≪て≫でし!


「庭訓」でし
『家庭での教育、親の子に対するしつけ』という事でし。
これはもうあの二人に聞いてみるっきゃないでしね。というわけで太助しゃまのお部屋へゴーでし!
「えっ?親父達がどんなにしつけとかやってたか?」
そうでしそうでし。ちょこっとでいいから教えて欲しいでし。
「うーん、そうは言っても母さんは太助が小さい頃に世界へ出かけて行っちゃったし。」
「親父は親父で全然家に帰ってこないしなあ・・・。」
何でもいいんでしよ、何でも。
「そう言えば小包の手紙に“幸せを願う”とか書いてあったな。」
「母さんは、“皆にも幸せを振り撒いてね”かな。多分そんな感じだったような・・・。」
なるほどなるほど、幸せをモットーとして生きて、っていう事でしね。
「まあそれはそれでいいと思うんだけど・・・。」
「これって教育か?しつけってわけでもないよなあ・・・。」
もういいんでしよ、これだけ聞けば十分でし。
例えしつけじゃなくっても教育じゃなくっても!
「「おい。」」


「泥酔」でし
『人がお酒を飲みすぎて酷く酔っ払い、泥の様に正体がなくなる様子』という事でし。
“泥”というのは、中国の南の海に住む想像上の生物なんでし。
水がなくなると、からだがぐにゃぐにゃになるそうでしよ。
「そんなものがいたんだ。俺初めて知ったよ。」
そんな事より太助しゃま、例えをお願いするでし。
「つっても、俺未成年だし。姉貴にでも頼めば?」
その那奈しゃんから頼まれたんでしよ。ほら、あそこにお酒があるでし。
離珠が指差した先には、テーブルの上に乗っかってる一升瓶が。
「・・・あれを飲めってか?」
違うでし。シャオしゃまと一緒に飲むんだそうでし。
「遠慮しとく。」
太助しゃま〜。
「駄目だったら駄目だ!たく、どうせ酒を飲ませてべろんべろんになった所を、
あーんなことやこーんな・・・。」
どうしたんでしか?太助しゃま。
「い、いかん、俺はこんな事を考えてちゃいけないんだ。
けど・・・あああー!止まれ俺の妄想ー!!!」
どうやらひとりで暴走し出したみたいでし。


「泥中の蓮」でし
ルーアンしゃん!これは誰の事だと思うでしか!?
「そうねえ・・・。ま、たー様の事よね。」
ふむふむ、やっぱりそうきたでしか。
「だってねえ、あんな中学生がうじゃうじゃ居る中で立派に清い心持ってるのよ。
さっすがたー様、素敵だわ〜。」
・・・ルーアンしゃん、それって言いすぎでしよ。
「もちろん清い心を持ってる子も居たりするけど。
でもね、あんな厳しい環境の中・・・やっぱり凄いわ。」
けれどルーアンしゃん、言うほど汚い環境じゃあないと思うんでしが。
「あらそう?まあ・・・そういえばそうなんだけど、でもねえ・・・。」
まあそういう訳で『周囲の汚れた環境に影響されないで、清く正しく生きる例え』という事でし。
「あっ、そうだ!!あの出雲のおにーさんの悪影響を受けて無いじゃない!」
もう一つ、ルーアンしゃんの悪影響も受けて無いでしね。
「なるほ・・・なんですって!?あんた慶幸日天に向かって何て事いうのよ!!」
いきなり色気で迫ろうとしたじゃないでしか。
「たく・・・。悟り開く訳じゃないんだから多少はいいのよ!」
多少どころじゃ無い気もするんでしが・・・。
「くっ、随分今回は言ってくれるじゃ無いの。」
たまには離珠もやるんでしよ。にやっ、でし。
「なにカッコつけてんの・・・。」


「丁寧早は出来ぬ」でし
『急げばどうしても仕事が雑になるという事のたとえ』という事でし。
「たしかに、念も入れたり早くもしたりはできないな・・・。
でもシャオ、そんな事言ってられない時ってあったんだよな。」
「どういうことですか?太助様。」
「ほら、昔の主を護る時に・・・星神を呼んでも間に合わないなんて時もあったんじゃないかって。
要は、丁寧が星神を呼んでってことで、早いは呼ばないで、みたいな・・・強引かな?」
「いえ・・・。」
太助しゃまの言葉を聞いて思い当たる節があるのか、シャオしゃまは目を伏せたでし。
「・・・シャオ?」
「はい・・・ありました・・・私の身を呈してお守りしなければならない時も。」
そうでし、ずばり太助しゃまは事実に突き当たったんでし。
しかもかなり具体的に・・・。
「瞬時の判断が生死を左右する・・・そんな戦場に私はよくいたのです。
仕事、というよりは、戦いですが・・・。
たしかに、丁寧にも早くにもできないものです・・・。」
「・・・ごめん、なんか辛い事を思い出させちゃったな。」
沈黙する二人・・・と思ったら、シャオしゃまはにこりと笑ったでし。
「いいえ。結果的にその事が今、役に立っているんです。
そう、お仕事に関して・・・。」
「そ、そっか。」
無理して笑ってる様にも見えるでしが・・・
今が平和な時代である事を、シャオしゃまは改めて感じているんでしね。


「手書きあれども文書(ふみかき)なし」でし
特に言う事は無いでしね、翔子しゃん。
「なんであたしに・・・別に無いよ。」
はーい。つまり、
『字を上手く書く人は珍しく無いが、文章の上手い人は少ないものだ』という事でし。
「・・・なんかひっかかるんだけど。どうしてあたしが呼ばれたんだ?」
たまたま時間が空いてる人がいなかったんでし。
「まあそういう事なら良いけどさ・・・。」


「敵は仮す可からず時は失う可からず」でし
え〜と、今回は離珠が忙しそうなんで、おいら虎賁が解説しよう。
なんで忙しそうなのかっていうと・・・。(チラッとテーブルの方を見る)
「ゴミちび!最後のお饅頭はこのルーアンのものなんだからね!
あんたはおとなしく引き下がりなさい!!」
(そうはいかないでし!このお饅頭しゃんは離珠のものでし!!)
・・・とまあ、一個残った饅頭をめぐっての争奪戦って訳なんだな、これが。
しっかし二人とも欲の皮が突っ張ってるっていうか・・・。
無理に一個丸ごと食わなくっても半分こにでもすればいいじゃねーか。
「あんたねえ、そんなちっこいくせに食い過ぎなのよ!!
ゴミちびはゴミちびらしく少しの量で遠慮しときなさい!!」
(何を言ってるでしか!!大体ルーアンしゃんも沢山食べたじゃないでしか!
ルーアンしゃんこそ遠慮するべきでし!!)
あ、そうそう。おいらがルーアンに離珠の言葉をそれなりに解説をしてやってるわけだ。
それにしてもどっちもどっちだな。食い意地が張ってるのは一緒だ。
「こうなったら容赦無し!陽天心召・・・」
(うりゅう〜)
ルーアンが黒天筒を振りかざそうとした途端、離珠のやつがなんと涙目に。
「な、なによ。そんな顔しなくたって・・・。」
(だってだって、ルーアンしゃんはいつもそうやって・・・。)
・・・泣き落としねえ。そんなのがルーアンに通用するのかねえ。
「・・・分かったわよ。今回は譲ってあげるわ。」
(ちゅわ、ありがとうでし♪)
ルーアンが引き下がると、離珠はご機嫌の顔になってお饅頭にかぶりついた。
その様子を見て引きつったルーアンの顔はなかなかのもんだったぜ。
要は嘘泣きだったって訳だ。そんなの顔を見れば一目瞭然って気もするが。
要らない情けなんてかけるから、離珠に取られちまうんだって。
『敵に対して情けは無用である』という事だ。
しっかしあのルーアンが嘘泣きに引っかかるとはなあ。
いや、それより問題なのは嘘泣きをやった離珠だ。
ルーアンに影響されてきたんじゃないだろうな・・・。


「梃子でも動かぬ」でし
これは軍南門しゃんのことに他ならないでし!
『どうやってもびくともしない』という事でし。
「けどさー、いくら軍南門でも月天様の言う事とかには・・・」
軍南門しゃんのことに他ならないんでし!
「それに、大地震が起きたりとかしたら・・・」
軍南門しゃんのことに他ならないんでし!!
「あと、キリュウ姐の力とか・・・」
軍南門しゃんのことに他ならないんでし!!!
「・・・おめーも強情だなあ、離珠。」
軍南門しゃんのことに他ならないんでし!
「もういいって。」


「手塩にかける」でし
今居るのは庭。太助しゃまと一緒に、花壇のお花にお水をあげてるところでし。
「離珠、この花壇はシャオや星神達が心をこめて作ってくれたんだよな。」
そうでしっ。シャオしゃまがこの家に来て一周年の記念に作ったんでし。
「そして今まで、丁寧にシャオ達が育ててくれて・・・きれいだよな。」
太助しゃまもしっかりお世話してくれてるじゃないでしか。
「これこそまさにいい例じゃないだろうか?」
そうでしねっ!
『自分自身が直接気をつけ、心がけて世話をし、育てる』という事でし。
「俺の子孫にも、ずっと大切にしていくよう伝えないとな。」


「手出し十層倍」でし
「ルーアン殿!いいかげん試練を邪魔するのは止めてもらおう!!」
「あんたこそ試練にかこつけてたー様に無理させすぎるのはやめなさいよ!!」
どこかで一度やったような喧嘩が始まったでし!
さっと道具を構えたルーアンしゃんとキリュウしゃん!
しかし、二人はそのままの状態で睨み合ったまま動こうとしないでし。
どうやら相手の出方をうかがってる様でしねえ。
『喧嘩の時最初に手を出した方の罪は相手よりずっと重い』という事でし。
なぐれば相手は興奮して殴り返すから、喧嘩はますます大きくなるでし。
つまり、先に手を出すと後でたっぷり太助しゃま達にお説教を食らうから、
二人ともけん制しあってるんでしねー。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
おや?二人とも構えを解いたでし。
「離珠殿、それは違うと思うのだが。」
「だいたいあたし達はね・・・。」
言いかけて何故か動きを止めるルーアンしゃん。
どうしたんでしか?
「ルーアン殿?」
「・・・あーん、キリュウがいじめた〜!たー様ぁ〜ん!!」
なんと、泣きながらルーアンしゃんはその場を走り去ってしまったでし。
離珠はぽかんとそれを見ていたんでしが・・・。
「る、ルーアン殿!?妙な事を言いふらさないでくれ!!」
キリュウしゃんは慌ててその後を追っていったでし。
・・・離珠はしーらないっ、でし。


「鉄砲玉の使い」でし
ある日の夕方の事でし。そろそろ夕御飯の時間だというのに、シャオしゃまが居ないんでし。
家中捜索しても見付からず。そこで太助しゃまが思い出した様に言ったんでし。
「そういえば山野辺の家に行くって言ってたっけな・・・。」
「なんとかしてよ〜。ルーアンおなかが空いて死にそう〜。」
駄々をこねてる人がいるでしねえ。
ちなみにキリュウしゃんはだんまりでし。“試練だ”とか言うと思ったんでしが。
「よし、あたしが翔子の家に行って連れて帰ってくるよ。」
「ああ。頼むよ那奈姉。」
そして那奈しゃんが出掛けたんでし。
ところが一時間経っても戻ってこず。皆でイライラして待ってたでし。
多分三人で意気投合してお喋りでもしているに違いないでし〜。
こんな風に『行ったままで帰らない使者』という事でし。
「たくう、那奈姉なんかに任せるんじゃなかった・・・。」
まったくでし・・・。
「ねえたー様。よくよく考えたら無理におねー様が出掛けなくったって、
電話すれば良かったんじゃないのお?」
「はっ・・・。」
言われてみればそうでし。
「ついでに、ごみチビがシャオリンに伝えれば良かったんじゃないのお!?」
「うっ・・・。」
気付かなかったでし。
「ううう、なんで皆してこう頭が働かないのよお。」
「済まない・・・。」
ごめんでし・・・。
と、今の今まで黙っていたキリュウしゃんが口を開いたでし。
「試練だ、耐えられよ。」
こんな試練冗談じゃ無いでしー!!
その後、離珠が伝えて太助しゃまが電話して、無事に二人は帰ってきたでし。


「鉄物は敵の末にも貸せ」でし
『鉄で出来たものは使わないと錆付くから、誰にでも貸して使わせた方がよい』という事でし。
「そういうわけで太助様。今は貸し出し中ですわ。」
キッチンは見事にすっからかん!さすがシャオしゃまでし。
「あのさあ・・・今晩の夕飯どうするの?」
「大丈夫ですわ。那奈さんが作ってくださるそうです。」
「那奈姉が?」
「はい。」
「それってもしかして・・・。」
不安そうな表情を浮かべる太助しゃま。
と、そこへ那奈しゃん登場でし!
「おっ、太助。シャオから聞いただろうからもう説明はいいな。」
「何をつくるつもりだよ。」
「カレーだ。あ、ラーメンもあるけどどっちがいい?」
「やっぱりインスタントか・・・。」
ことわざ解説を行うにはこれも致し方ない事でし。
「ところでシャオ、一体誰に貸したんだ?」
「翔子さんに頼んだら喜んで引き受けてくれました。」
「さっすが翔子!!」
「・・・なんか陰謀めいたものを感じるのは俺の気の所為か?」


「手に汗をにぎる」でし
緊張していると、にぎりめた手のひらに汗をかくでしね。
『危ないことを見てどきどき興奮したり、手に汗をかくほど緊張したりする』という事でし。
キリュウしゃんの試練を見ていると!
「そうね、私はいっつもはらはらしてるわ。
“太助様、危ないっ!”って、そしてつい思ってしまうの。“助けなきゃ!”って。
でも、試練の邪魔をしちゃあいけないのよね。」
そ、そうでしね、シャオしゃま。
「だから私は“頑張れ、太助様!”ってなるべく思うようにしてるの。
ううん、やっぱりキリュウさんがここに来てからは、ずっとそう思ってた。
だって太助様は・・・。」
シャオしゃま?
「あっ、いっけない。お夕飯の支度をしなくっちゃ!」
語るだけ語って・・・シャオしゃまはキッチンへ姿を消してしまったでし。
むむう、とにかくそういうことなんでし!


「手の舞い足のふむところを知らず」でし
「きょっおは楽しいデート♪七梨先輩とでぇとっ♪」
と、花織しゃんが楽しそうにしている、
ということをたかししゃんが言ってきたんでし。
「たかし、それほんと?」
「ああ、ほんとだよ。太助、いつの間にデートの約束なんてしたんだ?」
「してないよ。全然覚えがない・・・。」
「寝ている間にしたんじゃないのか?」
「そんな馬鹿な。しっかし弱ったなあ、断れるかなあ。」
太助しゃまは大弱り。シャオしゃまが傍にいなかったのが救いでしかねえ。
唸っているとガラッと扉が開き、そこへルーアンしゃんが。
「たー様ぁん。デートの約束してくれるなんてルーアン超感激ぃ〜ん♪」
「へ?」
いきなり抱きついてきたかと思うとルーアンしゃんもデートでしか!
「太助・・・お前って奴は・・・。」
「し、知らないって!!」
「とにかくたー様、今日の放課後楽しみにしてるからね〜ん♪」
たかししゃんと太助しゃまの言葉も聞かず、ルーアンしゃんはそのまんま去って行ったでし。
今日の放課後・・・でしか。花織しゃんもそんな事を言ってたんじゃなかったでしか?
「一体何がどうなってんだろ。」
「太助、これも試練だ。」
何が試練でしか、たかししゃん。
で、その放課後が来るまでのルーアンしゃんと花織しゃんの様子ったら無かったでしよ。
うきうきしてはねまわって、人が変わったようだったでし。
『嬉しさのあまり言葉だけでは足りなくて、手や足が踊り出すほど気持ちが浮き立っている様子。
喜んで小躍りする様子』という事でし。
そして放課後、太助しゃまが身に覚えがないという事で二人を説得したんでし。
それでも強制的に連れて行かれたとか。しっかし、一体どういうことなんでしかねえ、これは。
「だれかが妙な噂でもふりまいたんじゃねーかなあ。」
たかししゃん、それにしても変でしよ。一体誰がそんな事をするっていうんでしか。
「いや、あの二人結構思いこみ激しいし。」
なるほど、それで自分のいいように解釈したってのもあるかもしれないでしね。


「出日拝む者はあっても入り日拝む者なし」でし
「すげー上手い言葉だよな。」
そうでしね。
「おいらの記憶じゃあ、初日の出を見に出かける人は沢山いるけど、
今年最後の日没を見に出かける人なんてまずいねーぞ。」
そ、そういうことでしか・・・。でも言われてみればそうでしね。
「まあ意識しなくても多分なんとなく見てるからなんだろうけど。」
それも言われてみればそうでしね・・・。えっと、とにかく!
『勢いのある人のところにへつらっていく者はあるが、
落ち目になった者の所には寄り付かない』という事でし。
「その肝心の意味のたとえは?」
それは出さないでしよ。普段の生活の中で是非感じ取ってみるでし!
「おめー、それさぼりじゃねーか。」
ひどいでしー。離珠は立派に出したでしよー。


「手前みそ」でし
これは一度“自画自賛”でもやったでしね。
『自分で自分をほめる』という事でし。
もう一度ルーアンしゃんに登場してもらうでし。
「何よ、ごみちび。私に何をしろって言うのよ。」
もう、分かってるくせに。あのセリフを言って欲しいんでしよ。
「なんなのよ、一体。あたしは帰るからね。あ〜あ、こんな事ならたー様と一緒に居れば良かった。
そうすればたー様をもっと幸せに出来たのに。あーん、ルーアンったらなんて不幸なのかしら。」
あ、あれれ?ちょっと、それじゃないでしよ。ルーアンしゃ〜ん・・・。


「手飯で力持」でし
「山野辺!俺が珍しく昼飯をおごってやろう!!」
「別にいいよ。あたしは弁当があるから。」
「遠慮するな!!来い!!」
「お、おい野村!」
なんと、たかししゃんが無理矢理翔子しゃんを引っ張っていったでし!
これは波乱の予感が・・・とか思っているうちに、
翔子しゃんはたくしゃんのサンドイッチを抱えて戻ってきたでし。
「どうだ!山野辺のために自分の昼飯代を削ってまでおごる!
これぞ立派な例えだぞ離珠ちゃああああん!!」
な、なんと、そういうことだったんでしか・・・。
『自分のお金で他人のために骨折る事で、
何の得にもならぬのに、他人の世話をする事の例え』という事でし。
たしかにたかししゃんには何の得にもならないでしねえ。
「納得してるとこわるいんだけどさ。
これらは全部購買部のおにーさんから“ただで”もらったやつだかんな。」
・・・・・・。
「はっはっは!」
たかししゃん!!


「寺から出れば坊主」でし
『そう思われても仕方が無いこと。
寺の中から出てくる者は坊さんの仲間だと思われてもやむを得ない』という事でし。
しゃてしゃて、この近辺で離珠が知ってるお寺は無いでし。というわけで・・・。
「離珠さん、まさか我が宮内神社を使おうというわけでは・・・。」
ちっちっち、甘いでしよ出雲しゃん。しょんなバレバレな例えは使わないでし。
「ばればれって・・・。まあ確かにそれはそうなんですが。
で、何を使おうというんですか?」
黒天筒でし!
「はあ?黒天筒ですか?」
しょうでし。黒天筒から出て来るのはルーアンしゃんばかりでし。
「そりゃあ、それが当たり前なのでは・・・。」
しょこで!!今から出雲しゃんが黒天筒に入って出てくるんでし!!
しょうしゅれば、誰もが出雲しゃんをルーアンしゃんだと思う事うけあいでし。
「そんなわけないでしょうが!!」
試しゃないとわからないでしよ。
「分かり切ってます!!」


「寺に神楽があった」でし
さっそくたかししゃんと一緒に出雲しゃんの所に行ってみたでし。すると・・・
「おおー!!神楽があったぞー!!」
よってそのまま、『ありえない事やあまり例のない事のたとえ』という事でし。
ここに来て正解だったでし!
「だろだろ!俺の言った通り!!身近な例を使う、これぞ基本だぜ!!」
でしでし!!!
「あの、お二人とも。うちは寺じゃなくて神社なんですけど・・・。」


「寺に勝った太鼓」でし
「うちで言うなら、支天輪黒天筒短天扇、か。」
手っ取り早いでしね、那奈しゃん。
『みすぼらしい寺にある立派過ぎる太鼓の事で、貧乏家にある立派な道具の例え』という事でし。
「でも家は貧乏ってほどでも無いけど。
要はすっげー宝がありゃどこでもそうなるんじゃないのかな。」
それもそうでしね。


「出る杭は打たれる」でし
「はい、あなたはかわいいですから無料で差し上げますよ。」
「うわあ、ありがとうございます。」
お昼の購買部。なんだか女子生徒しゃんでいっぱいでし。
それもそのはず、出雲しゃんが無料でパンを配っているんでしから。
「くっそう、出雲の奴、購買部だからってあんな事して・・・。」
たかししゃんが何やらにらみつけていたでし。
太助しゃまがまあまあとなだめているものの、なんだか全然効果が無いでし。そして、
「おい出雲!おまえ購買部の権利を乱用して・・・え?」
大声で近寄って怒鳴りつけたかと思ったら、たかししゃんは途中で怒鳴るのを止めてしまったでし。
無理も無いでしね。たくしゃんの女子生徒しゃん達ににらまれて居たんでしから。
「あ、いや、その・・・。」
たかししゃんが言い訳をする前に、皆しゃんはたかししゃんをぼこぼこにしてしまったでし。
『目立ったりすると被害を受ける』という事でし。
離珠も太助しゃまも乎一郎しゃんも、もちろん無事だったでし。
物陰に隠れててみてただけでしから。出雲しゃんのファンの人達って怖いでしねえ。


「手をこまねく」でし
たまには離珠もおおきな事をやるでし!!というわけで・・・。
「ふむふむ、離珠殿も私の試練を受けてみたいと。」
そうでし!離珠も太助しゃまみたいに試練を受けて立派になるんでし!
「試練を受けたからと言って立派に成れるかどうかは分からないが・・・。
まあその心意気や良し。では、万象大乱。」
はう!?ちょ、ちょっとキリュウしゃん!!
いきなりキリュウしゃんが万象大乱を唱え、離珠はあっという間に大きなものに囲まれてしまったでし。
それは何メートルある様にも思えて、とても何とかできるものじゃなかったでし。
離珠は何も出来ずおろおろおろおろおろおろおろ・・・。
この様に、『突然の大きな出来事に遭遇してどうしていいか分からない様子』という事でし。
「どうした離珠殿。たかだか文房具を大きくしただけだぞ。」
だからってカッターナイフは酷いでし!!離珠が怪我しちゃうでしよー!!
「例え事故が有っても、それも試練だ。頑張って耐えられよ。」
しょんな無茶なー!!
「・・・おや、今シャオ殿の声が聞こえたような。」
しょ、しょう言えばもうすぐ御飯の時間でし〜!!
「離珠殿、自力でそこから出られよ。シャオ殿には私から言っておく。」
ま、待つでし〜!!
・・・で、結局キリュウしゃんは離珠をそのままにして部屋を出て行ったでし。
懸命に離珠がシャオしゃまに伝えて、なんとか助かったでし。
まったくとんでもないでしねえ・・・。


「天衣無縫」でし
この言葉は、天人の着物には縫い目がないということ、からきてるんでしよ。
着物、というわけで女御しゃんの登場でし〜!!
早速登場した女御しゃんでしが、なにやら照れているみたいでし。
もう、何を照れる必要があるんでしか!!
いっつもシャオしゃまの服を色々と作り出したり・・・。
そのきめこまかさは誰もが認めるものでしよ!!
『物事に完全で欠点がない例え』という事でし。
俗に、一糸纏わぬ丸裸の事も言うんでしが、
女御しゃんによって着替える時、シャオしゃまは正にそんな姿になるでし。
うーん、完璧!!!これぞ天衣無縫でしね!!!
・・・え?女御しゃんも失敗した事ある?
ああ確か宮内神社でお祭りがあった時、シャオしゃまが着物に着替えようとした時でしね。
もう、しょんな昔の事なんて気にしなくていいんでしよ!!


「天下太平」でし
『世の中がなんの争いも無く平和なこと。
心配しなければならない事が何にも無い事。またその様子』という事でし。
「それは・・・食事中、かな。」
なんだか深刻そうでしね、太助しゃま。
「どうもなあ、普段の生活を考えると・・・。」
試練やらシャオしゃまと二人っきりになった時やらルーアンしゃんに・・・
「ああ、もういいもういい。とにかく色んな事がありすぎるんだよなあ。」
「だからってのんびりしてられないだろ?」
那奈しゃんの登場でし。
「どういうことだよ。」
「要は、その平和を得る為に今必死になってるって考えればいいじゃないか。」
「それはそうだけど・・・山野辺と一緒に妙な事をまた考えてるんじゃ無いだろうな。」
「・・・じゃあな。」
「やっぱり!」
いつか本当の平和が訪れるといいでしね。
しかし最初に出た食事中ってのもなんだか違う気がするでし。


「電光石火」でし
ここは一発、天鶏しゃん!是非お願いするでし!
離珠が用意した大きなセットによって一枚の紙が宙に舞うでし。
と、天鶏しゃんが素早く向かって飛んでいって“ぼっ!”
紙はあっという間に燃え尽きてしまったでし。
『一瞬のうちに消えてしまう短くてはかない時間』という事でし。
そして“しゅんっ!”と待機していた位置に戻る天鶏しゃん。
さっすがでし!
『行動や動作が素早い』という事でし。
えっ?誉めてくれた御礼に背中に乗せてくれるんでしか?
い、いや、離珠は遠慮しておくでしよ。・・・だから離珠は乗らないんでしってば!
いくらなんでも離珠燃えちゃうでし!しゃ、シャオしゃま〜!
ぴゅーっと猛ダッシュした離珠。一瞬のうちにシャオしゃまに伝えて・・・
って逃げなくてもその場で伝えれば良かったじゃないでしか。(大失敗でし)
後に天鶏しゃんにからかわれたと知って、離珠はがくんときたでし。
むう、ひどいじゃないでしか、天鶏しゃんー。


「天神様の刀」でし
「野村先輩、かっこいいー!」
「いやあ、はははは」
「たかしさんかっこいいですわー!」
「あははははははは!!」
花織しゃんとシャオしゃまの声援で、たかししゃん胸を張りまくりでしっ!
『そり上っている事で、おだてに乗る事のたとえ』という事でし。
「すっごい短絡的な解説だな・・・。」
翔子しゃん、何か文句でもあるんでしか?
「別に・・・。で、愛原とシャオは何を誉めてるんだ?」
さあ・・・。
「さあってあのな・・・。ま、本人が満足そうだからいっか。」


「天真爛漫」でし
さてこれは・・・
「誰が何と言おうとシャオだ!この家で初めて支天輪から出てきた時のこと!
TV番組なんだけど、主人を救った犬スティーブにごほうびをあげようと・・・」
「太助様、スティーブじゃなくてサンディーですわ。」
「あ、そかそか。サンディーだ、サンディー!
そのサンディーにご褒美をあげようとテレビまで分解しちゃうなんて!
これはもうま・さ・に!だ。」
「うふふ、太助様も名前を間違えるなんてことがあるんですね。」
「あ、いや、ははは。」
和んでるとこ申し訳ないでしが、これは解説になってるんでしか?
ともかく!『飾り気のない、生まれたままの純真さを持っていること。
明るく無邪気に振る舞う様子』という事でし。
この事を翔子しゃんに伝えたら、“ぽけぽけという要素も絡んでるんじゃないのか?”
なんて言ってたでし。確かにそうでしよねえ・・・。
更には、“結局解説出来てないと思うぞ”なんて言われてしまって・・・。
翔子しゃんは例えには出せないでし。
「悪かったな、例えに出せるような性格じゃなくて。」


「天に二日無し」でし
離珠を始め、沢山の星神がいる事は知っての通りでし。
そしてそれを呼び出す事が出来るのはシャオしゃま一人でし。
当然他にそういう人が居て呼び出されたりしたらたまったもんじゃ無いでし!!
というわけで、『最高指導者は一人であるべきである事の例え』という事でし。
ねえ虎賁しゃん!!
「なんだよいきなり・・・。
まあ確かに、月天様以外の奴に呼び出されたりするのはなんか嫌だなあ。」
まったくその通りでし!!
「けどさあ、離珠。時と場合によるんじゃねーか?」
普段でしよ、普段!!
普段から別の二人に呼ばれまくったら離珠は絶対に嫌でし!!
「なあんかそれてるような・・・まあそういう事だな。」


「天にむかって唾を吐く」でし
たかししゃん、まずは空に向かって唾をはいてくだしゃい。
「おうっ。」
ぺっ・・・びちゃっ
「うわっ!顔にかかった!」
こんな風に、天に向かってつばを吐いても自分にかかってしまうでしね。
『人を酷い目に遭わせようとして、かえって自分の首をしめるような事をする例え』という事でし。
「酷いじゃないか離珠ちゃん!俺が何したっていうのさ!!」
い、いや、ちょっと例えに協力してもらっただけで・・・
「ゆるさーん!」
わわっ、待ってくだしゃい〜!
怒ったたかししゃんに襲われそうになった其の時。
「野村君!あなたそこで何をしているんですか!相手は・・・離珠さん!!」
「い、出雲!?」
「あなたって人は・・・そんな小さな女の子をいじめて楽しいのですか!?」
「ご、誤解だって!俺はただ・・・」
「問答無用です!さ、離珠さんこちらへ。まったく酷い目に遭いましたねえ・・・。」
出雲しゃん・・・。助かったでしい。
「後でシャオさんに言っておかなければなりませんね。野村君が離珠さんをいじめていたって。」
「ちょ、ちょっと待て!だから今のは誤解だってのに!!」
離珠を酷い目に遭わせようとしたからバチでし。
「そ、そんなあー!!俺は絶対悪く無い〜!!」
叫んでいたたかししゃんだったでしが、離珠が広い心で許したからその場で済んだでし。
「いやいや、離珠さんは立派ですねえ。野村君を許して。」
ちゅわ、でし。
「屈辱だ・・・。俺は本当に悪く無いのに・・・。」


「天に目無し」でし
『“天に眼”などとは言うが、天が一々細かに人間のやる事を見ているはずは無いから、
少々の悪事なら分かるわけがないと言うのであるが、
天に目が無くても人に目があるから悪事をしてはならぬ』という事でし。
「つまりだ、こうやってつまみ食いをしていても・・・。」
ああっ、虎賁しゃん!それは今晩のおかずでしよっ!!
「虎賁!駄目じゃないの、勝手に食べちゃあ!!」
「うおっ!・・・とまあ、月天様に怒られるって訳だー!!」
ぴゅーっと凄い勢いで逃げ出した虎賁しゃん。シャオしゃまはそれに追いつけなかったみたいでし。
えーと、この場合シャオしゃまの事が天で離珠が人・・・。
って、これじゃあ意味が違うでしよ!!


「天馬空を行く」でし
「陽天心召来ー!!」
ルーアンしゃんが進む進む。次々と来る障害もなんのその。
「陽天心召来ー!!」
わきでるもの全てに陽天心をかけて難関を乗り越えてるでし。
「おっしゃ〜、到着ー!!」
そうこうやってるうちに目的地に到着したようでし。
その目的地とは・・・
「シャオリン!!あたしを出し抜いてたー様とデートなんて許さないわよ!」
「る、ルーアンさん・・・。」
「ルーアン!?一体どうしてここに・・・。」
「あーん、たー様ぁ〜ん。」
戸惑う二人に構わず太助しゃまに抱きつくルーアンしゃん。
その様子を影で見ていたのが翔子しゃんでし。
「たくう・・・キリュウは何やってたんだ!!」
そうでし。実はこのデートは翔子しゃんがキリュウしゃんと共同で計画したものだったんでし。
ルーアンしゃんが乗り越えて行った難関というのは、キリュウしゃんが仕掛けたものだったんでしね。
『天馬が空を駆け巡るように、思いつきや行動が自由で何事にもとらわれない様子。
また、文章や文字の勢いが優れている』という事でし。
「離珠殿、そういう妙な例えでは納得しないと思うが・・・。」
おやおや、これはキリュウしゃんじゃないでしか。
ルーアンしゃんの妨害に失敗しておきながら離珠にけちをつけるとはなかなかのもんでしねえ。
「・・・離珠殿。」
なんでしか?
「いや、別にいい。」
何を思ったのかは知らないでしが、翔子しゃんが怒ってるでしよ。
「そう言われても・・・。それより私はあの例えは・・・」
さあ、終わった終わったでし!!


「天網恢恢疎にしてもらさず」でし
『世の中で起きるどんな小さな事も、天は見逃さないで正しい判断を下している。
また、悪い事をした人は、必ず罰を受ける』という事でし。
でしからルーアンしゃん、かくれて悪巧みなんてしちゃあだめでしよ!
「ちょ、何であたしにそんな事言うわけ〜!?」
今まで太助しゃまとシャオしゃまの仲を邪魔しようと色々企んできたじゃないでしか。
「ま、まあそんな事もあったわねえ。」
しかあし!ちっともルーアンしゃんの思い通りには成らずだったでし!
だから懲りずにそういう事はしないで欲しいでし!
「でもねえ、逆に仲が深まった事もあるじゃない?
という事は、あたしがやった事はやっぱり正しかったのよー!!」
そ、そうなんでしか?
「そうよ、そうに決まってるじゃない!!あーん、やっぱりルーアンてエライわ〜。
さーて、そうと決まったからにはこれからもばしばし邪魔しなくっちゃね。」
な、なんか違うでし・・・。


戻るでし。