≪せ≫でし!


「生ある者は死あり」でし
暗くなりそうな話題でしが、例えをお願いするでし。まずはたかししゃん!
「おう。俺の生命、そしてこの熱き魂もいずれ消えてしまう。
だが!必ずや俺の意志を次ぐものがいるだろう。そして第二第三の熱き魂の保持者が・・・。」
なんと、この後延々と三時間も語ったんでし!
やっと終わってくたくた・・・。離珠はたかししゃんだけで例えを終わりにしたでし。
『生ある者に必ず死があり、始めのあるものに必ず終わりがあるのは自然の道である』という事でし。
「ちょっと!あたしがまだ言って無いのに!!」
「離珠ちゃんが終わりって事にしたんだ。花織ちゃん、おとなしく諦めるんだ。」
「嫌です!大体野村先輩がしつこいからこんな事に!!」
だああ、もうほんとに終わってくだしゃい〜。


「青雲の交わり」でし
『朝廷に一緒に仕えている間柄。仲間』という事でし。
朝廷ではないんでしが、離珠達星神はシャオしゃまという守護月天に仕えているでし。
とまあ、そういう事でしね。なんと三行で終わってしまったでし。まあたまには・・・。


「晴耕雨読」でし
「これぞまさに理想!俺が以前から求めていた日々なんだ!」
太助しゃまでしか。いきなりそんなに叫ばれるとびっくりするじゃないでしか。
「初めてシャオが来てからの日々。ルーアンが来てからの日々。
キリュウが来てからの日々・・・。」
太助しゃまはシャオしゃまと出会ってから幸せを感じるようになったんでしね。
「その日々は決して悪くは無かったけど、俺の安らぎは何所へいったんだー!!」
まあまあ、シャオしゃまと二人っきりで居るときは、結構安らいでいるじゃないでしか。
『世俗を離れ、自然に親しみながら心静かに毎日を送る』という事でし。
これはきっと、太助しゃまとシャオしゃまが二人っきりで送りたい日々を表わしてるんでしねえ。
そんな時が来るのはいつになるかは分からないでしが・・・。


「精神一到何事か成らざらん」でし
それはある放課後のことでし。
屋上に上がったたかししゃんが、一人大張り切りで・・・
なんと、UFO呼びならぬシャオしゃま呼びをやるとか。
しょうしょう、離珠もこれに付き合わされたんでしがね。
まったくもって無茶もいいとこでし。だいたいシャオしゃまがこんなとこまで・・・
「シャオちゃーーん!!」
おおっと、しょうこうしてるうちに始まったでしね。
やってることは至極単純、ただ大声でシャオしゃまの名前を呼んでるだけでし。
「うおおお!シャオちゃんシャオちゃんシャーオーちゃーん!!」
・・・相変わらず凄い声でし。
けれどもやはりここは屋上。たまたまシャオしゃまが軒轅しゃんに乗って飛んででもいない限りは・・・
などと思っていたしょの時でし!
きらん、と向こうの方が光ったかと思ったら、なんとシャオしゃまを載しぇた軒轅しゃんが!!
「おおっ、シャオちゃん!」
う、うしょーっ!?
と驚くひまもなく、シャオしゃまは本当にやってきたでし。
軒轅しゃんが到着して、しょしてしゅたりと屋上に降り立った姿には、まだ離珠は目を疑っていたでしよ。
「たかしさん?えっと、私を呼びましたか?」
「ああそうさ!来てくれて嬉しいよシャオちゃん!お礼に何かご馳走するぜ!!」
シャオしゃまは首をかしげてばかりだったでしが・・・らんらんと目が輝いているたかししゃんに向かってにこりと笑ったでし。
むうう、いったいぜんたい何がどうなってるんでしかねぇ・・・。
「ふっ、これも俺の熱き魂のなせるわざ!自らの魂に誓って、不可能を可能にするのさ!」
なんとも凄かったでし・・・離珠はたかししゃんをかなり見直したでしよ。
『やろうと心に誓って努力すれば、どんなことでもできないことはない』という事でし。
やる気があれば道は必ず開けていくものなんでしね。
ということで太助しゃまっ!
「ど、どうした離珠?」
たかししゃんを見習ってくだしゃいっ!
「うーん、なんかそれは違うような・・・。」


「清濁を合わせ飲む」でし
・・・太助しゃまの事でしかね。
とお〜っても素敵なシャオしゃま!!
それと同時に、きびし〜い試練を与えるキリュウしゃん。
さらにあのルーアンしゃんを平気で迎えているんでしよ!!
キリュウしゃんはともかくとして、あのルーアンしゃんを!!
『良い事も悪い事もまとめて受け入れる心の広い人』という事でし。
「離珠、いくらなんでもそんなに言ったらルーアンが可哀相だろ。
ルーアンだって、幸せを授ける慶幸日天なんだからさ。」
けれど太助しゃま、離珠はお饅頭を取られるんでしよ!
「結局はそれかよ・・・。」


「せいてはことを仕損じる」でし
「うわ―、遅刻だー。シャオ、急げ―!」
「は、はいー。」
ある朝の事でし。
珍しく、太助しゃまもシャオしゃまも寝過ごして、おおあわてで仕度をしているということでし。
ルーアンしゃんとキリュウしゃんも当然寝過ごしていて、家の中は大騒動、というわけでし。
しかしみんながみんな慌てていて、
シャオしゃまがお料理の入ったお皿はひっくり返すし、
太助しゃまは階段で転ぶし、キリュウしゃんは寝間着のまま外へ飛び出すし、
ルーアンしゃんは間違えてお皿にかぶりつくし・・・。
とにかく大変な朝だったんでし。
学校に行った後、それを聞いた翔子しゃんが言ったでし。
「そんなに慌てなくてもいいのに。あたしみたいに落ち着いて準備しろよ。」
太助しゃまたちの格好が乱れてたんでそう言ったんでしねえ。
ちなみに翔子しゃんはいつもどおり、びしっとした格好で来たでし。
『何事も落ち着いてやれば、うまくいく。あわててしないこと』という事でし。
でも翔子しゃん、遅刻は良くないでしよ。


「青天のへきれき」でし
こういうのを説明するには、学校がうってつけなんでし。
「離珠さん、なぜに購買部に居る必要があるんですか。ここはいたって平和なんですから。」
ふふふ、出雲しゃん、お昼休みになればわかるでしよ。
き〜んこ〜んか〜んこ〜ん
お昼休みを告げるチャイムが鳴り響いたでし!
と、その直後に“どどどどどど”これまた鳴り響く大音響!
生徒しゃん達が購買部へ押しかける音でし!
そしてやって来た大勢の生徒しゃん達におおわらわの出雲しゃん。
しっかりと女生徒しゃん達には無料で配ったりと、なかなかの仕事ぶりでし。
えーと、ここにいると不意にそういう人達がやってくるわけでしね。
『突然起きる思いがけない出来事や大事件』という事でし。
あらかた落ち着いたところで一息ついてると、出雲しゃんがこんな事を言ってきたでし。
「・・・離珠さん、それだと違いますよ。なんといっても昼休みに来ると分かっている訳ですからね。
突然、という訳では無いと思いますよ。」
ぐっ、それはあんまりでしよ〜。
もっともな事を言われて落ち込んでいると・・・
ドコーン!!
購買部に何かが突っ込んで来たんでし。
いきなりの事にびっくりしたんでしが、
出雲しゃんが咄嗟にかばってくれたおかげで離珠は無事だったでしよ。
「大丈夫ですか、離珠さん。」
ちゅわ、ありがとうでし。
「それにしても一体何が・・・これは、陽天心?」
みると、手足の生えた雑巾がそこでうぞうぞと動いていたでし。
と、遠くの方からルーアンしゃんの叫び声が響いていたでし。
「あやまってここまで飛んで来てしまったのでしょうね。ふむ、これを例と致しましょう。
ちょうど、置いてあった品物が乱されてしまった様ですし・・・。」
呆れながら呟くと、出雲しゃんは散らかった品物元の様にを綺麗に並べ出したでし。
なるほど、不意に飛んで来た陽天心雑巾を例に。
ちゃんと離珠のフォローをしてくれるなんて、出雲しゃんさすがでし。


「せかせか貧乏ゆっくり長者」でし
『むやみに働くばかりが能ではない』という事でし。
人は生まれた以上はぶらぶらしていてはいけないが、
現実にはぶらぶらしていて楽な生活をしているものが多い、なのでし。
「ふーん、なるほどな。」
じぃ――――――っ
納得したかと思うと、太助しゃまは傍に居た那奈しゃんを見つめ出したでし。
「おい太助、なんだその目は。」
「別に。」
「あたしを適役だとか思ってんのか?」
「まあそんなとこ。」
「なんだとー!?」
「世界中をぶらぶらしてるじゃんか。」
「宮内みたいなナンパ師よりはいいと思うぞ!」
「なんでそこで出雲の名が出てくるんだか・・・。
あいつはあいつなりに神主やったりして働いてるじゃ無いか。」
なんだか太助しゃまえらそーでし。
「くっ、そういうことを言うな!姉ちゃんは悲しいぞ!!」
言い争ってる所悪いんでしが、
別にこの言葉はぶらぶらしてる人の事を悪く言ってるわけでもないんでしがねえ・・・。


「積善の家には必ず余慶あり」でし
「うちで善い事といえば、なんと言ってもシャオ達が来たことかな。
太助にいい彼女ができた。」
「お、おい那奈姉・・・。」
「で、積み重ねた善い事ってのが・・・あえて言うなら母さんの活動かな?」
「母さんの?」
「そ。恵まれない子供達に愛を振り撒いてるだろ。」
「表現がどうかと思うけど、うん、そうだよな。けどこの家で、じゃないよな。」
「細かいぞ太助。しかしお前の言う事ももっともなんだよなあ・・・。」
「でもそれが一番当てはまってるぽい、のかなあ・・・。」
『善い事を積み重ねた家には、その報いとして、必ず思いがけない良いことが起こる。
それにひきかえ悪事を重ねてきた家にはやがて災いがくる。』という事でし。
さゆりしゃんの活動が、シャオしゃま達をこの家に招いたんでしね。
これで納得でし!
「「いや、納得しちゃだめだろ?」」


「折角」でし
こういう時はこの人!たかししゃんでし!
「そりゃあんまりだぜ離珠ちゃん。俺の熱き魂に無駄は無いんだから!!」
普段力んだりしなくてもいい事まで力入れたりするじゃないでしか。
だからそういう事なんでし。
「なにー!?そりゃどういう事だー!!」
とにかくこれで納得するでしよっ!
『特に深い訳も無い事をわざわざする例え』という事でし。
「納得するかー!!理由を言ってくれー!!」
分かったでし。ちょっとだけ意味は違うでしが・・・。
「ふむふむ。」
その大きな声でし。
「こ、声?」
そうでし。離珠はこんな近くにいるのに・・・どうしてそんなに大きいんでしか!
「この声は生まれつきだ〜!それに、離珠ちゃんと話をするにも色々対策を練って・・・。」
待ち合わせ場所に30分も遅れて来るような対策こそ無駄そのものでし!!
「くっ、折角乎一郎や太助と相談してきたのに・・・。」
とまあ、『特に努力してやった事が良い結果にならなかった』という時にも使うでし。
そもそも、相談なんてしなくたって大抵普通に話してるじゃないでしか。
「ふっ、離珠ちゃんにはこの苦労はわからないさ。」
はいはい、分かったでし。


「折檻」でし
ここは一つ成り切って演技してもらうっきゃないでしね。
「というわけで俺が君主だー!!」
「じゃあ野村、早速家来として言わせてもらおう。シャオにちょっかいだし過ぎるな。」
「俺からも言う。でっかい声で俺んちに押しかけてくるな。」
「僕からも言うね。あんまり人を引っ張りまわさないでよ。」
「あたしからも言わせてください。いっつも力入れ過ぎて空回りしないでください。」
「皆さん手厳しいですねえ。私からも申しておきましょう。
あなたにシャオさんはつりあいません、きっぱり諦めましょう。」
・・・あんまり意見になって無い気がするでし。
「そ、そうだ!これは単なる俺への愚痴じゃないか!!」
「「「「「別にいいだろ(でしょう)」」」」」
・・・なんか恐いのでこれで良いという事にしておくでし。
「ちょ、ちょっと離珠ちゃん!!」
う、うるさいでしよたかししゃん!!世の中そういう事もありでし!!
『君主の態度や行いが間違っている時に、家来の人がその間違いを正す為に厳しく意見を言う』という事でし。
また、日本では意味が変わって・・・。
「早速野村に叩かれ役をやってもらおう。」
「ま、待て山野辺ー!!」
騒ぎまわってたかししゃんが逃げてるとこ悪いでしが、意味だけいくでし。
『子供や自分より年下の人をひどく叱ったり叩いたりして、体罰を与える』という事でし。
うーん、やっぱり解説ってのは難しいでしねえ。
「みょ、妙な被害に遭った俺の立場は・・・。」
自分から君主を申し出たくせに何を言ってるんでしか。
「くっ、野村たかし一生の不覚・・・がく。」
と、いう事でめでたしめでたしでし。


「節季女に盆坊主」でし
「那奈姉、年末は忙しかったか?」
「うーん・・・あんまり記憶にないなあ。」
「出雲、盆は忙しかったか?」
「あの、何度も言うように私は神主であって坊さんではないんですが・・・。」
「・・・というわけだぞ、離珠。」
太助しゃま、なんか声とかすっごく投げやりでし・・・。
『非常に忙しいことの例え。年末の女と盆の坊さんは目の廻るほど忙しい』という事でし。
「だってさあ、なんか精神的にずっと俺は忙しくて・・・」
「「気の所為だろ(でしょう)」」


「折箭のいましめ」でし
さて!!羽林軍しゃん達にこうやって集まってもらったのは他でもないでし!!
ここに45本の爪楊枝があるでし。これを一人一本ずつ折ってみてくだしゃい。
ぱきっ、ぺきっ、と順調に折られてゆく爪楊枝。
全員無事にそれが終わったでし。
一本なら簡単でしね。しかし!!それが45本一度となるとどうでしか?
羽林軍しゃんそれぞれ挑戦してみるも、誰もそれを折ることは出来なかったでし。
そこで!羽林軍しゃんも45人集まって力を合わせれば出来ないことはないでし!!
『ひとりで考えたり戦ったりするよりも、兄弟や仲間が協力し合うことが大切。
そうすれば、どんなことにも立ち向かうことが出来る。
力を合わせることの大切さを教える言葉』という事でし。
え?いつも45人でちゃんと行動してる?
そういうツッコミは無理にしなくても・・・
「離珠!!爪楊枝でなんてことするの!!」
わわっ!ご、ごめんなさいでしー!!


「雪駄の裏に灸」でし
『尻の長い客を早く帰らせるおまじない』という事でし。
また、ほうきをさかさに立てたりするそうでし。
「離珠、いいことを教えてくれてありがとうな。」
太助しゃまから感謝の言葉がきたでし。離珠感激でし〜。
「早速実行だ!毎度毎度うちの家に長居する連中に対して!!」
ぶんぶんと腕を振りながら張り切ってる太助しゃまの姿は・・・
なんだか物凄く輝いてみえたでし。
果たして効果は抜群だったかは・・・秘密という事にしておくでし。


「雪隠の錠前」でし
『便所の中でする咳払い』という事でし。
中で咳払いをすると、鍵をかけたのと同じ効き目がある、って事で実際にやってみるでし。
というわけで虎賁しゃん、お願いするでし。
「おっけー。」
バタン
便所に入った虎賁しゃん。では早速ノックするでし。
コンコン
「ごほん!」
おおっと、咳払いでし。入れないでしねー。とまあこんな風に・・・
ドタドタドタ!
「と、トイレ、トイレ!」
走ってやってきたルーアンしゃんが、
ドンドン!
と激しくドアをノック。
「ごほん!」
「うえー、誰か入ってるのー!?」
おおっと、やはり効果絶大でし。
「・・・ごみチビ?まさか中に入ってるのって・・・ちょっとー!
ふざけてないでさっさと出て来なさいってのー!!」
駄目でしよ、ルーアンしゃん。咳がしたから鍵がかかってるんでし。
「はあー!?そんな事よりとっとと出て来なさいってばー!!」


「背中に眼はない」でし
「離珠!あたしがばっちりな例えを見せてやるよ!!」
翔子しゃん、えらく張り切ってるでしが・・・まあお願いするでし。
「よしっ!さあてと、シャオ〜!」
言うなり駆け出していってしまったでし。
何やらごにょごにょとやっていたかと思うと・・・シャオしゃまが、
席に座っている太助しゃまの後ろにそろりそろりと近付いて行ったでし。
そして、背中まできたと思うと、
「だぁ〜れだっ!」
と、太助しゃまの顔に後ろから手を回して目隠し!
「しゃ、シャオぉ!?」
「あら、すぐにばれちゃいました・・・。」
残念そうな顔をしているシャオしゃまだったでしが・・・。
「ちょっと、何やってんのシャオリン!!」
「太助ぇ、てめえ!!」
なんと、ルーアンしゃんを始めクラスの男子の皆しゃんが、
太助しゃまとシャオしゃまにきつい視線を!!
この休み時間、非常に大変だったでし・・・。
『後ろの方は見えないという事で、陰でこっそりやる事には気がつかない事の例え』という事でし。
「どうだ、バッチリだろ?」
翔子しゃん。
「なんだ?そんな険しい顔して。」
これじゃあ意味が違うでしよっ!!
「七梨は後ろに来たシャオに気付かなかった!だからこれでいいんだ!」
う、うむむ・・・。


「銭あれば木佛も面をかえす」でし
『どんなに冷淡な者でもお金のある者にはおべっかをする。
金の力にはなびかない者はない』という事でし。
そうなんでしか?キリュウしゃん。
「なぜ私の所に来る。」
「いっつもクールじゃん。だからだよ。」
そしてお金持ちそうなのは翔子しゃんだからでし。
「わざわざ面倒な事を・・・。協力してもいいが、一体何をするつもりだ?」
「とりあえずこれだ!」
じゃじゃーん!と、翔子しゃんが懐から取り出したのは、
なななな、なんと分厚い札束でし!!
「これだ、と言われても・・・。」
「だめだめ、そんな反応じゃ。“しょ、翔子殿。それを是非譲ってくれ!!”
とか言いながらあたしに飛びつくとかしなきゃ。」
たしかにそれくらいしてもらわなければ協力してくれたことにならないでし。
「私はそんな事はしたくないが・・・。」
「そっか。ならしょうがないな。離珠、失敗だ。」
ちょちょちょ、ちょっと翔子しゃん!いきなり諦められては困るでしよ!
と、離珠が必死になっていると、キリュウしゃんが立ちあがったでし。
「やれやれ仕方ない。振りだけでも協力しよう。
翔子殿、それを譲っていただきたい。」
「おっ、やる気になってくれたか。じゃあ早速おべっかを使ってみてくれ。」
おおおー!やる気になってくれて離珠は感激でしー!
「・・・おべっか?」
「何でもいいから誉めるとかすればいいの。」
「そうか。えーっと・・・。」
キリュウしゃんが悩み出してしまったでし。
「おいキリュウ、どうしたんだよ。」
「うーむ、言われてすぐにそういう言葉が思い浮かばなくてな。」
「・・・あたしはそんなに誉める箇所が無いってのか?」
「そうじゃなくてだな・・・。私は普段からそういう事は言わないものだから。」
むむむむ、新たな問題発生!どうしたもんでしかねえ・・・
とか悩んでるうちに、うやむやのまま何もかもが終わってしまったんでし。
くうう、解説大失敗でしー!!
「あ、ちなみにこの札束。一番上は本物の御札だけど、
中身は新聞紙だからな。そこんとこ誤解すんなよ。」
翔子しゃん、一体誰に言ってるんでしか。


「銭持たずの団子選り」でし
緊急特報でし!
今朝のチラシによると、なんとスーパームサシでお団子フェアをやるとの事。
通の離珠は是非行かなければならないでし!
「通のあたしとしては何がなんでも行かなくっちゃね!!」
というわけで意気揚々と、スーパームサシへルーアンしゃんとやってきたんでしが・・・。
「ガーン!!お財布忘れちゃった・・・。」
という事態が!
取りに帰ってる間に終わってしまいそうな勢いだったので、結局は見てるだけになってしまったでし。
色とりどりのお団子があったでしが・・・良いものを見つけてもどうせ買えないからつまんないでし!
『金が無くてはどうにもならぬ。また、身のほどを知らぬ事の例え』という事でし。
「はあ・・・。空しい、空しすぎるわ。こんな事があっていいものなの!!?」
絶対よくないでしー!!!
「あーん、今日は最悪よー!!」
最悪でしー!!
というわけで・・・
「・・・二人してうちへ来たのはそういうわけですか。」
「そうよん。こうなったらいずピーんちにタカリに行かないと。がつがつがつ・・・。」
気が収まらなかったんでし。がつがつがつ・・・。
「はあ、結局こうなる運命なんですね。とほほ・・・。」


「千鈞の重きを鳥卵の上に垂る」でし
離珠の上に軍南門しゃんが乗っかると・・・どうなるか分かるでしね。
『ひとたまりもなく押しつぶされる』という事でし。
「ふむ、面白そうだな。これを試練に使ってみるとしよう。」
き、キリュウしゃん!?試練て太助しゃまにでしか?そんなの無茶でしよ―!
「早速シャオ殿に軍南門殿を呼んでもらうよう頼むとしよう。」
だ、だめでしー!太助しゃまが死んでしまうでし―!!
「どうしたのだ、離珠殿。なあに、主殿なら大丈夫だろう。」
そんな訳がないでしよ!いくら太助しゃまでも大丈夫じゃないに決まってるでし!
・・・で、なんとかキリュウしゃんを説得したんでし。
うう、疲れたでし。たった二行で終わるはずだったのに・・・。


「千金を買う市あれど一文字を買う店なし」でし
『市場にはなんでも売っているが、字は売っていない』という事でし。
市場は少し遠いので、購買部にやってきたでし。
「しっかし品揃え悪いよな。電気製品なんてほぼ無いじゃねーか。」
「野村君、そんな物が学校の購買にあるわけ無いでしょう。」
「離珠ちゃんの好物の御団子や薄皮饅頭も置いてないな。」
なんでしと!えうー、がっかりでし・・・。
「あの、いいかげんにしてくれませんか?
第一、そんな事を言いに来たわけでは無いでしょう?」
そ、そうだったでし。
「よし、じゃあ字を売ってくれ。綺麗な字だ。キザな字じゃなくてさ。」
「帰ってください!!」
・・・そして、とぼとぼとたかししゃんと去ったでし。
「たく出雲の奴、ケチだなあ。」
たかししゃんが余計な事ばっかり言うからでしよっ!


「先見の明」でし
「俺が例え出してやるよ、離珠。」
おおっ、太助しゃま!なにやら積極的でしねえ。
「じゃあいくぞ・・・。今度の日曜日、たかし、乎一郎、山野辺、愛原、出雲が来る!!」
そしてその日曜日・・・。
ぴんぽ〜ん♪と呼び鈴が鳴ったと思ったら・・・。
「「「「「こんにちわー!!」」」」」
なんと!太助しゃまの言った通り、その五人がやってきたでし!!
さっすが太助しゃま。凄いでしー!!!
『これから起こる先の出来事を、前もって見抜く力がある』という事でし。
「ははは、どうだ離珠。俺って凄いだろう。」
凄いでし凄いでしー!!
「ははは・・・うう・・・。」
た、太助しゃま?ど、どうしてそんな辛そうな顔をしてるんでしか?
言った事が当たったんだからもっと喜ぶでしよ!
「うう・・・本当は当たって欲しくなかったのに・・・。」


「千石取れば万石羨む」でし
ある日たかししゃんが、
「おっしゃー!宝くじで千円の当たりー!!」
と叫んでたでし。ところが、同じくじを買っていた乎一郎しゃんが、
「僕、一万円当たっちゃった。」
というのを聞いて、
「なにー!?くっそう、うらやましすぎるぞー!!!」
と、叫んでいたでし。
というわけで、『人の欲にはきりが無い事の例え』という事でし。
「離珠ちゃん、そりゃ当たり前だって。
いいものが当たった方を羨むのは当然だ!!」
「あのな、たかし。俺は当たりすらなかったぞ・・・。」
「太助君に比べればいいと思わなきゃ。」
「けど乎一郎が一番いいじゃないか!!」
というわけでしね〜。


「千石萬石も米五合」でし
「千石万石の大名小名でも、一日に食べる米はせいぜい五合で普通の人と変わらないのよね。」
「おっ、そういうたとえを出してくるとはさすが社会の先生だな。」
非常に珍しく、ルーアンしゃんが授業してるでし。
しかも補習でし。更に相手は翔子しゃんでし!
こんな希少なことがあっていいんでしか!?
「離珠、それ日本語変・・・。」
「あたしだって、スーツがやれって言うもんだからやらされてるのよ・・・。
ああ〜ん、なんて可哀相なルーアン・・・。」
「あのなあ、あたしだって受けたくもない補習を・・・って、細かい事情はいいよ。
で、結局何が言いたいって?」
「それはごみチビに聞いてよ。」
了解でし〜。
これは『身分に高下はあっても同じ人間だから変わらない』という事でし。
「でもルーアン先生はたくさん食べるもんなあ。」
「そうよん。あたしはエライのよん。」
「偉いとはまた違うだろ・・・。」
ルーアンしゃんはたとえ裕福でなくても多分たくさん食べるんでしね。


「千載一遇」でし
例えば、守護月天の護りを授かったり、慶幸日天の祝福を得たり、万難地天の試練を受けたり。
こういうのって、普通はまずあるもんじゃ無いでしね。
『千年に一度あるかないかという素晴らしいチャンス。めったにない機会』という事でし。
「うーん・・・ねえ離珠、私は千年に一度呼び出されるわけじゃないんだけど。」
言われてみればそうでしが、シャオしゃま、これで納得するのがいいんでし。
「だったら、月天日天地天同主になる事、というのはどうかしら?」
なるほどでし!でもそれだと千年じゃ済まない気がするでし。
「でも、私はいい例えだと思うんだけど?」
な、なんだか積極的でしねえ、シャオしゃま。
「そうかしら?」
えーとともかく、シャオしゃま、ルーアンしゃん、キリュウしゃん。
この三人の主に成るなんて事はまず無い事!という事でしね。
「そういうことね。太助様って凄いわ。」
もう一ついうと、太助しゃまのおとうしゃまも凄いでし。
あの三つの道具を太助しゃまに送ってきたんでしから。
「ほんと、偶然って凄いわね。」


「前者の覆るは後者の戒め」でし
学校帰りの事でし。太助しゃまがすってーん!と転んでしまったんでし。
「だ、大丈夫ですか?太助様!」
「いたたた・・・。大丈夫大丈夫。
それにしてもどうしてここだけがつるつるしてるんだ?」
太助しゃまが転んだ所、そこはなぜか光っていたでし。
「だらしないなあ、太助。俺なら転んだりしないぜ!
シャオちゃん、太助と俺の違う所を見ていてくれ!」
そしてたかししゃんは太助しゃまの転んだ所へ向かって歩き始めたでし。
結果・・・すってーん!と転んでしまったでし。
「お、おかしい、こんなはずじゃなかったのに・・・。」
がっくりするたかししゃん。
『前の人の失敗が後の人の戒めとなる』という事でし。
自分は大丈夫なんて思っていると、痛い目に遭うんでしよ!
皆しゃんも十分気を付けるでし!


「戦戦恐恐」でし
『恐がってびくびくする。恐れて近付けないでいる様子』という事でし。
たとえばあれているルーアンしゃんの傍になんか近付ける訳無いでしね。
「離珠ちゃん、それって例えに成って無いよ。ちゃんとそういう様子を出さなきゃ。」
じゃあ震えてみるでし。ぶるぶるぶるぶる。
「いや、そういうことを言ってるんじゃなくて・・・。」
それじゃあ・・・って、一体どういう例えを出せっていうんでしか。
「そうだなあ。例えばこの俺、野村たかしがあまりにもカッコ良すぎて、
おそれおおくて誰も近寄れ無いとかさあ。」
・・・そんなくだらない事が言いたかったんでしか・・・?
「くだらないとはなんだー!!!」
びくうっ!!!
一気に荒れ始めたたかししゃんにより、離珠は傍にいられなくなったでし。
学校に行く時は太助しゃまの傍についていなくてはならないんでしが、
とても呑気に居られる状況じゃ無いでし。
「離珠、なにも俺の服の中にまで隠れなくても・・・。」
太助しゃま、お願いするでし〜。
「別にたかしもそんなに怒って無いと思うからさ。」
ううー、恐いんでしよ〜。
「やれやれ・・・。」


「船頭多くして船山にのぼる」でし
シャオしゃま!!羽林軍しゃんたちを呼んで欲しいでし!!
「羽林軍をことわざ解説に使うの?」
まあそうなんでしが・・・。ともかくお願いするでし!
「しょうがないわね・・・よし、決めた。」
・・・なんでしか?シャオしゃま。
「う、ううん、なんでも無いわ。来々、羽林軍!!」
シャオしゃまが支天輪を構えて、羽林軍しゃんが登場!!
総勢四十五人も居るんでし。知っての通り、建築解体を司ってるんでし。
・・・もう分かったでしね。
羽林軍しゃん四十五人全員が一斉に指図して作業するとどんなに仕事が困難になるか!!
でしよね、羽林軍しゃん?
シャオしゃまに通訳してもらって、羽林軍しゃん達が一斉に頷いたでし。
『指図をする人が多すぎると、物事がうまくいかない』という事でし。
いやー、さっすが羽林軍しゃんでし!
と、一息ついているとシャオしゃまがにっこり笑ってこんな事を。
「離珠、いつもいつも羽林軍にお世話になってるでしょ?」
ほえ?まあそうでし。羽林軍しゃん達は立派でし!
「それで、離珠から何かお礼をしてあげなさい。」
な、なんでいきなりそうなるんでしか!?
「本来の用も無いのにわざわざ呼ばれて大変なんですよ!ね、羽林軍。」
シャオしゃまが語りかけると、羽林軍しゃんは全員頷いたでし。
えうー、シャオしゃまが最初考えていたのはそういう事だったんでしね。
・・・でも、それもしょうがないでしかね。日頃お世話になってるし。
さあ羽林軍しゃん!なんでもお望みの品を言うでし!!出来る範囲でするでし!!
「離珠がなんでも好きな事を言ってくれって何がいいかしら?」
シャオしゃま〜、ちょっと意味的に違うでしよ〜。
「・・・ふむふむ、仕事の後のお茶とお菓子。あら?新しい道具がいい?
え?たまには皆と食事がしたい?あらあら、もっと出番を増やして欲しい?
うーん、困ったわねえ・・・。」
皆しゃんが口々に告げてシャオしゃまが困ってるみたいでし。
離珠も困るでしよ〜、ちゃんと決めてくだしゃいでし。
「うーん、まあ大丈夫よね。離珠がちゃんと頑張って全部引きうけてくれるわ。」
しゃ、シャオしゃま〜!!!


「千日の旱魃に一日の洪水」でし
『ひでりの被害はじわじわ来るが大水は一度にどっと流してしまうので恐ろしい』という事でし。
「つまりは、野村先輩の変なアプローチよりも、
出雲さんみたいなキメぜりふが女の子には効く、ってことね。」
花織しゃん、そういう訳わかんない例えはどうかと思うでしが・・・。
「どっちもシャオ先輩には通じてないみたいだけど。」
それを言っちゃうのもどうかと思うでし。


「千人の諾諾は一士の諤諤に如かず」でし
・・・たかししゃん、任せたでし。
「はあ!?いきなりなんで俺にふるわけ!!?」
ではばいばいでし・・・。
「ちょちょちょ、ちょっと待てよー!!・・・あーあ、行っちゃった。
仕方ねえ、任されたからにはしっかりやってやっか。
つまりだな、世の中には女性が沢山居るけど、シャオちゃんみたいな子が一人居れば十分だって事だ。」
というわけで『つまらない者が大勢居るよりも、たった一人でも賢者の方が良い』という事でし。
「離珠ちゃんいつのまに!?いきなりどうしてまた戻って来たんだよ・・・。」
そんな事よりたかししゃん、例えが良く無い気がするんでしが・・・。
「・・・文句言うくらいなら自分でやってくれよ。」
何を言うんでしか。離珠はあえてたかししゃんを選んだんでしよ!!
「という事は・・・一士の賢人って俺の事か!?いやあ、こりゃ照れるなあ。」
というよりは、皆しゃんにたかししゃんの様な例を出されると困ってしまうから、
たかししゃん一人に頼んだわけでしが・・・。
「ん?どうしたの?これからもどんどん解説していってあげるからさ。」
そ、それはちょっと困るでし・・・。


「煎餅に金槌」でし
軍南門しゃん、よろしく頼むでし!
「ほいさ。」
ドシーン!
ジャンプして着地した軍南門しゃんのおかげで、見事に庭の石は粉々でし〜。
『なんの造作も無くつぶされる』という事でし。
ところがその後、
「離珠、軍南門にそんな事させるな!
周りから地震だとかで苦情が来たんだぞ!!」
と、太助しゃまから怒られてしまったでし。
しっぱいしっぱい、てへ、でし。


「先鞭をつける」でし
『人より先に馬に鞭を打って走らせ、真っ先に敵軍に攻め入る事。
人より先に物事を始める例え』という事でし。
離珠とキリュウしゃんの、人より先に物事を始めてみようコーナー!
「うむ!という訳で主殿、早速・・・」
「周りの皆と比べたら、俺は既に試練なんて受け始めてるよな。というわけで終わりだ!」
・・・上手いでし。
「しかも私達より先に終わらせてしまった。なかなかやるようになったな。」
「はっはっは。」


「先憂後楽」でし
『政治家は全国民が心配する難しい問題に、国民より先に気付いて心配し、
それを解決して国民が喜ぶのを見てから楽しむべきである。政治家の理想の心構え』という事でし。
というわけで出雲しゃん、解説をお願いするでし。
「私にふられても困るんですが・・・。
とりあえず、今の日本ではまず行われない政治でしょうね。」
それはどういう事でしか?
「国民が気付く前、って割には気付いた後に心配しているようでもあるし。
また、気付いていたとしてもそれを隠してるってだけの気がしますしね。
それに楽しむのも国民が喜ぶのを見て楽しむなんて事はもう・・・。」
なんだか深刻そうでし。
「ともかく、この言葉をしっかり心掛けて欲しいと私は思うわけです。
そう、シャオさんが憂える前にその障害を取り除き、
シャオさんの笑顔を見て喜ぶような・・・。」
あ、あのう、出雲しゃん?
「太助君はしっかりそういうことをやっていますか?」
た、多分、でし・・・。
「多分?そんなものではダメですねえ。主なんだからもっとしっかりしてもらわないと。
やっぱりこの私がシャオさんと・・・。」
こ、この辺で終わりにするでし〜。


「千里眼」でし
さあさあ虎賁しゃん、ばっちりと補佐を頼むでしよ。そしてシャオしゃまも!
「なんでおいらが・・・。」
「ねえ離珠、別に私達が補佐をする必要なんて無いと思うんだけど・・・。」
何を言うでしか!!二人には傍に居てもらわないとだめなんでし!
というわけで・・・虎賁しゃんどうぞでし。
「・・・分かったよ、たく。とりあえずこの言葉は離珠の事、だな。」
そうなんでしー!!もう、虎賁しゃんったら本当の事を。
「・・・・・・。」
さて次はシャオしゃまでし〜!具体的に説明をお願いするでし!
「う、うん・・・。えーと、離珠は離れた場所に居る私にメッセージを送る事が出来ます。
離珠の能力は伝心。私にとって、遠くに有る出来事も、
離珠がその場所に居れば私はその出来事を知る事が出来ます。
それこそ、遠い所で起きている出来事を見通す力、ですね。
また、そういう能力を持っている、という事に成ります。さすがに未来は読めないけど。」
ふむふむ〜、というわけでし〜!!
『目に見えない遠い所で起きている出来事や、未来の事などを見通す能力。
また、見通す能力を持つ人』という事でし。
もう、こんな言葉は離珠の為にある様なもんでしね。
離珠ってば凄いでし〜♪
「・・・良かったな、離珠。」
「・・・良かったわね、離珠。」
ちゅわ、ありがとうでし〜。


戻るでし。