≪こ≫でし!


「小家から火を出す」でし
小さい家から火を出すことが多い、ということで、
『小さなことから大きな問題が起こる』という事でし。
「そうか・・・うちも気をつけないとな・・・。」
「七梨先輩の家は大丈夫ですよ。」
「愛原、なんでそう言い切れるんだ?」
「だって、おねーさんの寝場所が分からないくらいに人が住んでるんですし。」
花織しゃん、そういう事は言ってはいけないでし・・・。
「こういう小さいことをつっこんでると、やがて大きな問題に発展するぞ。」
「だって、気になりませんか?」
「気に・・・してちゃまずいだろ、俺が。」
そうでしよね・・・。


「御意見五両堪忍十両」でし
昔々あるところに、乎一郎しゃんというとても頑張りやしゃんな人が居たんでし。
ある日乎一郎しゃんは一本の橋を渡ろうとしてたでし。
とその橋の前に、扇を構えてキリュウしゃんが立っていたでし。
「待たれよ。この橋はぼろぼろで渡るのも危ない。」
「でも、僕この橋を渡らないと商売ができないんですけど・・・。」
「心配召されるな、私がこの扇で向こう岸まで送って差し上げよう。」
と、ぶわっと扇が大きくなり、キリュウしゃんはその上に乗ったでし。
「五両かかるがいいかな?」
「え・・・。(でもこのままじゃ商売に行けないし・・・仕方ないか)
は、はいっ、お願いします。」
「うむ。」
こうして乎一郎しゃんは無事に向こう岸に渡ることができたでし。
またある日、乎一郎しゃんは道を歩いていて人にぶつかってしまったでし。
その人はルーアンしゃんで、背中におっきな袋をしょっていたんでしが、
乎一郎しゃんがぶつかったその衝撃で袋の中身がばらばらと地面におちてしまったんでし。
「あああーっ!あたしが今日の晩御飯にと楽しみにしていた野菜がー!お肉がー!卵がー!」
それは今日の晩御飯にと、とても思えるような量ではなかったんでしが、
乎一郎しゃんはさぞかし慌てたでし。
「ご、ごめんなさい!全部弁償しますから!」
「弁償ですって〜?そんなら10両よこしなさい!」
「う・・・わ、わかりました・・・。」
とまあ、その日悪かった売り上げをこうしてとられてしまって、
乎一郎しゃんは売り上げ0になってしまったでし。
『世の中を渡る上には人の忠告を良く聞き、
辛いことがあってもよく忍耐しなければいけない』という事でし。
以上でし!
「あの、離珠ちゃん・・・。」
何でしか乎一郎しゃん。
「その紙芝居、さっぱり意味が分からないんだけど・・・。」
いいから以上でし!


「濃い茶目の毒気の薬」でし
『濃いお茶を飲むと興奮して眠れなくなるが、
その反面眠らずに起きていて仕事をすることもできる』という事でし。
「・・・だから結局どういうことなんだ?」
虎賁しゃん、ためしにこのお茶を飲んでみてくだしゃい。
シャオしゃまに頼んで用意してもらったとぉ〜っても濃いお茶でし。
「・・・・・・。」
どうしたんでしか?飲めばよくわかるでしよ。さあ飲むでし。
「実践しないで分かりたいと思うけど・・・いや、離珠が飲め。
おいらはそれを見て理解する。うん、そう決めた。さあ飲め。
月天様が折角用意したお茶だ。飲まないわけにはいかねーよな?」
それはずるいと思うでし。
「そんなに思うんだったら最初っからおいらで試そうとするなってーの。」
いいでしよーだ。こうなったらキリュウしゃんに試してみるでし。
「キリュウに?」
この前、夜眠れないと嘆いていたでしからね。
「いや、それは離珠の聞き間違いか何かだと思うぞ・・・。」


「恋に師匠なし」でし
『色恋は誰に教えられるというものではなく、いつかひとりでに覚えるものである』という事でし。
「そうか・・・だがしかーし!あたしはシャオに対する教師となる!」
おおっ、さすが翔子しゃんでし〜。
「とりあえず、基本はデート。・・・っていうか、一つ屋根の下に住んでいながら、
間違いが起こっていないというのは変だ!
というわけで那奈姉講師をお呼びした!」
「やっほ〜。えー、まあ翔子の言うとおりだ。一つ屋根の下に住んでいながら!」
「ふんふん。」
「あれだけ近づいておきながら!何も無いのは変だ!」
「ふんふん。」
「だから、多少大胆になるべきなんだな、これは。まずは基本として四六時中一緒に過ごす。」
「おおっ?それって風呂に入るときも寝るときも一緒ってこと?」
「そのとーり!まずはここらへんを当たり前にしてだな・・・。」
なんだか解説どころじゃなくなってきたみたいなのでこの辺でおしまいでし〜。


「恋に上下の隔て無し」でし
これは翔子しゃんに頼むとするでし。というわけでよろしくお願いするでしっ。
「・・・なんであたしなんだよ。」
だって、いっつも太助しゃまとシャオしゃまの仲を応援してるじゃないでしか。
最初は虎賁しゃんに頼もうと思ってたんでしが、ちっとも良く分からないでしから。
「しょうがないなー・・・。ま、近くにいい例が居るからそれを言おう。
シャオと七梨、の事だな。意味的にこれとは違うけど・・・。
ちょっと前に愛原も言ってたよな、“人間と精霊じゃあ絶対に結ばれないと思う”って。
けれど、そんな事は関係無い。あいつら二人の気持ちが大事なんだ。・・・こんなものか?」
はーい、というわけでしー。
『恋はお互いの心の問題で、身分の違いや貧富の差などは関係ない』という事でし。
「一つ問題なのは、余計なお邪魔虫が沢山居るって事だ。」
ふむふむ。
「それにシャオと七梨はまだ発展途上だしな。ま、とにかくあたしは手助けするのみだ。」
なるほど。
「というわけで早速作戦会議!!おーい、那奈ねぇ〜!」
「よっしゃあ!今回はキリュウも連れてきたぞ!」
「那奈殿、私は試練を行わねばならないんだが・・・」
「クリスマスの時より更に強力な作戦を立てるぞ!」
「さっすが那奈ねぇ!で、今回は・・・。」
なんだか勝手に話が展開してしまったでし。
それではみなしゃん、ばいばいでし〜。


「鯉の一跳」でし
これはたとえばこういう事でし。
ある所に翔子しゃんという鯉が居たんでし。
と、その鯉を捕まえにルーアンしゃんがやってきたでし。
「ふっ、どう抵抗しようとあっという間に捕まえてみせるわ。陽天心召来!」
黒天筒をまわし、水に陽天心がかかり・・・。
言ったとおり、あっという間に翔子しゃんは捕まってしまったでし。
ところが翔子しゃんは、一度おっきく跳ねただけだったでし。
「あら、えらくいさぎいいわね。抵抗しても無駄だってわかってるのかしらね。」
『鯉は人に捕まえられると一度はねるだけで後はじたばたしないということから、
死に際のいさぎのよいたとえ』という事でし。
けれども、実際は違うみたいでしけどね。
ね、翔子しゃん?
「離珠・・・なんであたしが鯉なんだ?っていうか、わざわざ鯉にあたしの名前使う意味があるのか?」
演出でしよ。
「そんな演出要らないー!」


「恋の闇」でし
「なるほど、那奈姉や山野辺が躍起になったりするのはこういう事か・・・。」
「なんだと?おい七梨、それはどういうことだよ。」
「そうだそうだ。あたし達は太助の為を思ってだな・・・」
「人の事にあそこまでムキになるなよ!デートとかの段取りくらいは自分でするから!!」
「分かってないなあ、七梨。」
「あたし達の協力あってこそ上手くいくものが多数だろうが。」
「そういう問題じゃ無いだろー!?」
・・・えーと、『色恋の為には正しい判断が出来なくなる』という事でし。
離珠そっちのけで語り合うなんて、なんだかひどいでし。


「恋は思案の外」でし
『恋愛となると人は理性を失うから、常識でははかれない』という事でし。
「乙女モード発動中の花織ってそんな感じだよね〜。」
「そうそう。もうわたし達には手におえないくらい!」
という、花織しゃんの友人二人の意見でし。
「あの乙女モードでテストもどうにかなればあたしも心配しないんだけどね〜。」
「ゆかりんってそんなのばっかだね・・・。」


「紅一点」でし
羽林軍しゃん、こっちに集合でし〜!!!
ダダダダダダダダダダダダダダダダ
って訳で、羽林軍の皆しゃん四十五人に集合してもらったでし!
さあて虎賁しゃん、補佐を頼むでしよ!!
「へいへい、とりあえずそんじゃあ離珠・・・。」
分かったでし!
ごそごそと、離珠は羽林軍しゃんが沢山居る中にぽつんと立ったでし!
「えーと、今の状況を見ての通りだな。
羽林軍達男性陣の中に女性である離珠が一人居る!つまり・・・。」
『沢山の男性の中のただ一人の女性』という事でし。
それではもう一つ、虎賁しゃん、ゴーでし!!!
「お前が言えよ・・・。」
何を言うんでしか!!補佐が文句を言うなんてとんでもないでし!!
「お前な・・・。まあいい、とりあえず羽林軍達と離珠が居るわけだが。
この全員で、月天様への伝心大会を行う!
となると・・・離珠の優勝間違い無し、だよな。」
という訳で『平凡な中にある、一つだけすぐれたもの』という事でし。
「絶対無理矢理だよなあ。伝心大会なんてやったら絶対離珠の優勝に決まってるじゃねーか。」
まあまあ虎賁しゃん。多少の妥協の為には仕方ない事でしよ。
ね、羽林軍しゃん!・・・な、なんでしか、そんな恐い顔して。
いや〜な予感がしたので、離珠は慌ててそこから逃げ出したでし。
すると・・・案の定みなしゃんが追い掛けてくるでしー!!!
二つ目は虎賁しゃんを例えに出すべきだったでし〜!!
「・・・・・・。」


「光陰矢のごとし」でし
今日はシャオしゃまと一緒にスーパーにお買い物に来ているでし。
でも、なかなかメニューが決まらないんでし。
「うーん、マーボーナスはこの間作ったばっかりだし、
酢豚を作るには、良い材料が無いみたいだし・・・。」
たまにメニューが決まっても、八穀しゃんがこの材料はだめだと言うんでし。
知らない間に、あたりが暗くなってきたでし。
「まあ大変、もうこんな時間なの?
やっぱりちゃんと計画を立ててお買い物に来ないとだめね・・・。」
そう、離珠が“スーパーについてから決めればいいでしよ”
なんて言ったからこんなことになったでし。
結局この日のおかずは、昨日の残り物になったでし。
『時間というものはあっという間に過ぎ去ってしまうものだから、
大事に使わないとだめだ』という事でし。
普段シャオしゃまは、お空を見たりして献立を考えているそうでし。
これからは、もっと考えて時間を使うようにするでし。


「口角泡を飛ばす」でし
これを説明するにはよく喋る人が二人必要なんでしね。
というわけで・・・。
「ちょっと聞いてよキリュウ!シャオリンったら、今日の夕御飯は麻婆茄子ですって言うのよ!!」
「それがどうかしたのか?」
「昨日もそうだったじゃない!!で、問い詰めたら材料買いすぎたんですって!」
「そうか・・・。まあそういう事もあるだろう。」
「なんですって!?あんたそれでいいの!?二日連続同じメニューよ!!」
「いいもなにも、作るのはシャオ殿だしな。」
「そ、それはそうだけど・・・でも!!明らかにさぼりじゃない!?」
「そんな馬鹿な。まあ、たとえそうだとしてもそれも試練だ、耐えられよ。」
「試練―!?こんな時に何言ってんのよ!!」
「何か不服でも?」
「大有りよ!!こんなふざけた試練があってたまるもんですか!!」
「では、私にどうしろと・・・。」
「一緒に来てシャオリンを説得しましょう!!メニューを変えるようにって!!」
「何もそこまでしなくとも。せっかくシャオ殿が作っているのだし・・・。」
「あのねえ、二日連続同じ物を食べさせられる身にもなってみなさいよ!」
「シャオ殿も食べるではないか。」
「あ、そうか・・・って、納得してる場合じゃない―!!とにかく一緒に来なさい!!」
「断る、といったら?」
「ぬわにぃー!?・・・そう、それならシャオリンにはあたし一人が言ってやるわ。」
「何と言う?別のおかずを作れとでも?」
「おもいっきり辛くしなさい!!って言うに決まってるじゃない♪」
「な、なんだと―!?」
「さあて、言ってこよっと。」
「ま、待ったルーアン殿。それだけは止めてくれ、頼む!!」
「なあに?それじゃあ一緒にシャオリンを説得しに行く?」
「い、いや、しかし・・・。」
「はい決定!今日のおかずは超激辛の麻婆茄子!!」
「ま、待った―!!分かった、私も一緒に行く!!」
「おっけー!さあって、行きましょうか♪」
「う、うむ・・・。」
という、ルーアンしゃんとキリュウしゃんの口論があったわけなんでし。
『口の角からお互いのつばきが飛び交うほどの激しい議論』という事でし。
「離珠・・・例えが悪すぎるぞ。全然激しくないじゃないか。」
そうでしか?離珠はこれで十分だと思うんでしが。
「どうせだったらたかしにするとかさあ・・・。」
はっ!!そういえばそうだったでし!!まあ、また次の機会にするでし。
そうそう、結局夕食はほどほどに辛い麻婆茄子になったでし。
それでもキリュウしゃんは辛そうだったでしが・・・。


「剛毅木訥仁に近し」でし
『意志が強く、多少のことにはへこたれず、不器用で飾り気が無いのは、
人間としての道を心得た仁に近い』という事でし!
というわけで太助しゃま、乎一郎しゃん、ずばりたかししゃんだと思わないでしか!?
「へええ、なるほどねえ・・・。」
「たかし君っていっつも熱き魂だとか言ってるから。」
そうでしそうでし。
「その熱き魂ってかなり意志が強いってことだよな。」
「力入れすぎちゃってる点もあるけど、そういう事だよね。」
そうでしそうでし。
「少しくらい失敗しても全然へこたれないしな。」
「次こそはー!!とか言って頑張ってるもんね。」
そうでしそうでし。
「何かをするにも不器用・・・か?」
「しかも飾り気ありありだよ。」
そうでしそうでし・・・って、え?どういう事でしか?
「妙に工夫とか凝らしたりしてるよな。大抵それで失敗してるけど。」
「変な飾りっけがあるよね。無くてもいいのに・・・。」
む、むむ、そうなんでしか。そういえばそんな気も・・・。
「それ以前にあいつが人間の道を心得た奴とは思えないんだけど。」
「人間らしいといえばらしいけど、完璧にたかし君をお手本とかにはしない方がいいよね。」
そ、そうなんでしか・・・。これは大失敗でしねえ。
まあたかししゃんも良い所が沢山あるって事で纏めるでし!
「それでいいのかよ?」
いいんでし!!
「「・・・・・・。」」


「高山の頂には美木なし」でし
たとえば高い高い山の上に生えている木なんかは、厳しい風にさらされたり強い日差しを浴びたりと、
美しい姿かたちを保つのは非常に大変でし。そこからきたんでしよ。
『地位の高い者はいつも人から憎まれたりねたまれたりしているから美名を保ちにくい』という事でし。
「たとえば南極寿星のじーさんか。」
そうでしね虎賁しゃん。地位が高いといえばまずは南極寿星しゃんでし。
「ワシはねたまれておるのか・・・悲しいのう。」
「役が役だしな。少なくともファンはいねーとおいらは思うぜ。」
いやいや虎賁しゃんわからないでしよ。世の中には色んな人がいるでしから。
「コラ!おぬしらワシをなんだと思うておるのじゃ!!」
「じょ、冗談だって。・・・でもそうだな、一度ぼうず達にアンケートをとってもらおうぜ。」
あんけーと・・・でしか?
「そうだ!ずばり、南極寿星のじーさんと一日たっぷり過ごしたいかどうか・・・うえー、いやだなあ。
ま、支天輪の中でもそんなこと言ってられねーけど。」
そうでしねえ・・・我慢でし。
「ああ、そうだな・・・。」
「うぬぬ・・・何故にワシがそこまで言われねばならんのじゃー!」
地位が高いからでしよ。
「そうそう。」
「断じてそれだけではないとワシは思うぞ!?」


「好事魔多し」でし
これは離珠が解説するよりも、別の人にしてもらったほうが早いでしね。
別の人というのは・・・太助しゃま。
「なんだ、離珠。さすが伝達の星神。よくわかってるな・・・。」
えっへんでし。さあ太助しゃま、よろしく頼むでし。
「つまりだ、俺とシャオが二人きりで居ようとすると、
家ではルーアンが抱き付いて来たり、キリュウの試練があったり・・・。
外へ行くと、たかしや愛原や宮内出雲が邪魔してくるし・・・。
とにかく!全然休まるときが無いんだよ!!」
『良い事には、何かと妨げが多い』という事でし。
太助しゃまには、深く深〜く同情しなければいけないでし。


「黄泉の客」でし
・・・こんなもんどうしろっていうんでしか。無茶でしよ〜。
「どうしたんだ、離珠殿。」
あ、キリュウしゃん。じつは、かくかくしかじか・・・。
「・・・大変だな。とりあえず言っておくが、無理だ、諦められよ。」
しょ、しょんな〜。何か助言が欲しいでし〜。
「うーん・・・。過去の主・・・というのでは駄目だろうか?」
この際しょうがないでしね。とにかくそういう事でし!
『死者』という事でし。
「私達もいずれ黄泉の客となる時が来るのだろうか・・・。」
なんだか縁起が悪いでしね・・・。


「碁打ちに時無し」でし
「七梨先輩!碁をやりましょう、碁を!・・・って、あれ?シャオ先輩?」
日曜日、花織しゃんが家に訪ねてきたでし。
けれども家に居たのはシャオしゃまだけ。太助しゃまはお出かけだったんでし。
「はい、私でよければ喜んでやりますよ。」
にこりと笑うシャオしゃま。その笑顔を見て引くに引けなくなってしまった花織しゃんは、
仕方なく家にあがってシャオしゃまと碁を打つことにしたんでし。
「じゃあいきますよ。」
パチン
「ところで花織さん。」
「なんですか?」
「碁ってどうやってやるんでしょう?」
「・・・・・・。」
言葉がつまった花織しゃん。そりゃそうでしねえ。
「ルールも知らないのにやろうなんて言わないでください!」
「ご、ごめんなさい・・・。」
「いいです、今からあたしが教えますから。えーと、まずは・・・」
と、延々と花織しゃんの講義が始まったでし。
けれどもシャオしゃまはなかなかルールを理解できなくて・・・。
気が付けばとっても遅くなっていたんでし。
『碁打ちは碁に夢中になりすぎて時を忘れてしまう』という事でし。
「離珠ちゃん、説明と碁を打つのは違うって・・・。
それにしても疲れた・・・シャオ先輩なかなか覚えてくれないんだもん・・・。」
「もう覚えてから大丈夫ですよ。さあ花織さん、一局打ちましょう。」
「もう真夜中ですよ!?」
ちゃんちゃん、でし。


「巧遅は拙速にしかず」でし
例えば、離珠が急いで誰かに物事を伝えるとするでし。
そんな時に、顔の輪郭がどうだとか、ここはこういう構図が、とかを気にするよりは、
パパっと書いていった方が絶対にいいでし。
「まあ確かに。どうせ同じ様な絵になるのはわかりきってるしな。」
虎賁しゃん、一言多いでしよっ!!
『上手くやろうと凝った事をするよりも、少しぐらい欠点があっても、
必要な時に必要な事がさっと出来る方が良い』という事でし。
要は、細かい事を気にするな、って事でしかね。
「それはそれでまた違うと思うぞ。そうだな、他にいい例えは・・・。」
虎賁しゃん、もう離珠が例えを出して終わったじゃないでしか。
「うーん・・・。」
虎賁しゃん!


「功能書きの読めぬところに功能あり」でし
たとえば長沙しゃんの薬でし。
「・・・この薬?」
そうでし。離珠にはどんな薬か細かいところはわからないでしが・・・
そういうのがありがたみがあるっていうもんでし。
「そういうもんでシュかね〜・・・。」
『どんな事でも丸見えでないほうがありがたい』という事でし。
「そういえば昔は印刷した文字が薄れて読みにくかったと聞くでシュね〜。
でもって今は字が小さすぎて見えにくいと聞くでシュね〜。
・・・折角の功能書きが勿体無いと思うでシュけど。」
そこがありがたいんでしよ。
「うーん・・・。」


「甲の薬は乙の毒」でし
えーとでしねえ、この例をいってみるでし。
「あーん、たー様あん。」
「うわー、引っ付くなって言ってんだろうがー!!
ルーアン、いいかげんにしろー!!!」
とまあ、太助しゃまならこういう反応になるでし。
けれど、もしこれが乎一郎しゃんなら・・・。
「あーん、遠藤くうん。」
「ル、ルーアンせんせ〜い・・・。」
とまあ、大喜びに成るはずでし!!
『ある人にはためになる事が、他の人には毒になる事もある』という事でし。
「・・・おい離珠、今回は更に強引に磨きがかかってるな。」
失礼でしね、虎賁しゃん。これのどこが強引なんでしか。
「毒も無理矢理っぽいし、薬の方はめちゃくちゃ無理があるぞ。」
そうでしか?こんなもんじゃないでしかねえ。
「離珠にとってはこの例は薬。説明を聞いている奴らにとっては毒って事か。」
・・・虎賁しゃん、そっちもそっちで無理があるでし。


「甲張り強くして家押し倒す」でし
『良かれと思ってしたことが、かえって破滅に導く結果を招く』という事でし。
身近にいい例があるでしね。
「そうだな・・・というわけでルーアンだ。」
「何よたー様、なんであたしが呼ばれなきゃいけないのよ。」
「陽天心を家にかけて強化!とかやって壊したりしそうじゃないか?」
そうでし。だから離珠はいい例だと思ったんでし。
「陽天心で家が壊れるわけないでしょ!言っておくけどひどい誤解だわ。
陽天心をかけることによってその物は命ができるの。命を持ったものが自ら壊れると思って?」
・・・言われてみればそうでし。
「そうかあ、なるほどなあ・・・。じゃあたとえはどうなるかな?」
「シャオリンの星神・・・羽林軍なんてどうかしら。強固にしまくってしまくって・・・。」
羽林軍しゃんはそんなことしないでし!建築のぷろなんでしからね〜。
「となると・・・」
「たー様かしらねえ。」
「お、俺!?」
「そうよん。将来家を建てることになったらきっとそうなりそうだわ。
ここ不安だから強化して・・・あ、その柱も思いっきり頑丈に・・・ってね。
たー様ってほら、心配性だから。」
なるほど、当たってるかもでし。
「ええ〜?なんで俺が・・・。」


「好物に祟りなし」でし
離珠は感動したでし!世の中にこういう言葉があったなんて・・・。
「離珠さん、感動するのは結構ですが、そろそろ食べるのをやめた方が・・・。もう5個目ですよ?」
しょうしょう、伝え忘れてたでしがここは出雲しゃんのおうちでし。
離珠のだ〜いしゅきなお饅頭をご馳走になってるんでし。
「あの、ですからそろそろ遠慮なさった方が・・・。お腹壊しますよ?」
これがまた美味しくて美味しくて、止まらずに食べてしまってるんでし。
しゃてしゃてこの言葉は、
『好きなものは、食べ過ぎても案外からだにさわらないものだ』という事でし。
離珠幸せでし〜♪
「離珠さ〜ん、いくらなんでも10個はいきすぎでは・・・。」
もう、出雲しゃん心配ししゅぎでし。しゅきなものはいくら食べても大丈夫でしっ。


「公平無私」でし
『自分の欲や利益を考えずに、正しい心で物事を見ること。
自分の好き嫌いの感情を入れずに物事を行うこと』という事でし。
離珠とキリュウしゃんの、正しい心で物事を見てみようコーナー!!
「うむ!では主殿、私がこれから二択を出題するぞ。
そこから主殿がどちらかを判断されよ。」
「ふう、今回はまとものようだな。」
失礼な事を言うじゃないでし!ではキリュウしゃん、どうぞでし。
「うむ。主殿が街を歩いていると、買い物をしているシャオ殿と、
陽天心を使って暴れているルーアン殿を見かけた。どちらに声をかける?」
「・・・なんだよそれ、極端過ぎないか?」
いいから答えるでし。
「言っておくが時間制限があるのだぞ?」
「げっ、マジかよ。うーん・・・シャオ!」
太助しゃま!そんなのでいいんでしか!?
「街の人に迷惑がかかるではないか。まったく、駄目だな・・・。」
「おいちょっと待てよ。俺はルーアンを止めなきゃならないってことなのか!?」
そういう事でし。太助しゃま以外に誰が止めるっていうんでしか?
「私が万象大乱を使いまくっている時も、シャオ殿が強力な星神を呼んだりしてる時も!
主殿はしっかりと見据えて・・・」
「俺は精霊のなだめ役じゃない〜!!」


「弘法も筆のあやまり」でし
それはある夜の出来事でし。
「シャオ、今日の夕食は何なんだ?」
「今日は麻婆豆腐です。」
「シャオ殿、出来ればあまり辛くしてほしくないのだが・・・。」
「シャオリン、むっちゃくちゃ辛くしてねー。」
ルーアンしゃんたら意地悪でしね。
でもシャオしゃまはちゃんと、みんながおいしい味に仕上げてくれるでし。
シャオしゃまはお料理の天才でし!と思っていたら・・・、
「ああっ!!」
「ど、どうしたんだ、シャオ。」
「間違ってお砂糖を入れちゃったんです。しかもたくさん・・・。」
はう、甘い甘い麻婆豆腐でしか。
シャオしゃまでもこういう失敗をすることがあるんでしねえ。
『どんなに名人でも、たまには失敗することもある』という事でし。
その日の夕食は、なんだかみんな元気がなかったでし。
でも全部食べきったんでしよ、太助しゃまのおかげで。
太助しゃまは甘いものが大好きだったんでしねえ。
今度離珠が、甘ーいおかしをご馳走してあげるでし。


「小馬の朝駆け」でし
『子馬は朝は酷く元気だがやがて疲れてしまう』という事でし。
始めに力を入れすぎてすぐに疲れてしまうことのたとえなんでしが・・・
ずばり花織しゃん!これにぴったりなたとえを出してほしいでし。
「そうね・・・とりあえず野村先輩・・・」
ふふん、やっぱりそうきたでしね。離珠は分かっていたでしよ。
「は、除くからね。残念だったね離珠ちゃん。」
ちゅわ!?ど、どうしてでしか!?
「野村先輩の場合は最初っから最後まで元気だもん。あ、でも風邪をひくとさすがにそれはなかったかな・・・。
とにかく、たとえとしてなら・・・うーん、難しいなあ・・・。」
むむむむ、そうでしか。
しかし花織しゃん、よくたかししゃんを例から外したでしねえ。
「そりゃあよく見てるから・・・って、野村先輩は目立つからってことだからね!」
はいはい、分かったでし。


「蝙蝠も鳥のうち」でし
「無理にたとえを出すと険悪になりそうなのでやめておきましょうか。」
ふぁさぁ、と髪をかきあげつつ出雲しゃんの登場でし。
「出雲さん、どうして険悪になるんですか?言う時ははっきり言った方がいいと思いますけど?」
水をさすように花織しゃんの登場でし。
「本人の自覚無しではどうしようもありませんしね。
増してや、“あなたは本当につまらない人ですね”などと言わないと気付かないのではダメです。」
「けれども、言って初めて気付く人も居るんじゃないんですか?」
話が長くなりそうでしから・・・もう意味をいくでし!
『つまらぬものが優れた者の仲間に混じっている状態で、
つまらぬものでも仲間は仲間である』という事でし。
「離珠さん、まだ話の途中なんですけどねえ。」
「そうよ!これからこの言葉の大きな部分について語る予定なんだから!」
そ、そんなの遠慮するでしぃ〜。


「紺屋の明後日」でし
あるところに、紺屋の出雲しゃんが居たでし。
お客として太助しゃんがやってきたでし。
「なあ、この前頼んだ染物はいつできるんだ?」
「ちょっとここのところ悪天候続きですしねえ・・・。明後日あたりにでも。」
それを聞いて太助しゃまは凄く不機嫌な顔になったでし。
「・・・この前来た時もそういってたじゃないか!」
「そうは言いましても私どもの商売は天気に大きく左右されますのでね。」
とまあそういうわけで、
『約束のあてにならないこと』という事でし。
ふう、と太助しゃま大きく息をついていると、シャオしゃまがやってきたでし。
「あの、出雲さん。昨日注文させていただいた染物はできていますか?」
「もちろん!できていますとも!」
ころっと態度が変わって出雲しゃんは元気よく答えたでし。
その変わり身の早さに、太助しゃま唖然としてたでし。
「でも、お天気があまりよくありませんでしたから・・・」
「いえいえ。シャオさんのためならどんなお天気だろうと関係なく仕上がるものなんですよ。」
「そうなんですか?」
「ええ、そうなんですよ。」
「ふえ〜、それはありがとうございます。」
ふかぶかとシャオしゃまはお辞儀。それを見てもちろん、太助しゃまは怒ったでし。
「どういうことだよ!俺はもっと前から頼んでたのに!」
「だってあなたはシャオさんじゃないでしょう?だからですよ。」
「そんないいかげんな理由が通るのか!?」
「通りますよ。」
「・・・・・・。」
あっさりと言い放った出雲しゃん。
もう何も言う気にならなくなった太助しゃまは、とっとと家に帰ってしまったそうでし。


「呉越同舟」でし
主を不幸から守る月の精霊守護月天のシャオしゃま。
主に幸福を授ける太陽の精霊慶幸日天のルーアンしゃん。
宿敵同士のはずなんでしが、主が同じ太助しゃまってことで二人とも仲良く頑張ってるでし。
こんなに分かりやすい例は無いでしよ!
『憎み合っているもの同士が同じところで共に行動する。
仲が悪くても共通の困難には協力し合う』という事でし。
これからも仲良く仲良く・・・でしでし。


「声の高い者が勝つ」でし
「太助ぇー!今日はお前の家でパーティーだー!」
「いや、今おれん家散らかってるし・・・」
「決定だからなー!午後5時に集合ー!夜通し騒ぐぞー!」
「っておい!人の話聞けよ!」
「花織ちゃん達にも俺から伝えておくからなー!!」
「待てー!」
・・・とまあ、太助しゃまはいつもたかししゃんに押し切られてしまっているでし。
『正しいかどうかとは関係なく、大きな声を張り上げる方が勝つことが多い』という事でし。
「ねえ離珠ちゃん。」
なんでしか乎一郎しゃん。
「たかし君の場合は単に人の話を聞いてないだけなんじゃ・・・。」
・・・・・・。
それもそうでしねえ・・・。
でもそうじゃない時でもたかししゃんはよく勝ってると思うでし。
「まあ、ね・・・。ところでパーティーって本気なのかなあ・・・。」
本気だと思うでしよ。
「明日はテストがあるのに・・・。」
・・・頑張ってくだしゃい。


「小男の腕立て」でし
これはたとえばこういう事なんでし。
「ぼうず!今からおいらが決闘を申し込む!堂々と力比べだ!」
「虎賁・・・本気か?」
「ああ本気だ。けどその前に準備するからな。ちょっと待ってろ。」
えしょえしょと虎賁しゃんは床に手をつくと、えっほえっほと腕立てを始めたでし。
ぽかんとそれを見ている太助しゃま。まあ無理もないでしが・・・。
『手向かってもとても問題にならぬ』という事でし。
やがて準備運動が終わり、いざ勝負!と虎賁しゃんが申し立てたでし。
とそこで・・・
「万象大乱!」
キリュウしゃんがいきなり登場!
不意の万象大乱により、しゅいーんと太助しゃまはちっちゃくなってしまったでし。
「え・・・ええっ!?」
「よーし、これでおいらとぼうずと同じ大きさだな。」
「ちょ、ちょっと待ってくれって。同じ大きさで勝負なんて聞いてないぞ?」
「何甘いこと言ってるんだ、勝負の世界はきびしーんだぜ。せやー!」
「わ、わー!」
叫びながらも太助しゃまはなんとか虎賁しゃんと対峙、張り合っているでし。
それを見ているキリュウしゃんはぽつりと呟いたでし。
「この不意打ちはなかなかに使えるかもしれないな・・・。」
今後の試練で似たようなことが起こるかも?でしねえ。


「小男の総身の知恵も知れたもの」でし
「おいらはこういう言葉だいっきらいだからな。」
虎賁しゃんいきなりでしね。たしかに離珠も好きじゃないでしが・・・。
えーっと、この言葉は大男がのろまだとかいう罵り言葉に言い返すもので、
『小男では満身が知恵でもしれたものだ』ということでし。
「だいたい、全身が知恵でできてたら怖すぎるってーの。」
そうでしそうでし。
・・・でも、のろまだなんて罵るのもよくないでし。
「要は悪口は良くないって事だろ。」


「氷は水より出でて水よりも寒し」でし
『弟子が師より優れることのたとえ』という事でし。
離珠とキリュウしゃんの、師より優れてみようコーナー!
「うむ。というわけで主殿、私より低い体温になってみせよ。」
「またよくわからないことを・・・。こういうのって水につかったりすればすぐじゃないのか?」
そうでしね。または雪に埋もればおっけーでし。
「いいや、一時的に冷たくなるのは誰でもできるだろう。
私が言っているのは、恒久的に低くなってみせよ、ということだ。」
「へえ・・・でもそういうのって可能なのか?」
難しいと思うでし・・・。
「条件は低くなればいい、ただそれだけだ。ならば・・・」
「まさか仮死状態とか冷凍人間になれとか言い出さないだろうな?」
むむっ!さすが太助しゃま、気付いたでしね!
「つい最近聞いた話だが、安価で予約ができるらしいのだ。だから・・・」
「安価とかそういう問題じゃないだろ!?怖いこと言い出すなよ!!」
太助しゃま、気付いたなら実行してみないと。
「歳をとらずに何年も先で蘇ることができるそうではないか。いい試練になるかと・・・」
「ならない!」


「五月の腐れ鯛」でし
『五月の鯛はまずい』という事でし。
日本では鯛を賞味して「腐っても鯛」というでしが、
中国では鯛は死人の肉を食べるといって、嫌われているそうでし。
でも・・・これって本当なんでしか?
ルーアンしゃん、教えてくだしゃいでし。
「はあ?あたしは鯛は大好きだけど?」
いや、そういうことをきいてるんじゃないんでしが・・・
「そうね、今日は鯛にしましょう!シャオリーン!!今日の夕飯は鯛にしてー!!」
ちょっとルーアンしゃん!


「五月蕨は嫁に食わせるな」でし
「七梨・・・お前ってばひどいやつだな。」
「は!?いきなりなんだよ山野辺。」
「お前、シャオにワラビを食べさせないで独り占めするんだろ?だからひどい奴だ。」
「どっからそんな言葉がわいてくるんだよ・・・。」
「しらばっくれても無駄だぞ。離珠!」
はいでし、翔子しゃん!
『五月のワラビは美味しいということを言ったもので、
こんな美味しいものは嫁に食わせるな』という事でし。
「・・・だから?」
「鈍い奴だな・・・。お前の嫁はシャオだろ?だからって独り占めすんなってあたしはいいたいの。」
「あのな・・・。いいかげん俺を捕まえてそんな文句つけるのやめてくれよ!」
ちなみに豆知識がいくつかあるんでし。
「ワラビの葉柄を食べるのは日本人だけと言われているけど、
根、茎からとったでんぷんはワラビ粉といって各地で利用されているんだってさ。」
わらび粉はお餅やお団子を作るほか、あるこーるの原料にもなるそうでし。
「というわけで分かったか、七梨。独り占めしないでシャオにも食べさせてやれよ?夫婦仲良くだ。」
「いや、人の話聞けよ・・・。」


「子が無くて泣くは芋掘りばかり」でし
『子がなければ泣くこともないのだが、子があるからこそ泣くことも多い』という事でし。
「・・・なあ、それってどういうことだ?」
それはでしねえ、翔子しゃん・・・実際に芋を掘ってみてくだしゃい。
「畑がないだろ・・・。」
大丈夫でし、離珠が用意・・・
「余計なことしてないで、どういうことかちゃんと解説してくれよ。」
ぷう、翔子しゃん意地悪でし。・・・こほん、それではいくでしよ。
まず芋を掘っていても、小芋がついてこないと困るでし。
「なんじゃそりゃ。」
で、本当に子供が居たら、病身とかなんだかんだで泣くことが多いでし。
「それはそうだろうけど・・・。」
だから、子供が無いほうが泣くことは少ないんでし。
だから、子供は無いほうがいいってことをいってるんでし、この言葉は。
ちなみに、芋掘りとひっかけたのは、子供のあるなしを考えたからで・・・
「はいはい、もういいよ。ったく、なんちゅう解説だ・・・。」
ちょっと翔子しゃん!ちゃんと聞いてくだしゃい!


「故郷忘じ難し」でし
ちょっと気になる事があったのでシャオしゃまに聞いてみたんでし。
(シャオしゃま、太助しゃまはシャオしゃまが来る前は一人ぼっちだったんでしね?)
「ええ、そうよ。だから私は決めたの。太助様を孤独や寂しさから守ろうって。」
(太助しゃまは、シャオしゃまが来るまでに、
家を出て家族を探しに行こうとか思わなかったんでしかね?)
「やっぱり、みんなが帰ってくるまでに、自分がしっかり家を守っておこうと思ったんじゃないかしら。
太助様のお父様やお母様、そして那奈さんは、例え離れていても太助様のことを想っている。
それに、自分の故郷は太助様の住んでいるこの家ですもの。
人は、自分の故郷は必ずといっていいほど忘れられないものだしね。」
(なるほどお、太助しゃまはやっぱりしっかりした御主人しゃまでしね。)
『故郷は忘れ難く、いつも心の中で懐かしく思い出すものである』という事でし。
そういう訳でしから、太助しゃまは家族がそろう事を絶対に信じてるんでしね。


「国士無双」でし
これこそ難しい・・・って事でしね。
なんといっても例えのしようが。
解説しようとすると、絶対に皆しゃんが盛んにアピールを・・・
しーん・・・。
あれ?誰もこないでしねえ。さすがに自覚があるんでしかねえ。
まあこういうものは名乗り出るものでもな・・・あれ、ルーアンしゃん!
「とりあえず誰もいないってのはあれだから来てやったわ。
といってもあたしのことを言いに来たんじゃないからね。」
それもそうでし。ルーアンしゃんじゃないのは分かり切ってるでし。
「あのねえ・・・。まあいいわ、あたしが言いたいのはたー様よ。」
ほえ?どういう事でしか?
「なんと言っても三人の精霊の主をしてるのよ。
その中でも、キリュウの試練を受けると言ったり、シャオリンを守護月天の宿命から解き放つと言ったり。
これだけ素晴らしい人が他に居て?いいえ、居るわけ無いわ。つまりそういう事よ。」
随分当たり前と言えば当たり前の気がするでしが・・・まあそれもそうでしね。
『国中に二人といない優れた人。一番立派な人物』という事でし。
ついでに言うと、こんなルーアンしゃんの主をしてるってのも立派でし。
「・・・ちょっとごみチビ、なんか文句あんの!?」
べ、別にないでし・・・。


「黒白の差」でし
『二つのものが全くかけはなれ、正反対である』という事でし。
というわけで、シャオしゃまとルーアンしゃんの役目でしね、翔子しゃん。
「不幸から守る、と幸せを授ける、か・・・。
あれ?全然反対じゃ無いじゃないか。ルーアン先生が不幸を与えるとかなら分かるけどさ。」
いいんでしよ。不幸と幸福という文字が入っている時点でオッケーでし。
「・・・そんなもんか?」
そういうもんでし!


「後家育ちは三百安い」でし
『未亡人に育てられた子は父親がないため甘やかされるのでしっかりしたところがない』という事でし。
「けれども今はそんなことはないんだろうな。」
そうでし那奈しゃん。そんなわけで那奈しゃんの意見を聞かせてくだしゃい。
「たとえば太助が早死にしたとして・・・二人の子供をシャオだけが育てるとしよう。」
ふえっ?
「シャオのあの性格だとさぞかし・・・ということだなん、うん。」
“うん”じゃないでし!
「待てよ、太助も太助だからな・・・。離珠、これ本当に合ってたのか?
あ、でも今は違うってことだよな。・・・いや、結局は甘やかされる運命だって事か。」
那奈しゃん一人で納得しないでくだしゃい〜。


「こけた上を踏まれる」でし
『転んだ上を踏まれるように、不幸のあった後また不幸がある』という事でし。
これは実演してみるでし!
「・・・で、なんで僕なの?」
皆に頼もうとしたら嫌だって断られたんでしよ〜。それで乎一郎しゃんになったわけでし。
「な、なにも僕に頼まなくても・・・。」
けれど心配しなくていいでし!踏む人はルーアンしゃんでし!
「ええっ!?」
「じゃあいっくわよ〜。」
わわっ、ルーアンしゃん早くも・・・ちょ、ちょっと待つでしよ!準備がまだ・・・
「ルーアン先生!僕なら準備万端です!」
と思ったら乎一郎しゃんがその場に寝っ転がったでし。
反応が早いでしね・・・。
「おりゃあああ!」
どどどどどど
ルーアンしゃんがダッシュ!
ふみっ
「うっ!」
「あら、何か踏んじゃったかしら。」
見事!乎一郎しゃんがルーアンしゃんを踏んだでし!
「ああ、ルーアン先生に踏まれちゃった・・・。」
乎一郎しゃん、なんだか危なそうな人でし・・・。
「っていうかさあ、ごみチビ。こんなわざとらしい実演で解説になるの?」
なるでし!・・・多分。


「股肱」でし
しゃってと、シャオしゃま、ここは解説お願いするでし。
「ええっ?うーん・・・いいのかな・・・。」
何遠慮してるんでしか。この際仕方ないでしよ。
「じゃあいくわね。私が支天輪から読んでいる沢山の星神達。
いろんな場面で私の手助けをしてくれています。
いざという時にすごく役に立ってくれて、とっても信頼できるんですよ。」
はーい、シャオしゃまありがとうでし。
『自分の手足の様によく役立ち、信頼のおける臣下』という事でし。
手足という点が少し違う気もするでしが、信頼のおける臣下という点がばっちりでしね。


「後光より台座が高くつく」でし
「神主なので多少関連がある、ということで私が少し解説をいたしましょう。」
ちゅわっ、出雲しゃんお願いするでしね。
「さて、仏像は光背の部分が一番人目についてありがたがられるものですが・・・」
ふむふむ。
「それよりも、あまり目立たない台座を作るのに費用が余計かかるのですよ。」
なるほど〜。
「地味な仕事というのはたしかに脚光もなかなか浴びないものですが・・・。
だからこそ大事なのですよ。普段からありがたみを感じることはなかなか難しいですが、
まったく意識しないようには、なるべくならないようにしたいものですね。」
『あまり人目につかない基礎の仕事には思いのほかお金がかかる』という事でし。
つまりは、今回解説をして目立ってた出雲しゃんより離珠の方が・・・
「どうしました?(にこにこ)」
な、なんでもないでし。
さすがに離珠はそこまででしゃばらないでしよっ。


「心ここにあらざれば視れども見えず」でし
一時悩んでいた太助しゃまでしね。
「そういう事に成るな。ほんと、あいつはいつまでもうじうじする奴だから・・・。
あの時なんてひどいもんだった。“はあ、シャオ・・・”なんて言いながら、
カレーを煮てる鍋にどばっと砂糖入れやがるんだもんなあ。」
な、那奈しゃん、そんな事があったんでしか!?
「他には、あたしが折角貸してやったノートにいっぱい落書きしやがって。
全然勉強に集中しやがらなかったりもしたなあ。
帰ってきたノートにはシャオの顔がいっぱいだったよ。縦横斜め上下左右。
全身図がこれまた良く描けてるんだ。」
なんと・・・これは驚きでし・・・。
『心が他のことを思って上の空であれば、例え目はそれに向けていても何も見えていない。
自分自身の修行の為には、気持ちを集中しなければ何も見えないし何も身につかない』という事でし。
「という事で、その時期にあたしが丁寧に言った事もあいつは覚えてないだろうなあ。」
どういう事を言ったんでしか?
「親父とかあさんがもう少ししたら帰ってくる、って事。」
そ、それは本当でしか!!?
「・・・嘘だよ、全部嘘。さっきあたしが言った事は全部嘘だからな。
太助が怒り出す前にこれだけは言っておこう。」
那奈しゃん・・・。
「それにしても翔子みたく満足のいく嘘がつけないなあ。
あたしももっと修行するべきかなあ。」
自分が例え出してる時にそんなもんを考えないでくだしゃいでし!


「志は満たすべからず」でし
「ねえシャオリン、今日とってもおなか空いちゃったの。だから料理はたあくさん作ってね。」
「分かりましたわ、ルーアンさん。楽しみにしていてくださいね。」
ルーアンしゃんてばこんな事を。普段でもあれだけ食べていて、おなかが空くとどんな量になるんでしかねえ?
それで、シャオしゃまはいつもの倍くらいの量の御飯を作ったんでし。
「シャオ、なんだか今日は多すぎるような・・・。」
「ルーアンさんからの御要望があったものですから。」
「そういう事。わ〜い、いっただきまーす♪」
そしてがつがつがつがつという食事が・・・。
シャオしゃまはにこにこしてたんでしが、他の皆しゃんはあっけに取られて見てたでし。
そして次の日・・・。
「ねえシャオリン、今日もすっごくおなか空いちゃった。
だから昨日よりももっともっと沢山作って頂戴。」
「はい、分かりましたわ。」
な、なんでしと!?ルーアンしゃん、いくらなんでも食べ過ぎでしよー。
そして食事時間がやって来たでし・・・。
「なあシャオ、昨日よりも更にすごくなってないか?」
「ルーアンさんの御要望です。」
「そういう事!おっしゃあ、いただきまーす!!」
またもやがつがつがつがつがつがつという食事が・・・。
当然あっけに取られてみているみなしゃん。
しかし次の日!!
「ねえシャオリン、今日ももっと沢山作って欲しいんだけど。」
「ええいいですよ。」
な、今日も沢山でしか!?ルーアンしゃん、少しは控えた方がいいでしよ。
「でもルーアンさん、食べ過ぎじゃないんですか?」
「何言ってんの。今までの量じゃあ満足できないわよ。
だって、あたしの希望の量が達成されたんですもの。」
少し心配そうにたしなめたシャオしゃまだったでしが、ルーアンしゃんは気にもとめずだったでし。
そして食事時間・・・。
「シャオ、これは・・・。」
「ルーアンさんの御要望ですけど・・・作りすぎでしょうか?」
もはやテーブルの上には料理しか見えなかったほどでし。
「上等よシャオリン!!それじゃあいただきまーす!!」
いつものようにがつがつがつがつがつがつがつと・・・。
「おいしいわあ・・・うっ!!」
なんと!約80%を食べた所でルーアンしゃんが倒れてしまったんでし!!
原因は当然・・・食べ過ぎでし。幸い命に別状は無かったんでしがね。
『人は希望が達成するたびにより大きな望みを求めるようになるので、身の破滅につながる事も多い。
志は十分に満たさずにほどほどにしておくのが良い』という事でし。
ルーアンしゃん、今度からはもう少し遠慮してくだしゃいでし。
「離珠、なんて無理矢理な・・・。」
「そうですよ。でも、調子に乗って作りすぎてしまいました。私も反省しないと。」
とまあそういう事でし。ちゃんちゃん。


「心に笠着て暮らせ」でし
“上見れば及ばぬことの多かりき笠着て暮らせ己が心に”という言葉から来ていて、
『上ばかり見るな、満足することを知れ。という戒め』という事でし。
「・・・つまり、俺に妥協しろってことなのか?」
たかししゃん、いきなり何を言ってるでしか?
「風邪に見舞いに来てくれた花織ちゃんにドキっときて・・・
うおおお!俺はこんな妥協をしていてはいけないんだー!!」
「野村先輩!」
「うをっ!?か、花織ちゃん!?」
怒りをあらわにしつつ、花織しゃんの登場でし。
「あたしも野村先輩なんかで絶対に妥協なんてしませんからねー!!」
ばちこーん!
「ぐはっ!」
タタタタタ・・・
強烈なびんたを食らわせて、花織しゃんは走り去ってしまったでし。
・・・えっと、もういいでし。離珠は満足しておくことにするでし。
「ちょ、ちょっと離珠ちゃん、お、俺の話を更に・・・」
はいはい、もう終わりでしよ。


「心につるる姿」でし
「すなわちこれは、心が優しければ姿も優しく・・・
心が乱れていれば姿も乱れる・・・とこういう事を言っているのですね。」
さすが出雲しゃん、ばっちりその通りでし。
『心のさまにしたがって姿もこれに伴うものである』という事でし。
「なるほどねえ。だからいずピーってば気のいいおにーさんなのね。」
「そう見えますか?(ふぁさぁ)・・・けれどもルーアンさん、
いずピーというのはやめていただけませんか・・・。」
離珠は疑問でし。どうして出雲しゃんがピーなんでしか?
「そりゃあもう、見た目がピーだもん。だから、いずピーってわけなのよ。だからやめられないわね。」
「あのう、意味がわかりませんが・・・。」
離珠もでし・・・。
「ついさっき解説した言葉よ。姿がピーってわけなのよね〜。」
「だから意味がわからないんですが・・・。」
同じくでし・・・。


戻るでし。