≪か≫でし!


「書いた物が物を言う」でし
『口約束は水掛け論に終わるので、書類が証拠として強力になる。
書類にしてあると、言い逃れや弁解はできない』という事でし。
つまり!!今まで離珠が紙に書いてきた事はばっちり証拠として残っているってわけでしね!!
「・・・離珠、その紙はどうしてる?」
ふっ、虎賁しゃん。“どうせ捨てたんじゃ”とか思ってるんでしか?
しっかり保管してあるでしよ!ちなみに場所は秘密でし。
「それならそれでいいと思うけど、離珠の場合文字じゃなくて絵だから、
人によって捉え方とか違ってくるんじゃねーか?」
大丈夫でし!虎賁しゃんが近くで素早く解説でし!
「なんでおいらがそんな事しなきゃならないんだ。」
昔約束したでし!ちゃんとこの紙に書いてあるでしよ〜。
「どれどれ・・・ふむふむ、
“虎賁しゃんにスパルタコーチをやってもらうでし!”だな。」
違うでしよ!!


「海棠の眠り」でし
ある日の朝、シャオしゃまと起きていつも通り朝食の準備をしていた時の事でし。
(当然太助しゃまや那奈しゃんやルーアンしゃんも起きてるでしよ。)
それで、キリュウしゃん一人だけ、後れて起きて来たんでし。
「・・・おはよう。」
「おはようキリュウ。相変わらず眠たそうだな・・・。」
「私は朝に弱いんだ・・・。」
眠そうに答えて椅子に座ったキリュウしゃん。
それに続いて、丁度準備が終わったのか皆しゃん座ったでし。
いただきまーす、と挨拶が告げられ、食べ始めたんでしが・・・。
「ちょっとキリュウ、いいかげん目を醒ましなさいって。」
「いや・・・起きてる・・・。」
「そう言ってる割にはうつらうつらしてるじゃないか。」
「・・・眠い・・・だけだ・・・。」
なんだかふらふらとしてとっても危なっかしいでし。
この様子じゃあ折角の朝食もまともに出来そうにないでしねえ。
「キリュウさん、ちゃんとお茶碗を持たないと危ないですよ。」
「うむ・・・。」
シャオしゃまがきちんと持たせるも、やっぱりふらふらと・・・。
とその時、那奈しゃんがポツリと言ったでし。
「そうやって眠たそうなキリュウって何か可愛いよな。なあ太助。」
「なんで俺にふるんだ。ま、まあ可愛いんじゃないの。」
「そういえばそうねえ。何かしらの魅力を感じるわあ。」
「キリュウさん、素敵ですよ。」
よく分からないまま、他の皆しゃんも次々に那奈しゃんに続いたでし。
それを聞いた後、キリュウしゃんの顔が真っ赤に。どうやら完璧に目がさめたみたいでしね。
『美人が眠りから冷めて、まだうつらうつらとした眠り足りなさそうな、魅力のある様子』という事でし。
とまあ、そんなこんなで無事朝食は終了。
そして学校へ行った後もキリュウしゃんはずうっと真っ赤だったでし。
おかげで試練はほとんど行われなかったんでしよ。


「かえるの子はかえる」でし
『子供の性質は親に似る。普通の人の子供はやはり普通になる』という事でし。
というわけで、太助しゃまや那奈しゃんもいずれ、太郎助しゃんやさゆりしゃんみたいになるんでしね。
「・・・なんかなあ、素直に喜べないんだけど。」
「旅が好きだってんで那奈姉は十分だよな。」
「まあ否定はしないけどな。」
「あと、アバウトな点。後先考えずに品物送ってくる親父にそっくりだ。」
「それってアバウトっていうのか?あたしの事より太助、お前はどうなんだ。」
「別に・・・。」
おおっと!太助しゃまが目をそらしてしまったでし!
「妙な解説入れるなあ。まあいいや。あたしが思うに、太助は母さん似、だと思うけどな。」
「そうか?」
「そ。他人に対して妙に優しい所とかな。」
なるほどお、それは言えてるでしねえ。
「という事は将来、俺は母さんみたく、那奈姉は親父みたくなるって事か。」
「・・・という所で置いておこう。」
おおっ、なんて素直なんでしか!というわけで御終いでし〜。
「「あんまり文句言っても離珠に反発されるだけだしな。」」
なんか言ったでしか?
「「別に。」」


「かえるの面に水」でし
花織しゃん、これはなんだと思うでしか?
「ルーアン先生に食べ物!これっきゃないでしょ。」
さっすが、分かってるでしねえ。
というわけで、翔子しゃんに頼んでたくしゃんのパイを用意したでし。
「わあ〜、山野辺先輩凄い!」
「たくう、これで一体何をするつもりだ?」
決まってるでし。これを・・・とと、そうこうやっているうちにルーアンしゃんの登場でし!
「よぉ〜し、頑張るぞっ。山野辺先輩もどうぞ。」
「いや、あたしは遠慮しておく。じゃあな・・・。」
ありょ、パイを用意しただけなのに去ってしまったでし。
でもいいでし。ちゃんと離珠用のちっちゃな物もあるし。
さあ花織しゃん、やるでしよっ!!
「おっけい!」
そしてルーアンしゃんがこちらへ来ようかという時。
「えいっ!」
ひゅ〜・・・ぺちゃっ
「ぶっ!こ、これは・・・パイ?」
離珠もやるでし!
ひゅ〜・・・ぺちゃっ
「ないす離珠ちゃん!よーし、まだまだあたしも!!」
ひゅ〜・・・ぺちゃっ
ひゅ〜・・・ぺちゃっ
次々と投げられるパイ。そしてそれがルーアンしゃんの体中に命中。
特に反撃する気配は無いでし。やっぱり食べ物だからでし!
『どんな嫌な事を言われたりされたりしても、平気な顔をしている人の様子』という事でし。
ひゅ〜・・・ぺちゃっ
ひゅ〜・・・ぺちゃっ
「・・・あんたらええかげんにせんか〜い!!!!」
わ、わわっ!怒ったでし!!
「くっ、ここは一時退散よ!!ほら早く、逃げるわよ離珠ちゃん!」
わ、わかったでしっ!
ありったけのパイを抱えて花織しゃんが猛ダッシュ。
それを真白なルーアンしゃんが追っかけてきたでし。
「ざけんじゃないわよー!!・・・がつがつ。
こんな食べ物を投げれば・・・がつがつ。
あたしはなんとも思わないと思ったの〜!?・・・がつがつがつ。」
文句いってる割にはしっかり食べてるでし。
「やっぱりルーアン先生ねえ・・・。」


「蝸牛角上の争い」でし
えい!やあ!とお!
と、ただいま離珠は格闘してるでし。
相手は虎賁しゃんでし!場所は饅頭ヶ丘の上でし!
「離珠、いいかげん参ったと言え!」
いやでし!
「くっそー、めっちゃくちゃ小さくされてなんでこんな事しなくちゃならねーんだよー!」
そうなんでし、実は今はキリュウしゃんに更に小さくされている状態なんでし。
なんでこうなっているかというと・・・まあ理由は様々でし。
「離珠が希望したんだろうが・・・。」
そ、それもそうでしが・・・力比べがしたかったんでしよ〜。
「なんの為に・・・。」
力試しでし!
「なんてつまらない理由だ・・・。って、おいらを巻き込んでんじゃねー!」
だったらさっさと参ったっていうでしよっ。
「冗談じゃない。離珠なんかに負けたら球技の星神の名折れってもんだ。」
むう、頑固でしねえ・・・。離珠は絶対虎賁しゃんに勝つでし!
『小さな争い、つまらない争い』という事でし。
「自分でそんな事が分かってるならわざわざするな〜!」
ことわざ解説は大変なんでしよー!
「そういう問題じゃねーだろー!!」
とまあ、小一時間ほど格闘が続いたわけでし。
結果は引き分け。またやるでしっ!
「やらなくていい・・・。」


「火牛の計」でし
『牛の尾にたいまつを結びつけ、火に驚いた牛の勢いを利用して敵陣を攻める戦術。
知恵を絞って計画する、思いがけない戦術の例え』という事でし。
実際にやってみるでし!ねえ花織しゃん!
「なんであたしに言うのよ。牛なんて飼ってないのに。」
ええっ?だってたかししゃんから聞いたんでしよ。
「野村先輩から何を聞いたか知らないけど、あたしは・・・」
花織しゃんの“花”を“火”に変えて、“織”を“を”と“利”に変えればほら!
“火を利”ってことで、かなり例えに近くなるでし!!
「うわー、知恵を絞った思いがけない解説ねー。」
あんまり驚いて無いみたいでしが・・・。
「あったりまえでしょ!?人の名前をなんだと思ってるのよ!!
無い知恵絞って強引な解説なんかしようとしないでよ!!」


「佳境に入る」でし
離珠のことわざ解説絶好調でし!というわけで、
『話や事件などがだんだん面白く興味深い所に入っていく』という事でし。
「待て離珠。どこが解説なんだ?ん?」
虎賁しゃん・・・。それはでしねえ、秘密でし。
「ひ、秘密!?解説するのに秘密があるのか!?」
そうでし。これぞ解説の醍醐味でし。それから、
“佳境”とは、なんともいえず素晴らしいところ、という事なんでしよ〜。
例えば薄皮饅頭は・・・
「はいはい、そんなもんはいいから。で、秘密って何なんだ?」
だから秘密でし!
「まさか解説ってその秘密の部分だけじゃ無いだろうな。」
・・・秘密でし!
「まあいいさ、お楽しみは後にとっておいてやる。」
えうー、一体なんのつもりでしか・・・。
「んな事より、ぼうずと月天様の仲はどんなもんかな。
ぼうずが月天様に告白して、これからが・・・ってとこだよな。」
か、勝手にそういう事を言っては困るでしよ虎賁しゃん!
「離珠が意地はってるからだぜ。それとも話す気になったか?」
ぐっ・・・。


「陽炎稲妻水の月」でし
太助しゃま!あんな所にシャオしゃまが!!
「なにっ!?どこだ!!」
ほら!あの湖に!!
「ほんとだ!シャオー!!」
ザッバーン!!
勢い良く湖に飛び込んだ太助しゃま。
しかし!湖に写ったシャオしゃまを助ける事はできなかったでし!
『つかまえることのできないもの』という事でし。
ごぼごぼごぼ・・・ざばぁ
「・・・離珠。」
あっ、太助しゃま。無事だったでしか。
それじゃあ早速シャオしゃまを呼ぶでし。
「ことわざの手伝いとはいえ、俺自分のやってる事に疑問を感じるんだけど・・・。」


「牙城」でし
軍の主将が居る所には旗ざおの先に象の牙を飾った牙旗が立てられていたそうでし。
牙城とは牙旗を立てた城の事で、『強力な人間の居る場所。強敵の居る根拠地』という事でし。
早速離珠が旗を立てるでし!!
「というわけであたしのところに来たってわけ?」
そうでし!ルーアンしゃんの部屋の前に旗を立てるんでし!
「言っとくけど、ここってもともとおねーさまの部屋なんだけど・・・。」
それでもいいでし!離珠は強敵と認めるでし!!
「なんで強敵なんだか・・・。」
色んな意味ででし!
「はいはい。」


「霞に千鳥」でし
霞は春のもので、千鳥は冬のものなんでし。というわけで、
『一緒ではふさわしくないものは一緒ではありえないもののたとえ』という事でし。
「では早速たとえに移るとしよう。シャオ殿、たしか車騎殿は二人一組。女御殿も二人一組だったな?」
「ええ、そうです。」
「では、車騎殿の一人と女御殿の一人と交代してみるとなるとどうだ?」
「それでは星神の役目を果たせなくなってしまいますわ。」
「うむ。そういうことだな。」
キリュウしゃん、ふさわしくないは合ってるでしが、ありえなくはないでしよ。
「たしかに交代などはできなくもないかもしれない。
しかし女御殿みたいに車騎殿は飛べないであろう?そういうことだ。」
「ふええ、言われてみればその通りですねえ。」
納得していいんでしかねえ・・・。


「かせぐに追いつく貧乏なし」でし
「離珠、お願いがある。」
なんでしか、太助しゃま?
「この言葉はそのまんま解説して終わりにしてくれ、な。」
そういう相談は受けられないでし。
「そうか・・・。だったらしょうがないな、離珠の御飯はこれから一切抜きだ。」
な、なんでしと!?一体どういうつもりでしか、太助しゃま!
「訳は聞かないでくれよ・・・。とにかく、そのまんま言って終わりにするんだ。」
・・・分かったでし。
『一生懸命働けば、収入も増えて貧乏する事もなくなり、生活も楽になる』という事でし。
それにしても太助しゃまは一体何故そんな事を・・・。
「御約束ってやつだよ。」
ふえ?


「敵の前より借金の前」でし
昔々あるところに、出雲しゃんという金貸し神社の神主さんが居たんでし。
出雲しゃんは村一番の美人であるシャオしゃまをたいそう好いていたそうでし。
ところが、他にもシャオしゃまを好きな人は居て、それはたかししゃんと言ったそうでし。
すなわち二人はライバルだったというわけでしね。
「出雲ー!!シャオちゃんはお前なんかに絶対わたさないからなー!」
「ふっ、そう粋がっていられるのも今のうちだけですよ(ふぁさぁ)」
毎日の様に二人は争いを繰り返してたそうでし。
ところがある日・・・。ギャンブルにおもいっきり負けたたかししゃん。
困って困って困り果てて・・・出雲しゃんにお金を借りてしまったんでし。
それからというもの、例えば出雲しゃんがシャオしゃまと並んで歩いていても・・・
「出雲ー!てめえ、俺のシャオちゃんと何散歩してやがるんだー!!」
「文句があるなら借金を払ってくれませんかねえ?(ふぁさぁ)」
「うっ・・・ち、ちくしょー!!」
というふうに、まるでかなわなくなってしまったんでし。
『金を貸してくれた人の前では頭があがらない。借金はつらいものだ』という事でし。
大変でしねえ、たかししゃん。


「火中の栗を拾う」でし
「出雲さんて素敵ですね。」
「いやあ、それほどでもありませんよ。(ふぁさぁ)」
「一つお願いがあるのですが、よろしいでしょうか?」
「ええ、何なりとどうぞ、シャオさん。(ふぁさぁ)」
「学校の屋上から飛び降りてみて欲しいんですが。」
「え・・・。」
「ダメですか?」
「い、いえ、やりましょう!!」
そんなこんなで、出雲しゃんは学校の屋上から飛び降りて・・・
という前に、翔子しゃんが慌てて止めに来たんでし。にやにやと笑いながら・・・。
どうやら、シャオしゃまの妙な言動は翔子しゃんが仕組んだ物だったみたいでし。
『人におだてられて、その人の為に危ない事をする』という事でし。
「しっかし単純だよな。シャオに言われたからってしようとするなんて。」
「翔子さん・・・。そういう変な事は止めてください!大事になったらどうするんですか!」
出雲しゃんの言う事ももっともでしが、やろうとした時点で説得力が無いでし・・・。


「隔靴掻痒(かっかそうよう)」でし
秘密:これは世紀末企画でし!・・・って、なんてバレバレなんでしか!!

「さあて。このあたしが、ありきたりじゃなくていい例えを出してあげるわ。」
ルーアンしゃんがそういう事を言うなんて珍しいでし。
ささ、どうぞでし。
「あれは夏、たー様がシャオリンと二人きりで山に出かけたとき。
あとを付けていったあたしが偶然にもたー様と二人きりとなってね・・・。」
それはルーアンしゃんが原因じゃないでしか。
「シャオリンにも責任があるわよ。まあともかく、あたしがたー様に尋ねたわけよ。
“シャオリンに好きって言うの?”って。そしたらたー様は言ったのよね。
“言わない。・・・言っても多分、伝わらない”って。
その時あたしは思ったわけよ。“どうしてそう思うの。あなたが言わないから伝わらないのに。
あなたは幸せになれるのに・・・”ってね。ま、そういう事よ。」
むむっ、さすがやるでしね、ルーアンしゃん。
『かゆい足をくつの外からかくこと。
肝心な所に届かなくてもどかしいことのたとえ』という事でし。
つまりは、伝えられるはずのものを伝えないでいる太助しゃまの様子がもどかしかった、と。
けどルーアンしゃん。どうしてその時に太助しゃまに言わなかったんでしか。
「・・・ふっ、あたしは慶幸日天失格なのよ。」
そう返されてもいまいちよくわからないんでしが・・・。


「渇しても盗泉の水を飲まず」でし
『どんなに厳しい境遇にあっても、不正な行為はしない』という事でし。
・・・むつかしいでしね。厳しい境遇の人なんていたんでしかねえ・・・。
「俺のことじゃないかな。その気になれば、いつだってシャオと・・・。
なのにそれをしないって事は、俺には守護月天の定めから解き放つという役目があるから。」
太助しゃま、うーん、そういう事なんでしかねえ・・・。
「ばーか、たんにお前が奥手なだけだろ。七梨、離珠を困らせちゃいけないじゃないか。」
翔子しゃん。そういえばそうでしね。うーん、ますます分からなくなってきたでし。
でも!解説役の離珠は人に頼ったりしないでしよ!そのうちに良い例を見つけてみせるでし!


「がったり三両」でし
ある日、シャオしゃまが食事の後片付けをしていた時の事でし。
普段と変わらなく、シャオしゃまは鼻歌を歌いながらそれをしていたんでしが・・・。
「よいしょっと。」
がたん・・・。
「あら?」
がらがらがらがら・・・
「きゃっ、大変!」
・・・パリンパリンパリン!
とまあ、バランスを崩したお皿が割れてしまったんでしね。
リビングの方から太助しゃまがとんで来たでし。
「どうしたんだシャオ!」
「すいません、お皿を割ってしまいました・・・。」
床に散らばった破片を集めながら謝るシャオしゃま。すぐに太助しゃまもそれに加わったんでし。
さすがに羽林軍しゃんでもお皿は直せないので、新しい皿を買いに行く事に。
「うえっ!?お皿ってこんなに高かったっけ・・・。」
「なんだか高級な物しか置いてないみたいですわ。」
結局かなりのお金を費やしてしまったんでし。
『がたんと音がして小さな物でも壊れれば、すぐに修理代等がかかる事になる。
物の扱いには慎重であれ』という事でし。
「太助様、今度からは本当に気をつけます。」
「う、うん。でも俺もあんまり人の事いえないから・・・。」
昔は太助しゃまもよく物を壊したりしてたそうでし。
なんにしても、物は大切に扱わなければいけないでしね。


「河童も一度は川流れ」でし!
『河童の様に泳ぎの上手い者でも上手くなるまでには一度や二度は溺れる事もある。
何事もはじめは下手から始めるのだ』という事でし。
「離珠ちゃん、これをいろんな事に当てはめるとすげー事になるぜ。」
どうしてでしか、たかししゃん。もっともな言葉だと思うんでしが・・・。
「まずルーアン先生だ!普段からがつがつと大食いだが、最初はちょびちょびと少食だったんだ!」
ひ、ひえええー!想像できないでしー!!
・・・って、それってなんだか違わないでしか?
「まだあるぞ、ゆるぎない熱き魂を持つこの俺だが、最初は冷たい魂からだったんだ!」
そうなんでしか?
「ははは、冗談だよ。そんなわけないだろ。」
・・・・・・。
そんなことより、しっかりした例えはどこにいってしまったんでしか・・・。


「金で面を張る」でし!
『金をばらまいて反対するものを抑える』という事でし。
実際に是非やってみてくだしゃい、たかししゃん!
「パス!!俺は金持ちじゃ無いから・・・。そうだ、山野辺に頼めよ。」
そうだったでし!
てくてくてく・・・
翔子しゃ〜ん。
「いやだ!」
そう言わずにお願いするでし〜。
「・・・離珠、お饅頭欲しくないか?」
ちゅわ、それは是非欲しいでし〜。
「この千円でお饅頭でも買いな。」
な、なんと!いいんでしか!?
「ああ。」
やった〜でし〜!
と、喜んでそれを受け取ろうとしたら、パッ、と取り上げられてしまったでし。
「はいっ、やったからな。」
え、え?ちょっと、翔子しゃん!
「今ので例えは十分だろうが。そういうわけで、じゃあな。」
ああっ、しょ、しょんな〜・・・。
たしかに例えは得られたんでしが、なんか心残りでし。
「離珠ちゃん!これで買いなよ。」
たかししゃん!離珠を心配して来てくれたんでしね、ありがとうでし〜。
・・・って、一円じゃ何も買えないでし。
「根性があれば何倍にも増えるさ!」
増えないでし!


「金持ち喧嘩せず」でし
喧嘩して損をすることはあるが儲かることは無いでしね。
『だから金持ちは喧嘩しなくて、金持ちは用心深い』という事でし。
「・・・で、またあたしを引き合いに出すのか?」
翔子しゃんしかできないんでし!
「やなこった。」
これは喧嘩じゃないんでし、解説なんでし。だからお願いするでし〜。損はしないでしよ〜。
「何て言われてもあたしは嫌だっての。」
そういえば解説しても別に儲からないでしね・・・。
ううう、でも儲かる解説なんて離珠知らないでし・・・。
「だから!あたしは解説の引き合いに出される自体嫌なんだってば!」


「鉦(かね)や太鼓(たいこ)で捜す」でし!
注:これはロクトしゃんからのいただきものでし!

翔子しゃんに聞いたんでしが・・・
太助しゃまとシャオしゃまが二人でピクニックへ行っている間、皆しゃんが遊びに来たらしいでし。
皆しゃんが玄関のドアを叩いてもしばらく、誰も出てこなかったんでし。
当然でしねぇ。シャオしゃまと太助しゃまは家にいないからでし。
「おかしいですね。シャオさんが迎えに来るはずなんですが・・・」
「七梨先輩、シャオ先輩も寝ているのかな?」
「ルーアンさんやキリュウさんはともかく、この時間帯で二人は寝ているとは思えないですし・・・」
「せっかくルーアン先生に会いに来たのに・・・」
「うぉぉぉぉシャオちゃぁぁぁん!!」
その時、玄関のドアが開いたかと思ったらルーアンしゃんがいきなり怒鳴りつけてきたんでし。
たかししゃんの叫び声で目を覚ましたんでしね。きっと。
「うるさーい今、何時だと思ってんの!」
「いえ、午前十時ですが・・・。ところでシャオさんおられますか?」
「そういえば、いつもならたー様かシャオリンが出迎えてくれるのに・・・。まさか!!」
そのことに気づいたルーアンしゃんが慌てて、シャオしゃまの部屋、太助しゃまの部屋、家中を探し回ってたんでし。
当然でしが、結局見つからなかったんでし。
「まさか、たー様はシャオリンと駆け落ち!!そうはさせるもんですか〜!!」
「うぉぉぉぉシャオちゃぁぁぁん!!俺が助けに行くから待ってくれよ。」
「シャオさん、私が行くまで無事にいてください!」
「シャオ先輩,抜け駆けはずるーい!!」
「ルーアン先生♪」
・・・とまあ、大騒ぎを起こしているでし。
そして、太助しゃまとシャオしゃまを捜すべく、行ってしまったんでしね。
これこそ、まさに『にぎやかにみんなで大騒ぎして捜す』の意味そのまんまでし!
「離珠、ちょっと違う・・・。」
翔子しゃん、そんな細かい事は気にしないでし。
ピクニックへ行った太助しゃまとシャオしゃまはとても幸せそうだったんでしよ。
よかったよかったでし。


「果報は寝て待て」でし
「さ、再試だああ!!」
帰ってくるなり太助しゃまは部屋に閉じこもってしまったでし。
なんでも、テストで赤点というものをとったんで、
猛勉強しているという事でし。
結局その日は一睡もしなかったようで、
次の日フラフラになりながら学校に向かったんでし。
無事にテストが終わると、家に帰ってくるなり、
大きないびきを掻いてソファーで寝てしまったんでし。
「太助しゃま大丈夫なんでしかねえ・・・?」
「大丈夫よ、離珠。あんなに頑張ったんですもの。
今はゆっくり寝かせてあげなきゃ。」
確かに、昨日太助しゃまは頑張ったし、
いまさら騒いでもしょうがないでしね。
『努力した後は、じたばたせずにじっとして、良いことを待つべきである』という事でし。
結果、太助しゃまは合格。よかったでしねえ。


「可もなく不可もなし」でし
元々は、物事の良し悪しについて聞かれた孔子しゃんが、
“良い事であるとも悪い事であるとも決めた事はない”と答えた事から生まれた言葉なんでし。
『人の行う事や言う事にやり過ぎや不足が無くて丁度良い。
また、欠点も長所もなく平凡である』という事でし。
・・・適役がいないのでこれにておしまい!でし。
「無理に終わらなくっても、俺って事でさ。」
太助しゃまは平凡じゃ無いじゃないでしか。
「かつてはそうだったんだよ。」
そんなものは認めないでし。
「そこをなんとか。」
ダメといったらダメでし!
ついでに言うと太助しゃま、家族が世界中飛びまわってるって時点でアウトっぽいでし。
「くっ・・・。」


「粥腹も一時」でし
しゃて!ここに一杯のお粥があるでし!!
「うう〜・・・お腹空いたあ・・・。」
丁度しょこへやってきたルーアンしゃん!
お腹が空いてるんでしか?ならばこのお粥を食べるでしよっ!
「粥ぅ〜?」
うっ、しゅごく嫌しょうな声でし・・・。
「ま、食べないよりはましかもね。・・・もぐもぐ。」
食べたでし!そして・・・
あっという間に食べおわったでし!
「・・・ふう、少しは落ち着いたわ。」
良かったでしね、ルーアンしゃん。
『急場の間に合わせの例え。粥のようなものでも腹に入れておけば、
しばらくの間はお腹が空かない』という事でし。
「・・・・・・。」
ぐるるるる〜
「やっぱり足りないわ〜!!」
・・・やっぱりでしか。
でも協力ありがとうでし、ルーアンしゃん。


「からすの行水」でし
一日の疲れをとるための、お風呂の時間でし〜。
離珠はシャオしゃまと一緒にお湯に浸かるでしよ〜。
「ちゃんとお湯を浴びてから湯船に入るんですよ?」
分かってるでしよ、シャオしゃま。
早速一緒になってお湯を洗面器ですくって一浴び。
そしていざ入ろうとしたその時・・・
ドガシャーン!
「うぎゃー!!」
大きな物音と共に太助しゃまの悲鳴が!!
「キリュウさんの試練かしら?でも今日はたしか翔子さんの家へお泊まり・・・
大変!太助様が事故に!!」
素早い思考の後、シャオしゃまはそのままお風呂から飛び出してしまったでし。
ばっちり支天輪を持っていったから大丈夫でしよ!
でもあっという間に飛び出してしまうなんて・・・。
『ゆっくりと身体を洗わずに、お風呂からすぐ出てきてしまう』という事でし。
後から出ていった離珠が居間で見たものは、ソファーに血だらけで寝込んでる太助しゃまの姿。
それを見ながらおろおろしているシャオしゃまだったでし。
「どうしよう離珠、太助様が私を見るなり血を吹き出して倒れてしまったの。
物の下敷きになってたところは無事助けられたんだけど・・・。」
り、離珠に聞かれても・・・。
少し離れた場所にはなるほど、本や箱が散乱してたでし。
太助しゃまの顔の血は荷物が崩れたときにできた傷からでしかね?
二人して戸惑っていると、そこにルーアンしゃんがやってきたでし。
「たくもう、うるっさいわねえ。一体何の騒ぎ・・・!!」
離珠達の姿を見るなりルーアンしゃんが硬直。そして顔を真っ赤にして怒鳴ってきたでし。
「シャオリン!あんたそんな格好でたー様に何したのよ!!」
「な、何って、物の下敷きになってた太助様を助けて・・・」
「真っ裸でそんなことやってんじゃないわよー!!!」
その後はどたどたどたどた・・・。
やたらと騒々しい時間が続いた後に、ようやく太助しゃまも落ち着いたようだったでし。
「はあ、とんでもない目にあった・・・。」
からすの行水なんてやったせいでしかね?
「すいません太助様。今度からお風呂はゆっくり入ります。」
「だから!そういう問題じゃ無いって言ってるでしょ!?」


「烏の白糞」でし
「宮内じゃないのは明らかだ。というわけで太助だな。」
「あのう那奈さん。いきなりそういうのは酷すぎるのでは?」
「決定だ。そんなわけで離珠、頼んだ。」
は、はいでし・・・。
『親に似ない優秀な子を産む』という事でし。
・・・ちょっと待ってくだしゃい、太助しゃま、でしか?
「そうだ。いや、正確には太助の子、か。きっとシャオの血を継いで優秀になるに違いない。」
「なんということを・・・!それに私じゃないっていうのも聞き捨てなりません!」
「聞き捨てろ。以上で終わりだ。離珠ごくろーさん。」
「ちょっと那奈さん!」
・・・強引に押し切られてしまったでしね。


「借る時の地蔵顔済す時の閻魔顔」でし
「太助〜、頼むよ〜、百円貸してくれ〜。」
昼休みに、たかししゃんがなんとも気色の悪い声で迫ってきたんでし。
「分かった分かった、ほらよ。」
「おお!さんきゅうな、太助!!」
すごくうれしそうな顔をしたかと思うと、たかししゃんは去って行ったでし。
どうやら弁当も忘れてお金も無かったので、
太助しゃまからお金を借りてパンを買いに行った、というわけでしね。
で、その翌日。
「たかし、昨日貸した百円返してくれよ。」
「ええ〜?あれは友情の印って事でおごりじゃないのか?」
「おまえな・・・。借りた物はちゃんと返せよ。」
「ケチだなあ・・・ほらよ。」
たかししゃんはお金を返してくれたものの、すんごく嫌そうな顔だったでし。
まったくどういう事でしか。昨日はあんなにうれしそうだったのに・・・。
『お金を借りる時と返す時と態度が違う。人間とは得てして身勝手なものだ』という事でし。
後で乎一郎しゃんから聞いた話、太助しゃまも似たような態度を取っていたらしいでし。
なるほど、それなら納得がいくでしね。けれど・・・離珠はなんだか許せないでし!


「彼も人なり予も人なり」でし
『彼も我も同じ人間だ。彼のできることなら我にもできるはずだ。
人にできることが自分にできないはずはない。できないのは努力が足らないからで、
一生懸命にやれば何事も達成することができるはずである』という事でし。
「そう、あたしの料理がいつまでたっても人に認められないのはそういう事。
シャオリン先輩みたくできないはずはないの!!」
花織しゃん、なんだかそれは違うと思うでし。
「第一シャオちゃんは人間じゃなくて精霊だろ?」
「野村先輩!そんなツッコミはやめてください!
さあ、早速試してください!!」
ドン!と花織しゃんが目の前に置いたそれは、どうやらお弁当でし。
「何これ?」
「見てのとおりお弁当です。さあ、味見をしてください!!」
・・・頑張ってくだしゃいね、たかししゃん。
と、離珠はその場を逃げ出したでし。
「お、俺が味見するんじゃなくてたまには離珠ちゃんに・・・っていないー!?」
「野村先輩、早く!!」
「う、ううー、どこがどうしてこんな事をする羽目になったんだー!!」


「彼を知り己を知れば百戦危うからず」でし
「私がばっちりな例えを出して差し上げましょう。」
よろしくお願いするでし、出雲しゃん。
「任せてください(ふぁさぁ)。」
「たく、相変わらずキザなやろうだな・・・。」
「おやこれは野村君、いい所に。あなたを例えに出そうと思っていたんですよ。」
「お、俺?」
たかししゃんをでしか?
「そうです。例えば野村君が私にテニス勝負を挑んできたとします。
はっきり言って無謀ですね、私に勝てる訳が無いです。
逆に私がテニス勝負を申しこみます。余裕で勝てるでしょう。(ふぁさぁ)」
「な、なにいいいいい!!!!?」
なるほどぉ、そういえば出雲しゃんはスポーツ万能だったでしね。
『相手の力を知り、自分の力の限界を良く知った上で戦えば、何回戦っても負ける事は無い。
反対に、敵側や味方の情報を知らなければ、戦う度に必ず負ける』という事でし。
「ちょ、ちょっと待て!!これからテニスの試合をやってそんな例えは間違いだと証明してやる!!」
「無駄だと思いますが?」
「うるせえ、やってみなくちゃ分かるもんか!!」
たかししゃんの気合ばっちりな声に出雲しゃんは申し出を受けたんでし。
結果は・・・言わずとも出雲しゃんの圧勝だったでし。
残念でしねえ、たかししゃん。虎賁しゃんが居れば勝てたかもしれないでし。
「まだまだ野村君は甘いって事ですよ。(ふぁさぁ)」
「くっ・・・。」


「かわいい子には旅をさせよ」でし
『子供がかわいいと思うなら、甘やかさないで親元から離して世の中で苦労させた方が良い』という事でし。
“旅をさせよ”というのは“苦労をさせなさい”という事なんでしよ。
さてさて、身近に見事に苦労している人が居るでしが・・・。
「俺だろ、もう分かり切ってるよ。
親父もかあさんも姉貴も俺をほったらかして海外へ旅行に行っちゃって。
そんでもって親父が送ってくれた物のおかげで俺は苦労しっぱなし。」
それだけ太助しゃまをかわいがっているっていう事でしよ。
「それは違う気がするぞ。でも疲れた、そういう事でいいよ。」
なんだか投げやりでしねえ。
「人生色々、だよ。」
太助しゃまは、見事に苦労して色々学んだようでし。


「川に水運ぶ」でし
『骨折り損の例え』という事でし。
川に水があるので、そこへ水を運んでも意味は無いでしね。
そこで、離珠とキリュウしゃんの、意味の無い事をやってみようコーナー!!
「うむ!!というわけで主殿、早速やってもらおう。
家の水道から水をバケツに入れてそれを川まで運んでもらう。」
「・・・・・・。」
どうしたんでしか?太助しゃま。
「これも試練だ。」
「なあキリュウ・・・この試練はやめにしないか?」
「どうしてだ?」
「資源の無駄使いだと思うんだけど・・・。」
なるほど、言われてみればそうでし。
「心配要らない。別に川に流さずにそのまま持って帰ってくればいいのだから。」
おお!!キリュウしゃんさすがでし!!
「・・・マジ?」
「試練だ、耐えられよ。」
「・・・・・・。」
そういう訳で試練が行われたんでし。
途中、太助しゃまは出会った知り合いの人に笑われたそうでし。
「(ふぁさぁ)太助君、無駄な努力はやめた方がいいですよ。」
「うるさいな、言われなくても分かってるよ・・・。」


「川の石星となる」でし
川の石が天に上って星になることはないでしね。
『あるはずがないことのたとえ』という事でし。
離珠とキリュウしゃんの、あるはずがないのをやってみようコーナー!
「うむ!では主殿、こうして川にやってきたわけだが・・・。」
「いくら俺でも、川の石を天に上らせるなんてできなからな。」
まあまあ太助しゃま。とりあえず話を聞くでしよ。
「とある話からとったものだが、
“ヒュ〜〜〜〜〜〜キラン”という風にお空の星になったという表現がある。
これを真似てもらいたい。
要は、石を空高く投げて空の星としてもらう、というわけなのだ。」
「・・・本気か?」
本気でし!
「拒むなら、主殿に空の星になってもらおうか?」
「そ、そういうのは困る!わかったよ、やってやるよ!!!」
何気ないキリュウしゃんの爆弾発言により、太助しゃまは俄然張り切り出したでし。
結局失敗に終わってしまったんでしが・・・。


「皮一重(かわひとえ)」でし
さてさて、今回は翔子しゃんと花織しゃんに集まってもらったでし。
「一体何をしようってんだ?」
「お料理勝負ですか?」
そ、そんなものはしないでし・・・。勝負とかじゃなくて、二人の顔についてでし。
「「顔?」」
そうでし。見ての通り、二人は全然違う顔でしね?
「まあ・・・。」
「たしかに・・・。」
しかし!その皮を一枚はげば!似た様なもんでし。
「「うええ、痛そう・・・。」」
そういうことで、
『美人もみにくい女も皮一枚はぎとればみんな同じものだ』という事でし。
「おいちょっと待て、なんか変だぞ。」
「そうよ。美人もみにくいもってどういう事よ。」
いやあ、今回はこれで終わりなんでしよ。
「納得いかないぞ!」
「そうよ!どっちがみにくいっての!?」
えうう・・・さ、さらばでしー!
「おいこら!」
「ちゃんと説明しなさい〜!」


「勧善懲悪」でし
えーと、何を言ったらいいでしかね・・・。
「離珠、ことわざ解説はするな。絵の勉強をもっとしろ。
うん、これでOKだ。」
虎賁しゃん!それはどういう意味でしか!!
「ことわざ解説で周りに迷惑がかかる。だから悪い事。
絵の勉強をすればおいら以外にも楽に伝えられるようになる。だから良い事。」
ふ、ふざけんじゃないでしー!!
「虎賁!!離珠を助けてあげるのはいいけど、いじめちゃ駄目ですよ!!」
「げっ、月天様!!」
シャオしゃま〜!
偶然にもシャオしゃまが来てくれて助かったでし〜。
『良い事はすすんで実行する様にはげまし、悪い事には罰を与えてこらしめる』という事でし。
うん、今のシャオしゃまの言葉こそぴったりでしね。
「まてー!今度はそっちこそふざけんなだー!」
「虎賁!!」
「は、はい・・・。すいません・・・。」
わーい、でし。
「離珠もですよ!虎賁に迷惑ばっかりかけちゃ駄目ですからね!」
は、はい、でし。
なんだか怒られただけのような気がするでし・・・。


「雁たてば鳩もたつ」でし
だだだだだだだっ!!
太助しゃまが町中をダッシュしてるでし。
それは、ルーアンしゃんと花織しゃんが追っかけているからでし。
「あーん、たー様待ってーん!」
「七梨先輩早すぎです〜!」
試練で鍛えてるせいでしかねえ。さすが太助しゃま、どんどん二人をつきはなしてるでし。
「ええい、こうなったら陽天心召来!」
ピカアッっと光ったのはそこらへんにあった竿!
素早くそれに飛びのってルーアンしゃんは空へ繰り出したでし!
「ふふん、空からならすぐに追いつくわよー!」
「ああ、ルーアン先生ずるい〜!」
便乗しようとした花織しゃんだったでしが、間に合わなかったみたいでしね。
「くうう、こうなったらあたしも!乙女ちっくパワー!!」
立ち止まって気合を入れてゴミ捨て場の絨毯に念じる!
が、当然何も起こらないでし。
『自分の無力な事も考えないでやたらに人の真似をする事』という事でし。
「ああーん、気合さえあればなんとかなるって言ってたのに・・・。
野村先輩のうそつきー!!」
花織しゃん、気合でなんとかなるなら苦労は無いでしよ・・・。


「邯鄲の歩み」でし
『都会人の歩き方に憧れて国を出ていった若者が、
その真似をしようとして失敗し、自分の歩き方も忘れてしまった。
やたらに人の真似をすると、自分の大切なものまで無くして、
両方ともだめになってしまという例え』という事でし。
例えばルーアンしゃん!
「なによ、なんであたしが言われなきゃならないのよ。」
キリュウしゃんの万象大乱をうらやましがって、それを身に付けようとしてもだめでしよ!
「ふざけないでよ!なんであたしが万象大乱を!!」
お菓子でもなんでも大きく出来るからでし!!
「なんですってー!?あたしがそんな理由、で・・・そうだ、やることあったんだわ。
キリュウ〜、この御饅頭おっきくして〜!」
ほら!!そう言ってるそばからこれでし!!
「別にいいのよ!!あたしは大きくしてもらってるだけなんだから!
第一、あたしが無理に身に付けなくってもキリュウに全部やらせればいいじゃない!!」
・・・なるほど、ごもっともでし。
「離珠殿、ルーアン殿、私の立場は・・・。」
「あんたはつべこべ言わず大きくすればいいの。」
「私の力はそういうものの為にあるのではないのだが・・・。」


「艱難 汝を玉にす」でし
秘密:これは世紀末企画でし!・・・って、なんてバレバレなんでしか!!

「説明不要だろう。主殿が適役だ。」
そうでしね、キリュウしゃん!
『人は苦しいことや辛いことをいくつも乗り越えていくうちに、
人間として磨かれ立派になる。』という事でし。
「今まで数多くの辛い試練を超えてきた主殿は・・・」
「ちょっと待った!」
太助しゃま?
「どうされた主殿。謙遜されても困るぞ?」
「するに決まってるだろ。以前、キリュウの試練に夢中になってた時の事だ。
その時俺は気付きもしなかった。シャオに寂しい想いをさせているという事に。
山野辺が嘘を言ってくれたおかげで、俺はやっとそれに気付く事が出来たんだ・・・。
だから、試練を超えてきたってだけでそう言われるのは、なんか違うと思うんだ。」
なるほど、そういう事でしか。たしかに太助しゃまの言う通りかもしれないでし。
「いや、それは違うぞ、主殿。
今はしっかりと、試練をただ超えているだけではだめだという事に気付いている。
そう、シャオ殿を苦しめてしまったという辛い想いを認識したからこそ、
こうして立派に成長しているはずだ。
それに試練が始まってそう月日も経っていない。
その間にも十分主殿は成長を続けている。私はそう思うぞ?」
「キリュウ・・・。」
太助しゃま、キリュウしゃんの言う通りでしよ。
「今まで試練に限らず辛い事もいくつかあっただろう。
それを主殿は乗り超えてきた。だから自信を持たれよ。」
「・・・ああ。俺、しっかり頑張るよ。」
これからも試練を超えつづけてくだしゃいでし!


「間 髪を入れず」でし
「キリュウの試練がそんな感じだった。うん、これでばっちりだよ。」
太助しゃま、それは本当でしか?
「受けてる本人が言うんだから間違いないって。
ともかく、大きくなった石の山を越えたら空き缶が飛んできたり、
ボールが転がってきてそれを避けたと思ったら空から槍が降って来たり。」
そ、それは大変だったでしねえ・・・。
「さすが試練のプロ。一瞬の隙も無し!ってな感じだな。」
ふむふむ。『ある事が目の前に迫っていて、余裕が無い。
また、ある事が起きた時、すぐに次の行動を起こす様子。素早く物事を行う様子』という事でし。
そんな大変な試練を受けて太助しゃまもよく無事でいられたでしねえ。
「慣れってやつだよ。もっとも、気を抜いたら死んじまうくらい凄いから油断は出来ないけど・・・。」
ふええ、やっぱり二人ともさすがでし。


「完璧」でし
シャオしゃまがこなすお仕事!でしね。
お料理お掃除お洗濯、家事に限らずいろんな事をビシッとやってるでし!
『一つの欠点も無い、立派な状態』という事でし。
離珠のことわざ解説もこれを目指してるでしよ〜。
「お前が月天様みたいになろうなんて無理に決まってるだろ。」
ムッ、失礼でしね、虎賁しゃん。離珠は立派にやって見せるでし!
「まあおいらの球技のコーチ状況に比べればまだまだ・・・。」
離珠だって伝心に関しては負けていないでしっ!!


「冠ふるけれども沓にはかず」でし
冠は古くなっても、足にはくことはないでしね。
『良いものはたとえいたんでも値打ちがある。
人にも貴賤上下の別があって、これを乱すわけにはいかない』という事でし。
「つまりは・・・どういうこと?」
もう、ちゃんとわかってくだしゃいよ乎一郎しゃん。
離珠は年をとっても離珠で、乎一郎しゃんは乎一郎しゃんなんでしよ。
「それは違うと思うけど・・・。」
ならば乎一郎しゃんにとってわかりやすいルーアンしゃんの話でいくでし!
「・・・どんな話?」
たとえルーアンしゃんが町を暴走して建物を破壊して捕まっても、先生でし!
「そのたとえはさすがに僕でも怒るよ?」
う、じょ、冗談でしよっ。勘弁してくだしゃい〜。
「・・・そうだね。たとえどんなに酷い説明でも、解説者は離珠ちゃんだしね。」
それは逆に離珠が怒るでしっ!


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