と言いたかったんでしよ。
「それだとことわざから脱線しちゃうような・・・まああってるけどね。」
ちゅわ、でし。


「読書亡羊」でし
昔々ある所に、羊の見張り番である、たかししゃんと翔子しゃんという人がいたんでし。
ところが、たかししゃんは・・・。
「おおー!お・れ・の、熱き〜!・・・いや、もうちょっと捻りを・・・。」
とまあ、歌の練習を。歌詞を懸命に練っていたんでし。
そして、翔子しゃんは・・・。
「この店で七梨とシャオを引き合わせ・・・いや、それじゃあ面白みがないよなあ。うーん・・・。」
とまあ、太助しゃまとシャオしゃまという二人のための作戦を練っていたんでし。
そんな事をしているもんだから、羊の番はほったらかし状態。
肝心の羊しゃんは逃げて行ってしまったんでし・・・。
たかししゃんは自分の為ばっかりのことであれなんでしが、
翔子しゃんは太助しゃまシャオしゃまの為という事でさすがでし。
でも、番をサボって羊しゃんを逃がしてしまった事には変わりないでしね。
『他の事に気を取られて大切な事をしないことのたとえ』という事でし。
羊の飼い主である出雲しゃんはたいそう怒ったそうでし。
「まったく、どうしてあなた達は真面目に仕事をしてくれないんですか・・・。」
すると二人はこう答えたそうでし。
「うるさいなあ。俺にとっちゃあ、あの歌は大事なものなんだ!」
「おにーさん、あたし達に頼んだのが間違いだったんだって。」
まったく話にならない答えに、出雲しゃんは物凄くがっくりしてしまったそうでし。
・・・めでたしめでたし、でし?


「何処で暮らすも一生」でし
『寂しい田舎で暮らすのも、賑やかな都会で暮らすのも一生は一生である。
同じ事なら良いところに住む方が得だ』という事でし。
「というわけで、俺は今日から太助の家に住むから。」
「僕も太助君の家に住むね。」
「どういうわけだよ・・・。」
唐突にやってきたたかししゃんと乎一郎しゃん。
もちろん太助しゃまはそれを許さなかったんでしがね。
「ちぇ、シャオちゃんと一つ屋根の下だってのに。」
「ルーアン先生と一つ屋根の下だってのに・・・。」
「だからっていきなり住むなんて言うなよ!!」


「所の法に矢は立たぬ」でし
『土地土地の風俗や習慣には、例えそれが正しくなくても従うより仕方ない』という事でし。
「そこでたー様、ルーアン考えてみたの。」
「何を考えたんだ?」
「たー様って、日曜日ごとに愚痴をこぼしてたじゃない?
いつもいつも押しかけてきやがって・・・とか。」
「ああ、そうだな。たまの休みくらいゆっくりしたいのに。」
「そこで!家に上がるにはご馳走を手土産に持ってこなければいけない、
っていうルールを作ればいいのよ!
そうすればご馳走が無い者は来ないし、来たとしてもご馳走が手に入るし、一石二鳥よ!」
「無茶苦茶な案だな・・・。でも、効果的かも。よし、一度試してみるか!」
そして法令がしかれたんでし。すると・・・効果はばっちり!
更にキリュウしゃんに“試練だ、耐えられよ”を言う役をやってもらって、誰も来なくなったでし!
いつも手土産を持ってきてくれてた出雲しゃんまで・・・。
「すごい効果だな・・・。けど、これで果たして良かったんだろうか・・・。」
「良くないわよたー様!あたしはご馳走を期待してたのにー!!」
「やっぱりそれが狙いかよ。」
「試練だ、耐えられよ。」
「うっさいわよキリュウ!あんたもいつまでも言ってんじゃないわよ!」
で、考案者のルーアンしゃんから反対案が出て、一ヶ月もしないうちに法令は取り消されたでし。
「結局俺んちはこういう調子なんだな・・・。」
がやがやがやがやがやがやがやがやがやがやがやがやがやがや


「年問わんより世を問え」でし
「まったくだよな。あたしはつくづくそう思う。七梨を見ろ、あんな精霊三人の主になるなんて。
しかもそのうちの一人と恋仲だもんな。すごいよほんと。とてもあたしと同じ歳だなんて思えない。
かくいうあたしもその一人と親友だけどな。良い経験だ。以上!」
翔子しゃんに一気に語られてしまったでし。
『年齢の多いか少ないかは問題ではなく、経験の深さの方が大切だという事。
その人が今までどのような暮らし方をしてきたという事が問題である』という事でし。
「暮らし方はたしかに言えてるよな。成長するために試練を受けながら、シャオからの安らぎを・・・。
ほんといい生活してるよな、七梨は。あれでもうちょっとデートとかをすれば良いんだけど。
やっぱあたしがもっと那奈ねぇと一緒に頑張って・・・」
翔子しゃん、もういいでし。


「泥鰌汁に金つば」でし
『取り合わせの悪いものの例え』という事でし。
例えば・・・
「例えはもう出てるでしょ、離珠。だからこれで終わりなの。」
しゃ、シャオしゃま!そうでし、シャオしゃま、実際に・・・
「駄目です。」
・・・えうー。
「泣き真似をしても駄目ですからね。」
む、むむむむ、シャオしゃまも手強くなってきたでし。


「年寄りと膠はあぶる程よい」でし
『老人は火の傍にばかり寄りたがる』という事でし。
「そっか。キリュウって老人だったんだな・・・。」
那奈しゃん、その発想は違うでしよ。
「だってさ、冬にはストーブとかの近くにずっと居たよ。
なんと言ってもキリュウはすっごく長く生きてるし・・・。
あ、でも夏には近寄らなかったな。なんだあ、これ嘘じゃん。」
ちょ、ちょっと!なにを勝手に進めてるでしか!!


「年寄りの冷や水」でし
『年をとった人が冷たい水を飲んだり浴びたりすること。自分の年や体力を考えずに、
若い人の真似をして無理なことをする人をからかったり戒めたりする言葉』という事でし。
年寄りと言えばこの人!
「南極寿星のじーさんだな。」
「いよっ、待ってましたー!」
太助しゃまとルーアンしゃんの拍手に迎えられ、シャオしゃまの支天輪から登場でしー。
「ワシをなんだと思っておる!?ネタに使われるために居るわけじゃないぞ!!」
わわっ、早くも怒ってるでし!!
「南極寿星、ことわざの解説なの。協力してあげて?」
「シャオリン様・・・。密かに楽しんでおられませんか?」
「そ、そんなことないってば。」
「はあ・・・。まあいいですじゃ。シャオリン様の顔を立てて、ここはジジが一肌脱ぎましょうぞ。」
ほっ、やる気になってくれたみたいでし。
「単純だなぁ・・・。シャオの言う事ならなんでも聞くんじゃないのか。」
「過保護すぎんのよ、このじじいは。」
「くぉら、そこなぼうずと慶幸日天!!余計なことを喋るでないわ!!
・・・で、離珠。ワシは何をすればいいのじゃ?」
え、えーとでしね。ここにある氷水を景気よくかぶって欲しいんでし。
「・・・非常に嫌な事柄じゃな。」
「南極寿星、ムリならやっぱりやめていいのよ?」
「いいや、やりますぞ!ワシはまだまだ若いもんには負けんのですじゃ!!」
折角シャオしゃまが心配して投げた言葉なのに、やっぱりげんきんでし。
杖を放り投げ、ぱぱっと服を脱いだ南極寿星しゃんが、いざ氷水浴び!!
ばっしゃーん!
・・・・・・。
「ぬ、ぬおおおおー!!!」
「な、南極寿星!?」
「すげえ!と思ったら直後に硬直しちまった・・・。」
「そりゃあ氷水なんて・・・若くたってかぶりたくないわよ・・・。」
結局とんでもない冷たさに体調を崩してしまった南極寿星しゃん。
シャオしゃまのお部屋でゆっくり養生した後に支天輪に帰っていったでし。
「つ、次は見事やってみせますじゃ、シャオリン様・・・。」
「だから南極寿星、そんなに無理しなくてもいいのに・・・。」


「年寄りは火の子」でし
寒い寒いある日の事。
燃やすものを沢山集めて、庭で焚き火をしたんでし。
「こんな日になんで焼き芋なんか食べたいなんて言い出すんだ・・・。」
「だってたー様、食べたくなったんだもん。」
手に持った芋にふーふーしながら、パクパクと食べるルーアンしゃんの提案でし。
「しっかし今は二月だぞ?なあシャオ。」
「ちょっとお芋を探すのに苦労してしまいましたわ。」
のんびり喋りながら、冷たい雪をいじってる那奈しゃんとシャオしゃまでし。
そして・・・。
「うう・・・寒い・・・。」
焚き火の傍でがたがた震えているキリュウしゃんでし。
このように、『年寄りは寒がりで火の近くにばかり居たがる』という事でし。
キリュウしゃんは年寄りだったんでし。
「・・・私は年寄りではない。」
「でもさあ、あたしらより沢山生きてるしさ。」
「・・・・・・。」
那奈しゃんの言う事ももっともでしが、これだとシャオしゃまやルーアンしゃんも・・・。
「あたしは火の近くになんか寄りたいと思わないもん。
シャオリンも一緒よね〜。」
「え、ええ。でもお料理する時は火を使わないと・・・。」
「それ以前に、年寄りが火の近くにって事で、
火の近くに寄りたがるのが年寄りというわけじゃないんじゃ・・・。」
太助しゃま、それは言っちゃあ駄目でし。


「怒髪冠を衝く」でし
「ゴミちび〜、今日という今日はもう勘弁ならないわ!!
勝手に人のお饅頭食べてんじゃね―!!!」
はうう、濡れ衣でしいー・・・。
ともかくルーアンしゃんがものすごく怒ってるんでし。
震えながら見ていると、なんと髪の毛が!!
緑も赤も何もかも、とにかく真上に逆立ってるんでし!!
それはまるで、怒りのオーラが立ち込めている様でし。
「覚悟しろー!!」
ひえええ!!!
・・・も、もうやめてくだしゃいでしいい・・・。
「・・・しゅ、離珠、どうしたの、離珠。」
う、うーん・・・はっ、シャオしゃま?
「大丈夫?かなりうなされてたみたいだけど、恐い夢でも見たの?」
ゆ、夢?あれは夢だったんでしか?
・・・えうー、恐かったでしよ―・・・。
「あらあら、よほど恐かったのね、よしよし。」
シャオしゃまに泣きながら抱き着いて、そして撫でてもらい、ようやく離珠は落ち着いたでし。
おっと、ここで解説しておくでしね。
『怒りのために髪の毛が逆立っている様子。激怒の形容』という事でし。
本当に恐かったでし。しばらくはルーアンしゃんの顔をまともに見ることが出来なかったでしよ。


「鳶も居ずまいから鷹に見える」でし
「解説は私と遠藤君で行うとしましょう。さ、どうぞ。」
「よ〜し・・・。」
ふぁさぁ
「出雲さん、どうかな?」
「ばっちりですよ。前髪が私より短いのが残念なくらいです。」
「えへへ。さ、次は出雲さん、どうぞ。」
「はい。では眼鏡をお借りしますね。」
すちゃっ
「どうでしょうか。」
「うん、ばっちりだよ。へえ〜、眼鏡をかけても似合うんですね。」
「いえいえ。」
・・・というわけで、出雲しゃんに見える乎一郎しゃんと、
乎一郎しゃんに見える出雲しゃんを実演してもらったでし。
『身分の低いものでも、起居動作が正しければ上品に見える』という事でし。
・・・本当に見えたんでしか?
「離珠さん、傍で見ていながらそれはないでしょう。」
「そうだよ、完璧に入れ替わってたよ。」
いくらなんでもそこまでは見えなかったと思うんでしが・・・。


「飛ぶ鳥を落とす」でし
ここは一発分かりやすい例を!という訳でまずキリュウしゃん、お願いするでし。
「・・・何か嫌な予感がするが・・・まあ仕方ない。では文殿。」
ぱたぱたぱたぱた
文しゃんというのは、つい最近キリュウしゃんとお友達になった鳥しゃんでし。
次はたかししゃん!出番でしよ!!
「おっしゃー!!いっちょやってやるぜ〜!!」
「・・・野村殿、一体何をするのだ?」
「まあ見ていてくれ。」
気合ばっちりのたかししゃん。大きく息を吸いこんで・・・。
「あああーー!!!!熱き魂の叫びがあぁぁ――!!!!!」
なんとも表現し難い声が辺りに響いたでし!
当然離珠とキリュウしゃんは耳を押さえたんでしが・・・。
「くっ・・・ん?ウェ、文殿!!」
空を飛んでいた文しゃんの様子が急におかしくなり、まっ逆さまに下へ・・・。
とまあそんな所でたかししゃんは叫びを止めたでし。(ふう、つらかったでし)
「どうだー!!!まさに空を飛ぶ鳥を落とす!!!」
以上、『威勢の非常に盛んな様』という事でし。
「文殿・・・。」
慌てて文しゃんに駆け寄ったキリュウしゃんはなんだか震えていたでし。
鳥しゃんだから大丈夫だと思っていたのに・・・ここまでするなんてたかししゃん凄いでし。
「ありゃ、ちょっと気合入れすぎちゃった?」
たかししゃん、これは・・・。
「許さん・・・。文殿になんてことをしたのだー!!!!」
キリュウしゃんが勢い良く立ちあがったかと思うと短天扇をばっと広げ・・・。
「万象大乱!!!!」
どがあぁっ!!!!
「うわ〜・・・!!」
あ〜れ〜、でし〜・・・!!
巨大化した物によって、離珠もたかししゃんも吹っ飛ばされてしまったでし。
・・・ぼろぼろになった離珠達だったでしが、文しゃんはただ気絶してただけの様でし。
うう〜、だのにここまでするなんて酷いでしよ〜。
「・・・試練だ、耐えられよ!!!」
びくうっ!!
キリュウしゃんの勢いに押され、離珠もたかししゃんも反論できなかったでし。
「離珠ちゃん、何でキリュウちゃんのペットなんか・・・。今度はもうちっと対象を選ぼうぜ。」
その通りでしね。今回は離珠も大反省してるでし・・・。


「土用布子に寒帷子」でし
『時期はずれの無用なもののたとえ。また、あべこべのことのたとえ』という事でし。
「で、離珠。これがどう時期外れであべこべなんだ?」
うっ・・・虎賁しゃん、そんなツッコミは却下でし。
「要するにわかんないってことか・・・。」
というわけで自分で調べてくだしゃい!
「・・・・・・。」


「捕らぬ狸の皮算用」でし
「うっしゃー、完璧だ―!!花織ちゃん、これならばっちりだぜ!!」
「でしょう!これで七梨先輩のハートはあたしのもの〜。」
「これでシャオちゃんのハートは俺のもの〜。」
たかししゃんと花織しゃんが、何やら計画を立ててるみたいでしね。
毎度毎度懲りずに、ご苦労しゃまでし。
「あたし、毎日七梨先輩とデートして遊ぶんですう。
ゲームやって、ぬいぐるみとか使って・・・。きゃーん、楽しみですう。」
「俺もシャオちゃんと毎日デート。遊園地へ、水族館へ、とにかくいろんな所へ行って。
夕方頃、青い海をバックにみつめあう二人。そして・・・うお―!!」
・・・なんだか変な方向に話がそれたみたいでし。
もとの計画なんてそっちのけで、成功した後の事を考えているみたいでしね。
『あてにならないことに期待をかけて計画を立てる』という事でし。
二人とも、しょんな事をやっているからいつまで経っても駄目なんでしよ。


「虎の威をかる狐」でし
このことわざを説明しようと思ったんでしが、該当者がいないんでし。
みんなそんな卑怯な人ではないでしからねえ。
というわけで、直接の説明だけいくでし!
『偉い人のそばでその権力を利用して、自分は弱いのに威張り散らしている人』の事でし。
あ、でも。「シャオしゃまのためだ!」
とか言ってとんでもない事をする人がいるかもしれないでし。
離珠はそんな人、ぜえったい許さないでしよ!!


「虎の尾を踏む」でし
乎一郎しゃん、お願いがあるでし!!
「何?」
御食事の時に、ルーアンしゃんの分の物を全て奪い取って欲しいんでし!
そんでもって、“これは僕の分です!ルーアン先生なんかにはあげませんよ〜だ!”
って、堂々と宣言して欲しいんでし!
「そ、そんな事やったらルーアン先生にものすごく怒られちゃうよー!!」
はーい、というわけで、『非常な危険をおかす事の例え』という事でし。
「・・・無理に僕を引き合いに出さなくても良かったんじゃない?」
演出は大事でし。それに、離珠がやるにはあまりにも説得力が無いでし。
「僕がやったとしても絶対説得力無いと思うけど・・・。」


「とらの巻」でし
えーと、太公望呂尚の秘伝の兵法書といわれる「六韜」には、
「文韜・武韜・竜韜・虎韜・豹韜・犬韜」の六巻があって、この中の虎韜から生まれた言葉なんでし。
『兵法の秘伝書』という事でし。
日本では芸道の秘伝書とか講義のもととなる本とか教科書の内容をわかりやすく解読した参考書、
なんて広い意味に使われてるでしけどね。
「へ、へえええ・・・物知りだなあ、離珠って。俺尊敬しちゃうよ。」
いやあそれほどでも、でし。
「どうやってこれだけ調べたんだ?」
翔子しゃんの家に本があったからそれを見たんでしよ。・・・あっ!
「なるほどね・・・。」


「虎は風に毛振う」でし
「あれはそう、太助とシャオをクリスマスの日にデートさせた時の事だ。」
いきなり語り出した那奈しゃん。とりあえず任せてみるでし。
「途中シャオに“このぬいぐるみが欲しーい”と言われた太助。
それはクレーンゲームだった。あれは取れないと情けないんだなあ、これが。」
そういえばその時の事、シャオしゃま凄く楽しそうに言ってたでし。
「ところが!太助は根性を見せた!ぬいぐるみを取ったんだ!!」
おおっ!!
「以上だ。」
・・・あの、那奈しゃん?
「まあそういうわけで、『チャンスにめぐりあって、奮起するさま』という事だな。」
もうちょっとびしっとした例えはなかったんでしか・・・。


「虎は死して皮を残し人は死して名を残す」でし
虎しゃんは、死んだら立派な毛皮として残るでし。
人間も、立派な行いや仕事をしていれば死んでからも名前が残るでし。
『名前が後々まで語り継がれるような立派な事をしなさい、という教え』という事でし。
ちなみにシャオしゃまの御主人しゃま達はずうっと名前が残ってるでしよ。
「ええ。皆さん、とても立派な方々でしたし。」
太助しゃまも語り継がれる様になるでし。
初めて守護月天の宿命を解き放った人物として!
「それもあるけど、すでに日天月天地天同主という事で名前が残るわね。」
なるほど!太助しゃまってば凄いでしー!!
「あの〜、二人とも。あんまり話を大きくしないでくれよな。」
もう、太助しゃまったら。何を照れているんでしか!
「太助様、頑張ってくださいね。」
「は、はあ・・・。(話の主旨が何か違ってるような)」


「鳥籠に鶴を入れたよう」でし
『どうにも狭くて動けない事で、せせこましい事の例え』という事でし。
こんな時こそキリュウしゃんの出番・・・って、そのキリュウしゃんがいないでし。
・・・おや天鶏しゃん。どうしてこんな所に?
え?シャオしゃまに呼ばれて、仕事が終わったのでちょっとのんびりしてるところだ?
丁度良かったでし!早速あの鳥篭にはいってくだしゃい!
びしっと離珠が指差したのは、机の上に置かれてあった鳥篭、でし。
小さすぎて入れないでしか?大丈夫、無理すればなんとか入れるでしよっ。
そうしてしぶしぶながらも入ってもらおうとしたんでしが・・・
ぼわっ!!
鳥篭があっという間に溶けてしまったでし。
そういえば天鶏しゃんは高温の鳥だったでしね。しっぱいしっぱい・・・
「まあ天鶏!折角那奈さんが買ってきた鳥篭を壊すなんて!」
ななな!?そうだったんでしか!?
やってきたシャオしゃまにこってりしぼられ・・・
何故か離珠だけ狭い箱に閉じ込められたでしー!
暗いでし狭いでし恐いでし〜!!


「鳥の両翼車の両輪」でし
ばっちりと身近にいい例があるでしね〜。
というわけで車騎しゃんと女御しゃんがここに居るでし!!
どちらも離珠と同じ星神なんでしが、離珠と違うのは二人一組だという事。
一人だけになってしまっては自分の役目が満足に果たせなくなってしまうんでし!
『緊密に共同して働かなければならない関係にあるものの例え』という事でし。
けれど、離珠だってそういう関係の人が居るんでしよ!!
虎賁しゃん、どうぞでし!!
「・・・なんでおいらが出なきゃならないんだ。」
まあまあ虎賁しゃん。離珠の絵を手早く解説してくれればいいんでしよ。
「まあ普段は見られないものだしな。よおし、車騎に女御、しっかり見とけよ!」
気合の入った虎賁しゃんの声に頷き、車騎しゃんも女御しゃんも近くに寄ってきたでし。
そこで紙と筆を取り出していざ!お絵描きでし〜♪すらすらすらっと。
「なになに、『今日は太助しゃまが学校で転んで大怪我を負ったんでしよー』だな。」
さっすが虎賁しゃん。ばっちりでし!
ふむふむと頷く車騎しゃんと女御しゃん。で、虎賁しゃんも満足げに胸を張ったでし。
「当然だろ。なんたっておいらは・・・ってちょっと待てー!!ぼうずは大丈夫だったのかよ!?」
途端に大声になる虎賁しゃん。そして車騎しゃんも女御しゃんも何やらおろおろし出したでし。
心配要らないでしよ。すらすらすらら〜っと。
「えーと、『シャオしゃまが素早く手当てしたんでし。二人ともいい雰囲気だったでしよ』か。
なんだ、それなら全然心配要らないじゃね〜か。」
ふうっ、と息をつく虎賁しゃん。もちろん車騎しゃんも女御しゃんも一緒でし。
とまあこんな調子で色々お話を。楽しかったでしよ〜♪


「泥にやいと」でし
『泥に灸をすえることで、無駄なことや効果の無いことのたとえ』という事でし。
離珠とキリュウしゃんの、無駄なことや効果の無いことをやってもらおうコーナー!
「うむ。というわけで主殿・・・」
「泥に灸をすえろってんだろ。まったくいつもいつも・・・。」
ふふふ、違うんでしよー。
「シャオ殿が灸を試してみたいと言ってこられたのでな。主殿がやることになっている。」
「は!?・・・って、シャオ相手だと無駄とか効果の無いってことにならないと思うけど。」
大丈夫でし。太助しゃまにとっては効果がないでしから。
「そういう事だ。あちらでシャオ殿が上半身裸になって寝ておられる。さあ早く。」
「そりゃあやる方にとっちゃあお灸の効果なんて・・・ってちょっと待て、今なんて言った。」
太助しゃまには効果が無いってキリュウしゃんは言ったでしよ。
「シャオ殿が待ちわびておられるぞ主殿。れでーを待たせるのは紳士道に反すると宮内殿も申しておられた。」
「だから!肝心なところをちゃんと話せよ!シャオがは、は、裸とかなんとか言ってなかったか!?」
おおっと、しょろしょろ時間でしね。
「あまりに待たせているとシャオ殿が急かしにやってくる設定になっている。安心されよ。」
「何を安心するんだー!」
とと、しょんなこんなで・・・。
「太助さまぁ。待ちくたびれてきちゃいましたぁ。」
「うわわっ、しゃ、シャオぉ!?」
「さあ主殿、始められよ。」
太助しゃまにとっては効果のないお灸を。
「絶対効果ありすぎ!っていうかシャオ、服着てくれー!」
「太助様?服の上からではお灸はできないと思いますけど・・・。」
「い、いやだから全部脱がなくていいんだってばー!」


「どんぐりの背比べ」でし
『どれもこれも似たり寄ったりで変わりばえが無く、特に優れたものが無い』という事でし。
頼むのは心苦しいんでしが、絶対にいいたとえなんでし!
というわけで、シャオしゃま〜。羽林軍しゃんたちを呼んでくだしゃい〜。
「まったくもう・・・。別に呼ぶ必要は無いでしょう?
たしかに羽林軍達はみんな同じような力を持ってるけど。
そうだって事で十分じゃないの。」
呼ぶ事によって更に説得力が!!・・・って、シャオしゃまが怒りそうなのでもういいでし。
「・・・そんな事言ってると、本当に怒りますよ!?」
わわっ!ご、ごめんなしゃいでしー!!


「豚児」でし
『自分の息子をへりくだっていう言葉』という事でし。
これは大人の意見が必要でし!!という訳で那奈しゃんに頼んで、離珠手紙を書いたんでしよ〜。
太助しゃまのおとうしゃまの太郎助しゃん宛てでし!!
数日後、早速返事がきて、わくわくしながら二人でお手紙を見たんでし。

「ニイハオ太助!!驚いたぞ、まさか女の子から手紙が来るなんてな。
しかも太助、お前の知り合いだと言うじゃないか!!いやあ、はっはっは、父さんは嬉しいぞ!!!
ところでこの前木の上で寝てたら・・・(くだらない内容なので中略でし!)・・・という事だ。
とにかくその女の子離珠によろしくな。
それより那奈、以前言っていた“太助が女の子と・・・”というのはこの事か!?
けれどその後のさゆりからの報告とは名前が違っているな・・・。
後で太助に詰問しておいてやってくれ。ではまたな!!
追伸:この前おまけに送った扇は役に立っているか?もうしばらくしたらまた何か送ってやるからな!」

・・・なんなんでしか、これは。確かに手紙なんでしが・・・全然解説になって無いでし。
「太助の名前で出したのが失敗かなあ?今度からあたしの名前で出さないと。」
それで最初がああいう挨拶なんでしね。それより今度・・・って?


「飛んで火に入る夏の虫」でし
さて、ここは誰かに実際にやってもらわないといけないでしね。
「なんで俺が呼ばれるんだ・・・。」
たかししゃんの役にぴったりだって翔子しゃんが言ってたでし。
「くっそう、山野辺の奴・・・。ええい、俺も男だ。ばっちりやってやる!
で、何をすればいいんだ?」
さっすが、話が早いでし。キリュウしゃんを起こすんでし。
「は?キリュウちゃんを起こす?」
その通りでし!さあ、頼んだでしよ。
「・・・・・・。」
疑問の顔でキリュウしゃんの部屋へ向かったたかししゃん。
そして翌日の朝・・・ボロボロになったたかししゃんが姿を現したでし。
「うう、なんで俺がこんな目に・・・。」
「まったく、何故野村殿が私を起こしに来るんだ・・・。」
あっ、そういえば事前にキリュウしゃんに告げるのを忘れていたでし。
と、ともかく『自分からわざわざ危険の真っ只中に飛びこんでいく事。
また、そんな事をする人を嘲って言う言葉』という事でし。
「なあ離珠ちゃん、俺はキリュウちゃんにかなりぼこぼこにされたんだけど。」
キリュウしゃんは寝起きが悪いでしからねー。
「私の部屋に無断で侵入していたからだ!まったく・・・。」
あ、あれ?そういう事なんでしか?
「そういう事だよ。うう・・・。」
しかし、それは無断で侵入したたかししゃんが悪いと思うんでしが・・・。


「とんびに油げをさらわれる」でし
「たー様、一緒に帰りましょ〜。」
「七梨先輩、一緒に帰りましょー。」
放課後、学校から帰る時の事でし。ルーアンしゃんと花織しゃんが、クラスにやって来たんでし。
「ちょっとあんた、たー様はあたしと一緒に帰るのよ!!」
「ルーアン先生となんか一緒に帰ってどうするんですか。先輩はあたしと帰るんです!!」
やれやれ、二人して喧嘩を始めてしまったでしね。そんな時・・・。
「太助様、今日はお買い物はないんで一緒に帰りませんか。」
「シャオ、それじゃ一緒に帰ろうか。」
そして太助しゃまとシャオしゃまとで(もちろん離珠も一緒に)帰ったでし。
「ああっ、たー様がいない!シャオリンのやつー!」
「シャオ先輩、ずるいです!」
『不意に第三者から物を取られる』という事でし。
太助しゃまを物扱いするのは心苦しいんでしが、これが分かり易いと思うでし。


戻るでし。