≪く≫でし!(その2)


「轡の音にも目を覚ます」でし
『油断しないことで、身に備わった心がけ』という事でし。
侍の子は轡の音で目を覚まし、
商人の子はそろばんの音で目を覚まし、
乞食の子は茶碗の音で目を覚ます、でしね。
「あたしなら別の音で目を覚ますけどな〜。」
花織しゃん、それは何の音でしか?
「ふふふ、七梨先輩の音〜!!」
ふえ?
「“おはよう花織…”なんて言われちゃったらどんな状況でも起きちゃうもん!」
それは音じゃなくって声だと思うんでしが・・・。
「もーう、声も音の一つじゃないのー。」
ついでに、太助しゃまは絶対そういうこと言わないと思うでし。
「ちょっと、どういう意味よそれって。」


「国破れて山河あり」でし
これは“夏草やつわものどもの夢のあと”で、
『戦争で国は滅びても山河は滅びず、自然はもとのままである』という事でし。
「これはなかなかに興味深い言葉だ。」
ほうほう、キリュウしゃんは大地の精霊でしから、自然がどうたらについては感心があるでしね。
「ああそうだ。自然は強い・・・。万象の復元力も大したものだ。」
ふむふむ。
「たとえ、シャオ殿とルーアン殿が戦いを繰り広げても・・・。」
ふ、ふえっ?
「自然はびくともしない。陽天心もなんのその、北斗七星殿もなんのその、だ。
いや、多少は崩れてしまって、元に戻るには何百年かかるかもしれないが・・・。」
ちょ、ちょっとキリュウしゃん?
「いざという時には私も手伝わねばな。風水士キリュウとして。」
何をどう手伝うつもりなんでしか・・・。
しょれに、風水士ってそういうものだったでしかね?


「九は病五七は雨に四つ旱六八ならば風と知るべし」でし
『地震が十二時にあれば病気が流行る前兆で、八時と四時にあれば雨降り、
十時にあれば旱、六時と二時にあれば大風の吹く印だ』という事でし。
ちなみに、地震後二日間について調べた結果によれば、
五七の雨と六つ八つの風は六、七〇パーセントあたるそうでし。
「なあ離珠、これってかなり古いデータじゃないか?」
何故でしか?
「時間を五つとか六つとか言ってるところが。」
「でも、これが本当ならば今の世もまだまだ危険だという事ですね。」
そうでしよシャオしゃま。地震があった時は油断出来ないでし!
「そう言われても地震なんて普段からよく・・・」
ぐらぐらぐら
「きゃっ!」
そんな事言ってる時に地震発生でし!
「シャ、シャオ、大丈夫か!」
「は、はいっ!」
大変でし大変でし〜!
シャオしゃまも離珠も太助しゃまに慌ててしがみついたでし。
・・・と、それはすぐに収まったでし。
「ふう、びっくりした。」
「恐かったですわ・・・。」
言ってる傍から起こるなんて、やっぱり多いんでしねえ。
「・・・はっ!あ、あの、シャオ。」
「はい?」
「あ、あのさ・・・。」
太助しゃま顔が真っ赤でし。も、もしかして!?
慌てて時計を見ると、今丁度十二時だったでし!
シャオしゃま!今十二時でしよ!!
「まあそうなの離珠!?ということは・・・早速太助様が病気に!?」
「いや、そうじゃなくて・・・。」
大変でし!早く部屋へ!・・・って、シャオしゃまの顔も少し赤いでしよっ!!
「ますます大変!太助様、一刻も早く安静にしなければ!さあ一緒に!」
「ちょ、ちょっと待てってば〜!」


「苦は楽の種」でし
『今苦労してはげむ事は、将来楽に暮らす種をまいているものである』という事でし。
「たとえるならキリュウが七梨に与えてる試練とかだな。」
甘い!甘いでし!あまあまのまんまみーあーでしよ翔子しゃん!
「はあ?」
しょんなありきたりなたとえで満足してどうしゅるんでしか!
たとえばもっとこう、意外性のあるたとえを出しゅんでし!
「意外性って・・・そうだなあ、今遠藤が苦労してルーアン先生にくっついてるのは・・・」
はあ・・・。
「なんだよ、そのいっやそぉーなため息は。
離珠はがっくりでし。もっとこう何か!離珠のはあとをあつくしゅるえなじーはないんでしか!
「・・・なるほど、わかったぞ。」
おっ?わかったでしか?
「だれだれにたとえを出しててもだめだ。
こうやってわけのわからない注文つける離珠を諌める努力・・・つまりは苦労をしながら、たとえを出すべし!
という事なんだな。これが将来の苦労しないことわざ解説につながって・・・。」
違うでしよっ!!


「首振り三年ころ八年」でし
『簡単に見えることでも、その道に入ってみればなみなみならぬ修練が必要だ』という事でし。
これは尺八を吹く人の動作をたとえて言ってるんでし。
「え〜っと、妙を添えるために、吹きながらに首を振る技を習得するのに三年も修練が必要・・・。
でもって、普通の音にころころころと哀調を添えるようになるには八年も修練が必要・・・。
と言われてるわけなのね。へええ〜・・・。」
もう、折角先生やってるルーアンしゃんに解説を依頼したのに・・・
ルーアンしゃん自身ばかり納得しててどうするんでしか。
しかも本を見ながらの、まったくの棒読みでし。
「だってあたしは社会の教師だし・・・。そりゃまあ、音楽の授業をいただいたこともあったけど・・・
あれは尺八じゃなくて歌だったしねぇ・・・。」
ともかく!これでルーアンしゃんはもう一つ分かったはずでし!
「何がよ。」
いつもいつも簡単そうにやってるとか言ってるでしが、ことわざ解説がいかに大変かということを!!
「・・・そうね。少なくとも解説依頼される方は大変極まりないわね。」
ちょっと!どういう解釈の仕方でしか!!


「窪い所に水溜る」でし
水とあるので、素直に水を利用してみるでし。 どどどどっと床にくぼみを作って・・・
ちょろちょろちょろっと辺りに水をばら撒いてみれば・・・
・・・ほらほらほら、羽林軍しゃん。ばっちり見るでし!
ぞろぞろぞろ・・・
ほら、窪みに水がたまっていくでし!
『集まるべき所に自然に寄り集まってくる』という事でし。
え?当たり前すぎる?
ふふん、今こうして羽林軍しゃん達が集まってる姿も実はたとえなんでしよ。
え?こじつけでしか?
ぷう、こじつけなんかじゃないでし。離珠はこうしてでしね・・・
「離珠!キッチンで何をしてるかと思ったら・・・床に穴なんてあけちゃいけません!」
わわわっ!ごめんなさいでしシャオしゃまー!


「熊は山椒鯉は胡椒」でし
『食い合わせになる物』という事でし。
要は、一緒に食べるとあたると言われている物でし。
そういうわけで早速・・・
「だめです!」
シャオしゃま、いきなりそんな事言わなくても・・・
「梗河を呼んでなんてのは絶対駄目です!!」
・・・・・・。
こうなったら太助しゃまに頼んで本物の熊を生け捕りに・・・
「太助様にそんなことさせちゃいけません!!」


「雲が南から東へ動くと晴」でし
『雲が南から東へ動くのは低気圧が去った後だから晴れてくる』という事でし。
「本当にそうなの?」
そうなんでしよ、乎一郎しゃん。離珠びっくりでし。
「そうかなぁ・・・。」
むっ、疑うなら証拠を見せるでし!
「ええっ!?」
じゃじゃーん!
「・・・・・・。」
「山野辺さん?」
しょうでし。翔子しゃんでしー。
「・・・はあ、シャオに一大事だからって伝えられてきてみれば・・・くだらねーなあ・・・。」
「山野辺さんも大変だね・・・。」
「そうだろそうだろ。だがな、遠藤。実は言葉については本当だ。」
「ええっ!?そ、そうだったんだ・・・。」
「ああ、昨日はそれで晴れたからな。一例でも挙げれば十分だろ。」
「・・・いや、それってあまり十分じゃないと思うけど。」
「だろうな、あたしもそう思う。まぁなんだ・・・今回は離珠の道楽に付き合ったってだけで納得しよう。」
「そうだね。」
ちょちょちょ、ちょっと二人とも!何を好き勝手に言って納得しようとしてるでしか!!


「雲となり雨となる」でし
『男女の仲が深い。また、人情が薄く変わりやすい』という事でし。
「どっちなのかなぁ、これ。ああ、どっちもそうだってことなのかなぁ・・・。」
おや乎一郎しゃん、悩み事でしか?
「何その他人事みたいなの・・・。僕とルーアン先生の仲もこんな風なのかなって。」
そうでしねえ。
「・・・離珠ちゃんはさ、伝心が能力だったよね?」
そうでしねえ。
「ということは、男女のそういう気持ちなんかもよくわかったりする?」
そうでしねえ。
「・・・さっきから気の無い返事ばっかりなんだけど。」
そうでしねえ。
「ちょっと離珠ちゃん・・・。」
今回は、ことわざとは違って、変わりやすくない例を出してみたでし。
「絶対意味無いよ、それ。」
そうでしねえ・・・って、なんてこと言うでしか!


「雲にかけ橋」でし
「昔々、ある雲の上に、野村って奴が住んでいた。
そいつはさる大きな雲に住んでいるシャオの事が好きだった。
しかし、その雲に行くには橋をかけなければ行けない。
雲にそんな事をするのは到底無理だ・・・。
一方、別の雲に住んでる七梨って奴もシャオの事が好きだった。
七梨は野村とは違って、軒轅でシャオが迎えに来ていたから問題はなかったそうな。
以上!!そういうわけだから野村、お前は諦めろ、って事だな。」
「・・・おい山野辺、俺がそんなおとぎばなしみたいなのに乗ると思うか?」
「思うよ。」
「誰が乗るか!!」
「野村。」
「だから俺は乗らないって!!」
えーと『望んでみたとて、とても達しがたいことのたとえ』という事でし。
翔子しゃん、なかなかの例え話をありがとうでした。
「いやあ、それほどでも。常識を語っただけだからさ。」
「そんなん常識にするな!!」


「雲に汁」でし
日照り続きの時の雨雲ということで、
『事のなりゆきが段々と面白くなっていきそうだとか上手く運びそうな時に使う』という事でし。
「汁って・・・一体どういう表現なんだ?」
雨でしよ、雨。ずっと日照りが続いてて・・・と思ったらぽつ、ぽつ、と。
「けど、汁、ねえ・・・。」
むぅ、翔子しゃん。こういうとこを気にしてばかりではだめでしよ。
「そう言われてもなぁ・・・。ま、じゃあそれはそれとして、たとえでも出してみようか。」
おっ、しょうでししょうでし。しょれを離珠は期待してたんでし。
「媚薬にさらされた七梨とシャオが密室に二人きりで・・・」
しゅとぉーっぷでし!!
「なんだよ、これからがいいとこなのに。」
決してこれ以上聞いてはいけない気がしゅるでし!
「気のせいだろ。じゃあ続きいくぞ。二人の・・・」
だからしゅとぉーっぷでし!!


「くもの子を散らすよう」でし
これを説明するには、とにかく大勢の人が必要でし!!
という訳でビシッと離珠が叫ぶと、庭の一ヶ所に固まって居た羽林軍しゃん達が、
わーっと四方八方へ。うむ、見事でし!
『大勢のものが慌てて四方八方へバラバラに逃げていく様』という事でし。
それではみなしゃん、御疲れ様でし〜。
と、離珠が召集をかけようとすると・・・
「羽林軍!!頼んでおいた修理はどうしたの!!」
シャオしゃまでし!!その声に慌てふためき、みなしゃんはわーっと散り散りに・・・。
再び集めるのは大変だったでしよ・・・。
「離珠、もとはといえばお前がいけねーんだろ。
月天様の用事も終わらないうちに羽林軍に召集かけて。」
はう、反省してるでし。


「蜘蛛の巣で石を吊る」でし
『とてもできないことで、非常に危ない』という事でし。
ちなみにこの蜘蛛の巣なんでしが・・・。
日本では子供が小鳥やセミを捕らえる時のモチ代わりに使うそうでしが、
ニューギニアってところでは魚をとる網に使うそうでし。
「おい太助、使った記憶あるか?」
「あんまり無いけどなあ・・・。」
「だろうなあ。でもそんなこと言ってたら離珠ちゃんに申し訳ない!」
「へ?」
うるうるうるうるうる
「見ろ太助!!この、“モチ代わりに蜘蛛の巣を使って何か危ない事をしてくれないと離珠泣いちゃうでしー”
という顔を!」
「えらく直球な顔だな・・・。だからって何をするつもりだよ、たかし。」
「ふっ、決まってる!蜘蛛の巣使ってダイビング〜!」
さっすがたかししゃんでしー!
「・・・じゃあな。」
「お、おい太助。逃げるな!」
太助しゃま待ってくだしゃい〜。
「あからさまに怪我するってわかりきってるものをやれるか!!」
「しかしやってみないことには・・・。」
「だったらまずはたかしがやってみろ。たかしが無傷なら俺もやっていいぞ。」
「・・・離珠ちゃん、諦めようぜ。」
がーん
り、離珠のうるうるうる瞳で二人を危険な挑戦に見事導いてことわざ解説完璧でしー、作戦がああ!
「なんつー自己中心的な作戦だ・・・。」
「なあ太助、やっぱり挑戦を・・・。」
「お前もしつこい!」


「雲の早く走るときは天気が悪くなる」でし
『低気圧がくると天気が悪くなるが、低気圧が近づくと、
雨は降らなくても上層の空気の流れが早くなり、雲が早く走るようになる』という事でし。
「へ、へえ・・・。」
ふふん、参ったでしかたかししゃん。これ以上は言う事ないでしね?
「うーん、無い!こりゃ参った。」
えっへんでし!
・・・ちょっと太助しゃんに乎一郎しゃん!なんて目でこっちを見てるでしか!
「だって・・・威張ることなのか?」
「参ってるたかし君もたかし君だよ・・・。」


「蜘蛛は大風吹く前に巣をたたむ」でし
『蜘蛛は天候の変化を予知して大風の前にはどこかに逃げてしまう』という事でし。
クモしゃんはりこうでしからこういう事が言われてるんでしね〜。
「あたしらの中でたとえるなら誰かしら?・・・なんて、多分誰もいないわね。」
ほえ?どうしてでしか、ルーアンしゃん。
「大風とかを気づくのに間に合わなくて、いっつも騒動に巻き込まれてるじゃない。
騒動に加われないのを除いてね。」
前者はたしかにそう思えるでしね。後者はルーアンしゃんの事でしか?
「そうね。いっつも皆がわいわいやってる時に、あたしはいっつも蚊帳の外。
そうしていつの間にか最後にちょこっとかかわってオチ大王に・・・って何言わせんのよごみチビ!」


「雲行き早く空黄色を帯びる時は大風あり」でし
「要するにこれはなんだ?」
お天気に関することわざでしよ、翔子しゃん。
『上層で強い風が吹いているときは雲行きが早い。
また、風が強く砂ほこりを吹き上げているときには空が黄色く見える』という事でし。
「ああ、なるほど。普段の空と、黄砂ってとこかな。」
黄砂・・・って何でしか?
「中国から風に乗ってわたってくる砂で・・・」
離珠たちみたいにでしか?
「いや、離珠は風にのってきたわけじゃないだろ。」
それもそうでしねえ・・・。じゃあ、他にたとえはあるでしか?
「なんだそりゃ。そうだな・・・一般道路の物が一部大きいものがあったら、試練がやってくるとか。」
なるほど!・・・どういうたとえでしか?
「最初に頷いておいてなんでそんな反応・・・。」


「雲を霞」でし
「るんるん♪お料理お料理♪」
キッチンで鼻歌を歌いながら料理をしている人が。
ちなみにシャオしゃまじゃないんでし。花織しゃんなんでし・・・。
なんだか突然やってきて、太助しゃまに料理を作っているらしいんでし。
「あ、離珠ちゃん。もう少ししたら出来るから七梨先輩呼んできて。」
それはいいんでしが・・・どうしてわざわざこの家でするんでしかねえ。
疑問の眼差しで見ていると、離珠の心を詠んだかのように言ってきたでし。
「もう、作りだちを食べてもらった方がいいに決まってるからじゃないの!
お弁当っていう方法もあったけど、やっぱり作ってすぐ、ってのがいいしね。」
・・・そういうもんなんでしか。ま、とりあえず呼んでくるでし。
そして離珠はいそいそとリビングへ向かったでし。そこには複雑な顔で座っている太助しゃまが。
ちょいちょいと袖を引っ張って料理が出来たという事を知らせると、太助しゃまは、
「分かった。その前にちょっと洗面所に、な・・・。」
と立ちあがってリビングを出ていったでし。
それと同時にリビングに花織しゃんがやって来たでし。
「七梨せんぱーい、お料理できましたよお。」
・・・知らせに来るんだったら離珠が言いに行く必要なんて無かったじゃないでしか。
花織しゃん、人にものを頼んどいてそういうのはなんだか許せないでし。
「あれ?七梨先輩どこに行ったの?ねえ、離珠ちゃん。」
もう知らないでし。自分で探してくだしゃいでし・・・。
そっぽを向いて、太助しゃまが出ていったところと同じ方へ出ていったでし。
と、その後を付いて来る様に花織しゃんが・・・。
「こっちの方に行ったの?そうか、食事前に手を洗いに行ったんだ。」
なるほど、それで洗面所って言ったんでしか。・・・と思っていたら向こうからやって来たのは、
「おや花織殿。なぜこんな所に?」
キリュウしゃんでし。ありょ?太助しゃまはどうしたんでしか?
「あれれ、キリュウさん?七梨先輩知りませんか?」
「いや、私は見てないが・・・。」
なるほど、離珠と花織しゃんの知らない間に逃げたって訳でしね。
それにしてもこんな短時間で・・・なんだかすごいでし。
『まるで雲か霞のように姿を消してしまう』という事でし。
三人で探したものの、結局太助しゃまは見付からなかったでし。
せっかく作った料理がもったいないということでキリュウしゃんが食べる事に。
結果は・・・言うまでもないんでしが、キリュウしゃんは酷い目に遭ったという事でし。
その後、キリュウしゃんの試練が心なしかきつくなったような。
まあ、太助しゃまが逃げたのが原因でしからねえ・・・。


「雲を掴んで鼻をかむ」でし
『とてもできない無理な相談のたとえ』という事でし。
離珠とルーアンしゃんの!雲を掴んで鼻をかんでみようコーナー!
「・・・って、なんであたしがこんなことに付き合わなきゃいけないわけ?」
びしっ
「いたっ!あんたねえ!ちっちゃいからって目を狙って石投げるのやめなさいよ!」
ルーアンしゃん!来たからにはしっかりやってくだしゃいでし!
「大変だよなぁ、ルーアンも・・・。」
「そうなのぉ。たー様ぁ、なぐさめてぇん?」
だああ、真面目にやるでしよ!
「ひっつくなルーアン!・・・よし、雲の代わりにルーアンの服で鼻を・・・」
「わわわっ!たー様やめてってば!」
太助しゃま!先にやっちゃだめでし!
「いや、冗談だから・・・。・・・で、雲の代わりに何をつかませるつもりだ?」
「なんだ、冗談なのね・・・。雲の代わりにって・・・雲じゃないの?」
そうでし。
「は!?無理だって!」
「無理じゃないわよ。あたしの陽天心をもってすれば。でも・・・掴むまでは無理よねぇ、やっぱ。」
ルーアンしゃん、ものは試しなんでしから。
「いや、無理だ。そもそも雲ってのは・・・。」
「っていうかあたしはやんないもん。じゃあねんっ。」
あああっ!ま、待つでし!
「行っちまったな・・・。俺もぬけようっと・・・。」
くうう、ルーアンしゃんを頼りにしようとする事は、とてもできない相談ってことでしね。
「いや、あのな、そういう事じゃなくて・・・。」


「雲を衝く」でし
今日はお庭をお散歩するでし。
しゃてしゃて、どんな物が見られるでしかねえ・・・。
・・・ん?なんか暗いでし。変でしねえ、まだお昼なのに・・・ああっ!
見上げると軍南門しゃんがお庭に居たでし!
なるほどお、それで影になってたんでしね。
・・・それにしても、軍南門しゃんってやっぱり大きいでしねえ。
『見上げる様に非常に身長の高い者の形容』という事でし。
軍南門しゃんを見上げたままで居ると、太助しゃまが外に出てきたでし。
「あれ?珍しいなあ、軍南門が居るなんて。・・・で、何やってんだ?」
「・・・・・・。」
軍南門しゃんは沈黙したままだったでし。
そういえば太助しゃまの言う通り、なんでこんな所に居るんでしかねえ?
シャオしゃまの姿は見えないし・・・。うーん、謎でし。


「供養より施行」でし
「例えば、俺が死んだとしよう。シャオを含め、皆凄く悲しむかもしれない。
でも、いつまでも悲しんでいて欲しくない。俺の死という事実をしっかり乗り越えて欲しい!」
という太助しゃまの言葉でし。
「あのなあ、太助。遺言書いていいのは15歳からだぞ?」
「那奈姉、これは遺言じゃないっての。」
「しかも悲しむかもしれないって何だ。悲しむに決まってるだろうが!!」
「いや、大事なのはそういうことじゃなくて・・・」
「問答無用だー!!」
「う、うわわー!!」
えーと、姉弟で争いが起こったみたいでし。
『死んだ者に対してはなむけするより、今生きている者に施す方がもっと必要である』という事でし。
太助しゃまの言う乗り越えて、っていうのはまた違うわけでしが。
「そうだ!要は墓に金かけるより住む家に金をかけろってことだろ!」
「そ、それはなんか違うと思う〜・・・ぐ、ぐるじい〜、那奈姉ぇ〜・・・。」
「なにおぅ!?じゃあどういうことだ!!」
「ぐ、ぐおぉぉ・・・。」
わわっ!那奈しゃん、太助しゃまが本当に死んじゃうでしよっ!


「鞍掛馬の稽古」でし
「遠藤君、たとえばあなたが研究に研究を重ねて・・・黒天筒の仕組みを解明したとしましょう。」
「えええっ!?か、解明・・・できるんですかね?」
「たとえばですよ。そのたとえばの上で・・・黒天筒を果たして使うことができるでしょうか?
という事ですね。」
「うーん・・・。多分僕には無理だと思いますよ。」
「それはどうしてですか?」
「だって、やっぱり精霊であるルーアン先生じゃないと使えないんじゃないかなって。
そう、精霊であるっていうのが条件なんだと思いますよ。」
「そうですか・・・。・・・というわけですよ、離珠さん。」
・・・なんだか意味が違わないでしか?
「なるほど、ならば・・・黒天筒を回す練習をしたとしましょう。」
「黒天筒を使ってですか?」
「いいえ、黒く塗ったただの筒です。」
「そんな練習しても無意味じゃないですか・・・?」
「でしょうねえ。・・・というわけでどうですか?」
むむむう・・・むむむむう・・・。
えっと『木馬に乗って練習して、本当の馬に乗っての練習はしない』という事でし。
つまりは、理屈や方法は詳しく知っていても、実際は役に立たない、という事なんでしが・・・。
やっぱり違わないでしか!?
「なるほどね。・・・というわけで、ただ似たたとえを出しても解説にはならない、と。」
「出雲さん・・・なんかそれ強引だと思うんですけど・・・。」


「暗がりから牛」でし
これはずばり協力者が必要でし!
というわけで・・・用意したのはまっくら闇。つまりは夜でしね。
そしてここはとある山の中でしー。もちろん灯りはまったくないでしよー。
「・・・で、そんなところに俺を連れてきてどうするんだ?」
「心配いりませんわ、太助様。私が傍にいますから。」
「っていうかもう、シャオの顔すら分からない状況なんだけど・・・大丈夫?」
「えっと・・・そういえば私も太助様のお顔が確認できませんわ・・・。」
大丈夫でし!と、うだうだやってる間に実践するでしよー。
ずずーん
おおっと!地響きが唐突に!
「わわっ、な、なんだ!?」
「あ、太助様。あれを!」
「・・・あれって・・・どれ?」
「ほら太助様、上の方ですわ。」
太助しゃまはシャオしゃまに腕を掴まれて、シャオしゃまの指差してる方向には・・・。
「あれって・・・巨人?」
「軍南門ですわ。」
「あ、ああなるほど・・・。」
はい!『物の区別がよくわからないことのたとえ』という事でし。
「たしかに、区別がつかないなあ・・・。」
「そうですね・・・。」
「でもさあ、あんな大きいのって軍南門以外に居ないような・・・。」
「それもそうですねえ・・・。」
ちょ、ちょっと二人とも!一体どっちなんでしか!
はい!『ぐずぐずしていること。はきはきしないこと』という事でし。
以上で終了でしー。
「・・・あのなあシャオ。」
「なんですか?」
「もうちょっと離珠に厳しく言った方がいいんじゃ・・・。」
「ふえ?」


「暗がりから暗がり」でし
『あれやこれやと思い迷って考えがつかないたとえ』という事でし。
たとえば!どんな試練をしようかなー、とか迷ってるキリュウしゃんはそんな感じでしね。
「そうなのか?」
そうでし!鉄を使った試練をしようと思って・・・
ないふにしようかなー、いやふぉーくにしようかなー、いやいやすぷーんにしようかなー、
というところでしね。
「・・・離珠殿、私はそのような事では悩まないが。」
ではたとえを変えるでし。
やたらめったら暑い場所と、やたらめったら寒い場所。
どちらに絶対行かなければならないとなったら・・・キリュウしゃんはどっちを選ぶでしか?
「なに!?む、むむむむ・・・。」
もう一つ。やたらめったら甘い料理と、やたらめったら辛い料理。
どちらかを絶対食べなければならないとなったら・・・キリュウしゃんはどっちを選ぶでしか?
「くっ、またそのような・・・むむむむ・・・。
・・・うーむ、甘い・・・いや、辛・・・いや、しかし・・・うーん・・・。」
とまあそういうわけでしね。
「離珠殿は意地悪だ、このような選択肢しかないなんて・・・。」


「暗がりに鬼つなぐ」でし
さっそく暗闇に誰かさんを潜ませておくでしー。
「・・・で、あたしが当てるのか?この目の前に広がる暗闇の中、一体誰がいるのか、ってことを。」
しょうでし。こんな面白そうなイベント、翔子しゃんじゃなくて誰がやるんでしかー!
「あはは、そこまで持ち上げられると・・・って、全然嬉しくないんだけど・・・。」
つべこべ言わずスタートでしよー。
「・・・とは言ったものの、さてどうやって当てようか。」
ほらほら、時間制限付きでしよー。
「んなもんつけるなよな・・・。えっと・・・とりあえず名前でも呼んでみるか。
シャオー。那奈ねぇー。七梨ー。野村ー。遠藤ー。愛原ー。出雲にーさーん。」
しーん・・・。
ふむふむ、返事が無いでしね。
「ルーアンせんせーい。キリュウー。」
しーん・・・。
やっぱり返事が無いでし。・・・って翔子しゃん、なんで二人を分けたんでしか?
「いや、一番確率低そうだったから。」
なんででしか・・・。
「ルーアン先生の場合、こんなもんに協力なんてできないわよー!とかって言いそうだし。
キリュウの場合は、私は暗いのが嫌いだ・・・とかって。」
「翔子殿!」
あっ!
「なるほど、やっぱキリュウだったか。」
「し、しまった・・・。」
がくー
キリュウしゃん、返事なんかしちゃだめでしよー。
・・・まあしょういうわけで、
『何が出るかわけがわからず気味が悪いことのたとえ』という事でし。
って、翔子しゃんがすべて外すことを予想してたんでしがねえ・・・。
なんで分かったんでしか?
「そりゃあ、キリュウくらいだろ。こんな道楽に軽々と参加しそうなの。」
「何を言う。主殿もたまに参加しておられるぞ。」
「実は今七梨はシャオとお出かけ中。あたしさっき見かけたもん。
で、他に付き合いそうでしんとしてそうなのは・・・キリュウしかいない。」
「むむむ、そうなのか?」
「ああ。試練だから付き合え、とかって言われればイチコロだろ?」
「・・・・・・。」
と、とにかくこれにておしまいでし!
「しっかしキリュウもよく参加したよなぁ。鬼役になるのわかってて。
時間がきたらあたしを襲ったりする予定だったの?」
「な!ち、違うぞ翔子殿!」
ちょっと!終わりったら終わりでしよ!


「暗がりの犬の糞」でし
残念ながら犬しゃんが居ないので・・・天陰しゃん!是非おねが・・・
どかっ!
ぐあああっ!でし・・・。
「・・・何やってんだ離珠。」
・・・・・・。
「おっ、天陰?月天様がかなり怒った時にしか呼び出されないのになんで?なんかあったのか?」
ふるふるふる
「ああ、離珠に頼まれたってか。おめーも大変だよなあ。で、今回はなんだって?」
かくかくしかじか
「ふんふん、なるほどなあ・・・。よし、ここはおいらが一丁身近なたとえを!」

「簡単だよ。あそこで気絶してる離珠。ああやって暗闇の中で気絶して、
ことわざ解説が立派にできなかったのを隠す、と。」
・・・・・・。
「強引か?うーん・・・。まあいいや、今回は解説なんてなかったことでいいな!」
こくこく
「じゃあ行こうぜ。月天様も心配してるだろ。」
こくこく
てくてくてくてくてく・・・
・・・・・・
・・・く、り、離珠が倒れてる間になんてことを・・・。
しかし虎賁しゃん、全部聞かせてもらったでしよ。
離珠が気絶してるのをいいことに解説を無しにするなんて!
『人が知らぬのをよいことにして自分の失敗を隠す』という事でし。
そうはとんやがおろさぬでしー!
・・・でも、今回は疲れたでし・・・。


「暗がりの澁面」でし
『やってもてごたえの無い事の例え。暗い所でしかめ面をしても、
見えないから相手はなんとも感じない』という事でし。
離珠とキリュウしゃんの、やってもてごたえの無い事をやってみようコーナー!
「うむ!というわけで主殿、暗闇の中で色んな顔をしてもらおう。声は出しては駄目だぞ。」
もし出したらキリュウしゃんのお仕置きスペシャルが待ってるでし〜。
「・・・別に良いけど、どこでやるんだ?」
「このリビングだ。すべて閉め切り、光が入らない様にした。さあやってもらおう。」
明かりを消すでしよ〜。
パチン
「うわ、見事に真っ暗・・・。」
「さあ始められよ。」
試練スタートでし!
「(ったく、この試練に一体どんな意味があるんだか。)」
「声が聞こえない所をみると、ちゃんと黙っている様だな。結構結構。」
でもさっぱり見えないでし。
「(たくう、なんでこんな事を・・・。)」
「・・・離珠殿。」
なんでしか?
「この試練に意味はあるのだろうか・・・。」
「(なに〜!?キリュウがそんな事でどうするんだよー!)」
「離珠殿!こたえてくれ!」
ふっ、無理でしよキリュウしゃん。真っ暗では絵も見えないでしよ〜。
「(ところでこんなに真っ暗だと離珠はどうやってキリュウに伝えてるんだろ・・・。)」
「失敗か・・・。」
そうでしね。
「(くうう〜、なんか凄く時間を無駄に使ってるような・・・。)」


「暗がりの恥を明るみへ出す」でし
『黙っておれば知れずに済むような恥をわざわざ世間に知らせる』という事でし。
「と、いうわけで!翔子と離珠の!!」
皆の恥をさらしてみようコーナーでし!!
・・・おほん、そういうわけで集まってもらった皆しゃんには恥を出してほしいでし。
「はい、まずは遠藤ね。」
「あの、山野辺さん。なんで僕が・・・。」
「つべこべ言わずさっさとやる!」
「う、うん・・・。えーと・・・この前ルーアン先生の社会科の宿題を忘れてしまいました。すみません。」
「なんだそりゃ・・・。っていうかそれって恥?」
「当たり前だよ!ルーアン先生の宿題だよ!?忘れたら恥も恥すぎるよ!!」
「あたしは大抵忘れてるけどな・・・。」
「山野辺さん大抵忘れてるの!?・・・はあ、信じられないよ。山野辺さん最低だね・・・。」
「・・・なんで遠藤にそこまで言われなきゃならないんだ・・・。」
っていうか、これって翔子しゃんが恥をさらしてないでしか?
「はっ!?え、ええーい次だ!野村、あるだろ?」
「お前な・・・。乎一郎は強引に押し負けたが俺は負けないぞ!?」
「恥をさらすことによってシャオが真の野村を知って嬉しいですわーって喜ぶんだけどなー。」
翔子しゃん、投げやりに言ってるでし。
「何っ、シャオちゃんが!?・・・よーし、言ってやろう。ずばり俺の恥は・・・。」
そして早速喋ろうとしてるたかししゃんもたかししゃんでしね・・・。
「うをっ!?なんということだ、俺って恥ねーのが恥!?なんつってー。」
「・・・勝手に言ってろ。話にならないから次だ次。愛原ー。」
「花織ちゃんならとっくに帰ったけど・・・。」
「何!?遠藤、どうして止めないんだ!」
「いやそう言われても・・・。」
「花織ちゃんも帰りたかったんだろうぜ。俺も帰りたいけど。っていうか帰る!俺は帰るぞおお!!」
「あ、待ってよたかしくーん。」
・・・どさくさに紛れて帰られてしまったでし。
もう、翔子しゃんがしっかりしないからでしよ。
「あたしのせい?そうなのかなあ・・・あたしは頑張ったと思うけどなあ・・・。
まあ、あんまり頑張ったつもりはないけど。」
どっちなんでしか!


「苦楽は生涯の道づれ」でし
『人の一生は苦しみと楽しみの繰り返しである』という事でし。
「たとえば俺の場合・・・。」
太助しゃまの場合?
「シャオ達が来る前はさ、一人でいることの寂しさがとっても苦しくて・・・。」
ふむふむ。
「でも、シャオ達が来て、毎日がとても楽しくなって・・・。」
ふむふむ。
「けど、俺の安らぎって言葉がどこかへ消えちゃって・・・。」
ふむふむ。
「それにもようやく慣れてきたかな、なんて。」
ふむふむ。
「まだ・・・シャオを守護月天の宿命から解法するすべは見つかって無いけどさ・・・。」
うーん・・・太助しゃま、色々悩んでるんでしねぇ・・・。
「でもさ、やっぱりそれも人生。・・・そう人生なんだよ。俺は結構幸せだよ、うん。」
幸せでしか・・・。それだったらよいことでし!


「水母の風向かい」でし
ここは一発風がほしいでしね。
「で、あたしがするわけ?なんだかねえ・・・。」
ルーアンしゃん、大丈夫でしよね?風に陽天心って。
「風なんかにかけられるわけないでしょ?」
ならば筒をぐるぐる回して風を起こせばいいでし。
「はぁ?」
さて!その風に立ち向かうは花織しゃんでし!
向こうの方に居る花織しゃんがこちらに辿りつくのをルーアンしゃんが風で妨害するわけでしが・・・
着いてしまえば花織しゃんの勝ちでし!
「よーっし!ルーアン先生、これであたしが勝ったら七梨先輩を諦めてもらいますからね!」
「ちょっ、あんた何勝手にそんなこと決めてんのよ!!」
ではスタートでしー!
「だりゃああ!」
たたたたっ、と、道の向こうから花織しゃんがかけてくるでし。
ちょっとルーアンしゃん!風を起こさないと負けちゃうでしよ!
「な、なんであたしがこんな・・・えーい!こうなりゃやけよー!!」
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるー!
勢いよくルーアンしゃんは黒天筒を回したんでしが・・・
大した風も起きず、花織しゃんはこちらまで辿りついてしまったでし。
『じたばたしてもむだなことのたとえ』という事でし。
「やったー!これでルーアン先生はリタイヤ〜♪」
「やってられっかー!絶対こんなのいんちきじゃない!!」
離珠としてはどっちが勝っても解説になったのでめでたしめでたしでしー。
「早速七梨先輩とこへ行こうーっと。」
「ってこら!待ちなさい!!」


「水母の行列」でし
水にぷかぷか浮かんでるくらげしゃんは、きちんと並ぶことはなかなかできないでし。
『うまくならぶことができないことのたとえ』という事でし。
というわけで!お風呂の中で浮かんで並んでみようこーなーでしー!
「もう、離珠ったら・・・。」
シャオしゃまいいじゃないでしか。羽林軍しゃんたちを呼んでくだしゃい。
「うーん・・・。」
どうしたんでしか?
「たくさん過ぎて羽林軍が溺れちゃったりしないかしら・・・。」
大丈夫でし!気合でし羽林軍しゃん!
「・・・やっぱりダメです。」
・・・ぷう、残念でし。
仕方が無いので後日学校のプールでやってもらうことにするでし!
お風呂と違ってそっちなら広いから大丈夫でしよね?
「離珠、今は冬ですよ・・・。羽林軍たちに寒中水泳なんてやらせられないでしょう?」
・・・それもそうでしね。


「水母の骨」でし
「はぁ・・・ルーアンもうお腹いっぱい。」
なんとなんと!ご飯一杯を半分ほど食べたところでルーアンしゃんがこんなセリフを!
おかずもちまちまちょこちょこっと食べたところでルーアンしゃんがこんなセリフを!
・・・という状況になればまさしくでしねえ。
『あるはずがないことや、非常にまれなことのたとえ』という事でし。
「甘いな離珠。」
何がでしか、虎賁しゃん。
「たとえばそれが夕飯だったとしよう。しかしだ、夕飯前にたっぷりとお菓子を食ってた!
街中で早食い選手権に出場してた!じゃんぼラーメンを完食してた!・・・だとしたらどうだ?」
む、むむむむむ・・・。
「ま、それくらいしか条件も無いだろうけど、なくもねーだろ。」
そ、そうでしね・・・離珠の負けでし・・・。
「そーだろそーだろ。」
「ちょっとあんたら。人をダシにしてなんつー解説をしてんのよ!」


「暗闇の鉄砲」でし
『無鉄砲にすることのたとえ。また、あてがない、いいかげんに見る』という事でし。
「じゃあ解説すっぞー。すなわちこれは離珠のことだな。
おいら達なんかをてきとーにひっぱってきては“ことわざの解説でしー”
とかなんとか理由つけて変なことをやらせようとする。
ま、それでちゃんとした解説になってりゃいいんだが、大抵は強引なもので・・・」
ちょっと虎賁しゃん!
「以上だ。いやあ、近くにいい例があると便利だよなあ。」
なんなんでしかそれは!離珠はもう怒ったでし!
「でも解説は終わったからな。じゃあな。」
ああああっ、待つでしー!!


「暗闇のひとり舞」でし
『人が誰も見ていない所で思うがままにやってみる』という事でし。
下手でも、誰も見ていないから安心してできるでしね。
というわけで離珠も早速何かやってみるでしー。
舞・・・じゃあないでしよ。
ずばり!離珠お得意のお絵描きでしー!!
いつもの筆もほらこのとおり!・・・って、この暗闇じゃ見えないでしね・・・。
しょれでしゅたーとでし!
えしょえしょえしょえしょえしょえしょえしょえしょ
えしょえしょえしょえしょえしょえしょえしょえしょ
えしょえしょえしょえしょえしょえしょえしょえしょ
・・・えうー、しょもしょも誰もいないからつまんないでしー!


「暗闇の頬冠り」でし
『いらざる用心をする』という事でし。
暗がりならほおかむりで顔を隠す必要が無いでしね。
しかし!心のやましいことをする人は、安心できないから暗闇でも頬かむりをするでし。
さあ翔子しゃん、今こそ頬かむりをする時でし!
「なんだよ、あたしには別にやましいことなんて一つもないぞ。」
本当にそうでしか?そうなんでしか?離珠の目は誤魔化せないでしよ〜〜〜〜〜。
「まああったとしてもさ、今ここは暗闇じゃないし。」
大丈夫でし!シャオしゃまに頼んで瓠瓜しゃんの胃袋へ〜。
「そんなこと瓠瓜にさせんな!・・・と言いたいところだが、特別に許可しよう。
離珠、早速シャオに頼んでくれ。」
・・・なんか翔子しゃん、急に態度大きくなったでし。
一体どんなやましいことがあるんでしか!?
「ええーい、とにかく瓠瓜だ!瓠瓜を出すんだ!!」
えうー、怖いでしよー。


「苦しいときには親を出せ」でし
『口実に困って“親が病気でしたから”などと親を持ち出す』という事でし。
「俺がたとえとして出すならば・・・。」
太助しゃまがたとえを出すんでしか?
「・・・やめようかな。仮に母さんか親父が病気だからったってどうしようもないし。」
太助しゃま・・・。
「うぉーい太助ぇー。その母さんから手紙だぞー。」
「えっ!?」
なんと、那奈しゃんがとんでもないものを持ち出してきたでし!
「とんでもないってなんだよ。読むぞ、えーと・・・
“太助ぇー太助ぇー愛よ届いてぇー・・・”
だってさ。」
「・・・那奈姉、それ本当に母さんから?」
「疑うのか?悲しいなあ、あたしは現地で母さんのそういう声を直に聞いたってのに。」
「それを単純に那奈姉が書いただけじゃないのか?」
「・・・さあてと、シャオに今日の夕飯聞いてこよーっと。」
「っておい、那奈姉!」
那奈しゃんが何をしたかったのかよくわかんないでしが・・・。
ともかくそういう事なんでし!
「「どういう事?」」


「苦しいときの神頼み」でし
『日頃は神様など拝んだこともなかった者が、
苦しい時、困ったとき、切ない時、悲しい時、病気の時などになると、
神仏に頼って助けを借りようとする』という事でし。
「私も時には・・・縁結びの神様にお祈りをします。神主でありながら・・・。」
出雲しゃんってば、いつも神様を拝んでないんでしか?
「そんなことしてたら神主なんてやっていけませんよ・・・。」
でしよねえ。だったら出雲しゃんはたとえにふさわしくないでしよ?
「わざわざその様な事を・・・。ならば他の人をたとえにしましょう。」
たとえば誰でしか?
「たとえば・・・正月におまいりに来ている方々、の一人である、熱き魂がどうたらと叫んでいる少年ですね。」
たかししゃんでしね。
「いえ、あくまでも名前は伏せておいてください。彼の執念はとてつもないものがあります。
どうして祈りではなくて、もっと違うことにその熱を捧げられないのか・・・。」
むうう・・・。り、離珠もこの機会に参拝しておくでし。正月だけに祈るだけなんていわれたら嫌でしっ。
「まあ・・・正月くらいは行事ですから、神様も大目に見てくださいますよ。」
お饅頭でし〜お饅頭でし〜お饅頭でし〜・・・。
「って、離珠さん。聞いてます?」


「喰わず嫌い」でし
今回解説してもらうのは花織しゃんでし〜。
「解説って言っても・・・何すればいいかな?」
何を今更言ってるでしか。
花織しゃん、たとえば花織しゃんの料理は皆にどう思われてるでしか?
「あーっ、そっかあ!そうだよねぇ、うんうん。
折角作っても、あたしが作った、ってだけで誰も食べようとしないの・・・。
ひどいよね、絶対。」
「いや、わたしはそれ当然の反応だと思う・・・。」
「右に同じく。」
おおっと!花織しゃんのお友達の・・・
「熱美ちゃんにゆかりん!二人そろってそんな事言うなんてひどい!」
そう、その二人でし。
「だってねぇ・・・。」
「経験から言わせてもらえば、花織の料理でまともだったのってほとんど無いし・・・。」
「そんなことないもん!」
「花織ぃ、以前のバレンタインの悲劇忘れたとは言わせないわよ。」
「いつぞやの文化祭の時だって・・・。」
「えっ?えっ?」
ともかく!『食べもしないで嫌だと決めてしまう』という事でし。
自分の感情だけで物事を判断してはいけないんでし!
「そ、そうよそうよ!食べもしないで、そんな自分の感情だけで嫌わないで!」
「「感情以前の問題なの!!」」
・・・うーん、食べ物以外のたとえにするべきだった気がするでし。


「喰わせておいてさてと言い」でし
今は昔、とある七梨家にルーアンしゃんというしょれはしょれは暴れん坊の精霊しゃんが居たでし。
ルーアンしゃんはことあるごとに陽天心召来という、物に命を吹き込む術を使い、
洗濯機に掃除をやらせたり、ハタキに背景をやらせたり、離珠に偽猫解説をやらせたり、
更には、どこかよくわかんない別世界へ出張してしょれっきりだったり。
・・・しょれはもう、わがままほーだいだったしょうでし。
ところがしょのルーアンしゃんには非常にわかりやすい特徴があって・・・。
毎回食事時になると、しょれはもうがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつ・・・。
普通の人では考えきれないほどの量を食うんでしね。
しょこで、七梨家一の料理人であるシャオしゃまは考えついたでし。
ある日・・・。
「ルーアンさん、今日はルーアンさんのために美味しいご馳走を特別に作ったんですよ。」
「あら〜、気がきくじゃないシャオリン。」
「さ、どうぞ。召し上がれ。」
「いただくわーん。月がつがつがつがつがつがつがつがつがつ・・・。」
・・・・・・。
「・・・ふう、ごちそうさまぁ。」
「堪能しましたか?」
「そりゃあもう。」
「よかったですわ。さて・・・。」
ばささっ
と、シャオしゃまが広げたのはルーアンしゃん十戒でし。
「な、何よそれ・・・。」
「特別ご馳走を食べていただいたんですから聞いていただきますよ?」
「う、な、なんですってぇぇぇ!?」
『ご馳走をたらふく食べさせ、恩を着せておいてから、
さて実はお願いがあるのですが…と持ち出す』という事でし。
いやあ、シャオしゃまは策士でし。
「すとっぴ。離珠、全然昔の話とかじゃなくって、そのまんまじゃねーか。」
虎賁しゃん・・・実はここに薄皮饅頭があるんでしが・・・。
「離珠じゃあるまいし・・・おいらはひっかからねーぞ。」
ぐ・・・。


「喰わぬ飯が髭に付く」でし
昔々ある所に、木こりのシャオしゃまと山伏のルーアンしゃんが木陰でお昼ねしてたでし。
別に何の関係があったとかじゃなくって、ただの偶然だったんでしがね。
と、そんな二人のそばに偶然にも武士のキリュウしゃんが通りがかったでし。
お腹が空いてたキリュウしゃんは、シャオしゃまが持っていた弁当に目をとめ、
それをむしゃむしゃと食べてしまったんでし。
食べ終わってはたと我に帰ったキリュウしゃんは、ルーアンしゃんに罪をなすりつけようと、
ルーアンしゃんの口元に御飯粒をつけ、自分もそこらで昼寝を始めたんでし。
そして・・・起きたシャオしゃまが弁当を食べようと思ったら、空になって驚いたんでし。
シャオしゃまはルーアンしゃんの口元を見て、当然ルーアンしゃんを疑ったわけでしね。
「ルーアンさん・・・ひどいですう!人のお弁当をお昼寝してる間に食べちゃうなんて!」
「あたしは食べてないってば!」
「だったらその口の周りについてる御飯粒は何ですか!絶対ルーアンさん怪しいです!」
『身に覚えがないのに、何か有力な資料があって罪をおかしたと疑われる』という事でし。
「くうう、濡れ衣よぉ、あたしはたしかにお腹空いてたけど、このくらいの量じゃ満足できないわ!」
「・・・それもそうですね。」
「そうそう。どう、分かってくれた?」
「でも!茶腹も一時と言います!やっぱりルーアンさんが犯人ですぅ!」
そんなこんなで戦いが始まって・・・肝心のキリュウしゃんは知らぬ顔で逃げ去ったんでし。
・・・いやぁ、大変な出来事だったでしでし。


「鍬をかかげた乞食は来ない」でし
「乞食ったって・・・鍬をかかげた乞食ってのがなんでうちに来るんだ」
違うでしたかししゃん!
これは『働けばどんな者でも貧乏しない』という事でし。
「鍬をかかげる職業?そんなのあったっけかなあ・・・。」
だああああ!いいかげんにするでし!
「あははは、冗談だよ。たとえ俺でも、頑張れば大金持ちになるってことだよな。」
・・・・・・。
「あれっ、違うの?」
もういいでし・・・。


「句を作るより田を作れ」でし
『文芸をたしなむのは結構なことだが、それにふけって働くことを忘れてはいけない』という事でし。
離珠と紀柳しゃんの!試練を忘れて文学にふけってみようコーナー!
「うむ!というわけで主殿、今回は・・・って離珠殿!試練を忘れて、とはどういう事だ!?」
そのまんまでしよ。今回は太助しゃまに試練のことを忘れてもらうんでし。
「それだと私が出る意味がないのではないか!?」
何を言うでしか。紀柳しゃんはいるだけで絵になるじゃないでしか。
「そ、そうかな?」
そうでしそうでし。紀柳しゃんは居てくれるだけでも至福の一時なんでしよ。
「そうか、そうなのか・・・いやぁ、なんだか照れるものだな。」
「・・・いきなり俺ほったらかしかよ。あのさ、試練やるの?やらないの?」
もう紀柳しゃんの可愛さといったらそれはもう、お饅頭しゃんがいくらあっても足りないくらいでし。
「なかなかなたとえだな。離珠殿にとっては薄皮饅頭は至福の一品だしな。」
そうなんでし。
「いやはや、そうまでたとえられると更に照れてしまうな。」
てもみてもみ、でし。
「はあ、勝手にやっててくれ・・・。俺は帰る・・・。」
おっと、太助しゃまが背を向けたでし。ちゃーんす!
「万象大乱!」
どごおおっ!!
「ぐあああっ!」
見事!紀柳しゃんが大きくした石ころが太助しゃまに大ヒットでし!
「まったく・・・主殿はすぐに油断するな。句など作っている場合か?
さあ、田を作るつもりで試練に挑まれよ。」
そうでしそうでし。
「・・・てぇ!ふざけんなー!!全然言葉と行動の意味が違ってるぞー!!!」
「おっ、やる気になったな。その意気だ。・・・意気といえば離珠殿。
ことわざ解説をする上での今後の意気込みは?」
ふむ、しょれはでしねぇ・・・。
「えええーい、いいかげんにしろー!!」


「君子あやうきに近寄らず」でし
「おらおらー、陽天心召来!」
ルーアンしゃんが荒れてるでし。
シャオしゃまに訊くと、太助しゃまからおやつ禁止令が出たそうでし。
あまりにもルーアンしゃんが食べて食べてするからでし。
それでルーアンしゃんは、うさばらしに陽天心召来をかけまくっているわけでし。
ルーアンしゃんに一つお願いがあったんでしが、
こんなルーアンしゃんのそばには近づかないのが得策でし。
『賢い人は、わざわざ危険な事をしない』という事でし。
離珠は賢いんでしよ―。


「君子二言無し」でし
『君子はうかつに喋らぬかわりに、一度言った事は固く守る』という事でし。
身近な人で言えばキリュウしゃんでしかねー。
「そ、そうか。なんだか照れるな・・・。」
冗談でし。
「・・・離珠殿、後で私から心ばかりの贈り物をしよう。」
え、遠慮するでしっ!!
「私は一度言った事は守る。」
う、うう・・・。
そ、そんなことより!別のものがあるんでし!!
「別のもの?」
そうでし!
後で“そんな事を言ったかしら”
などとしらばくれる事が出来る者はもはや君子じゃ無いという事でし。
「ちょっとごみチビ、それ誰の事よ・・・。」
おやルーアンしゃん。さあ?でし。
「ざけんじゃないわよー!あたしはちゃんとやってるわよ!?」
それじゃあこの前言った、三日間断食をしてみてほしいでし。
「・・・?あたしそんな事言ったかしら?」
「なるほど、ルーアン殿は君子では無いのだな。」
そういう事でし。
「ちょっと!!このあたしが本当にそんな事言うはず無いでしょ!!」
「・・・そういえばそうだな。」
こんな事を言ってしまうルーアンしゃんはどう考えても君子じゃ無いでし。
「そうでしょ〜・・・って、なんか納得いかないわね・・・。」


「君子に三戒あり」でし
『君子と言われるほどの者は血気の定まらぬ若いうちは色欲を戒め、
血気の強い壮年時代には人と争うことを戒め、
血気が衰えて年寄りになってからは欲が深くならないよう気をつけなければいけない』という事でし。
なかなか、君子になるのは大変なんでしよ、うん。
「離珠、たとえは出さねーのか?」
虎賁しゃん、誰が君子だと言うんでしか?
「いつもの強引なこじつけで出せるんじゃねーのか。」
・・・ふう、しょんな事を言い出す虎賁しゃんは絶対に君子にはなれないでしね。
「もしそうならお互い様だけどな。」
ぐっ・・・。


「君子に三樂有り」でし
君子には三つの楽しみがあって・・・
『第一は、父母が元気で兄弟が無事であるということ。
第二は、誰にも恥ずかしくない事。
第三は、優れた人を教育すること』という事でし。
「すごいなぁ・・・なんか言ってることが違うよな。
他にもあるんじゃないかとも思えなくもないけどさ。」
太助しゃまはどうでしか?
「俺?俺は・・・一番目くらいだよ。二つ目三つ目は・・・とてもじゃないけど自覚もできないなぁ。」
誰にも恥ずかしくないことは無いでしか?
「まだまだそういうのは無理だよ。」
優れた人の教育はどうでしか?
「いやあ、まだまだ教育される側、つまり学生だし。」
でも太助しゃまから学んでいる事はいくらかあるんでしよ。
「そうなの?」
そうでし。シャオしゃまやルーアンしゃん、キリュウしゃんも多分思ってるでしよ。
「へえ・・・?なんだろ・・・。」
離珠が思ってるだけかもしれないでしが・・・でも、でし。


「君子は豹変す」でし
これを説明するには立派な人が必要でしねえ。
さてさて、だれにするか・・・。
どどどどどどどどど!!!
「お、俺、俺だ!!」
「なんでたかしなんだ!!心清いって認められた俺に決まってるだろ!!」
「じゃあ太助君は遠慮してよ!たまには僕が!!」
「なにをおっしゃいます!この宮内出雲に決まってるでしょう!!」
一気に四人の方が押しかけてきたと思ったら、わいのわいのと口喧嘩を始めたでし。
むう―、こうなったら奥の手でし!!
ピピーッ!!
「「「「うわっ!!」」」」
皆しゃん静かにするでしよ!!ここを仕切るのは離珠でし!!
(ふふん、こんな事もあろうかと事前に那奈しゃんから笛を貸してもらっておいたんでし)
「でもなあ・・・。」
「俺は・・・。」
「私は・・・。」
「・・・ごめん、離珠ちゃんのことも考えず。僕は辞退するよ。」
ここでなんと乎一郎しゃんがすごすごと。待つでしよっ!
ピィーッ!
「う、うわっ!!」
待つでしよ乎一郎しゃん!!
「何?」
お見事でし!自分が勝手にやって来て騒いだ事に罪悪感を持って・・・。
というわけで乎一郎しゃんこそぴったりでし!
『立派な人は間違いをおかしてもすぐにきっぱりと改める』という事でし。
「な、なんか照れちゃうな、ありがとう。」
当然の結果でしよ、乎一郎しゃん!
「・・・なあ太助、乎一郎の場合、単に引っ込み思案だったってだけなんじゃ。」
「けれど解説者には逆らえないしなあ・・・。」
ピピー!!
そこな二人!何をごちゃごちゃ言ってるでしか!!!
「まったくもう、やはりどうしようもない人達ですねえ、あなたがた二人は。
離珠さんが困っていらっしゃるのに、それでもひそひそと、最悪ですね。」
「「て、てめえ・・・。」」
「それでは離珠さん、解説も無事終わった様なので家でお饅頭でも食べに来ませんか?」
ちゅわ、饅頭でしか?
「いつもお世話になってますしねえ、お礼も兼ねてという事で。(ふぁさぁ)」
ちゅわ〜ん、うれしでしー・・・。でも、後一つ残ってるんでしよねえ・・・。
「離珠!こいつだ!この宮内出雲!!
男と女とでころころと態度を変えやがる、まさにこいつだ!!」
そ、そうでしか?ではそういう事で・・・。
『時代や環境の変化に合わせて、態度や考えを良くも悪くもすぐ変える』という事でし。
全体的にはこういう意味なんでしよ。もともとは最初に言った方なんでしけどね。
「ちょっと太助君どういう意味ですか。」
「どうもこうも、いつものお前はそうじゃないか。」
「そうだそうだ。購買部での仕事振りを見てれば分かるぜ。」
「女性に優しく接するのは当たり前でしょう。」
「お前の場合度が過ぎてるんだよ!」
・・・なんだか言い争いが始まってしまったでし。
ちょっとみなしゃーん、お饅頭を食べに行こうでし―。
「・・・僕の出番って前半だけ?」
こ、乎一郎しゃん、そんな事無いでし!一緒にお饅頭について呼びかけるでし!
「う、うん・・・。」
その後、何故か三十分ほど費やした後にようやく宮内神社へ行く事が出来たんでし。
ふう―、今回は疲れたでし―。


「葷酒山門に入るを許さず」でし
『くさい野菜と酒は修行を乱すから、寺の境内にもちこんではいけない』という事でし。
しゃてしゃて、肝心のたとえ話でしが・・・離珠は寺より神社の方が馴染み深いのでそっちで解説でし。
「寺と神社を一緒にするのはどうかと思いますが・・・。」
まあまあ。しゃて、もちろん協力者は出雲しゃんでし。
「協力するのはいいのですけどね。で、私は何をすればいいんですか?」
簡単な事でし。これからある二人がやってくるんで、手荷物ちぇっくをやって追い返して欲しいんでし。
「そのままのことをやってどう解説になるのか分かりませんが・・・。」
あ、ほらほら、早速やってきたでしよ。
「やれやれ。・・・ん?あれは・・・シャオさんと翔子さんですか!?」
こんな遠くからでも確認できるなんてしゃしゅが出雲しゃんでし・・・。
とかって思ってるうちに、二人は出雲しゃんと離珠の傍へやってきたでし。長い長い階段を昇って。
「やあおにーさん。これ、つい先日手に入れた酒。真澄っていうんだ。」
ぐいっと翔子しゃんが持ち上げてみせたのはおっきなおっきな一升瓶だったでし。
「出雲さん、らっきょうの料理に今回挑戦してみました。よろしければ召し上がってください。」
すいっとシャオしゃまが出したのはたっぱーという入れ物に入った漬物でし。
うーんしょれにしても・・・わざわざこんなおみやげを用意しゅるってこと自体なかなかないでしよね。
しかし!今宮内神社はくさい野菜と酒は禁物でし!
「ありがとうございます、謹んでお受け取りします。」
がくっ
い、出雲しゃん!しょんな素直に受け取っちゃだめでし!
こうなったら離珠奥の手でしー!
ぴぴーっ!!!
「わわっ!?」
おもいっきり力を込めて離珠は笛を吹いたでし(こんなときのために用意しておいたんでしよ)
けたたましい音に、出雲しゃんも翔子しゃんもシャオしゃまもびっくり。
唖然として三人ともこちらを見てたんでしが・・・やがて、出雲しゃんがこほんと咳払いをしたでし。
「失礼しました。ええとですね、現在わが宮内神社では、くさい野菜とお酒はご法度でして・・・。」
「そうなの?」
「そうなんですか?」
「ええ、修行の邪魔となりますので・・・実に勿体無いのですが・・・いや、本当に残念なのですが・・・。
是非とも素直にいただきたいところなのですが・・・何より翔子さんやシャオさんがわざわざ持ってきてくださって・・・。
私としては、断腸の思いなのですが・・・。」
「「・・・・・・。」」
出雲しゃん、ひっじょおに見苦しいでし。
「わかったよ、そこまで言うならしょうがない。あたし達はとっとと退散するよ。
じゃあシャオ、帰ろう。」
「あ、え、ええ、はい。」
翔子しゃんが見かねたのか、シャオしゃまの手をとってくるりと踵をかえしたでし。
「じゃあな、おにーさん。またの機会になー。そんなもんあるかどうかしんないけどー。」
「えっと、それでは出雲さん、ごきげんよう。」
「あ、ああああ・・・。は、はい・・・。」
よよよよー、と手をのばす出雲しゃんだったでしが、
しょの向こうをてくてくと階段を下りてゆく翔子しゃんとシャオしゃま。
ふう、なんとか解説終了でし。
「・・・非常にやるせないですね。」
まあしょうがないでしよ。
「しかし気になります・・・。翔子さんはどうやってあの“真澄”を手に入れたのやら・・・。
今宵楽しくなれるという、あの酒を・・・。」
しょんなにしゅごいものなんでしか?
「ええ、まあ。・・・分かる人にしか分からないネタなんですけどね。」
ほえ?


戻るでし。