≪え≫でし!


「益者三友損者三友」でし
こんな物は太助しゃまに任せて当然でし!!
という訳で太助しゃま、三人連れてきたからばっちり頼むでしよ。
「・・・いきなりなんで俺がそんなもんをしなきゃ成らないんだ。」
「まあまあ太助、離珠ちゃんの手伝いくらいやれよ。」
「そうだよ。僕達も頼まれてきたんだからさ。」
「一応あたしらは同じクラスだしな。付き合ってやるよ。」
「お前らな・・・。まあいい、まずはたかし。」
「そうだ!!俺は正直者〜!!」
「自分に正直って事な。で、乎一郎。」
「僕ってそんなに誠実に見えるの?ねえ。」
「ルーアン相手だとな。で、次に山野辺。」
「へへん、物事を良く知ってるしな。シャオにも色々と教えてるし。」
「余計な事が多いけどな・・・。まあそんなところだ。」
お疲れしゃまでし〜。
『付き合って得をする友達には三種類あって、
正直な人、誠実な人、物事を良く知っている人』という事でし。
「ちょっとまて、俺は太助がちょこちょこ付けたしたのが気になる。」
「僕も僕もー。」
「余計なってなんだよ、余計なって。」
「だあ、もう良いだろ!?離珠、次いこ、次。」
・・・それではもういっちょう、いってみるでし!!
「・・・俺はそんなに見栄を張ってるか?」
「シャオの前でいいかっこしすぎ。」
「さっきは誠実だって言ってたじゃないか。」
「ルーアン以外だとかなりいいかげんになるだろ。」
「・・・口が上手いってのは否定はしない。
けどなあ、口ばかりが、ってのは断じて許せないぞ。」
「まいどまいどシャオに嘘ばっかり教えてるだろ。とりあえず我慢しろって。」
またまたお疲れしゃまでし〜。
『反対に付き合って損をする友達にも三種類あって、
見栄をはって正直でない人、誠実でない人、口ばかりが上手い人』という事でし。
うーん、たかだか三人の人物で済んでしまうなんて、太助しゃまは凄いでし!
「・・・なんか俺空しくなってきた。どうして俺の周りにいる奴って変なのが多いんだろう。」
「「「なんだって!!?」」」


「笑窪は七難隠す」でし
離珠の突撃インタビューでし!
花織しゃんの友達の熱美しゃん!
「うわっ!・・・びっくりしたあ。」
「どうしたの、ゆかりん。」
「あ、熱美ちゃん。見てよ、たしかこの子シャオ先輩の星神の・・・。」
「離珠ちゃん、だったよね。」
ありゃ?ひょっとして離珠は人を間違えてたんでしか?失敗失敗、でし。
それはともかく、一つ質問があるんでし!
「質問だって。どうしようか?熱美ちゃん。」
「答えてあげればいいと思うけど、一体何?」
いいでしね!では質問でし。
花織しゃんにはえくぼがあるでしか?
「えくぼ・・・どうだろう?」
「あったようななかったような・・・いちいち気にしてないなあ。」
じゃああるということでOKでし!
『えくぼは愛らしいものなので、他の欠点が目立たない』という事でし。
「・・・ねえ、それって解説になるわけ?」
「絶対ならないと思うなあ。」
きつい目で見る二人・・・。
ひょっとして離珠の突撃インタビューは大失敗って事でしか?


「枝先に行かねば熟柿は食えぬ」でし
ちょっと昔。ある村に、太助しゃま、たかししゃん、乎一郎しゃん、という仲良し三人組がいたでし。
いつもの様に歩いていると、柿が沢山なった木を発見したでし。
「おおっ!こんな所に俺達を食べられるのを待っていたかのように柿の木が!」
「そんなわけないでしょ、たかしくん・・・。」
「でも美味そうだよな。ちょっと取って食べてみないか?」
ちなみにそれは家の庭に植わってるものじゃなかったので、泥棒にはならなかったみたいでし。
「よし!それぞれが登って一個ずつ食べ比べてみよう。
一番美味かった奴が一等賞だ!」
「またたかしくんの競争癖がはじまった・・・。」
「相変わらずだよなあ。」
二人は苦笑してたでしが、それでも柿の実競争に参加する事にしたでし。
まずは太助しゃま。
「どうだ?張り切っててっぺんの柿を取ってきたぞ!」
「結構乗り気だったんだね、太助君。でも・・・。」
「イマイチだな。ちょっと青い。ふっ、太助もまだまだだな。」
次に乎一郎しゃん。
「僕はこういうの苦手だから、手頃な場所にしたよ。」
「・・・うっ、俺のより甘い。」
「乎一郎らしい柿だな、うん。」
そして最後にたかししゃん。
「あの枝先に成ってるのを取ってくる。ちょっと待ってろ。」
「お、おい、さすがに危ないって!」
「たかしくんが乗っちゃうと折れちゃうよ!」
「何を言う。ああいう所の柿こそ超がつくほど甘いに違いないんだ!」
『良い目を見ようと思ったら、危険を恐れずに困難なこともしなければならぬ』という事でし。
「いくぞー!」
・・・ばきっ
「うわあああ・・・!」
枝が折れてたかししゃんは落下、でし。
「・・・お約束通りの展開になったな。」
「落ちた衝撃で柿もつぶれちゃったし・・・。」
「ふっ、これを恐れてはいけないのさ!」
ただの無謀でし。


「得手に鼻つく」でし
例えば、自分が“楽勝楽勝”と思ってやっているものなんか、失敗したりしやすいでし。
『人は得意の事だと鼻であしらったりするので、かえって失敗するものだ』という事でし。
「そんなばかな。ナンパに一生懸命な宮内を見ろ。
ちっとも鼻であしらったりして無いぞ。」
「那奈さん、なんという事を・・・。私を一体なんだと思ってるんですか!」
「ただのナンパ師。」
「だからそうじゃなくて!!」
・・・うまく説明しようとするたびに邪魔がよく入る離珠のことわざ解説。
これは難しいでしねえ。
「離珠、それはちょっと違うんじゃないのか?」
「那奈さん、人の話はちゃんと聞いてください!」


「江戸中の白壁は皆旦那」でし
「太助様だけが御主人様じゃありませんわ!」
「たー様だけが主様じゃ無いわ!」
ちょっと立場が違うでしが、そういう事でしね。
『江戸には奉公先はいくらでもある。
ここの主人だけが旦那じゃ無いという奉公人のふてくさった言いぐさ』という事でし。
「もう、何てこと言わせるのよごみチビ。」
ただの芝居でしよ。
「芝居とはいえ、私はなんて事を・・・。」
「しゃ、シャオリン、深く考えちゃだめよ。」
そうでしよっ!今言った事はすっかり忘れてくだしゃい!
「・・・うん。」
「ところで、、まだ言って無い奴がいるわねえ。」
「ギクッ。も、もうよいではないか。別に私が更に言ったところで・・・。」
という訳で、何事も無かったかのようにおしまいでし!
「もう二度とこんな事はさせないでね。」
「そうよ、ほんととでもないわ!」
わ、わかってるでし。


「江戸のかたきを長崎でうつ」でし
「野村先輩、勝負です!今度は負けません!」
「のぞむところだ花織ちゃん!返り討ちにしてやる!」
そして始まる試合。何をやってるかというと将棋だそうでし。
学校でやった時にはたかししゃんが花織しゃんに勝ったそうでし。
それで今回はどうなったかというと・・・。
「やったー!あたしの勝ちー!!」
「くっ、あそこで飛車を取られなければ・・・。」
花織しゃんの勝利でし!そういうわけで、
『思いがけない場所や全く関係の無い所で、昔の怨みの仕返しをする』という事でし。
「離珠・・・。」
なんでしか太助しゃま。
「百歩譲って例えの強引さは目をつぶってやる。
しかしだ、なんでうちなんだ?」
それは離珠の管理外でし。
「なんでうちなんだよー!たかしか愛原の家でやればいいじゃないかー!!」
まあまあ、太助しゃま。
「ついでに言うと、学校とうちとそう離れてるもんか?
しかも思いがけない場所とかじゃ無いじゃないか。」
ぷう、目をつぶるとか言ってたくせに意地悪でし・・・。
「七梨先輩、ぶつぶつ言ってないで将棋やりましょうよ〜。」
「ちょっと待て花織ちゃん!もう一戦だ、もう一戦!」
「お前らいいかげんにしろっての!!」


「江戸は八百八町大阪は八百八橋」でし
『江戸や大阪の広い事を言ったもので、
江戸には町の数が多く、大阪には掘割に架かった橋が多い』という事でし。
ところで鶴ヶ丘町はどんなでしか?
「そうだなあ・・・って、町に町の数を聞いてどうする。」
それもそうだったでしね。では橋の数はどんなでしか?
「うーん・・・数えた事無いなあ・・・。」
それなら数えてみようでし、太助しゃま!
「無理にそこまでしなくてもさ。」
試練でしよ。
「・・・・・・。」


「江戸べらぼうに京どすえ」でし
『江戸と京の方言の特色を言ったもの』という事でし。
けれども、離珠達にとりあえずしょういうものはあんまり関係が無いので、違う例でいくでし!
「あのさあ、離珠。」
なんでしか?虎賁しゃん。
「無理にこんなの解説しなくっても・・・。」
まあまあ、要は特徴ある喋り方って事でしよ。
「なるほどねえ・・・。で、誰を紹介するんだ?」
とりあえず・・・キリュウしゃん、どうぞでし!
「・・・キリュウだ。何故私が?」
「成るほど、いいとこ突いて来るな、離珠。」
えへへ、どうもでし。
「ちょっと待った。だから何故私がこの場に呼ばれるのだ?」
「普段の喋り方からしてばっちり特徴あるだろ。」
しょれに殿付けしゅる人なんてそうそう居ないでしよ。
「そうか・・・。」
「まあまあ、キリュウ。もう一人も特徴ばっちりだしさ。」
・・・だれでしか?虎賁しゃん。
「ずばり・・・離珠だ!!」
な、なんでしと!?
「そうなのか?」
「ああ。普段キリュウは絵を見てるだけでわかんないと思うが・・・。
離珠は語尾に“でし”って付けるんだ。
そんでもって“さ”“す”“そ”が、“しゃ”“しゅ”“しょ”になる。
まあこんなとこだ。たまに違う時もあったりするけど。」
「なるほど、それは興味深いな。」
キリュウしゃん、何が興味深いんでしか・・・。
「とまあそういう訳だ!ふっ、今回はおいらが全て解説してしまったな。」
全てじゃないでしよ・・・。ま、まあ今回はしょうがないでしね・・・。


「絵にかいたもち」でし
ルーアンしゃん!!こういう計画を立てて欲しいでし!!
「何よごみチビ、いきなり・・・。なになに、
“一日三食で、お代わりはしない事”・・・。
・・・ふざけんじゃないわよ!!あたしがそんな計画守る訳無いじゃない!!」
はーい。というわけで、ルーアンしゃんがあんな計画立てたって、
計画倒に成るって事でし!!つまりこの計画は・・・
『実用にならないもの。実物で無ければ少しも値うちがない』という事でし。
「・・・あんたそれが言いたいが為にそんな計画つきつけたの?」
そうでしよ♪絶対に成功するって見越してのことでし。
「・・・ふん、じゃああたしが一日でもこれを実行すれば、
ごみチビの計画こそまんまと崩れ去るってわけね。」
不気味な笑みをたたえてすっくと立ち上がるルーアンしゃん・・・。
・・・ま、そんなそぶりを見せたって無理に決まってるでしよ。
「ふふん、見てらっしゃい。慶幸日天をなめた事を後悔させてやるわ。」
う、は、はったりにきまってるでしよ!!
・・・と、その一日後・・・。
「ルーアン、大丈夫か?」
「え、ええ・・・。」
「珍しいですね、昨日からお代わりを一度もしないなんて・・・。」
「ふん、あたしだってやる時はやるのよ・・・。」
「凄いな。あたしはあんたを見直したぞ。」
「ありがとう、おね―様。」
「ルーアン殿、何か大きな試練を超えられた様だな。」
「どうも、キリュウ。」
なんと、本当に実行してしまったんでし。
今はリビングにて皆しゃんがルーアンしゃんを誉めているって訳でしね。
「あら?離珠、どうしたの?そんなに驚いた顔して・・・。」
うっ・・・。シャオしゃま、離珠は負けてしまったでし・・・。
「どんなもんよごみチビ!」
ううっ・・・。ルーアンしゃん・・・。
・・・でもその後はいつものルーアンしゃんに戻ったでし。
ルーアンしゃんもやる時はやるんでしねえ・・・。


「エビ踊れども川を出でず」でし
例えば、いくら試練で凄くなっても、
太助しゃまがジャンプして宇宙に飛び出すなんて事は出来ないでしね。
「当たり前だ。ロケットくらいに乗らないと無理だよなあ。」
『ものにはそれぞれ天から与えられた運命がある』という事でし。
「主殿!そのままではよくないぞ。是非に試練を重ねて・・・」
「無理だ!なあ離珠、どう頑張っても無理なものってあるよな。」
その通りでし。
「ならば・・・せめて屋根を飛び越すくらいの跳躍力を。」
「それも無理・・・。」


「えびでたいを釣る」でし
「それは太助のことだな。送られてきた小さな封筒から、
シャオちゃんというかわいい女の子と一緒に暮らせるようになったんだから。
これを例えにしなくてどうするんだ―!!」
もう、うるさいでしね、たかししゃん。
しかも使い方が間違ってるでしよ。本当の例は、
“万象大乱”とかいって、どんなちっちゃな物でも試練にしてしまうキリュウしゃん。
こんなものまで!?というものまで試練として役立ててるんでしから驚きでし。
『わずかな元手で大きな利益を得る』という事でし。
これこそぴったりでしね!
「・・・離珠殿、それは少し違うのでは。」
キリュウしゃん、細かい事を気にしちゃだめでし!


「笑みの中の刀」でし
「・・・山野辺だな、間違い無い。」
「やっぱり太助もそう思うか。あいつの企みこそまさにそれって感じ。」
「シャオちゃんにいろいろ吹き込むから?でも僕は違うと思うけどなあ・・・。」
「乎一郎、お前は分かってないんだ。山野辺の本当の恐ろしさを。」
「そうだそうだ。あいつが怒るとすごいのは、普段笑って隠してるからなんだ。」
「でも・・・。」
とまあ、太助しゃまとたかししゃんと乎一郎しゃんがひそひそと話をしてくれたでし。
『表面はにこにこ笑っていかにも和やかだが、内心は極めて陰険である』という事でし。
・・・ちょっと待つでし。翔子しゃんは陰険じゃないような・・・。
「よっ、三人で集まって何やってんだ?あ、離珠も一緒じゃないか。」
しょ、翔子しゃん。
しかし三人とも翔子しゃんに気付くことなくひそひそ話を・・・。
「だからあ、山野辺が笑って近付いて来たら逃げるとか。」
「いっその事ドーンとぶつかって砕けても良いんじゃないか?」
「たかし君、砕けちゃ駄目だよ。太助君の言う通り、逃げた方が・・・。」
「ほお〜、お前ら、一体何の相談だ?」
「「「!!!」」」
翔子しゃんが笑みを浮かべながら手をぼきぼきと鳴らしているでし。
その後三人は・・・どうなったんでしかねえ?


「栄耀の餅の皮」でし
『餅菓子の皮を捨てて、中の餡だけ食べるという贅沢三昧を尽くす』という事でし。
ふっ、こんな事は愚か者がやる事でしよ。ね〜、ルーアンしゃん。
「その通りよっ!!皮を捨てて餡だけ食べるなんてばっかじゃないの!?」
なんと言っても、出雲しゃんのおかあしゃんが作る薄皮饅頭はそんな事をしなくてもいいでしからね。
「それに、そんな事をやっていると薄皮饅頭の本当の味はわからないわ!!」
まったく本当にそうでし!!
・・・と、解説が終わった所でいただきまーす、でし♪
「いっただきまーす!」
ぱくがつぱくがつぱくがつぱくがつぱくがつぱくがつぱくがつぱくがつ・・・
ぱくがつぱくがつぱくがつぱくがつぱくがつぱくがつぱくがつぱくがつ・・・
離珠とルーアンしゃんが食べてる姿を見て、前に座っていた出雲しゃんが唖然として訊いてきたでし。
「・・・あの〜、御二人とも、そんな事を言う為にわざわざ家まで来たのでしょうか?」
まあそうでし。
「そういうことよん。」
「全然解説になって無いと思うんですが・・・。」
気にしちゃあ駄目でしよ。
「そういうことよん。」
「しかしですねえ・・・。」
だったら出雲しゃんが解説お願いするでし。
「そうそう。あたし達はしっかり食べててあげるから。」
「あのね・・・。」


「えりを正す」でし
ある朝、食事をしていると遅れて那奈しゃんがやって来たんでしが・・・。
「よ、おはようさん。」
「おはよう・・・って、那奈姉、何その格好?」
「似合ってるだろ。ふっ。」
なんと、立派なすーつ姿でし!那奈しゃんのしょんな格好初めて見たでし。
「那奈さん、どこかへ出かけるんですか?」
「まあな。」
「かっこいいわあ、おね―様。さっすがあ。」
「さんきゅう、ルーアン。」
「それで那奈殿、何をしに行くんだ?」
「ちょっと重要な会議にね。」
そこでみなしゃんぴくっと動きを止めたでし。(当然離珠も)
重要な会議って一体なんなんでしか?
「那奈姉ってどっかの組織に入ってたっけ?」
「そんなんじゃないよ。とにかく気を引き締めてビシッとな。」
笑いながら言うその姿はとってもかっこ良かったでし。
『服装をきちんとし、気持ちを引き締めて物事に当たる』という事でし。
そして夕方。帰ってきた那奈しゃんは特に何も喋らなかったでし。
一応上手くいったようで笑顔だったんでしよ。
「うーん、一体那奈姉は何をやってきたんだ?」
と、太助しゃまは首を傾げてたでし。ほんと気になるでしねえ・・・。


「煙霞の痼疾」でし
えーと、これはでしねえ・・・
「離珠!先に言っておく。那奈姉じゃないからな!!」
た、太助しゃま。なんなんでしか突然・・・。
しかも那奈しゃんじゃないなんてどういう事でしか!
「勝手気ままに旅行してる姉貴に、どうころんでもあてはまらないだろ!!」
で、でも、旅行をよくしているっていう事は・・・
「ほお、旅行好きならあてはまるって言うのか?
俺は絶対にそんなの認めないからな!!」
うう、しょ、しょうがないでしねえ・・・。
『四季それぞれに移り変わる風景の中にひたりたく、旅行をするのが病みつきとなっている』という事でし。
つまりは、四季を見て・・・という事なんでしが・・・。
なんだか太助しゃまはぷんすか怒って・・・どうしたんでしかねえ・・・。
そんな事より、那奈しゃんがだめとなると他にいい例が・・・。


「遠交近攻」でし
これは戦国時代の外交政策で、秦の国でも用いられたそうでし。
『支配するのが難しい遠い国とは仲良く手を結び、近くの国を攻める』という事でし。
「つまりは、手頃な女性を手当たり次第つってる宮内の戦法だ。」
「な、なんて失礼な事を言うんですか那奈さん!!」
「ついでに言うと、遠くの女性には手紙で親しくしておくんだろ。
それこそ、“あなただけを・・・”って感じでさ。」
「私はそんな事しません!!」
「事実じゃないのか?」
「何を根拠にそんな事を!!」
「普段を見てれば分かるだろうが。」
「それは那奈さんが勝手に思ってる事でしょうが!!」
・・・妙な邪魔が入ったのでこの辺で終わりにしておくでし。


「遠山の眉」でし
翔子しゃん!!ここに立っていて欲しいでし!!
「・・・こうか?」
そう、そうでしよ、そのまま動かないでじっとしていてくだしゃい!
さてみなしゃん、翔子しゃんの眉に注目!・・・とまあそういう訳で、
『遠くの山が青く見える様に、うっすらと青い眉』という事でし。
「・・・離珠。」
なんでしか?
「青いのはあたしの髪の毛だと思うんだけど・・・。」
細かい事を気にしちゃいけないでしよ。
「別に細かくも無いと思うんだけど・・・。」
何をそんなに言ってくるんでしか!!離珠は悲しいでし〜。
「こっちだって悲しいよ。なんであたしの眉が青いんだ・・・。」


「縁の下の鍬使い」でし
ごんっ
「いてっ!やっぱり机の下じゃあ思うように遊べないなあ。」
「野村先輩は無意味に立ち上がろうとするから駄目なんですよ。
おとなしく座ってればいいんです。」
「何言ってんだよ花織ちゃん。背中を丸めてるくせに。」
「ちょ、ちょっとした余興ですよ。ちゃんと背筋を伸ばし・・・」
ごんっ
「いったぁ〜・・・。」
「やっぱり窮屈だろ?」
そんなわけで、テーブルの下でトランプやってるたかししゃんと花織しゃんでし〜。
『頭が上がらないことや、窮屈でにっちもさっちもいかぬことのたとえ』という事でし。
「おい、たかし、愛原・・・。」
「お、太助。お前もやるか?」
「先輩!一緒に遊びましょう!」
「やらない。というか人んちのリビングで何やってんだ・・・。」


「縁の下の力持ち」でし
答えは分かってると思うでしが、みなしゃんに訊いてみるでし!!
「シャオの事だろうな。家に来た時から家事だのを全部一人でこなして・・・。」
「シャオリンね。密かに色々と主様を護って来たりもしたしね。」
「シャオ殿だろう。あそこまで立派に物事をこなしている者はそういないぞ。」
「シャオに決まってるな。他の人の為にってところは間違いなくそうだよ。」
以上でし〜。
『誰にも知られない所で力をつくして、他の人の為に働く。またその様な事をする人』という事でし。
さあシャオしゃま、一言お願いするでし。
「えっ・・・。えっと、その・・・。」
もう、なに照れてるんでしか。堂々といえばいいじゃないでしか。
「離珠、自分は縁の下で、なんて無理に意識してないって所もそうじゃないかな。
だからシャオは照れてるんだと思うよ。」
なるほど。さすがはシャオしゃまでし!


「縁の下の筍」でし
「離珠ちゃん、俺に任せな!!」
力強く言うと、たかししゃんは机の下にもぐりこんだでし。
「どうだ!こんな状態だろ!?」
・・・・・・。
『頭がつかえてうだつが上がらぬ』という事でし。
・・・違うでし!
これは出世ができない人のたとえなんでしよ!
「え、そうなの?」
「なあんだ、それなら野村先輩でいいじゃない。」
後ろから花織しゃんが野次を飛ばしたでし。って、いつのまに来たんでしか?
「花織ちゃん!今のはどういう意・・・」
ごんっ!
「痛っ!くうう・・・。」
「ほら、そういう所がですよ。」
離珠が思うに、出世とはそんなに関係が無いように見えるんでしが・・・。


「縁もつるれば唐の物を食う」でし
「さてさて、これはあたしがばっちり解説してやろう。」
い、いきなりなんでしか翔子しゃん。
「シャオはあたしと友達だ。で、七梨とも。
その七梨とシャオが結婚する。シャオは中国出身だからそこへ行く事もあるだろう。
そういう時に呼ばれたあたしが中国の名産品を食べたり出来る。とまあそういう事だ。」
しょ、翔子しゃん。単刀直入過ぎるでし。
「いいのいいの、そういうことなんだから。ああー、早く七梨とシャオが結婚しないかな〜。」
・・・というわけで、『何かの縁で思いがけない所に手づるができる』という事でし。
なんか無理があるでしねえ。別に太助しゃまとシャオしゃまが結婚する前に・・・
「そう、そんな事は関係ない。それにあたしもそんな名産品なんてどうでもいい。
なんといってもシャオはあたしの親友だ。早く幸せになって欲しい、ただそれだけだ。」
なるほど・・・って翔子しゃん、それだとまた・・・
「もう一つ!あたしの親友のシャオ、そのシャオが呼び出す星神に離珠が居てその離珠がことわざ解説をやってる。
そういう事から、あたしもことわざ解説が出来たりするって訳。これも縁って奴がもとだよ。」
なるほど、そういう見方もあるでしねえ。
なんだか最初っから最後まで翔子しゃんの独壇場だったでし。


戻るでし。