≪き≫でし!


「聞いて極楽見て地獄」でし
「シャオちゃん!!山へ行こう!!新鮮な空気、うっとりするような景色を見に行こうぜ!!」
学校の帰り道、唐突にたかししゃんがこんな事を言い出したんでし。
当然太助しゃま達も一緒に聞いていたわけでしが。
「なあたかし、おまえの言うそれってどこの山だ?」
「えーと、飛駆井山だ。あそこの自然は綺麗だってよ。」
「たかしくん、僕もニュースとかで聞いたけどなんか怪しくない?」
「そうそう。遠藤の言う通りすっごく美化して宣伝してるんだよな。やめといた方が良いぜ。」
翔子しゃんの言葉に皆がうんうんと頷いたでし。当然たかししゃんは反論したんでし。
「そんなわけがあるか!!とにかくシャオちゃん、行こうよ。」
「え、ええ。」
シャオしゃまもなんだか疑わしげな顔だったんでしが、結局はOKしたでし。
もちろん皆しゃんも一緒でしよ。つまり、いつものメンバーでって事でし。
そして翌日。飛駆井山へ行ったんでしが・・・。
「・・・騙された。おもいっきりゴミだらけじゃないか〜!!」
「でもペンションがある辺りは綺麗だよな。なるほど、こんな山道はどうでもいいって事か。」
「自然をここまで汚くしているとは・・・許せん。」
「おいおい、落ち着けよキリュウ。」
「でもほんと汚いね。掃除しようにもこれじゃあ・・・。」
「あたしに任せなさい!!陽天心召来!!」
ルーアンしゃんが散らばっていたゴミ全てに陽天心をかけたんでし!
そして、あっという間にそれらはゴミ袋の中へと・・・。
「すっげえ、ルーアンってこんな事もできたんだ・・・。」
「さすがですわ、ルーアンさん。」
「えっへん!もっともっと誉めて誉めて〜。」
「ルーアン先生、最高です!!」
「たまには役に立つんですねえ、ルーアン先生って。」
花織しゃん、余計な事を・・・。まあ半分当たっているでしが。
「なんですって小娘ー!!」
「わっ、わっ、ルーアンよせって!!」
「せっかく片付けたのが全て無駄になってしまいますよ!!」
とまあ、色々あったものの、なんとか楽しむ事が出来たでし。
えーと『聞いた事と見た事では、大きな違いがある』という事でし。
もう一つ言えば、ゴミを片付けたルーアンしゃんの噂を聞きつけて会いに来た人達。
まあ、そんな人がもしいるとすれば、それこそ・・・という事でしね。


「聞かずの一杯」でし
『酒の席などで言われることわざで、人に酒をすすめる時、
相手が辞退しても最初のいっぱいだけはあまり相手を気にしないでついで良いとされている』という事でし。
とりあえず酒の席を用意しないといけないでしね。
「くぉらー!!離珠、そんな難しく考え込んでないで飲むのじゃー!!」
な、なんと南極寿星しゃんでし!しかもすっかり出来あがってるでし!
「ほれ!」
とくとくとくとく・・・
無理矢理ついできたでし。それにしてもいつの間に・・・って、すんごい酒臭いでし〜。
「小僧!!おぬしも飲め!!」
「いや、俺はまだ未成年・・・」
「何を言うか!!ほれ!!」
とくとくとくとく・・・
太助しゃまにも問答無用でついでるでし。
「南極寿星!いいかげんにしなさい!」
「シャオリン様も飲むのじゃー!!」
とくとくとくとく・・・
怒るシャオしゃまもなんのその、おもいっきりついでるでし。
「ほれほれ、慶幸日天!!」
「あ、あのね・・・。」
とくとくとくとく・・・
「ほれほれ、万難地天!!!」
「・・・・・・。」
とくとくとくとく・・・
なんだかだれかれ構わずお構いなしにやってるでし。
誰か収拾つけてくだしゃ〜い!!
こんな時に那奈しゃんてば一体どこに行ったんでしか・・・。


「木から落ちた猿」でし
『たよりにしているところをなくして、にっちもさっちもいかない事のたとえ』という事でし。
「つまりこれは、支天輪をなくしたシャオ、ってことだ。」
翔子しゃん、そういう事は言ってはならないでし。
「まあ聞けよ。シャオがそんな状態になったら、シャオは誰を頼りにする?」
・・・太助しゃまでしか?
「そうその通り!!だのに今の七梨は本当に頼りにしていいのか?
まだまだだ!そこで、キリュウの試練を徹底強化!!」
今日の翔子しゃんはやけに燃えているでし・・・。
「さあて、早速キリュウに吹き込んでこようっと。」
ふ、吹き込む!?ちょっと待つでしー!!
「やだなあ、言葉のあやだよ、あや。キリュウに言うのは変わらないけどさ。」
どんなに試練が厳しくなるのかちょっと恐いでし・・・。


「木七竹八塀十郎」でし
『木は七月に切るのがよく、竹は八月に切るのがよく、
土塀は十月に土を塗るのがよい』という事でし。
ちなみにここでいう月は太陰暦の月でしから、太陽暦より一ヶ月前後遅れているんでしよ。
「よくそんな雑学知ってるね、離珠ちゃん。」
乎一郎しゃん、えっへんでし。
「折角だから早速実行に移してみない?」
それは無理というものでし。離珠にはとてもじゃないけど無理でし。
「そうかあ・・・だったら僕がやってみようかな。」
陽天心でしか?
「どうしてそうなるの・・・。僕は陽天心なんて使えないよ。」
ルーアンしゃんに色仕掛けを使えば大丈夫でしよ。
「僕は色仕掛けなんてしないけど・・・。」


「雉鳴けば地震あり」でし
『キジは人間には感じられないほどの小さな変化を感じ取って、
地震を予知してケン、ケンと鳴く』という事でし。
なんでも、地震を最も速やかに感知するのだという事でし。
「・・・離珠殿。」
なんでしか?
「文殿はキジでは無いのだが・・・。」
もう、誰が文しゃんを例えにするって言ったでしか。
キリュウしゃんを例えに出すんでしよ。
「私もキジではない。」
でも大地の精霊しゃんでし。地震が起こる前に何か感じてもらわないと嘘でし。
「そう言われても・・・。」


「鬼神は邪(よこしま)無し」でし
『神は正しくない事や道理の曲った事はしない』という事でし。
・・・以上でし!
「離珠さん、例えは出さないんですか?」
じゃあ出雲しゃん、お願いするでし。
「分かりました。えー、宮内神社の神主として、神に仕える私といたしましては・・・。」
・・・この後延々と一時間ほど語られてしまったんでしが、よくわかんなかったでし。
「どうしたんですか?離珠さん。」
な、なんでもないでしっ!


「北に近ければ南に遠し」でし
『分かりきったこと、当たり前のこと』という事でし。
例えば・・・
「例えはいらねーと思うぞ。」
虎賁しゃん!そんな消極的じゃあダメでし!
「じゃあ、軍南門ほど大きけりゃ離珠は・・・」
べちゃ
「ぶっ。なにすんだ!!」
だああ、先に言っちゃあダメでしよ!!
「だからって筆をおいらにぶち当てるな!!」
あ!筆と墨を使うと黒くなる、でし〜♪
「・・・離珠がことわざ解説をしようとすると誰かが被害に遭う、だな。」
な、何てこと言うでしか!


「北枕で寝るな」でし
『お釈迦様が北枕で死んだからか、人が死ぬと北枕に寝かせる習慣がある。
それで縁起をかついでこのように言う』という事でし。
「でも、医学的根拠などなかったのだな。」
そうでし。でも冬は北風を受けて寒いかもしれないでし。
「なるほど・・・。私は寒いのは嫌いだから気をつけるとしよう。」
ところでキリュウしゃん。
「なんだ?」
どっちが北なんでしか?
「・・・試練だ、考えられよ。」


「気違いに刃物」でし
ルーアンしゃん!どうして陽天心召来を使いまくってるんでしか!
という言葉によって、説明されたも同然でし。
『常識的な思考力、判断力を失った者に刃物を与えれば、
刃物のまっとうな使い方をしないのだから危険極まりない』という事でし。
「離珠、いくらなんでも言い過ぎじゃね〜か?確かに常識の無い奴だけどさ。
それなりにぼうずのことを考えてるんだと思うぜ。
まあ、そうでない時も結構有るけど・・・。」
そうでない時なんてしょっちゅうでし!ううー・・・。


「狐七化け狸は八化け」でし
『キツネは化けるのがうまくて七種類にも化けるが、
タヌキはもっと化け方が上手だ』という事でし。
実例を示してもらうでし。那奈しゃん、頼んだでしよ!!
「・・・あたしに何をどうやって示せってんだよ。」
だってキツネしゃんは七化けでしから。
「そんなくだらないシャレは却下だ。他の奴に頼め。」
だったらタヌキしゃんをお願いするでし。
「だから無理だって言ってるだろ!?」
他に頼む人が居ないんでしよー。
「あたしだって頼まれるいわれはない!!」


「狐に馬を乗せたよう」でし
虎賁しゃ〜ん、乗るでしよ〜。
「お、おうっ!」
ずしっ、と虎賁しゃんに肩車をしてもらったでし。
「くっ、お、重い・・・。」
失礼でしねっ! 離珠はそんなに重くないでし!
「体格を考えろ!う、うわっ!」
わわっ、バランス悪いでし〜!というわけで!
『いつもぐらぐら動いていて落ち着かぬこと。
また、言うことがあてにならないこと』という事でし。
「ふっ、球技の星神のおいらにとっちゃあこれくらいへのかっぱ!」
ぐらぐらぐら
虎賁しゃん今にも倒れそうでし〜!


「杵で頭を剃る」でし
今回は折威しゃんがゲストでし〜。
折威しゃんは三人いて、すんごく重いんでしよ〜。
ちょいちょい
え?なんの為に呼んだのかって?
決まってるでし!!折威しゃんにお空を飛んで欲しいんでし!!
すると三人の折威しゃんはぶるぶると首を横に。
そりゃまあ確かに、こういうのは軒轅しゃんに頼むべきでしよね。
と、こんな風に『とうてい無理な相談』という事でし。
いやあ、無事に終わって良かったでし・・・って三人ともどうしたんでしか?
え?三人同時に離珠に乗っかるから見事背負って100メートル歩いてみろ?
そ、それこそ無理な相談でし!!
何をそんなに恐い顔してるでしか。や、やめるでしよー!!!


「杵で当たり杓子で当たる」でし
ルーアンしゃん、あの杵に陽天心でし!
「はいはい。陽天心召来っ」
ぴかーっ
意志を持った陽天心杵しゃんが起き上がったでし。
では次にあの杓子にも陽天心でし!
「はいはい。陽天心召来っ」
ぺかーっ
意志を持った陽天心杓子しゃんが起き上がったでし。
そして壁に当たり散らすでしーっ。
「はいはい。さあ、ごみチビを攻撃よーっ」
な!?
慌てふためいてると、杵と杓子が離珠に襲い掛かってきたでし。
ま、まずいでしーっ!
脱兎のごとく離珠は逃げ出したでし。
「ま、そういうわけで、『さんざん当り散らす。八つ当たりする』という事よん。」
ルーアンしゃん、約束が違うでしー!
「何に当たろうとあたしの勝手でしょ。っていうか、なんであたしに依頼したのよ。ばっかね〜。」
くうう、離珠の大失敗でしー!


「木登り川立ち馬鹿がする」でし
「なんで馬鹿なのよ。時と場合によるじゃない。」
花織しゃん、そう怒らないでくだしゃい。
これはつまり、『木登りや水泳ぎは危ない』という事でし。
だから要は、危ないんでしよ〜って事をいったものなんでしから。
「でもねえ、体育の授業であたし達は泳がなきゃならないんだけど・・・。」
それはそれでしょうがないでし。
「しょうがないから、馬鹿ってのは納得がいかないのよ!」


「杞憂」でし
ただいま離珠たちはルーアンしゃんの部屋にいるでし。
御飯を食べ過ぎてお腹を壊したルーアンしゃんをみんなで気遣っているんでし。
「大丈夫か、ルーアン?いつもいつも食べ過ぎなんだよ。」
「ルーアンさん、もう少し遠慮した方が良いんじゃないですか?」
「ルーアン殿、これも試練だ。耐えられよ。」
なんだか気遣っているのかいないのか分からないセリフでしねえ。
ルーアンしゃんはがっくりとしながら応えたでし。
「みんな・・・。あたしはもうだめだわ・・・。慶幸日天が食べ過ぎで死んじゃうなんて・・・。」
死ぬう?何てこと言うんでしかルーアンしゃん!気をしっかり持つでしよ!
今晩は離珠がそばについていてあげるでし!
「離珠、心配いらないって。」
太助しゃま、なんて冷たいんでしか!離珠はルーアンしゃんの側にいるでし!
・・・そして翌朝。ルーアンしゃんは相変わらずの食欲で朝御飯を食べていたでし。
離珠の疲れた顔を見て太助しゃまが言ったでし。
「離珠・・・。だから心配いらないって言ったのに・・・。」
『無用の心配、取り越し苦労』という事でし。
まったく、離珠の苦労はいったいなんだったんでしかー!!


「九牛の一毛」でし
これは普段のお食事風景を例にとって見るでし。
比べてみるのは離珠の食べる量とルーアンしゃんの食べる量。
言うまでも無く離珠はとっても体が小さいでし。
当然食器もそれに合わせて小さく、食べる量も他の人に比べるとものすごく少ないでし。
そんでもってルーアンしゃん。がつがつがつがつと・・・。
当然普通の大きさで、とにかくなん皿もなん皿も食べるんでし。
もちろんその量は半端じゃないでし。まさしく超人でし。
もう分かるでしね。ルーアンしゃんの食べる量に対しての離珠の食べる量、という事でし。
『多数の中の極めて小さな部分で、ものの数でない』という事でし。
離珠が普段一食で食べている量なんて、ルーアンしゃんにとっては食べたうちに入らないでしねえ。
「離珠、それってぼうず達にとっても同じのような・・・。」
もう、別に良いじゃないでしか、虎賁しゃん。この方が分かりやすいでしよ。
「ま、それもそうだな。」


「牛耳る」でし
たまには虎賁しゃんに解説してもらうでし。というわけでどうぞでしっ。
「さっすが分かってるな、離珠。
こんな事もあろうかと、ついさっき月天様に羽林軍達を呼んでもらった。」
ふと虎賁しゃんの後方に注目すると、果たして羽林軍しゃんが・・・。
一体いつの間にそんな事を予想していたんでしかねえ?
「それじゃあいくぜ、羽林軍!!とりあえず庭を十週、おいらについて来い!!」
“おーっ!”っと何やら歓声みたいなのが起こったかと思ったら、皆しゃんが一斉に走り出したでし。
実はここは庭先なんでしね。まあ離珠は縁側に座って見学でし。
「ほらほら、しっかり走る!ペースを乱すなよ!」
力いっぱい指図する虎賁しゃんに、皆しゃんちゃんと従っているでし。
「おーし、だいぶそろってきたな。じゃあ少しペースを上げる。
ちゃーんと一定のスピードでついて来いよ!!」
・・・とまあ、そんなこんなで庭を一生懸命に走っているんでしね。
『グループや団体のリーダーとなって、自分の考え通りに人を動かす』という事でし。
今羽林軍しゃん達を今仕切っているのは虎賁しゃんでし!という事でしね。
「コラ離珠!!そんな所でのんきに構えてないでお前も走れ!!」
え〜?なんで離珠まで・・・。
「文句があるんなら口で言え、それ以外は聞かないからな!!」
なんなんでしか、それは!!いくらなんでも横暴でし!!
・・・と思ったものの、なんだか羽林軍しゃん達の視線も気になったので離珠も一緒に走る事に成ったでし。
ふう、ふう、なんでことわざ解説役が走らなきゃならないんでしか・・・。


「窮すればつうず」でし
「前あったことなんだけど、難しい数学の宿題が出たんだ。」
ふむふむ。
「あんまり好きじゃなかった数学だけど、悩んで悩んで・・・でもなんにも分からず。」
ふむふむ。
「けれど意地になって考えて考えてしてたら・・・すって解けたんだよそれが。
いやあ、あの時は感動したなあ。」
どうもでし太助しゃま。
『どうにもならないほど行き詰まってくると、意外に色々な解決の道が見付かり、
なんとかなるものである。』という事でし。
「主殿、離珠殿、これは試練にも言える事だ。」
「キリュウ。」
どういうことでしか?
「私が与えた試練が、なかなかなかなか超えられない、そんな時があるだろう。
しかし、行き詰まっても挑戦しているうちに、必ず道は見えてくる。」
「けどとんでもなく難しかったりするよな。
宮内神社の件では結構俺焦ってたりしたんだ。でもあの時はほんとさんきゅうな。」
ともかく、色んなものでこういうのは言えたりするでしね。
「ところで離珠殿はことわざ解説に詰まったりしないのか?」
「つまっても大丈夫だろう。詰まったからこそいい例えが!」
そう簡単にいくものでは無いでしが・・・頑張るでし!


「窮鼠猫をかむ」でし
「待てー!ごみちびー!!」
離珠がルーアンしゃんのおやつを少し食べたんで、今まさに!
離珠はルーアンしゃんに追いかけられてしまっているんでし。
そしてとうとう、壁際に追い詰められたでし。
「ふっふっふ、覚悟しなさいよ、ごみちび。」
むう、いつもいつもごみちびなんて言って・・・。
離珠のすごさを見せつけてやるでし!
そして離珠は大きくジャンプ。ルーアンしゃんの前髪にぶら下がって、
思いっきりルーアンしゃんの顔めがけてキック!
「いったーい!」
ちょうど急所に当たったみたいで、ルーアンしゃんはうずくまってしまったでし。
『どんなに弱いものでも、追い詰められれば意外な力を発揮する』という事でし。
離珠のすごさ、おもいしったでしか!


「窮鳥ふところに入る」でし
「まてー!ごみチビー!!」
うわわわっ!
今離珠はルーアンしゃんに追っかけられてるでしー!
と、そこへ丁度よく太助しゃまが!
助けてくだしゃいでし〜!!
「わわっ、離珠!?」
慌てて離珠は太助しゃまの懐に飛びこんだんでし。
「あっ!たー様の懐に飛びこむなんて!」
「こらルーアン!離珠をいじめちゃだめだろ!」
太助しゃまの一喝に、ルーアンしゃんはぴたっと止まったでし。
『追い詰められた鳥が、逃げ切れなくなって自分の懐に飛びこんでくる。
追い詰められて困ってる人が、どうにもならなくなって救いを求めてくる。
そうしたらほうってはおけない』という事でし。
ふう、助かったでし〜。
「それにしてもなんで追いかけられてたんだ?」
・・・きゃー!ルーアンしゃ〜ん!
というわけで、次はルーアンしゃんの懐に!
「素直にことわざ解説のためだって説明すればいいじゃないの。」
二重の捻り、でしよ。
「なんのこっちゃ。ん?どうかした?たー様。」
「・・・・・・。」


「今日の後に今日なし」でし
「さあてシャオ、今日はとっても大事な話をするからよく聞けよ。」
「はいっ、翔子さん。」
「このところ気候とかが変だ。・・・とか、細かい事はさておき、
明日何が起こるやら分からない!最近そんなだよな。」
「ええ・・・。いくら平和な時代と言っても、先の事はわかりませんものね。」
「そこでだ!今のうちにやるべき事やって・・・」
「やまのべぇー!!お前またシャオに変な事をふきこもうとしてるなー!!」
雰囲気に気付いたのか、おしいところで太助しゃまのちょっかいが入ったでし。
えーと、『今日という日は二度と来ないから今日の事は今日せよ』という事でし。
「ちぇ、七梨の奴わかってんのかなあ。
今日キスくらいしとかないと、明日はやばいかも知れないって事。」
「そんな発想にもっていこうとするんじゃない!!」


「曲学阿世」でし
『真理を曲げた学説をとなえて、世の中の多くの人や権力者の機嫌をとり、
世間に気に入られるようにする』という事でし。
ルーアンしゃんって鶴ヶ丘町一美人でしねー。
「おっほっほ。」
ルーアンしゃんって日本一美人でしねー。
「おっほっほ。」
ルーアンしゃんって世界一美人でしねー。
「おーっほっほっほ!」
・・・とまあ、こういう事でし。
「こぉんのごみチビー!!!
って怒る前に、絶対その例えっておかしいと思うわよ。」
おかしくないでし!真理を曲げてるでし!
「ふざけんなー!!絶対に許さないんだからー!!!」
「その通りだよ!!ルーアン先生が美人なのはこの世の真理なんだー!!」
こ、乎一郎しゃん、いつのまに・・・。
「さっすが遠藤君ね。わかってるじゃない。」
「いえいえ。そういわけだから離珠ちゃん!でたらめは良く無いよ!!」
うぐ・・・多勢に無勢とは卑怯でし・・・。


「嫌は知らぬの唐名」でし
これはつまり・・・
“キリュウちゃん、このアルファベットを読んでみてくれ!”
“・・・私は横文字は嫌いだ”
ということなんでしー!!
『負け惜しみの人は、知らぬというのがしゃくなので、それは嫌いだと言う場合が多い』という事でし
「そういえばキリュウちゃんって暑いとか寒いのもしょっちゅう嫌いって言ってるし。」
たかししゃん、それの場合は違うと思うでしよ。
「二人とも、人をダシにして語り合わないでもらいたいのだが・・・。」


「麒麟児」でし
『想像上の動物“麒麟”のように、現実にいそうも無いほど賢く優れた若者』という事でし。
「これはさすがに例えの出しようが無いよなあ・・・。」
そういう事でし、太助しゃま。
「現実にいそうも無い、か。ちくしょう、いたいよなあ・・・。」
太助しゃま、ひょっとして名乗り出ようとか思ってないでしか?
「え?い、いや、別に。」
じーっ。
「な、なんだよその目は。俺はそこまで図々しく無いぞ!
たかしなら名乗り出るかもしれないけど・・・。」
自分から麒麟児を名乗る若者がいるのはちょっと許せないでし。
「そうだよなあ、ははは。」
じぃーっ。
「だからその目をやめろって。」
冗談でしよっ、太助しゃま。


「木を隠すなら森」でし
「これってよく聞く言葉だよな。別の言い方をすれば、離珠を隠すなら紅白饅頭の紅い饅頭の集まりの中、とか。」
那奈しゃん、それは全然意味がないでし・・・。
とにかく!『ある物を隠すならその同質の集まりの中がよい』という事でし。
ちなみに語源はとある推理小説の中のセリフだそうでし。
「へえ〜なんていう小説?」
えーっとでしねえ・・・
G・K・チェスタトンっていう横文字の人が書いた「ブラウン神父の童心」っていう本だそうでし。
うーん、ことわざって奥が深いでしねぇ〜。
「っていうかそれはことわざなのか・・・いやちょっと待てよ。」
待つ前にいっちゃうでし〜。
元々地面に根をおろしている木をどうやって森へ隠すのかって考えると、
森を作ろうって事になっちゃうでしよね。つまり・・・
「ああそうか、作っちゃえってことね。はいはい。」
いや、あの、那奈しゃん?
「大丈夫だって、大地の精霊が近くにいるんだし。彼女ならぱーっと一瞬で作ってくれるって。」
それは無理だと思うでしが・・・。


「金科玉条」でし
シャオしゃま、シャオしゃまはいつもお料理する時、どんな事を考えてるんでしか?
「そうねえ。みんなが美味しいって言ってくれるような料理を作るって事かな。
せっかく作るお料理なんですもの。やっぱり美味しく食べてもらわなくっちゃ。」
さすがでし、シャオしゃま。だからいっつもシャオしゃまのお料理は美味しいんでしね。
「シャオ―、ちょっとお腹が空いたから何か作ってくれないかな。」
「いいですよ、太助様。何が食べたいですか?」
「なんでもいいよ。シャオの作る料理はなんだって美味しいから。」
「ありがとうございます、太助様。」
なんてほのぼのの会話でしか!これもシャオしゃまが守っているもの、
“みなしゃんに美味しく料理を食べてもらう”のおかげでしね。
『りっぱな法則、範とすべきおきて』という事でし。
うーん、離珠もそういうのを作るべきでしかねえ・・・。


「金城湯池」でし
『金属で作った城と、熱湯を入れた掘の事。
いくら攻撃をしても近づけないように守りのしっかりした城。
また、守りのかたいそなえ』という事でし。
例えば!太助しゃまの揺るぎ無い精神は・・・
「はいはいはいはい。離珠、苦しいんならおいらに言えってんだ。」
虎賁しゃん、解説の途中で何を勝手に言ってるでしか。
「ふっ、こんな難しい言葉の時こそおいらの出番だろ?」
・・・誰かがのりうつったように見えるでし。
とにかく!ここは離珠が解説するんでしから虎賁しゃんは遠慮してくだしゃい!
「へへーん、これなーんだ。」
ん?ああっ!!う、薄皮饅頭ミニサイズ版でしー!!
「欲しいか?欲しいだろ?解説止めれば譲ってやってもいいぞ〜。」
くっ、こんな切り札を用意していたとは・・・。
でも離珠は負けないでしー!!
「おっ、頑張るじゃねーか。うん、今のその離珠の意志こそまさにそうだ。」
ふえっ?・・・虎賁しゃん、いくらなんでもそれは強引でし。
「さーて、解説終わったからこれは要らないなっと。いっただきまーす。」
ぱく
ああっ!!


戻るでし。