≪さ≫でし!


「塞翁が馬」でし
太助しゃまとシャオしゃまがお買い物から帰ってきたでし。
なにやら太助しゃまはかなり疲れているみたいでしが・・・。
「ただいま、離珠。太助様がどぶに落ちて、
でもそれで肩こりが治って、でも犬に追っかけられて・・・。とにかく大変だったのよ。」
よく分からないでし。なんでどぶに落ちて肩こりが治るんでしか?
細かい事は置いといて、『幸せも不幸せもいつ起こるか分からない』という事でし。
太助しゃまの人生も、こんな感じのような気がするでし。


「歳月人を待たず」でし
『年月は人の都合など構わないでどんどん過ぎ去って行き、待ってくれない。
だから、今のこの時間を大切にしよう』という事でし。
「そうか、それで南極寿星のじーさんはあんなじーさんに。」
「こらこぞう、どういう意味じゃ。」
「不憫ねえ。これだから偏屈頑固じじいって言われるのよねえ。」
「それは慶幸日天だけじゃろうが。」
「・・・試練だ。」
「ぬぬぬぬぬぅー!!」
という訳で、皆で南極寿星しゃんをからかう、の巻でし。
って、こんな余計な事やってると解説が終わらないじゃないでしか!
ううーひどいでしー。
「勝手に出されてからかわれたワシの立場は・・・。」
「まあさておき、俺はこんな事をやってる暇はない。キリュウ、早く試練を!」
「心得た。」
「あーん、た〜様ったら待って〜ん。」
言うだけ言って立ち去るとは、いい度胸してるでしねえ。
「うう、ワシは、ワシは・・・。」
はいはい、もう終わりにするでしよ。


「最上は幸福の敵」でし
『よい上にも多かれと願うは人情の常だが、そのためにいつも不満にかられて、
当然味わうことのできる現在の幸福をも幸福と思わなくなることがある』という事でし。
つまりは、上ばっかり見てると今の幸福をちっともありがたくなる感じて・・・
「何を言ってんの!そんな時こそ慶幸日天のうでの見せ所よ!!」
ルーアンしゃん。いくらルーアンしゃんでもそれは無理だと思うでし。
「そりゃまあたしかに、上をみればキリがないのはわかりきってるけど・・・。
それでも!あたしの役目は幸福を授ける事!!
ならばどこまでもいつまでもやってやろうじゃないの!!」
す、凄い気合の入りようでし・・・。ふぁいとでしっ、ルーアンしゃん!


「災難なら畳の上でも死ぬ」でし
いつでもどこでも、おっきな物の攻撃を受けてる太助しゃまはまさにそんな感じでし。
『災難はどこに出遭うかわからない。災難は防げないものだ』という事でし。
「離珠殿、あれは災難ではなくて試練なのだが・・・。」
かたいこと言いっこなしでし。
しょんな事より、ご飯の用意を手伝うでしっ。
と、キッチンへ向かうと・・・
どすん
わわっ!
いきなり上から卵焼きが降ってきたでし!
間一髪の所でかわせたから良かったでしが・・・。
「あはは、わりいわりい。必殺フライパン返しが失敗しちゃってさあ。」
「那奈殿・・・。」
なんと、珍しくも那奈しゃんが料理してるでし!何か事情でもあったんでしかねえ?
しょれにしても必殺って、すっごくしゃれになってないでし・・・。


「竿竹で星を打つ」でし
『竹竿で星を叩き落とすということで、出来ない事をしようとする愚かさをいう。』という事でし。
離珠とキリュウしゃんの、愚かしい事をやってみようコーナー!
「ほら主殿、頑張られよ。」
単刀直入にキリュウしゃんが太助しゃまに竹竿を手渡すでし!!
「無茶言ってんじゃないって。どう考えても出来ないだろ?」
「誰が見事星を叩き落として見せよといった。
私は愚かしい事をして見せよという意味で渡したのだ。」
そういう事でし。
「おい、それをやる意味は一体なんだよ。」
「そうか、主殿にはわからないか。そうか・・・。」
はーい、そいういことで、
『また、靴の裏からかゆい所をかくように、思う所に手の届かないもどかしさをいう』という事でし。
「こら、どこをどうしたらそんな意図が見えてくるってんだよ。」
「そうだな、主殿にはまだわからないな・・・。」
残念でし・・・。
「だからそんなんで何がわかるってんだー!!」
で・・・結局太助しゃまは竹竿をぶんぶんと、頑張ってるでし。
「へえ、とうとう我が弟も愚かしい事をやるようになったんだなあ。
まあいっつも愚かといえば愚かだけど。」
「ちょっとおねー様!今回はキリュウの試練なんですのよ!」
「太助様・・・。」
皆が見守る中、太助しゃまは立派に愚かしい事をやっていたでし。
「くっそう、なんで俺ってこんなことやってるんだ?
絶対愚かどころの騒ぎじゃない気がするんだけど・・・。」


「先んずれば人を制す」でし
今日のおやつは出雲しゃんのお母しゃん特製のヨモギもちでし♪
でも、今はまだおやつの時間じゃないでし。
でもでも、太助しゃまに頼んで、食べる準備をしているんでし。
つまり、離珠が一足先におやつを食べるんでし。
「よっと。離珠、ヨモギもちってのはこれだな。ほら、ゆっくり食べな。」
ありがとしゃんでし、太助しゃま。
それではいただくでしー♪
・・・もぐもぐ。ちゅわ〜ん、おいしいでしぃ。
なんで一足先に食べているかはもう分かるでしね。
そう、ルーアンしゃんに食べられる前に、離珠がしっかり食べておくんでし。
つまり!『先手を取れば有利である』という事でし。
たくさん食べられるのはよいことでし。


「酒飲みは半人足」でし
「おいらに任せろ!!」
自信ありげな虎賁しゃんにずばり任せるでし!
数分後。虎賁しゃんが連れて来たのは南極寿星しゃんでし!
「よし!これでOKだ!!」
『酒飲みは酒を飲んでいる時はさっぱり役に立たないが、
飲んでいない時でもあまり役に立たない』という事でし。
「いきなり引っ張ってきて何をするかと思えば・・・。
ワシはそんなに役に立ってないと言うのか!?」
あー終わった終わった、でし。
「近くに酒飲みが居ると楽だよなあ。」
「二人ともワシの話をきかんか!!」


「酒は諸悪の基」でし
『世の中の悪事という悪事はほとんど酒から起こる』という事でし。
「例えばだ、宮内なんかやろうとしているんだろうけど、
シャオに酒を飲ませて、それで酔ってフラフラになってる所を襲おうとしたり。」
「失敬な!私はそんな事はしません!」
「断じてそんな事は許さない。やったら陽天心くすぐりの刑だ。」
「だから私はしませんって!それにしても陽天心くすぐりって・・・。」
なんだか知らないうちに勝手に語られてしまったでし・・・。


「座して食えば山も空し」でし
ちょっと昔話をするでしね。
今から何百年か昔、シャオしゃまはとあるお金持ちの方に仕えていたんでし。
ところが、その御主人しゃまは誠実だったため、それに言い寄ってくる人は数知れず。
いろいろやっているうちに、なんと召使に財産を奪われてしまったんでし。
それでも、貧しいながらになんとか暮らしていたんでしね。
ある日、シャオしゃまと御主人しゃまとでお屋敷の様子を見に行った時のことでし。
なんとそこはもぬけのから。すんごく寂れていたでし。
「あいつは金遣いの粗い奴だったしなあ・・・。
多分働きもせずに、遊んだまま過ごしてたんだろう。」
「それにしても、早くもあんなに沢山の財産を使いきってしまったんでしょうか・・・。」
なんとも深刻そうに頷き合うシャオしゃまと御主人しゃまだったでし。
『財産は使いだせばまたたく間になくなってしまう』という事でし。
ところで太助しゃまの財産は大丈夫なんでしかねえ?
「うちの財産?・・・考えた事も無かったなあ。ま、大丈夫なんじゃないの?」
太助しゃまの場合、無駄に使うなんて事が無いでしから安心でしね。


「左遷」でし
漢の時代は、右に位の上の人が並ぶ事になっていたそうでし。
だから、『それまでの位から、低いくらいに下げる事。
また、仕事場を中央から地方へ移される』という事でし。
「ねえルーアン先生。」
「何よ遠藤君。」
「中学校の先生って、何年かしたら学校を変わらなきゃならないんですよね?」
「はあ?そうなの?」
「そうなのって・・・。先生知らないんですか?」
「どーせあたしには関係ないわよ。ま、たー様が学校変わったら場所を変わるけどねー。」
「そうですか・・・。よし、だったら僕も太助君について行かなきゃ!」
という事でし〜。
「ってごみチビ、いつの間にいたんだか。しかも今のを解説にするつもり?
強引ねえ。ぜんっぜん関係無いじゃないの。」
「しかもルーアン先生って別に主任とか勤めてないし。」
「悪かったわねえ。ま、どーせそんなもんにあたしは興味ないけど。
ふむ、ことわざ解説を失敗したごみチビ、あんたは例えられ役に降格よ!」
そ、そんなものないでし!!
「ルーアン先生、それって自爆してませんか?
僕達が今例えられてるのに。」
「はっ・・・。」


「砂糖喰いの若死」でし
『胃病の人には甘いものの好きな人が多い。
胃酸過多症や酸毒症などは糖分のとりすぎが一つの原因である。
糖分はよい栄養分であるがとりすぎると太りすぎたり肌をきたなくする原因にもなる』という事でし。
大大大大大ぴんちでしー!!
離珠すっごく大変でしー!!
「原因は薄皮饅頭ですか・・・。」
そうでしよー、出雲しゃんー!!離珠を早死にさせるつもりなんでしかー!?
「いや、あの程度で早死にするってのは大袈裟すぎると思いますが・・・」
えうえうえうえうー!!
もぐもぐもぐもぐ
えうえうえうえうー!!
もぐもぐもぐもぐ
「泣きながら饅頭食べててもあんまり説得力がないと思いますが。」
えうえうえうえうー!!
もぐもぐもぐもぐ
「・・・・・・。」


「左右同時に方円をえがけず」でし
ちゃらららーん。今回の挑戦者は出雲しゃんでし〜!
「あのう、離珠さん。何故私がこんな事を・・・。」
つべこべ言って無いで挑戦でし〜。
竹箒でお掃除をしながらうさぎ跳びでし〜。
「・・・無理です。」
えうー、やってもらわないと困るでし。これはシャオしゃまからの御願いなんでし。
「やりましょう。では!!」
と、手を後ろに組んで、それに竹箒を持って座ったかと思うと、
出雲しゃんはぴょんぴょんはねながら御掃除を始めたでし。
しかし、ずざざっと音がするくらいで、とても掃除にはならず。
途中で倒れたりしちゃったでし。
「ふう、ふう。離珠さん、やっぱり無理がありますよ・・・。」
『一度に二つの事をしようとしても、うまくできない』という事でし。
それにしてもまさか本当にやろうとするなんて。
那奈しゃんも凄い説得方法を考えたものでしねえ・・・。
「どうしたんですか離珠さん?・・・もう一度やりますよ!」
出雲しゃ〜ん、もうしなくていいんでしよ〜。


「白湯を飲むよう」でし
ぐつぐつぐつぐつ・・・
「お鍋にお湯を沸かして・・・と。これでいいのね。」
そうでし。ルーアンしゃん、お願いするでし。
「よっし。たー様〜!ちょっとキッチンまで来て〜!!」
ルーアンしゃんの大声により、太助しゃまがひょいっと登場でし。
「どうしたルーアン?」
「ちょっとお願いがあるんだけどお。お湯を飲んでほしいのお。」
太助しゃまが来るまでに準備を整えて、湯のみにさっきのお湯が用意されてるでし。
「・・・変なものとか入ってないだろうな。」
「失礼ねっ!何も入って無いわよ!!ただのお湯よ。飲んで感想を聞かせて欲しいの。」
「・・・・・・。」
半信半疑ながらも、太助しゃまはそれをこくっと飲んだでし。
「・・・お湯だな。」
「そりゃあお湯だもの。で、感想は?」
「別に・・・。」
おっけいでし!!ってなわけで、『そっけない事の形容』という事でし。


「猿の水練魚の木登り」でし
『やる事が逆である』という事でし。
「ということで太助様、今日は私が試練を与えますわ。」
「・・・別にいいけど・・・何をするつもりだ?」
「まずは軍南門と力比べです。来々、軍南門!」
で〜んと庭に登場した軍南門しゃん。やっぱりおっきいでしねー。
「さ、太助様。」
「無理だと思うんだけど・・・。」
弱音を吐きながらも太助しゃまは挑戦して、見事・・・!!
負けたでし。
「キリュウさん、やっぱり無理がありますわ。」
「そうか、良い案だと思ったのに残念だ。」
「あのー、二人とも。限度ってもんを考えてくれ・・・。」


「触らぬ神にたたり無し」でし
ひごろ試練に頑張っている太助しゃま。
そんな太助しゃまを毎日(?)見ていたたかししゃんが、
「ふっ、あんなの大した事ないな。俺ならあっという間に超えてやるぜ!
というわけでキリュウちゃん、いざ!!」
なんて挑戦したんでし。
普通ならキリュウしゃんは無理だとか言って拒否するんでしがね、
なんだか怖い顔になって、思いっきり試練を与えたんでし。
結果、たかししゃんはぼろぼろにされてしまったでし。
もちろん一つも超えられなかったでしよ。
『余計な事には手を出さないほうが賢明』という事でし。
たかししゃんはあんまり賢くないみたいでし。


「三顧の礼」でし
えーと、これは・・・
「おい七梨、これはおまえに対する言葉かもしんねーぞ。」
「い、いきなりなんだよ山野辺。」
そうでしよ、翔子しゃん。離珠が解説するんでしから。
「考えても見ろよ。三回も精霊がおまえの元に現れたんだぜ。
これを三顧の礼といわずしてなんて言うんだ?」
「そ、そうか?俺って結構すごいのかもな。」
ちょっと、太助しゃままでそんな気分になっちゃだめでしよ。
おほん!頭を切り替えてちゃんと説明するでし。
この前シャオしゃまの留守中に出雲しゃんが三回も訪ねてきたんでし。
しかも三回ともお土産を持って!!三度目にしてようやく歓迎してもらえたんでし。
『才能のある人を迎えるには、それなりの努力をするべきである』という事でし。
「だから七梨、おまえもびしっとして、シャオ達精霊にちゃんと答えてやんないといけないぞ。」
「よし。山野辺、俺がんばるよ。」
「そうそう、その意気。何回も言った効果が出て良かったぜ。」
・・・なるほど、良く考えたでしね翔子しゃん。こういう使い方もあるでし。


「三五の十八」でし
「乎一郎、昼休みパン買いに行こうぜ。」
「うん、いいよ。」
お弁当じゃなかった様で、たかししゃんと乎一郎しゃんが購買部に出掛けるみたいでし。
「今日はカレーパンのつもりだ。百円ありゃ大丈夫だろう。」
「それでご飯足りるの?」
「ふっ、これも試練さ。」
知らない間に試練なんてやってるとは、なかなかやるでしねえたかししゃん。
ところが、いざ購買部にやってくると・・・。
「なにー!?百五十円だとお!?」
「ええそうです。」
「いつの間に値上がりしたんですか?」
「ちょっと事情がありましてね、今日から。」
なんと、カレーパンが値上がり!でし。
『勘定が合わない事。予想と違った事に言う』という事でし。
「それにしても百五十円は高いですよね。」
「仕方無いのですよ、遠藤君。」
「まてよ宮内出雲。まさか女子に無料で配った分のツケを、
俺達男子にまわそうって魂胆じゃねーだろな。」
と、そこで一瞬だけ出雲しゃんが固まったのをたかししゃん達は見逃さなかったでし。
「何の事でしょう?」
「てめえ!やっぱりそういうことかよー!!」


「三十六計逃げるにしかず」でし
キリュウしゃん、解説を任せたでし!
「ちょ、ちょっと待った離珠殿、私に何をしろと・・・って行ってしまった。
いきなり押しつけて逃げるとは・・・。」
というわけで!
「!?一瞬で戻って来た!?」
『戦いのやり方には三十六もの計略があるが、
負けそうに成ったら一端逃げ出して生き延びるのが一番良い方法。
困った時や都合の悪い時は、あれこれ迷って余計な事をするより逃げた方が良い』という事でし。
それではさらばでしー!!
「り、離珠殿〜。・・・私は一体なんの為に?」


「山椒は小粒でもぴりりと辛い」でし
虎賁しゃん、出番でしよ!!
「おう!!体は小さいおいらだが、球技のスーパーコーチ!!
以前もぼうずにテニスをアドバイスしていた時は、あの宮内出雲なんて敵じゃなかった。
まあ〜、これもひとえにおいらの能力が優れているからだな。
巷で行われている野球だのサッカーだの、おいらにかかりゃあ圧勝間違い無し!!
ついでに言わせてもらえれば、おいらのこの才能は・・・」
ストップストップ!!虎賁しゃん、長すぎるでし。
「なんだよ、別にいーじゃねーか。離珠も何か語れよ。」
え?離珠もでしか?そうでしねー、遠く離れてもシャオしゃまにメッセージを伝え・・・
って、そんな事やってる場合じゃないでし!!と、とにかく、
『体は小さくても、勢いがあって才能がある』という事でし。
「さてさて、球技とはいってもピンからキリまで。
そこで今回は、おいらが徹底的に全てを解説して・・・。」
まだやってるでし・・・。
でもまあとりあえず解説は終わったでしからね。離珠も語るでし!
伝心というのは、心と心が伝わると言う事で・・・。


「三度の火事より一度の後家」でし
『三度火事にあって家を失うよりも、
たった一度でも配偶者に死なれる方がもっと不幸だ』という事でし。
「いい言葉だな。太助、シャオにプロポーズする時はちゃんとこれ言っておけよ?」
「な、那奈姉。なんだよ、いきなり・・・。」
「あのな、あたしはお前のことを思って言ってるんだぞ?
シャオはあんな性格だろ?だからひょっとしたらと思うと心配で・・・。」
シャオしゃまは守護月天でしから・・・自らを犠牲にしかねないんでしよね。
「そう深刻になるなって。俺はそういう旨をちゃんと言うさ。
それに普段からも言ってる。もっと自分を大切にしていいんだって。
主のためとかじゃなく、自分の為にどうこうっていうのを・・・。」
「ふーん・・・まあ、それならそれでいいんだけどさ。」
太助しゃまにとっての幸せがシャオしゃまにとって幸せであるように、
シャオしゃまにとっての幸せも太助しゃまにとって幸せであるんでしよね。
「・・・ま、そういうことかな。」
「頑張れよ、太助。」


「三人市虎を成す」でし
離珠は考えたでし。ここは一つ誰かに協力してもらわねば!と。
というわけで・・・。
ぴんぽーん
「はーい。」
呼び鈴が鳴って、太助しゃまが出迎えたでし。
そこには息を切らしたたかししゃんが。
「たかし?どうしたんだよ。」
「大変だ、太助。シャオちゃんが事故に遭った!!」
「な、何!?」
「ここから約一キロほど離れた場所の交差点から遥か西の・・・」
「シャオー!!!」
ダダダダダッ!!
たかししゃんが説明してる途中で太助しゃまは家を飛び出して行ってしまったでし。
その時に離珠は振り落とされてその場に・・・。なんてことでしかー!!
「離珠ちゃん・・・大失敗だな。」
そうでしね、たかししゃん・・・。
がっくりうなだれていると、花織しゃんと乎一郎しゃんがやって来たでし。
「さっき七梨先輩が大慌てて走って行ったんですけど。」
「どんな説明したのさ、たかし君。」
「俺は交差点としか言って無いんだけどな・・・。」
そうでし。なのに太助しゃまは勢い良く駆け出して・・・。
実はたかししゃん一人の言葉では信用し無いであろうという事を予想して、
さらに花織しゃんと乎一郎しゃんが言いに来る事によって太助しゃまは・・・。
という事を考えてたんでしけどね。ほんと大失敗でし。
『根も葉もない事でも、多勢の人の口から繰り返し言われれば人は信用してしまう』という事でし。
と、四人でそのままいると、そこにシャオしゃまがお買い物から帰ってきたでし。
「あらたかしさんに花織さんに乎一郎さん、いらっしゃい。・・・どうなさったんですか?」
「いや、シャオちゃんが事故に遭った!って事を太助に言ったら、太助の奴が大慌てで・・・」
「まあ大変!!私、事故に遭ったんですね!!!あ・・・太助様が!?
急がなきゃ、来々、軒轅!!!」
買い物袋をその場に置くと、軒轅しゃんを呼び出してシャオしゃまは飛び出して行ってしまったでし。
「・・・ちょっと野村先輩、もうちょっときっちり説明しなきゃだめじゃないですか。」
「きっちりもなにも・・・人の話はちゃんと聞くべきだろ?」
「だよね。なんで二人ともあっさりと・・・。」
訳がわかんないでし・・・。と、困っている所へキリュウしゃんが。
「なんだ?四人でそんな所で何をやっている。」
試練探しから帰ってきたんでしかね?
とりあえず事情を説明し始めるでし。今度は乎一郎しゃん。
「・・・という訳なんだ。それで・・・」
「なにっ!?主殿とシャオ殿が!?
うむむ、私も急いで駆け付けなければ・・・ではな!!」
「へ?あ、あのー・・・。」
乎一郎しゃんが呼びかけたんでしが、キリュウしゃんは短天扇に乗って飛び去ってしまったでし。
「・・・何だかあたし心配になって来ました。七梨先輩〜!!」
「ちょ、ちょっと、花織ちゃん!!」
な、なんと花織しゃんまでその場から駆け出して行ってしまったでし!!
「行っちゃったね・・・。」
「俺もいこうっと。シャオちゃーん!!!」
「た、たかし君!!!」
とうとうたかししゃんまで。
後に残ったのは離珠と乎一郎しゃんでし。
「・・・どうしよう?」
どうすればいいんでしかねえ?
そのしばらく後、太助しゃま達にいっぱい食わされた事を知ったでし。
離珠が三人と相談している事がどこからか漏れてしまったようでし。
な、なんてことでしか・・・。


「三人旅の一人乞食」でし
『三人で同じ事をすれば、其の中の一人は嫌な思いをするようになる。
三人協同の仕事では其の中の一人が仲間外れにされやすく貧乏くじをひく』という事でし。
「さて!あたし達三人はたー様に仕えているわけだけど・・・。」
「ルーアンさん、私達の中の誰かが、ってことですか?」
「そうよ。なんとなくわかるでしょ。」
「私の事だろうか・・・。試練を行うという役目上、嫌われても仕方ない・・・」
「違うっ!キリュウじゃないわよ。」
「となると、私でしょうか?」
「シャオリンでもないわ!正解はこのあたしよ。」
「ルーアン殿が?一体どんな風に?」
「一番の原因。たー様は誰が好きって言った?」
「それは、その・・・。」
「シャオ殿だな。」
「そ!で、その張本人のシャオリンは問題外。
でもって、その告白までわざわざ仕組んだキリュウももちろん問題外。
そこでこのあたし、ってわけよ。」
「どういうことだ?」
「どういうことですか?」
「・・・あんまり言いたくないわねえ。おねー様とかの態度見てればわかるでしょ。
たー様にちょっかいだそうと思ったら執拗に攻められるし・・・。」
「それはルーアン殿のやり方次第では?」
「ふんっ、今更世間の目は変えられないのよ。」
「ルーアンさん、そういう事言われてもわからないですぅ・・・。」
「と、とにかく!あたしが言いたかったのはそれだけよっ!」
●●●でのルーアンしゃんに対する扱いが酷いという事もあるみたいでし。
・・・って、こんな事はことわざ解説で語るものではないと思うんでしが。


「三遍回って煙草にしよう」でし
しゃてしゃて、実際に太助しゃまにやってもらうでし。
「こ〜いうのを待ってたんだよな〜。任しとけ!」
すたすたと歩き、じっくりと家中を見て回るでし。
当然太助しゃまの肩には離珠が乗っかっているでしよ。
「リビングよーし・・・キッチンよーし・・・玄関よーし。」
とかやってるうちに一階が終了でし〜。
「二階・・・俺の部屋よーし・・・。」
とかやって・・・二階が終了でし。そして再び一階へ・・・。
「リビングよーし、キッチンよーし・・・。」
もう一度見て回るでし。とまあ、
『見回りなどをする場合、一休みする前に三べん見回って手落ちが無いかを確かめる。
仕事を気を抜かずに細かい所まで念を入れて行う』という事でし。
そして三回廻ったところでったところで、ソファーにて休憩でし。
太助しゃまは煙草は吸っちゃだめなのでお茶で一服、でしよ。
「ふう、お茶が美味しい・・・。」
やれやれでし〜。
「こらー!!!太助、いつまで戸締りの確認やってんだ〜!!!
みんな待ってるぞー!!!!」
「いけね!」
そうでし!これから家の皆しゃん全員でお出かけするところだったんでし。
えうー、太助しゃま。ごめんなさいでしー。
「玄関よーし。」
・・・まだやってるでし。こんな時でもきっちりと・・・さすがでし。


戻るでし。