≪く≫でし!(その1)


「株を守りて兔を待つ」でし
“かぶ”なのになんで“く”に入っているかって?
ふふふ、甘いでしね。これは株(くいせ)と読むんでし!
しゃて、納得したところでたとえ話いくでしねー。
昔々ある所に、とっても働き者のお百姓である乎一郎しゃんがいたでし。
毎日毎日懸命に畑を耕していて、それは真面目で評判な人だったでし。
その乎一郎しゃんがいつものように畑を耕していたら・・・
「きゃー、どいてどいてどいてー!」
がつっ
「はうっ!」
ずざざざー!!
と、どこからともなく走りこんできたルーアンしゃんが、切り株につまずいてど派手にすっころんだでし。
それを見た乎一郎しゃん。慌てて彼女を助けに行ったでし。
「だ、大丈夫ですか?」
「う、うーん、なんとか・・・。」
「はっ!」
「・・・どうしたの?」
「い、いえ、綺麗な人だなって・・・あ、す、すいません。まずは怪我の手当てですよね!」
「いいわよ、別に。でも嬉しいこと言ってくれるじゃない。ありがとねーん♪」
何事もなかったかのように立ち上がったルーアンしゃん。
そのまま鼻歌を歌いながらどこからどこへともわからないまま去っていったでし。
そのルーアンしゃんが去っていたあとも乎一郎しゃんはぽー・・・。
次の日から、乎一郎しゃんは畑を耕すこともせず、毎日切り株を見つめるばかり。
ところが、そうそう都合よくルーアンしゃんは現れてくれないでしねー。
何日も何日もルーアンしゃんは現れず、そうこうしているうちに畑は荒れ放題。
乎一郎しゃんは村の笑い者になってしまったそうでし。
『いつまでも昔からのやり方や古い習慣を守っていて、融通の利かない』という事でし。
「ちょっとごみチビ、なんなのよこのたとえ話は。」
ルーアンしゃんでしか。ふふん、これを見て驚くがいいでし。
「出演してるあたしも遠藤君もすっごく哀れね・・・。
っていうか、なんであたしが切り株につっこんでいかなきゃならないのよ!あたしは兔かー!!」
いやー、適役がいなかったもんでしからつい。
「ふざけんじゃないっての!」


「喰いつく犬は吠え付かぬ」でし
『無闇に相手を威嚇するような言動をする人は、
見た目には怖いけども実は大した事ができないので、
むしろ黙っているものが本当はこわいものだ』という事でし。
「これはつまり・・・。」
花織しゃん、どういう事だと思うでしか?
「ルーアン先生みたにぴーちくぱーちく喋ってるひとより、
キリュウさんみたいに、むっつりむつむつ黙っているひとの方が恐ろしいって事よね?」
・・・どういう表現でしか。
「そうよねえ、試練だと言って七梨先輩にあれだけ激しい事できるんだもんねえ。
わかった!という事は七梨先輩は、多分キリュウさんの前じゃあいっつも気が張り詰めてるとか?」
さすがにそういう事は無いと思うでしが・・・。
「だって、いつ試練が振ってくるか分かんないんでしょう?うーん、七梨先輩も大変だあ・・・。
こんな時こそ花織が傍にいてあげなくちゃ!
・・・でも、多分あまりに喋ると七梨先輩信用してくれないかもなあ・・・。
だったら、ずーっと無言で七梨先輩のそばに・・・。」
花織しゃん花織しゃん、いきなり来られて無言で傍に居られると不気味でしよ。


「食い物と念仏は一口ずつ」でし
『食べ物は一口ずつでも家族全体で分けて食べるのがよく、
念仏も一口ずつでも皆に唱えさせるのがよい』という事でし。
早速七梨家で実践でしね、これは!
というわけで、食事時にシャオしゃまに頼んでみたでし。
するとシャオしゃまは快く承諾してくれたでしー。
今晩のおかずはおでんでしー。丁度一つ一つの具ごとで食べられるからいいでしね。
「じゃあ私からいきますね。」
お箸を持って、真ん中の大鍋からシャオしゃまが竹輪を一つまみ。ぱくりと食べたでし。
「面白いんだかなんだかなあ・・・はは。」
苦笑しながら太助しゃまがぱくり。食べたのはじゃがいもだったでし。
「あたしは一度にたくさん食べたいのにー。」
ぶつぶつと文句を言いながらルーアンしゃんもぱくり。食べたのははんぺんだったでし。
「・・・まあたまにはいいかもしれないな。」
しみじみと呟きながらキリュウしゃんもぱくり。食べたのは餅巾着でしー。
「とはいえ、こうして一人一人で食べてもなあ・・・隣で食べさせあいでもしてみようか。
でも人数割れするから・・・太助とシャオ。で、ルーアンとキリュウとあたしとで。」
なんと進路変更発言を那奈しゃんが!ちなみに那奈しゃんが食べたのは蒟蒻でし。
反論の声も上がったんでしが、権力が一番上っぽい那奈しゃんには逆らえず、予定変更となったでし。
「はい、太助様。あーんですぅ。」
「あ、あーん・・・。」
早速シャオしゃまが太助しゃまに食べさせてあげてるでし。微笑ましい光景でしねぇ。
でもってそれをじと目で見ながら、ルーアンしゃんが怒気を発していたでし。
「ったく、シャオリンのやつぅ・・・。・・・ほらキリュウ、さっさと口あけなさいよ。」
「・・・・・・。」
ルーアンしゃんの相手はキリュウしゃんでしね。ところが・・・キリュウしゃんは無反応。
というよりは・・・なんだか顔が苦しそうでし。
「キリュウ?」
「・・・・・・。」
ぱたん
「ちょ、ちょっとキリュウ!」
「どうしたキリュウ!」
かくんと顔をうなだれたまま、キリュウしゃんは倒れてしまったでし。
これには他の皆も慌てないわけがなくて・・・。
と、四人が傍に駆け寄ろうとしたその時だったでし。
「・・・ぷはあ、苦しかった。」
「「「「え?」」」」
なんとキリュウしゃんが息を吹き返したかのごとく顔を上げたでし。
驚いてた面々だったでしが、代表としてルーアンしゃんが尋ねてみたでし。
「ちょっとキリュウ、どういうこと?」
「いや、なに。最初の餅が喉にひっかかっていてなかなか飲み込みきれなくて・・・。
ふう、苦しかった。」
「・・・年寄りくさいわねえ、ったく。」
「それはどういう意味だ?」
「よくニュースであるでしょ。正月に雑煮を喉につまらせた老人とか。お約束よ。」
「・・・・・・。」
「念仏も一緒にできるとこだったわね。一人ずつ。」
ルーアンしゃん・・・しょれは禁句でしー。
「それより今更なんだけどさ、離珠。この言葉ってこういう意味で使うわけじゃないと思うんだけど・・・。」
太助しゃま!しょれはもっと禁句でし!!


「食い物のあるのに鉄砲汁」でし
これは、いかもの食いを嘲笑する言葉で、
『“ふぐ汁や鯛もあるのに無分別”で、
他に食べ物があるのに、フグ汁を食べるとは考えのないことだ』という事でし。
「あれれ?フグを食べちゃダメだって言いたいんだ?」
そうなんでしよ。なんだかややこしいでしが、そういう事でしよ。
「ふうん・・・。でも、ルーアン先生には関係ないよね、多分。」
・・・乎一郎しゃんからは、何かとルーアンしゃんが出てくるでしね。
「え?まあ当然だよ。」
食べ物絡みでしからねえ。
「そういうものだけでも無いんだけど・・・あ、ううん、なんでもないよ。」
・・・で、どうしてフグを食べるのがよくないかというと・・・。
「うんうん。」
離珠にはよくわかんないでし。
「・・・だったら無理に言わなくても。」


「空谷の足音」でし
太助しゃまに質問でし。
シャオしゃまに初めて逢った時、太助しゃまはどう思ったんでしか?
「どうって・・・。とにかくびっくりしたよ。
いきなりあんな可愛い子が輪っかの中から出て来るんだもん。」
それだけでしか?もっと他にないんでしか?
「初めての時よりは、一度シャオが支天輪へ帰って、
その後にもう一度出てきてくれた時の方が印象強いな。
俺を寂しさや孤独から守る、なんて。ほんと、嬉しかったなあ・・・。」
は―い、どうもありがとしゃんでした。離珠はそれが聞きたかったんでしよ。
『寂しい暮らしをしている者が聞く嬉しい便り、珍しい事の訪れ』という事でし。
寂しい思いをしていた太助しゃまの元へと現れたシャオしゃまは、まさに!
この時から、太助しゃまの幸せいっぱいの生活が始まったんでし。


「喰うことは今日喰い言うことは明日言え」でし
「この言葉で、大きな謎が一つとけたね!」
どういう事でしか?乎一郎しゃん。
「ルーアン先生がなぜいつも食事をがつがつと食べるのか!」
『美味しいものは早く食べてしまうのがよいが、
しゃべることは先にのばして考えてから言うのが間違いない』という事でし。
・・・随分大袈裟に聞こえる気がするんでしが?
「やっぱりね、食べ物てのは美味しいうちに食べないとね。」
乎一郎しゃん。
「だらだら喋って料理が冷めちゃうなんてことも無いしね!」
正論かもしれないでしが、ルーアンしゃんとたとえるには違う気がするんでしが・・・。


「空前絶後」でし
『今までに一度も起こった事が無く、これからも絶対起こらないだろうと思われる出来事。
きわめて珍しい出来事』という事でし。
「日天月天地天同主!!文句ないわね!?」
・・・ないでし。
「ふふん、どんなもんよ。」
ついでに、ルーアンしゃんが一週間絶食すればそうなるでし。
「そんな馬鹿な事、このあたしがする訳無いでしょ!」
ルーアンしゃん、アッサリした例えだけではつまらないんじゃないでしか?
「なにをけしかけてんのよ・・・。」


「喰うた餅より心持」でし
『物をもらう事は、その物よりも、くれた相手の志がありがたい』という事でし。
「だからいずピー、安心してお饅頭とか持ってきてね。がつがつ。」
離珠もルーアンしゃんも、いつもすっごく感謝してるでしから。ぱくぱく。
「どうもお二人の様子を見ているとあまり説得力が無いように見えるのですが・・・。
まあ信じる事にします。」
「さっすがいずピー。これからもよろしくね〜♪がつがつ。」
よろしくでし〜♪ぱくぱく。
「・・・・・・。」


「空中楼閣」でし
『空に築いた大きな建物という事で、実現できない空想のたとえ』という事でし。
離珠とキリュウしゃんの、実現できな空想を実現してもらおうのコーナー!
「うむ。というわけで主殿、空中に浮かぶ見事な庭園を築いてもらいたい。」
「あのな・・・。実現できないものをどうやって実現しろってんだよ。」
何を言うでしか。なせばなるんでし。それに庭園ならなんとかなると思うでし。
「主殿は、ばびろんの空中庭園というものを知っているか?
世界はまだまだ広い。よって十分可能だ。」
「いや、それはそう呼ばれてるだけであって、実際に空中に浮かんでるわけじゃ・・・。」
大丈夫でしよ。世の中には空を飛ぶかたまりがあるんでし。
「さる作品には、飛行の名を冠す巨大な石もあった。ますます十分可能だ。」
「っていうかそれは実際のものじゃなくて、それこそ空想のものだろ?」
・・・キリュウしゃん、太助しゃまなんだか反抗してばっかりでし。
「そうだな・・・。まったく、空を飛ぶことくらい造作もないだろう。
ルーアン殿の陽天心を見てみるんだな。絨毯なのに何故か飛べる。あの意気だ。」
「そういう問題じゃねー!!」


「喰うに倒れず病むに倒れる」でし
『生活費のためにつぶれる者はいないが、医薬代のためにつぶれる者は多い』という事でし。
「・・・嘘ばっか。」
なんて言い草でしか虎賁しゃん!離珠は怒っちゃうでし!ねえ長沙しゃん!?
「うーん、でもルーアンしゃんがいるから正論だと思うでシュ〜。」
・・・いたいとこを突かれてしまったでし。
「よく分かってんなあ、長沙は。ま、治療専門の星神だからそのくらいの比較は当然か。」
「虎賁しゃん、このお薬は結構高級なんデシュよ。
でも、ルーアンしゃんに比べると絶対に負けてしまうんでシュ。」
「あー、まあ要するに比較対象が悪いってことか?」
「そうでシュね〜。本当は離珠ちゃんのことわざどおりでシュ。」
そら見たことか!でし。
ふふん、虎賁しゃん。謝るなら今のうちでしよ〜。
「なんでおいらが謝る展開になるんだ・・・。」


「喰おうとて痩せる」でし
昔々、あるところにルーアンおばあしゃんとキリュウおじいしゃんが住んでいたでし。
「キリュウばあさんや、あたしはお腹空いたわー。」
「またか・・・。小一時間ほど前に食べたばかりではないか?」
「空いたったら空いたのー。このままじゃああたし餓死しちゃうー。」
「やれやれ、困ったものだな・・・。」
どっこいしょ、とキリュウおじいしゃんは体を起こし、えんやこらと貯蔵庫から食料を持ってきたでし。
それをおばあしゃんに与えると、早速おばあしゃんは目をきらきらとかがやかせてがつがつと・・・。
物凄い勢いでそれを食べ始めたでし。
「・・・生なのによく食べるな。」
「だってぇー。お腹空いてるんだもーん。」
「そういう問題か・・・。しかし困った、向こう一週間の食料がもう無い・・・また出稼ぎに出ねば・・・。」
「毎度毎度大変ねー、おじいさん。・・・けぷっ、もう食べ終わっちゃった。」
「もうか!?まったく、早いものだな・・・。」
「こんなんじゃあ全然足りないわ・・・。あたしも出稼ぎ手伝わないとね・・・。」
しょうがない、とルーアンおばあしゃんもよっこらせと体を起こしたでし。
普段と違って、このルーアンおばあしゃんは実に勤勉だったでしね。
「・・・それにしても、全然太らないな。」
「あたしのこと?そりゃそうよ、あたしのお腹には陽天心菌が住んでるんだから!」
「私と同じように、痩せるばっかりだ。」
「・・・それもそうよね。」
「食べようと思って働いているのに、やせるばっかりとは・・・。」
「いい皮肉よね、ほんと・・・。」
「「はあ・・・。」」
ふかいふか〜いためいきを、おじいしゃんとおばあしゃんはついたんでし。
『食うために苦労して身がやせる』という事でし。
大変でしね〜まったく。
「また紙芝居か。」
あっ、虎賁しゃん。
「ルーアンがおばあさんでキリュウ姐がおじいさんか・・・どっちが見ても怒りそうだな・・・。」
もう、そんなことはいいんでし。


「九月納豆はなによりありがたい」でし
納豆は大豆からつくった栄養価の高い食品で、涼しくなると一層味もよくなるので・・・
『農繁期を控えた農村の人にとっては料理の手間も省けるからなによりありがたい』という事でし。
「・・・で?」
で?っていわれても困るんでしが・・・。
「だってそのまんまじゃない。何か捻りとかはないの?」
花織しゃん、ことわざに毎回意味深なことを求められても困るでし。
たとえばこの言葉を聞いて、“ああ、ありがたいでし〜”と思うのもオツなものでしよ?
「なんなのそれ・・・。」
風流というやつを楽しむんでしよ!ぷんぷん。
「あたしに納豆で風流って、困る気もするんだけど・・・。」


「釘の裏を返す」でし
『間違いないように念に念を入れる』という事でし。
「本当にそうか?」
なんでしか虎賁しゃん。
「いや、いつも離珠はでたらめ解説してっからなあ、確認しとかねーと。」
失礼でしね!離珠はでたらめなんて解説しないでしよ!
「本当に本当か?」
本当でし!
「今回の言葉も本当にこの意味か?」
しつこいでしね!絶対に本当でし!
「よし。・・・とまあこういう風に、念を入れるって言葉なんだな、うん。」
・・・虎賁しゃん、しょれはいやがらせでしか?


「釘の曲がりは鉄鎚で直せ」でし
がつがつがつがつ・・・
今宵もルーアンしゃんの豪快な食事音が響き渡る、でし。
「しっかし相変わらずよく食うよなあ・・・。」
しみじみと呟く太助しゃま。ちなみに今夜のおかずは・・・
「・・・ぷはーっ。食べた食べた。ごちそうさまぁ〜。」
って、離珠が説明するより先にルーアンしゃんが食べ終わってしまったようでし。
「あああーっ!?あたしまだ少ししか食べてないのに!?」
びっくり立ち上がったは那奈しゃん。
太助しゃまと同じ、ルーアンしゃんの食べっぷりに見惚れてたんでしかね。
「うふふ、あたしの食事姿がそんなに素敵だったのかしら。」
とかなんとか呟きながらルーアンしゃんはキッチンを後に。
残った者達はがっくりと肩を落とした・・・でし。
翌日・・・。
再び夕食の時間・・・だったんでしが、ルーアンしゃんの分配がなかったでし。
「あれっ?シャオリン、あたしのお茶碗はー?」
「それが・・・。」
困惑した顔でシャオしゃまが見たのは那奈しゃん。
と、那奈しゃんはすっくと立ち上がったでし。
「昨日ルーアンは他の皆の分まで一人で食っちまった!これは許しがたいことだ!
よって、今晩はルーアンだけ飯抜き!!」
「ええーっ!?ひどい、ひどいわおねーさま!」
「うるさーい!元はといえばルーアンががつがつ食いまくるのがいけないんだ!
皆の分考えて遠慮して食え!!」
ぴしゃーん!と那奈しゃんの喝。
結局その日は、ルーアンしゃんはうらめしそうに皆しゃんの食事風景を見つめていたでし。
『悪い癖は厳しいやり方で直せ。また、強いものには強い方法であたれ』という事でし。
「・・・試練だ。」
ぽつりと漏らしたのはキリュウしゃん。
けど、これって那奈しゃんだから実行できる事柄でしよね・・・。


「くぎをさす」でし
しょっちゅう太助しゃまがやっている事でし。
「いいか、陽天心召来なんて無駄に使うんじゃないぞ!」
とまあ、そういう事でし。
『約束を破ったり、間違いをしないように、あらかじめ注意をして念をおしておく』という事でし。
分かりやすくて良かったでし。しかもらくちんだし・・・
「離珠!!」
しゃ、シャオしゃま!?
「またルーアンさんのおやつを勝手に食べたのね!?」
びくぅ!!・・・ご、ごめんなしゃいでし。
「何度言えば分かるの?いいですか、人のものを勝手に取ったりする事は・・・。」
くどくどくどくど・・・と、お説教を聞かされてしまったでし。
「今度から離珠を呼ぶごとにきちんと言いますからね。」
はうぅ!?しょんなしょんなあ、呼ばれるごとに言われるとノイローゼになるでしい。
「じゃあ私や太助様から離れるごとに言いますからね。ちゃんとするんですよ!」
はいでし。・・・それにしても一体どこからばれたんでしかねえ。


「公卿にもつづれ」でし
『身分の貴い人でも着る物が悪いといやしく見える』という事でし。
例えば出雲しゃんに・・・巫女しゃんの衣装を着てもらえば!!
「私はそういう変な事はしたくないのですが・・・。」
だめでしか?
「巫女の衣装なら、私なんかが着るより離珠さんが着てみれば良いでしょう。
特別に用意致しますよ。」
い、いいんでしか?
突然の誘いに離珠はびっくりでし!
そして巫女さんの衣装で、出雲しゃんの御手伝いをしたんでし〜♪
・・・って、ことわざ解説がどこかへ行ってしまったでし。
「たまにはいいじゃありませんか。それより今日は、
色々と手伝ってくださりありがとうございました。」
ちゅわ、そう言われると照れるでし。


「公卿の位負け」でし
『位ばかり高くても内のやりくりは苦しい』という事でし。
「身近な例がいるぞ、ばっちりとな!」
自信満々でしねぇ、たかししゃん。で、しょの身近な例とは!?
「ふっふっふ、それは宮内出雲だ!」
出雲しゃん・・・でしかぁ?
「なんだよその疑わしそうな目は。いいか離珠ちゃん、まずあいつは神主だ。これは文句ないよな?」
はいでし。神しゃまのご主人しゃまってことなんでしよね。
「・・・そういうことじゃないぞ、神主は。ともかく!神主っていうからには位は高いだろう!」
やけに曖昧でしが・・・まあいいでし。で、やりくりは苦しいんでしか?
「苦しいのは当然だ。なんてったって、購買のパン無料で配りまくる!
配る!配る!配りまくる!配るんだああああ!!」
・・・たかししゃん。
「なんだよ、文句ないだろ?」
つばが飛んで汚いでし。
「・・・そんなとこばっか見てんじゃないって!俺の熱い解説でばっちりだろ!?な!な!!?」
だあああ!だから離珠の顔めがけて喋らないでくだしゃいでしー!


「臭い物に蠅たかる」でし
『悪いにおいを発するものにハエが群がるように、悪い者には悪い仲間が集まる』という事でし。
ワルといえばこのひと!ルーアンしゃんでし〜。
「おーっほっほっほ。さあ行くわよ野村君に遠藤君。今日こそにっくきシャオリンをやっつけるのよー!」
「えーっ・・・い、いえ、なんでもありません。あいあいさー!」
「ダメだよたかし君、もっと元気よくルーアン先生のしもべらしく、あいあいさー!!」
と、荒野を突き進むのはルーアンしゃんと、しもべその一乎一郎しゃん、しもべその二たかししゃんでし。
三人は悪の親玉である・・・以下略でし!
「・・・おい離珠。」
なんでしか虎賁しゃん。
「いつになく強引な展開で強引な終わり方で・・・オチはどこいった?」
これで十分じゃないでしか!
とある悪の親玉がいて・・・それに付き従うルーアンしゃん!
そして、そのルーアンしゃんに付き従う、しもべその一としもべその二!
ワルにはワルが集うんでしよ〜。
「既にわけわかんねーんだけど・・・。」
ちなみにイメージは・・・たいむぼかんかしーくれっとおぶぶるーうぉーたーのどっちかでし。
「・・・・・・。」
どうしたんでしか?あまりの凄さに驚き過ぎちゃったでしか?
「こりゃ、いつかどっかからクレームくるよな、絶対・・・。」
ふえ?


「臭い物に蓋」でし
「はい。」
とととと、太助しゃまがなんと挙手をしてきたでし!なかなか挑戦的でしねえ・・・なんでしか?
「冷静に考えれば・・・愛原が初めてうちに来た時の俺の行動なんだけど・・・。」
ふむふむ。
「陽天心洗濯機と軒轅の変装を両親だなんて、絶対無理があったよなあ・・・。」
気持ちはわかるんでしが・・・微妙にそれはずれてないでしか?
「と、こういうのをたとえに出そうとしてる、ってのもまたたとえにならないかな?」
むむむむ・・・そんなややこしい事、離珠は望んでないでし!
ともかく『みっともないことがよそに知れないように一時おさえの手立てをする』という事でし。
はあ〜あ、これじゃあ離珠が太助しゃまのみっともないたとえで解説を終わらせたみたいじゃないでしか。
「おい・・・。」


「臭いもの身知らず」でし
『自分が臭い者は臭さを意識しないもので、
自分の短所や欠点はなかなか気付かないものだ』という事でし。
「いいたとえだな・・・これ以上のたとえは要らないと思うよ。」
ちょっと太助しゃま、いきなり出てきて解説を拒むつもりでしか?
「いや、実際に欠点を持ってるのは誰だとかって話も嫌だし・・・。
実際にどんな欠点がどうだってものを見せられても嫌だし・・・。」
むむ、太助しゃまの欠点はそうやってしり込みをすぐにすることでし!
もっと積極的に、そう、たとえば離珠みたいにでしねえ・・・
「離珠の欠点はそうやって調子に乗るとこだな。」
「虎賁?」
虎賁しゃん!いつの間に!
「と、おとなしいたとえが出たところで終わりにしようぜ。ぼうずがいい迷惑だ。」
「虎賁・・・。」
くうう、虎賁しゃんはそうやってすぐに人の解説を断ち切るのが欠点でし!
「欠点?欠点じゃねーよ。この時ばかりは長所だな、ふふん。」
な、なんでしとー!?


「臭しと知りて嗅ぐは馬鹿者」でし
『危ないことが分かっているのにそれに近づくのは馬鹿である』という事でし。
しかし!臭いと分かっていても好奇心で嗅ぎたくなるのが人情!
とはいえ、わざわざ臭いものを用意しゅるのもあれでし。
しょんなわけで〜・・・離珠はえしゅかるごを食べてみたいでし〜。
「唐突だな・・・。」
太助しゃま、よろしくお願いしゅるでし。
「いや、うちに材料は無いし。」
大丈夫でし!八穀しゃんがいるでし!
「あ、なるほど・・・ってぇ、黙って調達してきたりしないだろうな。」
スーパームサシにはないんでしか?
「あるならいいけど・・・わかんないなぁ・・・。っていうかスーパーにそんなもの売ってるかなあ。」
しょんな心配はいいんでし!離珠は〜、えしゅかるご〜がいいんでし〜。
「・・・まあ好奇心ってのはいいけどさ。別に臭くはないと思うけど?」
えしゅかるご〜、えしゅかるご〜、えしゅかるご〜。
「・・・・・・。」


「腐っても鯛」でし
これはルーアンしゃんということにしておくでし!
『本来優れた価値をもってるものは、たとえ悪い条件におかれてもやはり価値がある』という事でし。
「ひどいたとえを出すねえ。なんでルーアン先生なのさ。」
最近あまり目立ってなくてマイナーキャラに陥りがちでしが、それでも慶幸日天だからでし!
「・・・挑戦的だな、離珠ちゃん。」
まあね、でし。
「いや、別に威張ることでも・・・。っていうかマイナーキャラは行き過ぎじゃない?」
ふふん、たかししゃん。離珠より順位が下は全部マイナーなんでしよ!
「おおっとこりゃ大胆!・・・ってぇ、もしかして俺も入るわけか!?」
当然でしよ。負け犬が〜、でし。
「く、くっそおおおお!!お、俺だってなあ。花織ちゃんを人物紹介で忘れたりしなけりゃああ!!」
何かが変わったんでしか?
「っていうか変わるわけないかあ。しっかし納得いかねえなあ。
なんで離珠ちゃんより下になったくらいでマイナーキャラなんだよ。」
あああーっ!たかししゃん、離珠程度、とか言ったでしね!?許せないでし!
「い、いや・・・って、特に弁解する気にならないなぁ・・・。」
むむむむ・・・今に見てるでしよ。ちっちゃくても離珠は離珠なんでしからね!
「ちっちゃいのを含めて離珠ちゃんのような・・・。」
むむむむ・・・。


「楔を以って楔を抜く」でし
くさびを抜くには、別のくさびを打ち込んでゆるめてから抜くそうでし。
『何事も正しいやり方でしなければできない』という事でし。
「たとえは既に出ているな・・・。だがそこをあえて更にたとえを出してやろう。」
なんか意気込みを感じるでしが・・・やりたいことでもあるんでしか?虎賁しゃん。
「ったりめーだ。球技のスーパーコーチであるおいらならではのたとえを出してやるぞ。」
たとえば・・・こういう投げ方で小石を投げつけるとルーアンしゃんの目に当たって目潰しにできるとかでしか?
「な・・・なにぃっ!?」
ひょっとして当たりでしか?
「すげえな離珠。今日はさえてるじゃねーか。」
もう、虎賁しゃんってばやる事が離珠にも読めちゃうくらい工夫が無いでし。
「伝心が得意なおめーが言ってもイマイチ説得力がないような・・・。
けど残念だなあ。こうやってルーアンも用意してたのに。ほら。」
と、虎賁しゃんが指指した先にはルーアンしゃんがでーんと。
・・・てぇ!こんな展開だとオチが決まっちゃうじゃないでしかー!
「へ?どんな風にだ?」
そ、それはでしね・・・
「あんたら、いいかげんにしなさいよ。あたしを用意したってなんなのよコラー!」
だだだだっ
とまあ、ルーアンしゃんに追いかけまわされてしまうオチでしー!
「甘いな離珠。こんな時こそ用意していた対抗策でルーアンの目を・・・」
がしっ
「ふっふっふ、捕まえた。今度は逃がさないわよ〜。」
「し、しまった!捕まえられたらあの投げ方はできねー!」
なんともひどいオチでし・・・がく。
・・・って、オチてるんでしか?


「腐り縄に馬をつなぐ」でし
「例えば!ルーアン先生をラーメンの麺でつなげる!」
凄いたとえでしねえ、花織しゃん。
「もう、ばくばくばくばくあっという間に食べられちゃって、すぐに逃げられちゃうわよー。」
うむ!まったくその通りでし!
『たよりにならないことのたとえ。到底成功の望みの無いことに言う』という事でし。
バン!!
「あんたら!!」
「る、ルーアン先生!?」
い、いつのまに・・・気付かなかったでし!!
「人のいないところでなんという例えをををををを!!」
「ルーアン先生、ほらほら、ラーメンをここに用意しましたよ?」
さすが花織しゃん、用意がいいでし!
「こんなもんでごまかしがきくかってんのー!!」
「うわーん!折角腐ってないのにー!」
でしでしー!
「いいかげんにしなさいよ!!」


「腐れ縁は離れず」でし
「思えば・・・。」
「ん?」
「俺とたかしの縁もそんな感じかもなー。」
「な、なんだとおおお!?太助、それが親友に向かって言う言葉かー!!」
「親友だったらいきなりうちにおしかけてビデオ24時間上映会なんておっぱじめるなよ!!」
「何言ってんだ!親友だからこそできる荒業だろ!?」
「そんな荒業繰り出すな!!こっちは眠いんだよ!ゆっくり寝ようと思ってたんだよ!!」
「なんだってえええ・・・。親友の特大イベントより眠気を取るのかお前は!!」
「っていうかたかし、俺より先に寝てただろが!!」
・・・えー、しょんな言い争いを簡単にできる太助しゃまとたかししゃんの縁は、
たしかにしょうかもしれないでしねー。
『悪縁は切ろうとしても切れない。離れようとしてもなかなか離れないのが腐れ縁である』という事でし。
「しかし太助、親友との縁を悪縁と見るお前にはがっかりだ!」
「だから!少しはこっちのことも考えてくれよ!」
「何を言う俺はシャオちゃん一筋だ!」
「関係無い!しかも親友がどーたらからなんでシャオがいきなり出てくるんだ!」
「あーあああああー!伝われ、俺の熱き魂よおおおおおー!!!」
「あーもううるさーい!!」
・・・よくわかんないでしが平和でしねー。しみじみでし。


「草を打って蛇を驚かす」でし
昔昔あるところに、たかししゃんという草打ち名人がいたしょうでし。
草打ちっていうのはしょの名のとおり、草むらを棒切れでいかに名人らしく打つかを競うものでし。
たかししゃんは村一番の草打ちで、毎年行われる草打ち選手権で常に一位をきーぷしていたしょうでし。
「ふっ、草打ちで俺の右に出るものはいないぜ!」
ある日たかししゃんはしょんなことを言いながら、隣のルーアン村に出かけたしょうでし。
ところが!しょの村での出時選手権にたかししゃんがこっしょり出場して、
キングオブデドキの称号を得てしまったからしゃあ大変!
しょの村の村長しゃんであるルーアンしゃんから果たし状を渡され、決闘するハメになってしまったんでし。
『なんの気もなしにやったことがとんでもない結果を招く』という事でし。
「ちょ、ちょっと待った離珠殿。」
なんでしかキリュウしゃん。今いいとこなんでし。
「すまないが、私にはまったく意味がわからないのだが・・・。」
むむ、しょれは理解力が足りないでしね。
いいでしか、草打ちが過ぎたためにルーアンしゃんを驚かしてしまったというたとえなんでし!
「いや、だからその草打ちもよくわからないし、選手権とは一体なんなのか・・・」
こほん。しゃてしゃて、果たし状を渡されたたかししゃんでしが、これに受けて立つことにしたでし。
実はこっしょり出時選手権に出てたことにより、ルーアンしゃんの悪評を耳にしたんでし。
しょれは、夜な夜な離珠村に出かけては、そこの名産であるお饅頭を畑に入っては盗みをくり返してたんでし。
「これはルーアン村の悪事を世に知らしめる絶好のチャンスだ!」
とたかししゃんは奮起し・・・見事、果たし状の内容である、デドキ争奪戦に勝利したんでし。
この戦いによって敗れたルーアンしゃんの部下である乎一郎しゃん率いる盗賊団も投降しゃしぇたしょうでし。
というわけで『悪いことをした一人を懲らしめて、関係者一同を戒める』という事でし。
無事にことが終わってめでたしめでたし、でしね。
「・・・離珠殿、やはり私には分からないのだが。だいたいルーアン殿と蛇がどうたとえに?」
もう、なんでこれでわからないんでしか。しょうがないでしね、もう一回最初からいくでし。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。もう一回それをやるのは勘弁願いたい・・・」
昔昔、あるところに・・・
「離珠殿ー!!」


「孔子の倒れ」でし
これは『どんなに偉い人でも失敗することがある』という事でし。
偉いといえばこの人、南極寿星しゃんでしー!
「おほん、くるしゅうない。ちこうよれ、おほん。」
何やってるでしか?さっさと語ってくだしゃいでし。
「・・・珍しくワシもボケをかましてみたというのに・・・つれないのう、離珠は。」
南極寿星しゃんは年寄りだからボケなんてなれないことをやると危ないでしよ。
「なんじゃと?」
な、なんでもないでしっ!
「・・・まあよい。さて、失敗談じゃったな。
既に語ったかもしれんが・・・あれはシャオリン様の過去を小僧に知ってもらうべく・・・。
シャオリン様の以前の主、魅花様のところへ連れて行った時じゃった。
シャオリン様の居所が分からなかったワシは、それを隠すべく慶幸日天の後をついていったのじゃが・・・。
うっかり小僧の前で口がすべって・・・だのに小僧はしらっとした顔で“魅花っていうのは?”
などとワシに聞きおって・・・まったく、ワシの立場というものが・・・。」
えっと、長くなりそうなのでこの辺で終わりにするでし!
「コラ離珠。まだ続きが・・・」
ちなみに孔子(くじ)っていうのは、孔子を呉音で言ったものなんでし。
「離珠もワシの立場を考えぬかー!」


「籤(くじ)は争いをとどむ」でし
『くじは運だし、後に引いても先に引いても確率は同じで公平だから、
くじで決める事にはあれこれ言う余地が無い』という事でし。
「うおっしゃあ!!というわけで早速くじ引きだー!!」
「俺は引かないぞ。」
「あたしも。」
「僕も。」
たかししゃんが自身満々に取り出したくじを、皆しゃんは拒否したでし。
「なんだと〜!?野村たかし特製のくじをなんで引かないんだー!!」
「「「掃除当番じゃ無いからだよ!!」」」
その後、たかししゃんは一人淋しく教室に居残っていたでし。
「何故だ、何故なんだ・・・。」
だからたかししゃん、一人だけ居残り番なのに、皆がくじを引くはず無いでしよ。


「籤は三度」でし
『くじは一度引いただけではあてにならず、三度目が本当だ』という事でし。
「一つ小話を紹介しよう。」
お願いするでし、翔子しゃん。
「くじは公平だってことは誰でも知ってるよな。
けれども、自分が外れたとなると“もう少し前に引いていたら当たったかも”なんて思ったりする。
そのために、入学試験のくじ引きなんかじゃあ、まずくじを引く順番を決めるくじを引かせるらしい。
ところが血走った親達は、“そのくじを引く順番を決めるくじを引かせなければ不公平だ!”
とか言って騒いだりするんだとさ。」
なんだか面倒でしねえ。
「あたしから見ればただの馬鹿だ。
くじを引くための順番を決めるためのくじ。
更にそのくじを引くための順番を決めるくじなんてどうかしてる。」
さすがのたかししゃんでもそこまで作ったりしないでしからね。
「つーか野村の場合は何のくじなんだかよくわからないんだけど・・・。」


「孔雀は羽ゆえ人に獲らる」でし
昔々、あるところにルーアン姫がいたでし。
ルーアン姫が持つ三角のアレは大層綺麗で・・・それをねだる人が、
世界中からひっきりなしにやってきてたそうでし。
「ああ、ルーアン姫〜。私にどうぞ三角のそれを与えてくださいませ〜。
でないとこの宮内出雲、ファンクラブを使って国を攻めてしまいそうです〜。」
「な、なんてやつ・・・しょうがないわね・・・。」
と、ある時は外交のためにしぶしぶと手渡し・・・。
「ルーアン姫さま〜、三角のそれくださいな。
花織はそれで美しくなれないと、乙女を集めて内乱を起こしてしまいそうなの〜。」
「あ、呆れた・・・。」
と、ある時は内政のためにしぶしぶと手渡し・・・。
そうしてこうして、今現在は二つしか残ってないそうでし。
『長所があるばっかりにかえって不幸だ』という事でし。
「うんうん、ばっちりなたとえだね。」
・・・乎一郎しゃん。
「何?」
いくらなんでも強引すぎでし。
第一、ルーアンしゃんのアレってそんなにすごいものなんでしか?
「当たり前じゃない!ルーアン先生の三角のアレで、僕は遠くからでもルーアン先生がわかるんだよ!」
そう言われても納得できないんでしが・・・。


「愚者の百行より智者の居眠り」でし
百では大変なので、49でいってみるでし。
「49?まさか・・・。」
わーっ!
と、羽林軍しゃん達の登場でしー!!
「やっぱりか・・・。毎回大変だよなあ、羽林軍も。愚者の百行って何やらされんだろーなー。」
そこっ!虎賁しゃん!余計な事をしゃべくってないで、ちゃんと解説を見てるでしよ!!
「どーせ、伝心かお絵描きってのをやって・・・あ、でも羽林軍も絵描くくらいはできるよな。
とりあえず、離珠より断然下手にやって、最後に離珠がどどーんとやってはいおしまい、ってなシナリオか。」
・・・・・・。
と、とにかく!
『つまらぬ物はいくらあっても役に立たぬ。それより、良いものが少しの方がよい』という事でし。
「よし、えらいぞ離珠。」
なんでしか突然。
「羽林軍を無理に使わずに、省略して意味に入った。これこそが今回の言葉のたとえだ。」
ちょっと!それはどういう意味でしか!


「愚人に論は無益」でし
『話して聞かせてもわからない者には言ってみても無駄だ』という事でし。
「離珠に無茶なことわざ解説やめろって言っても無駄だってことだな。」
虎賁しゃんは相変わらず失礼でし!全部が全部無茶じゃないでしよ!!
「・・・じゃあそれならそれで、全部を無茶じゃないものにしろよ。」
うっ!・・・じ、持病の癪が・・・げほっごほっ、でし。
「つまり改める気は無いってか・・・。やっぱり言っても無駄じゃねーか。」
むむむむー、しょんな事言う前に誰か他の人に聞いてみるでし!
「おっ?離珠の無茶なことわざ解説についてか?」
無茶じゃないでし!
「まぁいいだろう。で、誰に聞くんだ?」
しょれはでしね・・・。
「あら、離珠に虎賁。」
「おっ、丁度月天様の登場だぜ!」
しょうでしね。シャオしゃまに聞いてみるでし。
「丁度よかったわ、二人に手伝ってほしいことがあるの。頼めるかしら?」
「もちろん!がってん承知だぜ!けどその前に・・・」
離珠と虎賁しゃんから、シャオしゃまに一つ頼みがあるんでし。
「急いでるんだけど・・・後でいい?」
「ん、ああ、いいですよ。な、離珠。」
もちろんでし!シャオしゃまの用事優先でし!
「ありがとう二人とも。それじゃあ早速キッチンまで行きましょう。」
「わかりました。・・・で、離珠。多分この話の落ちはな・・・。」
ん?なんでし?
「月天様が頼みごとを忘れちまって、あうーどうしようでしー、って事じゃないかと思うぞ。」
しょ、しょんな・・・!
「離珠、虎賁?さあ早く行きますよ?」
「あ、はいー。」
ま、待ってくだしゃいー。
・・・で、幸か不幸か・・・虎賁しゃんの言ったとおりになってしまったでし・・・。


「薬九層倍」でし
『薬の値段は、原価に比べてべらぼうに高い』という事でし。
これが真実かどうかは、いつも薬をぶら下げてる長沙しゃんに聞いてみるでし!
「うーん、これは売ってる薬じゃないんデシュよ〜。」
・・・失敗でし!これにておしまいでし!
「おしまいデシュ〜。」
「おめーらそれでいいのか・・・。」
いいんでしよ虎賁しゃん!
「デシュ〜。」
「・・・・・・。」


「薬の灸は身に熱く毒な酒は甘い」でし
『ためになる忠告の言葉は聞きづらく、おべっかを聞くのはうれしいものだが、
快い誘惑には身を誤りやすい』という事でし。
そこで離珠はいいことを考えたでし。
「どうせまたくだらねーことじゃねーのか?」
失礼でし虎賁しゃん!虎賁しゃんのために考えたんでしから!
「おいらのため?」
そうでし。虎賁しゃんは球技のアドバイスを行う星神でしよね?
「ああそうだけど。」
そこで!アドバイスをする時にはおべっかを使ってすればいいと思うんでし。
「はあ?」
虎賁しゃんの言う事を素直に聞いてくれる人ばっかりじゃないと思うでし。
でしから、たまにはおだててみてはどうでしか?
「・・・・・・。」
どうしたんでしか?
「離珠、いいことじゃあねーと思うぞ、それは。っていうかおいらにそんなもんやらすな!」
えええ〜?
「その不満いっぱいの顔はなんだよ!」


「薬も過ぎれば毒となる」でし
キリュウしゃんにとってよいものとはなんでしか?
「温泉だ。」
温泉でしか?
「そうだ。温泉はいいぞ。血行をよくし、美容にもいいという。何より日頃の疲れを癒してくれる。」
は、はあ、そうでしか・・・。
「では離珠殿、これで私は失礼する。」
ふえっ?どうしたんでしか?
「シャオ殿が温泉のもとを仕入れてきてくれたのだ。これで我が家にいながら温泉入り放題だ。」
・・・・・・。
とまあ、そんなことがあって、キリュウしゃんは温泉に入りまくりだったんでしが・・・。
あまりにお風呂場を占有しすぎたために、他の住人から苦情がきたんでし。
「ちょっとキリュウ!あんたいつまで風呂につかってんのよ!」
「キリュウ〜、俺汗流したいんだけど〜・・・。」
「後がつかえてんだから早く出ろー!あたしは埃かぶって気持ち悪いんだー!」
・・・と、こんな感じでし。
『どんなよいものでも、度をこせば毒になる』という事でし。
「離珠、それはたとえがおかしいでしょ?」
シャオしゃま、これでいいんでし。
「よくありません。」
・・・えーっと、それじゃあ温泉につかりすぎたキリュウしゃんが病気にかかってしまったとかでしか?
「うん、それなら十分たとえになるわね。」
ふう、でもキリュウしゃんは病気ってわけでも・・・。
「温泉中毒ってやつで十分じゃねーのか。」
「あら虎賁。」
なるほど・・・虎賁しゃん、それいただきでし!
「温泉中毒って、たしかに毒っていう文字が入ってるわね。」
「強引なんだけどな。だいたいキリュウ姉もちったあ遠慮をしろって・・・。」


「薬より養生」でし
「ごほっ、ごほっ、風邪ひいちゃったよ・・・。」
激しく咳をしている太助しゃま。みていてとっても辛そうでし。
「けど今日は午前中だけでも出かけなきゃならないし・・・。
薬でも飲んでいくか・・・。」
と、太助しゃまが薬をてにとろうとしたその時でし!
しゅんっ!
一瞬にして、シャオしゃまが太助しゃまの前に立ちふさがったでし。
「太助様、薬で健康になろうなんていけませんわ!」
「シャオ・・・ごほっ。いや、俺は健康になろうとかじゃなくて・・・」
「とにかく!薬よりは養生なんです!薬は私がお預かりしておきます!」
「あ、お、おいシャオぉ!」
なんと、シャオしゃまは太助しゃまがとろうとした薬をうばいとってしまったでし。
『薬によって健康を保つよりも、日頃の養生が大切である』という事でし。
「ってぇ、シャオにそんなのを吹き込んだのは離珠かぁ!ごほごほっ。」
おおっと太助しゃま。はやく日頃の養生を・・・
「風邪ひいた後で日頃の養生も何もないっての!
だいたい、風邪の薬は症状をおさえるためのものだってのに・・・ごほごほっ!」
結局・・・太助しゃまの症状は更に悪化してしまい・・・
離珠はシャオしゃまから大目玉をくらってしまったでし。はうー・・・。


「癖ある馬に乗りあり」でし
「身近に馬って言ってもなかなかいないよな。」
大丈夫でし那奈しゃん!星神に不可能は無いんでし!
「とか言いながら天陰なんて呼ぼうってんじゃ・・・。」
ぎくうっ!
ずざざざー
・・・とスライディングしてくれたとこ悪いでしが天陰しゃん、那奈しゃんにはバレバレだったでし。
「へえ〜、こいつが天陰かあ・・・すっげえふさふさしてんなあ・・・。」
ふさふさふさふさ
ってそもそも那奈しゃんはどこで天陰しゃんを知ったんでしか?
「シャオに聞いたからさ。いやあ、それにしてもふさふさだなあ・・・。」
ふさふさふさふさ
と、とにかく!
『悪い癖のある馬も、使いようによっては大人しい。
何の特徴のないものよりも使いようによっては役に立つ』という事でし。
「・・・天陰でどうたとえにするつもりだったんだ?天陰って悪い癖でもあるのか?」
ないでし!しかしそこをあえて、天陰しゃんはかって出てくれたんでし!ね、天陰しゃん。
こくり
「へえ〜、そうなんだ。」
ふさふさふさふさ
って那奈しゃん!いつまでふさふさやってるでしか!
「いやあ、毛並みが気持ちよくって・・・。ルーアンが、荒っぽい星神だとか言ってたけど、
こうしてみると普通に大人しいよなあ・・・。」
ふさふさふさ
だからってやりすぎでし・・・。


「癖なき馬は行かず」でし
『特徴の無い者は役に立たない』という事でし。
「星神がいい例になるんじゃないかな。」
むう、太助しゃま、いい例ではあるんでしがなんかひっかかるでしよ。
「うーん、役に立たない面を強調したいんじゃなくって、
星神は全員何かの特徴持ってるから、必ず活躍できる・・・ってことを言いたいんだけど。」
わかってるんでし、わかってるんでしが・・・。
「俺としては、特徴の無い者の例なんて出てこないからさ。
誰だって何らしかの特徴はもってるわけだし。」
むう、だったら星神をあえて出さなくてもいいじゃないでしか。
「人だったらなんか分かりにくいだろ?でも星神は別格じゃないか。」
うーん・・・。


「糞舟にも船頭」でし
「・・・なんかやな言葉ねー。」
しょれでも解説するのがここの掟でし花織しゃん!
『どんなつまらない仕事にも係が必要だ』という事でし。
「ふーん・・・ことわざ解説もつまらなければ立派なたとえになったのにね。」
なんてこと言うでしか!ことわざ解説は決してつまらないものではないでし!
「・・・ところで離珠ちゃん。」
なんでしか。
「こうしてことわざ解説の相手をする人って必ずいるものなんだよね?」
そうでしね。
「じゃあその相手役がつまらない仕事だね。」
なるほど・・・って、それどういう意味でしか!


「糞も味噌も一緒」でし
「これはまるで離珠のことわざ解説みたいね。」
ちょ、ちょっとシャオしゃま!?
「虎賁がよく言ってるのよ。離珠はごくたまにいい解説するけど、ほとんどが迷惑な解説だって。」
虎賁しゃんめ〜〜〜でし〜〜〜。
『良いもの悪いものの区別が無い』という事でし。
「離珠、あんまり悪い解説ばっかりしてちゃいけませんよ?」
はうう、離珠はちゃんと解説してるでしよ〜。
「あと・・・。」
はう?
「出雲さんのところへご馳走になりに行った時、ちゃんと遠慮しなさいね。」
離珠は遠慮してるでしよ?
「いくつも落としても、全部構わず拾って食べてるって・・・。」
・・・誰から聞いたんでしかシャオしゃま。
「虎賁だけど・・・。軒轅から聞いたって言ってたかしら。」
虎賁しゃん〜〜〜〜!シャオしゃまになんてでたらめを告げ口してるでしかー!!


「下さるものなら赤葉でも」でし
「赤葉ってのは?」
大根の枯葉、でしね。
「そっかぁ・・・じゃあ、お腹空いてるルーアン先生ならまさしくそれね!」
花織しゃん、それは安直っていうものでし・・・。
『欲の深いたとえ』という事でし。
「・・・わかった、離珠ちゃんね。」
どういう意味でしか。
「こういう的確なたとえじゃあ我慢できない!でもしょうがない、たとえにしちゃおう。
いやーんなんでもたとえをよこしてくれでし〜、ってことね。」
そのわけのわからない言葉はどっから出てくるんでしか!


「管を以って天を窺う」でし
その昔、とある温泉王国に温泉王女として名高いキリュウしゃんがいたそうでし。
キリュウしゃんは温泉が大好きで、自国の温泉に入り浸りだったそうでし。
「ふう〜、いいお湯だ・・・。こんないいお湯は我が国にしかあるまい・・・。」
と、毎日毎日ご満悦だったそうでし。
そんなある日・・・。
「キリュウ様、ここより100里ほど離れたかの地に、新たな温泉の町、山野辺町が存在してございます。
その町の遣いが、是非我が国との温泉提携を結びたいと申しております。」
と、ルーアン大臣の報告が入ったでし。
無類の温泉好きであるキリュウしゃんはそりゃあ喜ぶだろうと思ったんでしが、
キリュウしゃんは大層怒りを露にしたんでし。
「そのような辺鄙な場所に温泉などあろうはずがない!
仮にあったとしても・・・我が国の、我が国の温泉こそ世界一なのだ!
そのような温泉など信用できぬ、追い返せ!」
・・・と、使者しゃんは追い返されてしまったでし。
ところが数日後・・・。
「キリュウ様、先日使者が参りました山野辺町が非常に賑わっておるとの事。
既にそこと提携した国々は、驚くほどの経済効果をあげているとの事です。」
「・・・くっ、私は浅はかな判断をしてしまったのか・・・。」
こんなわけで、キリュウしゃんの温泉王国は経済発展の機会を逃してしまったんでし。
『自分の知識の狭いことは忘れて、その狭い知識をもとにして、
大きな問題についても自分勝手な判断を下す』という事でし。
「ええい気分が悪い。私は今日は一日中温泉につかっているからな!」
どすんどすん、とヒステリックに足音を鳴らしながら、キリュウしゃんは歩き去っていったでし。
その後姿を見ながら、ぽつりとルーアン大臣はこう漏らしたそうでし。
「今日は、って・・・。毎日のように一日中入ってるでしょうに・・・。」


「口あれば京へ上る」でし
『わからないことがあれば、聞きながらでもやれる』という事でし。
「ここはヒッチハイカーしながら世界中旅行してきたあたしの出番だろう。」
そうでしね、那奈しゃんはいろんなとこへ行ってきたんでしね。
「まあ言葉の壁とかそういうのもあるが、そこは先人の例が役に立つ。」
ふえ?
「アイヌ語の研究をしてた・・・名前は忘れたけど、たしかその人が言葉も通じなくてどうしたか!」
ふむふむ。
「さて、離珠ならどうする?」
・・・離珠はお絵描き専門でしから、言葉が通じなくてもどんとコイでしよ!
「おっ、なるほど、いいセンいってるな・・・。
実はその人、言葉が通じなくてどうしたもんかって時に、一つ意味不明な絵を描いたんだ。」
意味不明な絵、でしか?
「そう。なんだかよくわからん絵。すると現地の人がその絵を指して、“これは何?”と聞く。
ん〜、多少の差はあっただろうけど、そういう類の言葉は発したはずだ。
それでその研究者はまず“これは何?”という言葉をつかみとった、と。こういうわけなんだな。」
おお〜、すっごく頭いいでし!
「ふふん、そうだろそうだろ。」
いや、那奈しゃんのことじゃないんでしが・・・。
「んな細かいこといいだろ。まあこれは一例だ。真のヒッチハイク法那奈さん流は次の機会に紹介しよう。」
次?
「じゃあそういうわけで。うん、いい解説になった。」
ちょっと那奈しゃん!次っていつの話でしか〜!


「口あれば喰って通る肩あれば着て通る」でし
『人間はどうにかこうにかして暮していくものだから、心配したものではない』という事でし。
以上でし。
「・・・たとえは?」
太助しゃま、たとえが欲しいんでしか?
「離珠がからだ張ってくれるんじゃないかなーって。」
ふえ?
「つまり、一人暮らし始めて・・・いや、とりあえず外に出て・・・。」
そういう事は太助しゃまが率先してやってみてくだしゃい!
「冗談だよ。ってゆーか俺も冗談でもそういうのやりたくないしな・・・。」
でしよね。どうにかこうして暮して、ったって、
太助しゃまが死んでしまっては元も子もないでし。
「あのな・・・。」


「口から出れば世間」でし
『ちょっとでも口をすべらせれば、どんなに秘密の事でも、
広く世間に発表したのと同じだ』という事でし。
「これはいい言葉だな・・・。」
翔子しゃん、しょの目は何かたくらんでいる目でしね!
「別に何もたくらんでないよ。」
しょうでしかねえ・・・。
「校内放送で、シャオと七梨が婚約宣言したー!とでも言いふらそうかなーと。」
「こらー!山野辺ぇー!」
「げ、七梨!?」
おおっと、いきなり太助しゃまの登場でし!
「おい山野辺!校内放送で何を言いふらそうとしてるって!?」
「な、何も言いふらそうとしてないよ。」
慌て気味にも否定。さすがでし翔子しゃん。
が、太助しゃまはそれに動じなかったでし。
「嘘付け!シャオと俺の婚約宣言なんて馬鹿なこと言ってんじゃないぞ!」
「げ、聞こえてたのか・・・。」
やっぱり耳ざとい太助しゃまでし。
いやいや・・・放送するより先に口をすべらせてしまった翔子しゃんの負けでしね。


「朽木は柱にならぬ」でし
『根性の無い者や怠け者は使いものにならない』という事でし。
「つまりだ、那奈姉は・・・」
「はあ?あたしがなんだって?」
「な、那奈姉!い、いや、なんでもないよ。」
「怠け者の例えにあたしを出そうとしただろ?」
「じょ、冗談じゃない。俺は料理の手伝いに那奈姉は向かないって言いたかったんだよ。」
「図星だが・・・なんで隠そうとした?」
「家事手伝いに関して、って言いそうだったんだよ。」
「そいつは良くないな。あたしは根性とかは凄く自信があるんだからな!」
「だろうなあ。」
ちなみに、こんなに勝手に語られてもめげない離珠。
こんな離珠だからこそことわざ解説が出来るんでし。
他の人ならきっととっくの昔に投げ出してるでしよ。
「「それ以前にことわざの解説なんてやろうとしないよ。」」
なんか言ったでしか?
「「別に・・・。」」


「口たたきの手足らず」でし
“この熱き右手にかかればー!くじの当たりをひくことなど造作もなぁーい!!”
・・・とかってたかししゃんがよくやってるでしね。
しかしながら結果は・・・。
「ちょっとちょっと離珠ちゃん、クジは運だぜ?たとえにして欲しくないなあ。」
・・・じゃあ、“片手で逆立ちして町内一週してやるぜー!”とかでしか?
「なんかそれも違うような・・・。」
ええいっ、たかししゃん!たとえを立候補しておいてそれじゃあダメダメでし!
『口ではうまいことを言うが、実行が伴わぬ』という事でし。
まったく、“絶対にいいたとえを出す”とか言っておきながら、ひどい体たらくでし。
「・・・俺そんなこと言った?たとえを立候補だって、言った記憶が・・・」
さあさあ、もうおしまいでしよ!
「ちょっと離珠ちゃん・・・。」


「口では大阪の城も立つ」でし
『口だけならどんな大きなことでも言える』という事でし。
「たとえば・・・。」
たとえは出さなくて結構でしよ、翔子しゃん。
「なんだよつれないなあ・・・。」
翔子しゃんはいつもとんでもない嘘が出てくるから、わかりきってるんでし。
「何が分かりきってるんだよ。」
嘘が出てくる、って事がでし。
「ったくう。ことわざ一万語制覇してやるとかやっておきながらそんな消極的なのかよ。」
ふえっ?
「シャオが言ってたぞ。離珠があんなに張り切ってるの初めて見ましたわ〜って。」
ちょ、ちょちょちょ、離珠はシャオしゃまにしょんな事伝えてないでしよ?
「あーあ、あたしも残念だ。でもまあ、皆にはしっかりあたしから伝えておいたからな。
きっと励まされて、しっかりやってくれよ。」
えええーっ!?翔子しゃん何勝手に言いふらしてるんでしかー!


「口と財布は閉めるが得」でし
「はいっ、これはゆかりんの事!」
「ちょっと花織、いきなり何?」
「ゆかりんはおしゃべりばっかだからね、絶対当てはまってるよ。」
「だから何の事?意味がわからないんだけど!」
・・・と、そんなやりとりがあったそうでし。
『おしゃべりと無駄遣いは慎め』という事でし。
「妥協してるんじゃない、離珠ちゃん・・・。」
おや、そういう貴方は熱美しゃんでしね。
これは妥協じゃないでし。適切な省略というものでし!
「いや、明らかに妥協でしょ・・・。花織の言う事間に受けちゃって・・・。
しかも、どこがどうやってたとえになってるのかわからないんだけど?」
ぐっ、熱美しゃんの方がよっぽどおしゃべりでし・・・。
「こういうのはお喋りとは言わないの。」


「口と腹とは砥石の裏表」でし
「こういうのはしっかりと代表者がいるもんだ。」
太助しゃま、しょの代表者って誰でしか?
「それはもちろん山野辺だ!あいつすぐ嘘をシャオに吹き込むしなあ・・・。」
『言う事と考えていることが別である』という事でし。
たしかに嘘は該当しゅるでしが、ちょっと違う気がしゅるでし。
「どうして?“シャオ、これをすれば七梨が喜ぶ!”とか言いながら、あいつは絶対自分が喜んでるんだー!」
・・・けど、太助しゃまも実は喜んでないでしかね?
「そんな事!・・・いや、そうかも。」
・・・・・・。


「口に風邪をひかす」でし
「うーん、まさにたかしくんにぴったりの言葉だよね。」
「そうだなあ。あいつってば要らないこと喋っててよく失敗してるしなあ。」
「失敗っていうよりは、空回りなんじゃないかな。」
「なんにしても、よくたかしはやってるよ、うん。」
・・・というわけで、
『いらないことを喋る。また、話したことが無駄になる』という事でし。
たとえば例は無いでしか?
「そうだねえ・・・ぱっと言われるとすぐには出てこないんだけど・・・。」
「例を出そうとして語るに落ちるのもなんだかなあ。」
「やっぱり慎重が一番だよね。」
「そうだな。」
・・・もうちっと、協力の意志を見せてほしいんでしが。


「口に使われる」でし
「これ、人にあれしろこれしろって言われて・・・。」
いやいや花織しゃん、そういうわけじゃないんでしよ。
『人は食べていくためにせこせこと働く』という事でし。
「ああそっかー、ルーアン先生が働いてるのはなんでかってことだねー。」
ま、まあそうでしね。
「けど、あんなサボり教師でそんなに稼げてるの?」
それは離珠に聞かれても困るでしが・・・。


「口に入る物なら按摩の笛でも」でし
「これは絶対にルーアンのことだな。」
わかってるでしねえ、虎賁しゃん。
『食い意地のはっていることで、意地汚くなんでもかんでも食べることのたとえ』という事でし。
「けど・・・さすがになんでもかんでも食べるってわけじゃねーよな。」
「当たり前でしょ!」
うわわわっ!ルーアンしゃんの登場でし!
「げげげっ、陰口がバレた!?」
「バレバレよ!てゆーか、なんでもかんでもって・・・
まぁ、食べられるもの、っていう事についてはそう否定はしないけど。」
「なんだ、素直じゃねーか。」
「素直って言わないわよこんなもん!」
素直ついでに、ルーアンしゃん、そして虎賁しゃんにお願いがあるでし。
「あん?なんだよ。どうせくだらねーことだろ?」
「ふざけた内容に決まってるからお願いなんて聞きたくないわ。」
二人揃ってひどいでし・・・。
ええっとでしね、言葉には按摩の笛なんてあるんでしが、残念ながら今手元にないでし。
そこで・・・
「却下だ!」
「却下よ!」
まだ最後まで・・・
「おいらの笛をルーアンに食わせるなんて冗談じゃねー!」
「あたしもお断りよ!そんなもん食ったら死んじゃうわ!」


「口には関所がない」でし
「花織ちゃんじゃないかなあ・・・。」
たかししゃん、しょの心は?
「さらりときつい事を遠慮なく言うとこ。」
『どんなことを言っても差支えが無い』という事でし。
「きっついよなあ・・・。俺は電気にひっついてる長い紐じゃねってーのに・・・。」
な、何があったんでしか?


「口に針」でし
「これ、絶対花織ちゃんだよ。」
・・・たかししゃん。
「何?」
しょのたかししゃんの言葉こしょま・しゃ・に!でし!
「のおおおおっ!?」
『言葉にとげがあり、皮肉をもっている』という事でし。
「そっかあ・・・離珠ちゃんって、見かけによらずことわざ解説やってんだなあ。」
ちょっ!しょれも失礼でし!
「あ、ああ、ごめん。みかけによらないよね。小さいのはだてじゃないってか。」
もぉぉぉぉ!たかししゃんきらいでし!


「口に蜜あり腹に剣あり」でし
「これはね、実はシャオリンがそうなのよ。」
突然なんでしかルーアンしゃん。
「いいから聞きなさいよ。たとえばね・・・。
“あらルーアンさん、今日は早起きなんですね。”
とか言ってる裏側では・・・
“(ちっ、こんな早く起きてくるなんて予想外だわ。あーあ、賭けに負けちゃったじゃないのこのあんぽんたん!)”
って考えてたりね。」
・・・シャオしゃまはしょんなこと絶対考えて無いと思うでし。
しかも賭けってなんなんでしか。
「まだ続きがあるのよ。
“待っててくださいね。今すぐルーアンさんの分をご用意いたしますわ。”
とか言ってる裏側では・・・
“(ったくよぉ、気まぐれに起きてんじゃねーよ。余分に作業しなきゃなんねえじゃねえか、ぶつぶつ・・・)”
って考えてたりしてるんだわ。」
・・・・・・。
『言う事は穏やかだが、心はねじけている』という事でし。
「・・・ま、本気でそんなだなんてあたしはごめんだけどね。」
離珠もでし!
「大体あのシャオリンが・・・」
「はい?ルーアンさん呼びました?」
しゃ、シャオしゃま?
「しゃしゃしゃ、シャオリン!い、いえ、なんでもないわ。」
「ふえっ?そうですかあ。呼ばれたと思ったんですが・・・。」
「そ、空耳よ空耳。おほほほ。」
「なるほどお、空耳ですかあ。」
「ええそう、そうよ。・・・って裏では実は・・・
“(空耳なわけねーだろ、てめーが俺様の悪口を言ってたのはばっちり聞こえてるぜ!)”
って考えてるんだわー!っきゃー!!」
「る、ルーアンさん?」
ルーアンしゃん、しょれは被害妄想というものでしよ・・・。


「口は口心は心」でし
「これはたとえばルーアン殿が・・・。
『いやーん、もうルーアンおなかいっぱいーい』と言っていても、
『本当はもっと食べたいのに・・・これ以上食べるとたー様に怒られちゃうから遠慮しなくちゃ・・・
きーっ、シャオリンもっとたくさん作っておきなさいよー!』と思っているという事だろう。」
・・・物凄いたとえでしね。
「それほどでもないがな。」
褒めてないでしよっ。
『口で言っていることと心で思っていることとが全然違っている』という事でし。
「離珠殿、何故褒められないたとえだ?」
当たってるようで外れてるように思うからでし。
「どうしてだ。」
ルーアンしゃんの場合、太助しゃまがどうとかより、絶対に食べるのを優先しゅるるからでし。
「絶対とは限らないぞ。」
しょんなことより・・・。
「ん?」
離珠は、キリュウしゃんがしょうやってルーアンしゃんのモノマネをやったのが意外だったでし。
「な・・・!こ、これはたとえのために仕方なくやっただけだ!」
しょれはしょうでしが、やけに演技がよかった気がしゅるんでしが・・・。
口では否定しているキリュウしゃんも実は心の中では・・・。
「違う、断じて違うぞ離珠殿!」


「口は重宝」でし
「たとえばキリュウ。」
「なんだ翔子殿。」
「今、キリュウが主としている七梨はいいとして、昔はどうだったんだ。」
「何がだ?」
「わっかんないかなあ。試練だよ。キリュウの試練なんて楽々超えてやる!とかってのは?」
「ああ、そういう事か。いや、わざわざ試練を好んで受けようという人間などいなかった。」
「そうか?でも一人くらいは・・・。」
「いや。」
「そっか・・・。じゃあ、あそこでノビてる野村は・・・。」
「ああ。相当に変わり者だ。“太助が居ない間力を試させてもらうぜ!”だったか。」
「わざわざモノマネしなくても・・・。」
・・・以上、しょうゆうわけで、
『口は都合のよいもので、口ではなんとでも言えるということで、実際とは違う』という事でし。
経緯はよくわかんないでしが、たかししゃんもなかなかの挑戦者でしね〜。


「口は虎、舌は剣」でし
『言葉の激しさをいったもの。物の言いようが悪いために、
人の一生をだいなしにしたり、我が身を滅ぼすような大事を引き起こしたりする』
「いるいる、こんな奴。なあ野村。」
「俺か?俺なのか?山野辺、お前じゃないのか?」
まあまあ、二人とも。そう言い争う事もないでしよ。
「別にあたしは野村の事をそう言ってるんじゃない。誰だか分かるよな?ってこと。」
「あ、そうか。なるほどな・・・。」
むむっ、二人の意見が密かに一致したみたいでし。誰でしか?
「名前は出さない。すましてる野郎、だと言っておこう。」
「すましてる?じゃあ俺は馬鹿丁寧、だと言っておこうか。」
「一部の初対面にはとんでもなく丁寧。」
「けど途中で気付くんだよな。こいつはとんでもないくわせものだ、って事に。」
「いやあ、どうかな。言葉巧みだからなあ。」
「となるとますます初対面の人は可哀相だよな・・・。
おし!俺が抗議しに行ってやろう!!」
「やめとけよ。そのうち本人も気付くって。」
「いや、あいつは頑固だからな。多分気付かないまま一生終わるぜ。」
・・・よくわかんないでしが、
二人が言ってるこれだけの事だけでも十分例えになりうる気がするでし。
面と向かって言われたら多分相当落ち込むんじゃないでしかねえ・・・。


「唇亡びて歯寒し」でし
『互いに助け合う間柄の者が一方滅びると、他の一方も危うい』という事でし。
これは、お互いに助け合ってる二人をたとえにするといいと思うんでしが・・・。
「じゃあ車騎とか女御とかがいいんじゃねーか。」
いやいや虎賁しゃん。二人が同じ位置にいるたとえはちょっと違うと思うんでしよ。
「あ、なるほどなー。となると誰と誰にするんだ?」
ふっふっふ、しょれはでしね・・・。
・・・というわけでやってきたのは学校でし。クラスは一年三組でし。
「なんでおいらまで・・・。」
乗りかかった船でしよ。
「で、たとえになる人物って誰なんだよ。」
しょれは・・・ずばり、あの二人でし!
「お?えーと、たしかあれは愛原花織の友達の・・・。」
しょうでし!熱美しゃんとゆかりんしゃんでし!
というわけで呼んでみたでしよー。
「手回しが早いな・・・。」
しゃあしゃあ、二人とも語ってください。
「・・・ちょっと、あたし達のどこがどうつながって、一方が滅びるとなんたらになるの?」
「ほらゆかりん、あれじゃないかな。花織に対してツッコミ入れる時とか。」
「そんなのあたし一人でもやってるよ!」
「その熱くなったゆかりんをなだめるのがわたしの役目ってわけだよ。」
「七夕の時のだっけ?はあ・・・あんな一場面で判断されてもねえ・・・。」
「しょうがないよ。そういう時にしか出てないんだから。」
「それは言っちゃいけないでしょ。」
「そうだね・・・。」
「「はあ・・・。」」
・・・なんだかイマイチな気分でし。虎賁しゃん、どうしたらいいでしかねえ?
「おいらに振るな。ってーかやっぱりおいらがここに居るってのが納得いかねー・・・。」


「口も八丁手も八丁」でし
えーとでしねえ、離珠はこれを聞くとある日の食事を思い出すんでし。
その日は皆でテーブルを囲んで・・・まあ、ごく普通に食事が始まったんでし。
「それでね〜、たー様ったらね〜・・・。がつがつがつ・・・。」
あいも変わらず勢いのあるルーアンしゃんでし。
「ここで野村君がねー・・・。がつがつがつがつ・・・。」
なんだか今日は口もいっぱい動いてるでし。
「相変わらず遠藤君はねー・・・。がつがつがつがつがつ・・・。」
お代わりのペースが並じゃないでしねえ。
「そこで不良じょーちゃんが言ったのよ〜・・・。がつがつがつがつがつがつ・・・。」
とてつもない早さでし。
「そうそう、あんの小娘がねー・・・。がつがつがつがつがつがつがつ・・・。」
手が何本もあるように見えるでし。
「ところでいずぴーってねー・・・。がつがつがつがつがつがつがつがつ・・・。」
もはや人間じゃないような・・・。
「・・・ごちそーさまー!!はあ、満足満足♪」
皆があっけに取られている間にルーアンしゃんは食事を終えてしまったでし。
しかも、皆しゃんの取り分なんてほとんど残ってなかったんでしよ・・・。
『喋る事やする事が、すごく達者で抜け目がない』という事でし。
ふう、ルーアンしゃんはすごいでし・・・。
「離珠、すんごい無理があるな。」
何を言うんでしか太助しゃま。那奈しゃんも見たじゃないでしか。
「まあな。あれを見れば確かに、まさに!って誰もが思うかも・・・。」
そうでし。離珠は別の意味でルーアンしゃんを見なおしたでしよ。


「口は禍の門」でし
なんだか太助しゃまの元気がなかったので、翔子しゃんが話し掛けてきたでし。
「七梨、どうしたんだ?今日はやけに落ち込んでるじゃないか。」
「山野辺・・・。なんでもないよ、気にしないでくれ。」
「ふーん、まあいいや。おっと、おまえと話してる暇なんてなかったんだ。」
翔子しゃん、いったい何のために声をかけたんでしか。
「山野辺ぇ、もうちょっと何か聞くとかさ・・・」
すると翔子しゃんはだだだっと戻ってきたでし。
「おい七梨、あたしはおまえが気にするなって言ったから気にしなかったんだ。
それともなにか?おまえのそういう深い事情を察知しろとでも言うのか?」
な、なんだか翔子しゃん怒ってるでし。
もう、太助しゃまが余計なことをいうからいけないんでしよ。
『禍は口から起こるので、言葉は慎重に選ばなければならない』という事でし。
その後太助しゃまは翔子しゃんに平謝りして、なんとか許してもらえたでし。
と、とにかく、ものをしゃべるときは注意したほうが良いでしね。


「口をして鼻の如くせよ」でし
『おしゃべりをするなという戒め』でし。
鼻は物が言えないでしね?だから口を鼻のように使って物を言うなってことでし。
「口を・・・鼻のように使う?」
そうでし!
「そうか!口で匂いをかげってんだな!!」
い、いやたかししゃん、そういうわけでもないんでしが・・・。
「・・・あれ?じゃあ口の役割はどこですればいいんだ?
あ、なるほど、鼻か。鼻で物を食えってことだな!!」
たかししゃん、それは絶対に無理だと思うでし。
「早速実行してみるぜ!鼻から焼きそばぱんを食べるっ!」
ちょ、ちょっとたかししゃん!
もにゅもにゅもにゅ・・・
「ぶえっ!!できないよこんなの!!」
だからそうじゃないんでしってば!
「くっそー、ふざけた戒めだぜ・・・。」
ふざけてるのはたかししゃんでし!!


「口を閉じて眼を開け」でし
『黙って様子を見ていろ』という事でし。
えーとでしね、自然が人間にふたつの耳と一つの口を与えたのは、
聞く事の半分しかしゃべるな、ってことを意味してるそうでし。
なかなか面倒なようで奥が深い言葉でし。
「要するに、一度に色々しようとするなとかって事?」
だいたいそうかもしれないでしね、花織しゃん。
「要するに、ルーアン先生みたいにがつがつ食いながら喋るなってことで・・・。」
それはそれで違うでし・・・。
ついでにルーアンしゃんは、食べてる時は完全に食べるのに集中してると思うでし・・・。


戻るでし。