≪う≫でし!(その2)
「打たねば鳴らぬ」でし
『太鼓の傍に何もしないで座っていても太鼓は鳴らない。太鼓は打たなければ鳴らない。
何もしなければ何もできない。原因がなければ結果はあらわれない』という事でし。
「そうだ、そのとおりだ。たとえばシャオが傍にいる。傍にいるだけじゃあ何も結果は表れない!」
「いきなり強調してるけど・・・相変わらずだなあ那奈姉。それ以上は言わずとも分かってるよ。」
「お、そうか太助。もう分かっているか。」
「ああ、俺だって何度も言われ続ければ・・・。」
「そうだよな。何もしないでシャオと太助の間に子供ができるわけないもんな!」
「は!?」
「よし、姉ちゃんは弟の心意気しかと受け止めた。早速シャオを呼んでくるからな!」
「ちょちょちょ、ちょっと待て那奈姉!子供ってなんだよ!?」
「あれだけ分かったと言ったんだ。何もしないわけがない。
ああ、父さん母さん。太助は今日大人になるんだ。あたし那奈はしっかり見守っているからね。」
「んなもん見守ろうとするなー!!」
「さあて、早く呼んでこないと。太助が待ちきれなくなっちまう。」
「だーかーらー!なんでそんな方向に話がいくんだー!!」
・・・ま、まあ以上、というわけでし。
ふう、離珠が何もしなければ二人は本当に止まらないでしね〜。
「歌は世につれ世は歌につれ」でし
『流行歌はその時その時の時世で変化し、世の中もまた歌の流行によって影響を受ける』という事でし。
世の中・・・とは言っても、離珠にはよくわかんないでしねえ。
「そんな時は離珠ちゃん!俺のこの歌をたとえにするんだ!」
た、たかししゃん・・・。
「いくぜバクシンガー!俺の心の叫びをぉぉぉぉ!!」
だうー!
(ここで、壮絶な歌が流れてるはずなんでしが、離珠は聴いてられなかったので省略でし)
・・・・・・
「・・・というわけで、まずこれが一曲。」
は、はう〜・・・。
「ちょっと離珠ちゃん、今の聴いてた?ばっちりたとえになってただろ。」
り、離珠はそれどころじゃなかったでしー・・・。
「さて!二番手はピカデオン!いくぜー!!」
ま、待つでしたかししゃんー!
「ああああー!お・れ・の・魂の叫びおおおお〜!!」
ぐはあ!でしぃ・・・。
「歌より囃子」でし
『歌の文句よりはやしの方が面白いという事で、
会議も、論議する人より司会者の役目の方が重い』という事でし。
「会議・・・かあ。」
そうでし!だから翔子しゃんを呼んだんでしよー。
「まあ納得だけどな。歌とかなら野村だけど、会議なら任せてらんないだろーなー。」
よくわかってるでしね。
「で・・・あたしに何をしろってんだ?」
これから星神たちで会議をするんでし。翔子しゃんにはその司会をやって欲しいんでし。
責任重大でしよー。何せ、シャオしゃまについてのことを会議するんでしからね。
「シャオについて?なるほど、たしかに責任重大だな・・・。」
でしね、でしね。
「で、シャオについての何を会議すんだ?」
とりあえずはそこから決めようと思うんでし。
「は?決まってないの?」
い、いや、その、シャオしゃまがらみだととりあえず翔子しゃんがのってくれるかなーって・・・。
「・・・そういうことかよ。」
はうっ!口がすべってしまったでしい!これでは翔子しゃんが任命されてくれないでし!
・・・とまあ、司会は大事な役なんでしよ。
「今のって司会だったのか?」
そのつもりでし。
「なんつー強引な・・・。」
「打たれても親の杖」でし
「なんか前にもこんな言葉があったような・・・。」
「太助!読みきり的設定のはずなのにそういう事を言うってなんてやつだ!姉ちゃんは悲しいぞ!!」
「って、言ってる那奈姉の手に持ってるそれって・・・。」
「杖だ!なんとかっていう・・・そうそう、たしかいかずちの・・・」
「何物騒なもの持ってんだよ!しかも版権は大丈夫なのかよ!」
「二次創作に版権も何もあるか!さあくらええー!」
びしっ!
「いてっ!こんなの慈愛もへったくれも絶対ねーって!」
「なんだとぉ?そんな太助にはもう一発だー!」
どすっ
「ぐあっ。・・・何すんだよ!突いてんじゃねーよ那奈姉!」
「大丈夫だ!憎しみは感じないはずだ!ちなみにあたしは親の代理だ!」
「ってそういう問題じゃねー!!」
『親の打つのは手荒いようでも慈愛が篭っているから
打たれても憎しみを感じない』という事でし。
・・・まったく、二人に任せるとろくな事にならないでし。
しかも今回は特に酷かったでしねえ・・・。
「内閻魔の外恵比寿」でし
『うちの人にはしょっぱい面をしているが、外の人にはにこにこと明るく愛想が良い』という事でし。
こういう人は大抵気の弱い人であるとのことでしが・・・。
「それじゃあ!気の弱い人代表ってことで遠藤先輩いってみようー!」
「なんで僕なの花織ちゃん・・・。」
いい人選だとは思うんでしが、乎一郎しゃんは果たしてしょっぱい面をしてるんでしかね?
「それより先ににこにこと明るく愛想が良いって方いってみましょ。」
そうでしね。花織しゃんの印象としてはどうでしか?
「うーんどうかなあ・・・。怒ってるところはあんまり見ないけど、別ににこにこってわけでも・・・。」
そうでしよねえ・・・。
「ルーアン先生に対してはいっつも笑顔みたいだけどね。」
そうでしねえ、そうでしねえ。
「あの、二人とも・・・。」
「じゃあ次にうちの人にどうこうだけど・・・。」
難しいでしねえ。誰が知ってるんでしか?
「あたしは遠藤先輩と暮してるわけじゃないから・・・家の人に直に聞くしかないよねえ。」
花織しゃん、聞いてきてくだしゃい。
「離珠ちゃんが聞いてきてよ。」
なんで離珠なんでしか。こここそ花織しゃんの出番でしよ。
「どういう意味よ・・・。よしっ、続きは次回に!」
うむ、そうでしね。
「ちょっと!何勝手に結論付けてるの!?」
「次回、遠藤先輩の嵐の素顔をみた!?」
くうう、盛り上がるでしねえ。
「盛り上がらないでよ!」
「内弁慶の外地蔵」でし
『内にいる時には恐れる相手もいない勢いでふるまいながら、
一旦外へ出ると全く反対にいくじが無くなる者の事を笑っていう言葉』という事でし。
離珠はそういう人をよぉく知ってるでし。
「あらそうなの?」
はいでしシャオしゃま。
「どーせこじつけよシャオリン。相手にするだけ無駄だって。」
ルーアンしゃん失礼でし!・・・うおっほん、実際にきてもらって納得してもらうでし。
「何を咳払いしてんのよ・・・。」
「それで離珠、その人は誰なの?」
シャオしゃま、支天輪から・・・
「・・・え?あ、うん、わかった。・・・出てきて、南極寿星!」
ぱあああ
と、光の中から現れたのは南極寿星しゃんでし!
「この頑固じじいがそうだっての?」
そうでし!支天輪の中では常にえらそうにしてるでし。
けれども、外に出てシャオしゃまを目にした途端にしおしお〜となってるでし。
ぽかっ
いたいでしっ!
「こりゃ離珠!いきなり呼ばれて出てみればなんちゅうたとえに儂を使っておるんじゃ!」
「・・・離珠、間違いじゃないの?南極寿星は外でも偉そうにしてますよ。」
「しゃ、シャオリンさま〜!その物言いはひどいですじゃ〜!」
「あたしもシャオリンと同意するわねぇ。この偏屈じじいのどこが外地蔵なんだか・・・。」
「慶幸日天!おぬしにまで言われとうないわい!」
むむっ、今回ばかりは失敗してしまったでしか?
・・・いやいや、実は南極寿星しゃんはシャオしゃまの前だけでしおしお〜と・・・
しょう!南極寿星しゃんはつんでれってやつなんでし!
「いいかんげんにせんか離珠!」
「そうよ離珠。南極寿星は私の前でも偉そうじゃないと。お目付け役ですものね。」
「シャオリンさま〜!だからその物言いはあんまりですじゃ〜!」
「ふう、やっぱりこじつけになったじゃないの。やれやれねぇ。」
がっくし、でし。
「内で掃除せぬ馬は外で毛を振る」でし
『内輪だけの事のようであっても悪いことはじきに広がる』という事でし。
飼い主の手入れの悪い馬は外に出た時毛を振るので手入れの悪いことがすぐばれてしまうでし。
「たとえば・・・って、この辺で馬を飼ってる人なんていないよなあ。」
太助しゃま、そんな時は違う動物で代用するんでし!
「違う動物ったって、そもそも動物を飼ってる人が・・・。」
大丈夫でし!こんな時のために天陰しゃんをシャオしゃまに呼んでおいてもらったでし!
「・・・マジ?」
なーんて、冗談でしよ〜。
じ・つ・は、でしねえ・・・
「・・・もういいや。俺は今回パス。」
ちょっと太助しゃま!そんなこと言ってると離珠は外で毛を飛ばしまくってやるでしよ!
「何ヤケになってんだよ・・・。」
「内の米の飯より隣の麦飯」でし
昔々、とある村にお金持ちのたかししゃん花織しゃん夫婦がいたでし。
「さあ、今日も美味しいご飯がたけましたよ〜。」
「・・・美味しい?昨日はプリンと一緒に炊いてたし、その前はヨーグルトと一緒に炊いてたし・・・。
今日のはちゃんとまともなの?」
「失礼な!野村先輩おかしいですよ。あたしの炊くご飯は工夫があって美味しいんです。」
「はいはい・・・。で、今日はどんなご飯・・・うっ!こ、これは・・・。」
「じゃーん!今日はお酒と一緒に入れて炊いてみましたー。」
「さ、酒くさい・・・。」
「何顔しかめてんですか。お酒を入れて炊くと美味しいのは工夫の一つとして認知されてるんですよ?」
「っていうかこれ入れすぎ!!何リットル入れたんだあああ!!」
・・・とまあ、仲良くご飯をいただく夫婦だったそうでし。
一方、隣の家に住んでる太助しゃまとシャオしゃまの夫婦は・・・。
たかししゃんと花織しゃんみたくお金持ちじゃなかったので、お米なんてとんでもなかったようでし。
「太助様、麦飯が出来上がりましたわ。」
「おお、待ってました。いやあ、今日もよく働いて腹ペコなんだ。」
「すみません太助様、おうちにはこんなものしかなくて・・・。」
「何言ってんのさ。シャオが作ってくれるご飯は美味しいんだから。さ、シャオも一緒に食べよ。」
「はいっ。」
・・・とまあ、仲睦まじく麦飯を食べあう夫婦だったそうでし。
そんな二人の様子をちらっと見たたかししゃんが一言。
「う、羨ましい・・・あの麦飯は羨ましすぎるぞ・・・!!」
『なんでも他人のものは自分のものよりも良く見えて羨ましく思うものだ』という事でし。
「野村先輩贅沢ですよ、米の飯より麦飯がいいだなんて。」
「っていうかこの状況で隣が羨ましくない奴なんていてたまるかああ!」
「ひっどーい!!こうなったら全部食べてもらいますからね!花織の工夫を凝らしたお米を!!」
「だからあ!そんな酒につかった米なんて食えねえってのー!!」
めでたしめでたし、でし。
「家の中の盗人は掴まらぬ」でし
たとえば・・・七梨家ではルーアンしゃんの盗み食いは何故か黙秘されてるんでし!
というわけで『自分の家庭内のことはよくわからないものだ』という事でし。
「ちょ、ちょっと待て離珠・・・。」
なんでしか、那奈しゃん。
「黙秘ってなんだ黙秘って。うちはそんな家になってるのか?」
事実でし。
「いや、それを事実とする根拠はなんだ?」
それはでしねえ、太助しゃまが・・・
「ふんふん。」
と、離珠が解説を入れようとしたその時でし!
「こらルーアン!客用にとっておいたケーキ食ったな!?」
「ルーアンさんあんまりですわ。これは後で皆さんと食べようと思っていたのに・・・。」
「あーん、ごめんなさーい。だってぇ、おなかが空いてるってキリュウがぁ〜。」
「な!?ルーアン殿!言い出したのはルーアン殿ではないか!」
「っていうかキリュウも食ったのか・・・。」
「キリュウさんまで・・・あんまりですわ・・・。」
「いいじゃないのぉ。キリュウにおっきくしてもらえばたくさん食べられると思ったんだもぉん。
だからついでにキリュウもたくさん食べてたのよねぇ。」
「う、そ、それはそうだが、いや、その・・・。」
・・・なんて会話が聞こえてきたでし。
離珠の説が崩れそうでしー!
「・・・っていうか崩れてるだろ。
まあでもな、なんつうか・・・平和だよな・・・うちは・・・。」
ふえっ?
「家の前の痩犬」でし
「おうおうおう、ここを誰の家だと思ってんでい!
泣く子も黙る、月天様の主、七梨太助の家だー!!
てやんでい、べらぼうめい、こんちくしょー!!
・・・ってところでいいか?」
OKでし、虎賁しゃん!
『痩せ犬でも自分の家の前では強そうに吠える』という事でし。
「おいらは痩せ犬じゃないんだけどなあ。」
そう言わないで欲しいでし。適任が他にいなかったもんでしから。
だから体がちっちゃくて喋れる虎賁しゃんにお願いしたんでし。
「間に合わせっぽくてなんか嫌なんだけど・・・。」
「あれ?虎賁に離珠。玄関の前なんかで何やってんだ?」
ああっ、太助しゃま!
「な、なんでもねーよ。(よかった、聞かれてなかったみてーだ)」
けど危なかったかもでし。
「なにふたりでこそこそしてるんだ?」
「なんでもないって!」
そうでしそうでし、なんでもないでし。
「ふーん?」
「内裸でも外錦」でし
・・・こ、これは結構手強い言葉でしね。
「なーに悩んでんだ、離珠。」
これはこれは翔子しゃん。おおよそこの言葉と反対の人物でしね。
「なんだそりゃ・・・どういう事だ?」
実はでしね・・・これは、『うちの中は火の車でやりくりに追われていても、
世間体をよくすることが世渡りの秘訣だ』という事でし。
「ああ、それじゃあ七梨の事でいいんじゃないかな。」
太助しゃまでしか?
「世間一般じゃあ、七梨家の収入はどうなってるんだとかいうのが問題に挙がっててな・・・。」
ふむふむでし。
だだだだっ
「な、なんだ!?」
な、なんでしか!?
「山野辺ぇー!離珠ー!」
「その事には触れるなー!!」
「げっ、七梨・・・と那奈ねぇ?」
なんだか決死の形相でやってくるでしよー!?
「・・・うーん、野村にたとえて嘘の話でも持ち出すべきだったか・・・とにかく逃げよーっと。」
ああっ、しょんな、翔子しゃーん!
ううっ、離珠は経済事情がどうとかについて聞こうとしてただけなのにー!
「「お約束って奴に触れるんじゃなーい!」」
「内ひろがりの外すぼまり」でし
『うちの中では威張っているが外に出ると意気地なく小さくなっている』という事でし。
いつもえらそうにしている南極寿星しゃんを呼ぶことにしたでし!
「離珠!えらそうとはなんじゃ!ワシは・・・って、ここはどこじゃ?」
「更衣室よ。離珠に言われて出てきてもらったけど、南極寿星大丈夫?」
そうでし!当然シャオしゃまにはことわざがどうとかってのは秘密だったんでしがね。
そこは翔子しゃんに協力をあおいで上手く誤魔化してもらったでし。
辺りをきょろきょろして、シャオしゃまと一緒にたくさんの女子生徒しゃんがいるのに気付いたでし。
皆しゃん南極寿星しゃんを見てやいのやいのきゃーきゃーと騒いでるでし。
その中には当然翔子しゃんも混じってたでしけどね。面白半分にして。
そして南極寿星しゃんはあたふたあたふたおろおろおろおろと・・・なんかふらふらしてきたでし。
「・・・じ、じじには刺激が強すぎますじゃ・・・し、支天輪に・・・」
「う、うん。・・・あ、でも・・・。」
「シャオリンさま、は、早く・・・。」
「えっと、南極寿星は自分で帰れるよね?」
「そ、そうでございましたな。ではこれにて・・・」
ごんっ
「ぐあっ!シャオリンさま、支天輪が小さすぎますじゃ!」
「でも支天輪ってその大きさだけど・・・。」
「は、はう、そ、そうでしたな・・・。」
さんざん混乱したあとで、なんとか南極寿星しゃんは支天輪に帰っていったでし。
あんまり大した騒動にもならず・・・というより、
南極寿星しゃんの行動がかわいいって結構な人気だったんでしよ。
いい思いをしてよかったでしね、南極寿星しゃん。
「ちっともよくないわい!!」
・・・で、結局最後に離珠はシャオしゃまからも怒られてしまったでし。
はうー・・・。
「内股膏薬(うちまたごうやく)」でし
秘密:これは世紀末企画でし!・・・って、なんてバレバレなんでしか!!
さあ出雲しゃん、ゴーでし!
「そうせかされましても、私はどうすれば・・・。」
「簡単なことだ!宮内、“これからハイキングに行こうぜ!”と太助達に誘われた。行くか?」
ちなみにメンバーは、太助しゃまにたかししゃんに乎一郎しゃんでし!
「何を馬鹿な。男だけで行って何が楽しいんですか。私は行きません。」
「ふっ、やはりな。ところがシャオも一緒に行く事になった!これならどうだ!」
さあどうなんでしか!
「行きます!!」
「・・・即答か。」
はーい、というわけで、
『ちゃんとした自分の考えがなく、その時の都合であっちの味方になったり
こっちの味方になったりと態度があやふやなこと』という事でし。
「味方、っていうのはよくわかりませんが、私をダシにしてからかったというわけですね。」
「人聞きの悪い事言うなよ。事実を示したまでだ。」
那奈しゃんの協力で、ばっちりい例えをもらったでし。
「・・・おっと、そういえば母が作った薄皮饅頭を持っていたんでした。」
「それがどうした・・・」
ちゅわ〜ん!!
・・・那奈しゃん!出雲しゃんをダシにするなんてひどいでし!!
「ふっ、形成逆転ですね、那奈さん。」
「・・・勝手にやってろ。」
「美しい花によい箕はならぬ」でし
「つまりぃ、ルーアン先生の花の場合は食べると即死する実しかならないってことですね。」
「くぉんの小娘ぇ!今なんつったー!!」
というわけで『外から見ただけでは物のよしあしはわからない』という事でし。
「ちょっとごみチビ!“というわけで”ってどういうわけよ!?ええ!?」
「うっわぁルーアン先生こわーい。離珠ちゃんが“というわけで”ってつける理由わかるねえ。」
うんうん、でし。
「ええーい!即死だとかんなもん言われたら誰だって怒るに決まってるでしょー!?」
「言い直すとですねえ、ルーアン先生はただ綺麗かもしれないだけのおばさんってことですよ。」
「んだとぉー!?もーぉ勘弁ならないわ!!陽天心しょーらーい!!」
ぴかーっ!!
・・・後はご想像に任せるでし。
いやあ・・・花織しゃんは可愛いかもしれないでしが毒が強いでしよねえ。
「ななな、なんですってー!?」
はう!?離珠の後日談を花織しゃんに聞かれてたでしか!?
「離珠ちゃん・・・絶対ゆるせないー!」
ひえええ、でしー!!
「打つも撫でるも親の恩」でし
「親関連のことわざはどうもなあ・・・。」
太助しゃま、ちょっと憂鬱でしか?
「ああ・・・。」
しょんな太助しゃまにいい提案でし!シャオしゃまとの子供ができた時を考えればいいんでしよ!
「へええ、なるほど・・・ってなるほどじゃねー!」
「何を言ってるんだ。立派な案じゃないか。」
「な、那奈姉・・・。そうか、黒幕は那奈姉か!」
黒はひどいでしよ太助しゃま。那奈しゃんはこんがり小麦色でし。
「そうそう小麦色・・・ってそんな話はどうでもいいの!
とにかくだな太助。お前も未来の父親兼夫としての自覚を持ってだな・・・」
「父親兼夫って、言葉のつながりによっちゃあ変じゃないか?」
「そんな細かいことはいいんだよ!
あたしの義妹となるシャオ!そしてあたしの甥姪となるお前達の息子娘!
しっかりとお前がそばにいて、叱ったりおだてたり・・・だ!」
「だ!って言われてもなあ・・・。」
「なにーっ!?あたしがこれだけ場を作っても太助はそんな反応なのか!?姉ちゃんは悲しいぞ!」
「勝手に作って何言ってんだよ!」
・・・というわけで!
『親は子を叱ったりおだてたりするが、これもみな親の愛情のあらわれである』という事でし。
もしかしたら那奈しゃんの普段の行動も太助しゃまへの愛情かもしれないでしね。
「あたしは太助の親じゃなくて姉だぞ。」
「っていうかその前に、愛情にしては絶対歪んでる気がする。」
「なんだとぉー!?」
「移ればかわる世の習」でし
『世の中の様子は時世につれて様々に変わるが、
目まぐるしい変化は浮世の常で、怪しむことはない』という事でし。
これは要するにでしね・・・
「うおおおお!国民のモットーは熱き魂だああああ!」
っていうおふれがあったり・・・
「かったりーなー・・・てきとーでいいよ、てきとーで。」
っていうおふれがあったり・・・
「えーと・・・うん、まあ平和が一番だよ、うん。」
っていうおふれがあったり・・・
「さあみんな、思いっきり遊んじゃいましょー!」
っていうおふれがあったり・・・
「ちょい待ち離珠。」
そう、ちょい待ち離・・・って、誰でしか離珠の邪魔をするのは!
「おいらだよ。あのな、どういうたとえだこれは?絶対にそんなんじゃ解説に・・・」
とまあ、世の中は変化するんでし。いちいち気にしちゃいけないでし。
「おい!ひとの話を聞けって!」
虎賁しゃんはひとじゃなくて星神でし。
「こら!」
「うどの大木」でし
たとえば!ここに、食後の昼寝と称してぐーすか寝ているルーアンしゃんがいるでし!
このルーアンしゃんに対して・・・
「万象大乱!」
と、キリュウしゃんがぐんぐんぐんぐん大きくすれば・・・
「ぐー・・・ぐー・・・。」
ただ寝ているだけのルーアンしゃんのできあがりでし!
寝ているので陽天心も使わないでしが、はっきり言って役に立つ状態じゃないでし!
『からだばかり大きくても役に立たないもの』という事でし。
「こらー!リビングで何やってんだー!」
た、太助しゃま?
「・・・離珠殿の試練だ。」
「なにー!?」
ちょ、ちょっとキリュウしゃん!責任転嫁はよくないでしよ!
「なんだと?だいたい離珠殿が大きくしろと言って・・・」
「そんなことはいいから早くルーアンを元に戻せって!
既にソファーつぶれちゃってるし・・・この状態で寝返りでもうたれたりしたら・・・」
ごろん
「うぎゃあああ!」
「くっ、万象大乱!」
ずおおおお
ちょ、ちょっとキリュウしゃん!更に大きくなったでしよ!?
「・・・間違えた。」
「間違えるなー!」
そんなこんなで・・・
リビングが大いに荒れて大変だったでし。
いやあ、今回はこれにてめでたしめでたし・・・
がしっ
「離珠・・・ちょっとそこに座りなさい!」
しゃ、シャオしゃま!?
・・・とまあ、離珠はぼろぼろになった太助しゃまに睨まれつつ、
シャオしゃまから大目玉をくらったでし。
キリュウしゃんもキリュウしゃんでげっそりしてたでしが・・・。
「優曇華が咲くと凶事あり」でし
「よし!ここは一発あたしがばっちり解説してやっかんな!」
しょ、翔子しゃん・・・。
「いいか、優曇華はインドの想像上の植物で、三千年に一度花を咲かせると言われているんだ。
それで非常に珍しいことのたとえに使われているけど・・・実はウドンゲの花っていうのはそれじゃない。
実際に見るその花はクサカゲロウの卵。
ちなみにクサカゲロウってのはアブラムシとかケジラミとかダニとかを食べる虫。
とにかく決して珍しいもんじゃなくて、このことわざは迷信、って事だな。」
・・・・・・。
『非常に珍しい事のたとえ』という事でし。
「あ、こら離珠!折角あたしが説明してやったのに!」
しょれでも意味はとりあえずつけておかないとかっこがつかないんでしよー!
「だからあ、ウドンゲの花なんてめずらしくないっての!」
しょれでもいいんでしー!!
「自惚れと瘡気の無い者はない」でし
『人間はどんな人でもうぬぼれ心を持っている』という事でし。
ちなみに瘡気は“かさけ”と読むんでしよ。
これは梅毒の気味で、昔は良薬がなかったためにこの種の病気の人はとても苦労したそうでし。
「えっらく時代に触れてきたなあ・・・離珠ちゃん勉強してるの?」
ふふん、どうでしかたかししゃん。離珠は勉強家なんでしよ〜。
「っていうか俺自身、瘡気なんて初めて聞いたなあ・・・。」
ふふふふん、離珠ってば立派でしね〜。
「・・・っていう離珠ちゃんの今の状態がまさにうぬぼれかもね。」
はう!?
「鵜の真似をする烏」でし
「さあて、今日はルーアンがおいしい料理を作ってあげるわよ。
シャオリンなんかに負けてられないわ。たー様、楽しみに待っててね。」
なんだか今日は大はりきりのルーアンしゃん。ルーアンしゃんの料理っておいしいんでしかね?
でも、シャオしゃまみたいにうまく料理できるとは思えないんでしが・・・。
「陽天心召来!」
やっぱりでしか。まったく、自分でつくろうとはおもわ・・・!!
「きゃー!!ちょっと、なんでいう事聞かないのよー!!」
なんと!お料理達が襲いかかってきたんでし!
『自分の能力も省みず人の真似をすれば失敗する』という事でし。
やっぱり料理はシャオしゃまに任せるのが一番でしねえ。
「ちょっと離珠!今回はたまたま失敗したんだからね!次こそは!」
やれやれでし。そんなに言うんなら陽天心を使わないでお料理してほしいもんでし。
「鵜の目鷹の目」でし
この前とっても怖い事があったんでし。
皆しゃん集まって宮内神社へ行っていた時のことでし。
ひょんな事からシャオしゃまの髪飾りが無くなってしまったんでしね。
もちろんそれはシャオしゃまにとって大切な物で・・・。
そこで!出雲しゃんやたかししゃん、そして太助しゃまが血相を変えて探し回ったんでし。
その時の目と言ったら・・・とっても恐かったでしよ〜・・・。
「見付けたらシャオからの印象度アップだからな。そりゃああんな目にもなるさ。」
と、翔子しゃん。なるほど、確かにそうでしねえ・・・。
『物や物事の欠点を探したり、自分の利になるものをあちこちと探しまわる目つき』という事でし。
・・・でも翔子しゃん、なんでそんなに落ち着いているんでしか?
翔子しゃんだけじゃなく、乎一郎しゃんや花織しゃんも。
「だってさ・・・。」
「ルーアン先生のコンパクト使えばすぐでしょ。」
なるほど!!言われてみればそうでし!!
と、その言葉を聞いて、ルーアンしゃんもキリュウしゃんもため息をついたでし。
「折角三人が頑張ってるんだから探させてあげましょ。」
「これも試練だ。」
にやにや笑いながら言ってもあんまり説得力ないでしよっ。
心配そうにシャオしゃまが見つめる中、結局最後はコンパクトに頼ってしまったでし。
へとへとになっている三人へ那奈しゃんがとどめの一言。
「もっと頭使えよな。お前らただの三バカじゃないか。」
きついでしねえ・・・。けど当たってるかもしれないでし。
「産屋の風邪は一生つく」でし
『小さい時についたくせは一生直らない』という事でし。
赤ん坊に風邪を引かせると、気管を悪くして一生風邪をひかせやすくなるというところからきてるそうでし。
「へええ・・・そうなんだ?」
そうらしいでしよ、太助しゃま。
「俺も気をつけ・・・って、小さい時のことなんて今更気をつけられないよな。」
それより太助しゃま、たとえを一発お願いするでし。
「たとえ?ああ、説明だけじゃああんまりだってことなんだな。」
そうでしそうでし。
「えっと・・・じゃあ愛原のことでも。」
花織しゃんでしか?
「ああ。よく乙女ちっくモードとかってのに突入してるらしいけど、
小さい頃から夢見がちだったってことで・・・」
・・・太助しゃま、それはなんか違くないでしか?
「・・・違うかなあ?うーん、そうなのかな・・・そうなんだろうな・・・。」
・・・太助しゃま、小さい頃に何かあったんでしか?自信をくじかれるような何かが。
「どういう意味だよそれ。」
「旨い事は二度考えよ」でし
「おーい野村ー。シャオがパイ作るんだってさー。」
「なにー!?これは是非シャオちゃんの元にゆかねば!」
「ああ、そうしろよ。是非皆さんにご馳走したいので誘ってくださいってあたし頼まれたんだ。」
「おおおっ、そうか!さんきゅう山野辺!!いよぉし、俺の魂が熱く燃えたぎってきたぜえええ!!」
どどどどどどど・・・
しょんなこんなで、たかししゃんは太助しゃまのおうちへ向かって走っていったしょうでし。
「って、シャオが料理するのはあたしんちなんだけど・・・。」
しょうなんでしよねー。離珠もしょう聞いてたのに・・・。
『自分にとって好都合だと考えられることがあっても、
軽率にそれにとびついたり実行しないで、よくよく考えた上で実行せよ』という事でし。
「っていうか野村の場合、人の話を最後まで聞いてないだけじゃないのか?」
でも翔子しゃん、軽率に飛びつくってのがあたってるでしよ。
「いや、軽率に飛びついてひどい目にあうとかのたとえならわかるけど・・・。」
む、むむむむ・・・。
「・・・まあ、実は愛原も一緒になって料理することになってるから、丁度合ってるかもな。」
なななな、なんでしと!?離珠は初耳でしよ!?
「なんだそうだったのか?まあいいや、離珠も食うんだろ。シャオの料理。で、間違えて愛原のを食う、と。」
り、離珠はしょんな間違いやらないでしよっ!
「旨い物喰わす人に油断すな」でし
『うまいものを食わせるのは何か下心があるから。だから油断をしてはいけない。
人を喜ばせる人には気をつけなくてはいけない』という事でし。
「もしそれが本当だったら離珠、シャオにはいつも油断できないぞ?」
太助しゃま・・・。太助しゃまの意見はとっても偏りがあるでしよ?
「なんでだよ。」
「それはだな、太助!お前がいつもシャオちゃんの美味しい料理ばっか食べてるからだ!」
おおっと、たかししゃんの乱入でし!
絶妙のタイミングのツッコミに、太助しゃまはどう反応するでしか?
「・・・まあ、そうだけどな。」
あっさり肯定したでしねえ。さすが太助しゃまでし。
「てめえー!少しは遠慮とか謙遜とか譲歩とかをだなー!」
無茶言ってるでしたかししゃん。
「旨い物にはあてられる」でし
ある日、那奈しゃんが太助しゃまをちょいちょいと呼びつけたでし。
「太助、ちょっとお前に相談がある。」
「なんだよ那奈姉、改まって・・・。」
「いいからそこに座れ。こほん、さて毎週日曜日になるとうちに人が集まる傾向にあるが・・・。」
「ああそうだよ。皆シャオが目当てだったりするんだけどな。」
ルーアンしゃんが目当てだったり、太助しゃまが目当てだったりする人もいるでしけどね。
「そのたびに昼食やら夕食やらをうちがご馳走してるわけだよな?」
「まあ、そうだよな。」
「あのな、そうだよなじゃないだろ?要するにうちにタカりにきてるってことだぞ?」
「いや、そういう考え方は・・・。」
よくないでしよ、那奈しゃん。
「ま、言い過ぎかもしれないけど。で、だ。この状況はうちの家計圧迫にも繋がる。」
「そんな大袈裟な・・・。」
だんだんと深刻になってきたでし。
一方では金銭事情に触れるなと離珠に釘をさしておきながら、いい身分の会話でしねえ。
「そこでだ。シャオの美味しい手料理を食べたいなら、うちの何かを手伝ってもらう、と。」
「いきなり話が飛んでないか?」
「それをうちの家訓としようか。」
「おいおい・・・。」
おおっと、那奈しゃんの大胆発言でし!要するにこれが・・・
『いいことには何か後から難儀のかかるおそれがある』という事でし。
「・・・とかやってると、何か非難がきそうなんだよなあ。」
「きそうも何も、絶対くると思うけど・・・。」
「しかしなあ・・・。」
「大丈夫だよ、多分。キリュウが食材を大きくするなりしてるだろうし。」
「あ、そっか!それなら安心だろうな。あっはっは。」
「はははは。」
「・・・本当にそうか?」
「多分・・・。」
えっと、この辺で終わりにするでし。
「旨い物は小人数」でし
『うまいものは小人数で食べた方がたくさん食べられる』という事でし。
また、小人数の料理はうまく作れることにも言うそうでし。
「でも、シャオの料理って・・・。」
と、呟く太助しゃま。
いつも美味しい美味しいと太助しゃまはシャオしゃまのお料理を食べてるでしが・・・
うちの中を考えると、少人数というわけでもなく、
特にたかししゃんや乎一郎しゃん達がやってきた日には大人数でし。
「それでも美味しいのは何故なんだろう・・・なあ那奈姉?」
しょうでしね。離珠も不思議でし。
けれども、しょんな太助しゃまの疑問に大して、那奈しゃんは大きなため息をついたでし。
「お前なあ・・・人にのろけるのもいいかげんにしろよ?」
「は!?」
「たく、何がシャオの手料理は世界で一番うまい、だ。俺は幸せだな〜、だ。
でもやっぱり俺のためだけの手料理を食いたいな〜、だ。
姉のあたしにそんなおのろけすんなよな。」
やれやれ、と那奈しゃんは立ち上がったでし。
ふえぇ〜、太助しゃまってば大胆だったんでしねえ。
「って!俺そんなこと一言も言ってないけど!?」
「あ〜、あっついあっつい。熱いからあたしは翔子のとこへチクりにいこうかな〜。」
「ちょ、ちょっと那奈姉!」
ふらふらっと出かけてゆこうとしゅる那奈しゃんを慌てて太助しゃまが追って行ってしまったでし。
・・・なんだか、食事の話どころじゃなくなってしまったでしねえ。
「旨い物は腹にたまる」でし
『うまい物は食べ過ぎるので腹持ちがよい。
それで、胃に害があるからたくさん食べるなという戒め』という事でし。
うまい物といえばシャオしゃま、シャオしゃまといえば料理名人。
というわけで、たまにはシャオしゃまに解説をお任せしてみたでし。
がつがつがつがつー!
「シャオリン、いつもながらあんたの料理って美味しいわねぇ♪」
「喜んでいただいて何よりですわ、ルーアンさん。でも・・・。」
「なによ?」
「ちょっと食べすぎじゃないですか?胃に害がありますよ?」
「平気よ。あたしの胃の中には陽天心菌がすんでるから。」
「でも・・・。」
「大丈夫ったら大丈夫なの!ほら、もっと持ってきてよ。」
「は、はいっ!」
・・・なんてことがあったとシャオしゃまから聞いたのは、後の話でし。
「離珠、たくさん食べるルーアンさんをたとえにしようと思ったんだけど、うまくいかなかったわ。」
当然だと思うでしが・・・。
ちなみに、ごちそうは飽きやすい事にも言うそうでし。
「ルーアンさんは飽きずにずっと食べてたし・・・。」
むう、だからルーアンしゃんではたとえの対象にはならないと思うでし。
「でも、たくさん食べるっていいことね♪健康的だし。」
シャオしゃまぁ・・・。
「旨い物は宵に食え」でし
『どんなうまいものでも一晩たつと味が落ちるから早く食べた方がいい』という事でし。
ちょっとシャオしゃまと翔子しゃんに頼んで、これについて話してもらったでし。
「シャオの家ってそういう心配ないんだよな。」
「どうしてですか?翔子さん。」
「結構大人数だろ?すぐなくなっちゃうだろうし・・・って、ルーアン先生がいるからだけど。」
「そうですね。その日夕飯用に作ったお料理は、その日のうちに全部たいらげちゃいます。」
「そういう方がいいよなあ。一晩で腐るものもあったりするし・・・。」
「夏場なんて大変ですよね。すぐにカビが生えちゃったりしますから。」
「そう、そこなんだよ。うーん、シャオの家って合理的だよな。」
「いえ、そんな。」
・・・どこか歪んだ会話のような気がするのは離珠の気のせいでしか?
つまりは、いい話はとっておかないでずんずん進めた方がいい、という事なんでし。
って、これではたとえにならないでしね・・・。
うん、こうするでし。ゆがみとか気にかかる点はあるけれども、
留まっていてはことわざ解説のいい話にならないからどんどん、進むべきでしね・・・っと。
「離珠、そりゃ違うだろ・・・。」
「そうですよ離珠。解説をさぼっちゃいけません。」
えうー・・・。
「馬に乗るまでは牛に乗れ」でし
昔々・・・ある所にルーアン馬しゃんとキリュウ牛しゃんがいたでし。
その二人のご主人だったのは太助しゃま。
いつもは二人を乗りこなして街まで買い物に行ったりしてたんでし。
ある日のこと、太助しゃまはシャオしゃまとのデートのために、待ち合わせ場所に向かおうとしたでし。
ところが、家に居たのはキリュウ牛しゃんのみ。
「しまった、ルーアン馬は乎一郎のとこだったっけ・・・。
一応待ち合わせ場所の途中だから、そこで合流してルーアン馬に乗れないことはないけど・・・
それまでは・・・しょうがない、走るのには向いてないけど、キリュウ牛に乗るしかない!」
今は時間が少しでも惜しい太助しゃまは、キリュウ牛しゃんに乗ることにしたでし。
たしかにキリュウ牛しゃんはゆっくりだったでしが、それでも大荷物を抱えていたので歩くよりましだったでし。
『少しでも余計に進んだ方がよい』という事でし。
何にも乗らないよりは牛でもいいから乗った方がいいっていう事でしね。
「・・・おい離珠、なんだこの紙芝居は。」
どうでしか虎賁しゃん。離珠の力作でし。動物しゃんも擬人化!すごいでしね〜。
「さすがにこんなのはルーアンとキリュウ姉にぶっとばされないか?」
大丈夫でしよ、ばれなければいいんでし。
「けどなあ・・・。」
とりあえずシャオしゃまにも見せてくるでしー・・・って、さすがに冗談でしけどね。
「ああ、そうしとけ。月天様に見せたら多分もっとひどいおしおきがくるだろーし。」
う、そうでしよね・・・。
「馬には乗ってみよ人には添うて見よ」でし
「たとえば・・・シャオやルーアンやキリュウは・・・。」
ふむふむ。
「最初出てきた時には守護月天とか慶幸日天とか万難地天とか・・・。」
ふむふむ。
「そういう肩書きが苦しく思えたけどさ、三人とも普通の女の子、だよな。」
ふむふむ。
「・・・とは、まださすがに思えないけど。」
ふえっ?
「なんてな。ほんと、一緒に暮せるようになってよかったと思うよ。俺の大事な家族だもんな。」
ふむふむ。
『食わずぎらいをしたり用心したりしていたのでは物事は進まない。
馬の良し悪しはただ見ただけではわからないもので乗ってみて初めてわかる。
人も見かけだけではどういう人物かわからなくて、
一緒に暮したり仕事をしたりして初めてよくわかる』という事でし。
「いい話かもしんないけど、太助、離珠。」
「なんだよ那奈姉。」
なんでしか、那奈しゃん。
「たとえの出し方間違えてないか?どうせなら、出雲は見た目キザで嫌なやろーだけど、
実際に出雲で遊んでみると楽しいことこの上ないとかさあ。」
「そういうのは那奈姉だけだろ・・・。」
でしでし。
「馬の耳に風」でし
この前、たかししゃんが騒いでいたら・・・
「うるさい!静かにしろ!」
と翔子しゃんが一喝。
その場はしーんとなったのでしが、しばらく経てばまたうるさく・・・。
どうやら翔子しゃんの声はたかししゃんにとって馬の耳に風も同然のようでし。
『いくら意見しても一向に効き目がなく、なんとも感じない』という事でし。
「けどよー離珠ちゃん。カラオケで騒がなくてどうするってんだよ。」
「あたしが歌ってるんだぞ!?その歌と関係無い歌を大声で叫ぶなっての!!」
・・・というわけでしね。
「諦めろ山野辺。たかしはそんな奴なんだ。」
「おい太助!」
「そうか・・・分かった七梨。諦めるよ。」
「山野辺!なんだその反応!」
「賢明だよ、山野辺さん。」
「乎一郎、お前までぇ〜!!」
「馬の耳に念仏」でし
今日も楽しいおやつの時間でし〜♪
ついさっき出雲しゃんが沢山のお土産を持ってきてくれたからルーアンしゃんとたっぷり食べてるんでしよ。
「もぐもぐ・・・はあ〜、やっぱり美味しいわあ。」
ちゅわ〜ん、やっぱり出雲しゃんのおかあしゃんは天才でし〜。
ちなみに食べてるのは離珠とルーアンしゃんの二人でし。
横で座ってみているのはキリュウしゃんでし。
「二人とも、そんなに甘いものを食べてばかりいると・・・。」
「食べていると何よ。あたしは太らないのよ。」
離珠も太るなんて事は無いでしよ〜。
「虫歯になるぞ。」
「はあ?あたしはそんな軟弱じゃないわよー。」
離珠も同じでしよ〜。
「しかしだな・・・。」
「もう、うっさいわねえ。黙って見てなさいよ。」
そうでしそうでし。ぱくぱくぱくぱく。
「・・・どうなっても私は知らないからな。」
「あ、そ。がつがつがつがつ・・・。」
心配なんて要らないでしよ。ばくばくばくばく・・・。
そして翌日・・・。
「は、歯がいたーい!!!」
えうー、痛いでしー!!
「どうしたんですか?二人とも。・・・虫歯、ですか?」
「む、虫歯ですって〜!?うそお!?イタタタタ・・・。」
えうー、シャオしゃま〜。
「どうしたんだ?」
「あ、キリュウさん。離珠とルーアンさんが虫歯になったそうです。」
「虫歯?まったく、私が昨日あれほど言ったのに・・・。」
というわけで『いくら意見や忠告をしても、聞こうとしない人には何の効き目も無い』という事でし。
これからはちゃんと聞くようにするでし〜。
「馬は馬方」でし
馬は人を見るから、慣れない者が扱ってもなかなか言うことをきかないでし。
けれども馬方が扱えば意のままに動くでし。
「つまり?」
つまり、『やはり専門家は専門家だけのことがある』という事でし。
「そうだよなあ、それが当然なんだよなあ・・・。」
「いや主殿、そこで納得されても・・・」
「あのなあキリュウ。いくらなんでも梗河の熊にまたがって梗河と同じ動きってのは無理だって!!」
そうなんでし。ついさっきまで太助しゃまは、そんな試練をやってたんでし。
しかし、馬どころか熊になんて乗ったことの無い太助しゃまは、
どったんばったんと振り回されっぱなしで・・・。
ちっとも満足のいく結果をえられなかったんでし。
遠くからその光景を見ていた梗河しゃんはやれやれと肩をすくめるばかり。まぁ無理も無いでしね。
「仕方ない・・・。こうなったら車騎殿の砲台に・・・」
「無理!つーかそんなん乗ってどうするってんだ!」
こうしてこの試練はその場でお流れに。
ちゃんちゃん、でし。
「馬は馬づれ牛は牛づれ」でし
馬が鳴けばそれに応じて馬が鳴き、牛が鳴けばそれに応じて牛が鳴くでし。
馬に牛が応える、なんてことはないでしね。
『それぞれにふさわしい相手があってこそ調和がとれる』という事でし。
「まさにそういうことだな。」
那奈しゃん、納得したでしか?
「ああ。ぽけぽけのシャオにこそ、奥手な太助が似合う。
夢見がちなぴょんぴょんちゃんにこそ、熱血してるバキバキくんが似合う。
と、そういうことだな。」
・・・言ってることの意味がちっともわかんないでし。
「だからこそあたしは今後も邁進しなきゃいけないんだ。今改めてわかったよ。」
那奈しゃ〜ん、離珠にも分かるように説明してくだしゃいでしってば〜。
「しかしだ、あのおおぐらいのルーアンに眼鏡くんは似合うのだろうか?
更に踏み込んでみれば、あたしか翔子はキリュウかもなあ・・・難しいところだ。」
・・・もういいでし。
今回は那奈しゃんと調和なんてとれっこなかったんでし・・・。
「馬も買わずに鞍買う」でし
『物事の順序や段取りが反対なことのたとえ』という事でし。
出雲しゃんは車の免許をとるのと車を買うのとどちらが先だったんでしか?
「免許をとる方が先ですよ。当たり前のことじゃないですか。」
「騙されちゃダメよ。いずピーはきっとナンパのためにまず車を購入したのよ。」
なんと!そうなんでしか?
「違います!ルーアンさん、いいかげんな事言わないでください!」
「だっておねー様が・・・。」
情報源は那奈しゃんでしか?
「はあ、那奈さんはまたある事ない事を・・・。
とにかく、免許も持たずに車に乗るなど法律違反もいいところですからね。」
「あら、そう言われてみればそうだったわねえ。せちがらいこと。」
法律違反とは厳しいでしね。
「いや、当たり前でしょう・・・。あと、法律を犯してるのはいわば犯罪者。
そんな犯罪者に声をかけられて嬉しい女性などいるでしょうか、いえ、居ません!」
「おおっ!いずピーがめずらしくいいこと言ってるわ!」
出雲しゃん立派でし〜。
「だから・・・これは当たり前のことですってば!」
「馬持たずに馬貸すな」でし
たとえばキリュウしゃんは鳥しゃん・・・文しゃんを飼ってるでしよね。
「うんうん。」
けれども、たかししゃんは鳥しゃんを飼ってないでしよね。
「そうだな。」
ということは、たかししゃんは鳥しゃんを粗末に扱ってしまうので、
キリュウしゃんはたかししゃんには絶対に文しゃんを貸さないと思うでし。
「ええっ!?そりゃひどいぜ!」
『馬を飼っていない人には馬をかわいがる心がないから、貸せばそまつに扱う』という事でし。
「俺だって鳥をかわいがる心くらい持ってるよ!」
けれども、毎日大迷惑な歌で鳥しゃんの歌声を邪魔してると思うでし。
「くうう、あんまりだ・・・。くっそう、キリュウちゃんに訴えてやるー!」
・・・というわけで、キリュウしゃんの部屋にやってきたでし。
「キリュウちゃん!離珠ちゃんひどいんだぜ!?俺は鳥を飼ってないから鳥をかわいがる心が無いだろうって。
だから、キリュウちゃんが飼ってる鳥を、俺には絶対貸さないだろうって!」
「経緯はわからぬが・・・その前に!
私は文殿を飼っているのではなくてだな、文殿は友達なんだ!」
「馬痩せて毛長し」でし
『馬は栄養がよくないと毛ばかりのびるが、
人は貧乏になると頭の働きが悪くなってくる』という事でし。
「これって何をどう解説するつもりなんだ?」
虎賁しゃん、お願いするでし。
「はあ!?おいらになんて無理に決まってるだろ。」
大丈夫でしよ。とりあえず貧乏になってもらって、そして頭の働きが悪くなって・・・。
「それで何が大丈夫なんだ。大体、貧乏ってはいそうですかとなるもんじゃねーだろ。」
太助しゃまに小屋か何かを用意してもらってでしね、それで・・・
「却下だー!だいたい、おいらにどうこう頼むより紙芝居か何かでも作ればいいじゃねーか。」
はっ、それもそうでしねえ・・・。
やれやれ、離珠も貧乏になってしまったってことでしか。
「なんのこっちゃ・・・。っていうかおめーは人じゃなくって星神だろーが。」
「生まれた後の早め薬」でし
『時期にまにあわず役に立たない』という事でし。
生まれてしまってから出産を早める薬を飲んでも何の役にも立たないでしね。
「そういう薬があるのか・・・おい太助。」
「なんだよ那奈姉。またどーせシャオの出産がどうとかって・・・。」
「シャオもそうだが、その子供だ。」
「はあ!?」
「娘が生まれて、その子が出産なんて状態になったらさ、きちんと考えろよ?」
「ちょっと待てよ、なんでそんなこと!」
「そうだな・・・娘の事は心配だろうけど、親がどうこういちいち口出すのもあれだしな。
ってーか、シャオの意見を参考にしておくべきだろうな。出産の経験者だし。」
「そういう問題じゃない!なんで俺の娘の話なんてのが出てくるんだ!?」
「うるさいなあ、たとえだよたとえ。」
「たとえに出すにもほどがあるって!」
・・・ともかく、役に立たないことはないようにしたいものでし。
って、ちっともまとまって無い気がするんでしが・・・。
「生まれ乍らの長老なし」でし
昔々ある所に、熱き魂というものを説いてまわるたかし法師というお坊さんがいたでし。
たかし法師は、人には誰にでも熱き魂というものが存在し、
それを極限までに高めればどんな願いでも実現できる力ができると説いたでし。
けれども、それを本当に活かせるかどうかはその人次第。
まさにその極致に至ったたかし法師は、この事実に感動して世を廻っているそうでし。
合言葉は“うおおおお!”だそうでし。
ある時、たかし法師の説法を聞いていたシャオしゃまが尋ねたでし。
「たかし法師は最初から熱き魂を活かしていたんですか?」
すると、たかし法師はこう答えたでし。
「いいや、活かせるようになるまでかなり時間がかかった。
しかしだ!ずっと信じて疑わなかった俺はとうとう真髄を得たんだ!
自分の信念を、皆信じるんだ!うおおおおお!!」
叫び出して五月蝿くなったでしが、聞いていた皆はそれに負けないくらい“わああああ”と歓声をあげたそうでし。
こうまで支持されているたかし法師も、昔はなかなか熱き魂を活かせなかったか弱き少年だったみたいでしね。
『初めから立派な人はいない』という事でし。
「離珠、なんだよそれ・・・。」
おや翔子しゃん。これは紙芝居でし。
「ってか、たかし法師?熱き魂を説いてまわる?一体なんなんだ・・・。」
たとえをこうして出す事により、解説がよりわかりやすくなるんでし。
離珠の力作でしよ、えっへん。
「これって威張っていい内容なのかな・・・。」
「生まれぬ先のむつき定め」でし
「太助ー!!」
どたばたどたばた
那奈しゃんが大慌てで家に戻ってきたでし。
「おや那奈殿。主殿なら留守だぞ。」
リビングにて迎えたのはお留守番をしていたキリュウしゃんでし。
「何、留守だって!?くうう、おむつを用意してきたってのにー!」
と、那奈しゃんの手にはいくつ入りとか書かれたおむつの袋があったでし。
「おむつだと・・・一体何に使うんだ・・・。」
首を傾げるキリュウしゃん。当たり前でし、ここにはそれを必要としてる人は居ないでしからねえ。
「何言ってるんだ、太助とシャオの子供だ!ああー、もうこの大変な時にどうして留守なんだー!」
おおわらわの那奈しゃんでしが、キリュウしゃんにとっては不可解だらけだったでし。
「落ち着かれよ那奈殿。何より、まだ生まれてもないのに・・・。」
「・・・そうだよな、そうなんだよな。・・・って離珠、もういいだろ?」
ひょこっ
と、隠れていた離珠はここで姿を現したでし。
「離珠殿?」
「そ。離珠に頼まれてさ、ことわざ解説のための演技をやってたってわけ。」
「それはまた酔狂だな・・・。」
ちょっとキリュウしゃん!それはひどいでし!
おほん。いつ生まれるかあてのない赤ん坊のおむつを作るのに大騒ぎをすることで、
『用意のよすぎることのたとえ』という事でし。
「しかし・・・本当に買ってこなくてもいいのでは?」
「そうだよな、ちょっと気前よすぎたよ。まぁいずれ将来・・・そうだ、キリュウ使えば?」
「私は使わない!」
「あはははは、冗談だよ、冗談。」
ちゃんちゃん、でし。
「海魚腹から川魚背から」でし
『魚をさくには海の魚は腹からさき、川の魚は背からさくのがよい』という事でし。
同じようにして、焼く時にも海の魚は身の面から、
川の魚は皮の面から焼くのがよいといわれてるそうでしね。
「そんな雑学があったのね・・・。」
シャオしゃまシャオしゃま、雑学じゃなくってことわざでしよ。
「今度から太助様にお魚の料理をお出しする時はそこを意識しなくっちゃね♪」
と、今日は丁度よいかのごとく、お魚でし。
「えっと・・・お刺身の場合って既に裂かれてるわね・・・。」
そうでし。今日はお刺身なんでし。
「うーん・・・ちゃんとお腹から裂いてくれてるのかな・・・。
ねえ離珠、どうかなあ?」
さあ・・・離珠もそこまではわからないでしねえ・・・。
「うーん、うーん、困ったな・・・。」
シャオしゃまぁ・・・。
・・・そんなこんなで、危うく今日の夕飯が夜中になるところだったでし。
「海に千年河に千年」でし
昔々、とある日本の鶴ヶ丘町という海がそれなりに近くにあって川も流れている、そんな町があったでし。
発祥は古く、実は紀元前から存在していたそうでし。
その頃から翔子しゃんという人が住んでいて、
翔子しゃんは海に千年も住んで、そしてまた川に千年も住んで年功を積んでいたそうでし。
そんな翔子しゃんの嘘は天下一品で、世のどんな精霊や星神も、
彼女の嘘にかかれば一瞬でそれを信じ込んでしまい、行動を操られてしまうほどだったそうでし。
さすがにそんな状況は精霊のプライドが許さないと、
おひげが立派な南極寿星しゃんが戦いを挑んだんでしが、
あっという間に返り討ちにあってしまったそうでし。
誰も翔子しゃんには勝てなかったんでしよ〜。
『長い間浮世の様々な苦しい経験をつんで、
悪賢くて一筋なわでいかない者のことをいう』という事でし。
「・・・ねえ離珠ちゃん。」
なんでしか乎一郎しゃん。
「こんな昔話、山野辺さん聞いたら絶対怒るよ?」
大丈夫でしよ。翔子しゃんは長生きなんでし。
「それってどういう・・・。」
「生みの親より育ての親」でし
昔々、虎賁しゃんはたかししゃんと花織しゃんの息子として生まれた弟子。
しかしながら、たかししゃんは熱い魂に忙しく、花織しゃんは乙女ちっく絵本にとっても忙しかったでし。
そんなわけで二人は虎賁しゃんを養える余裕がとてもなく・・・
太助しゃまとシャオしゃまの元へと預けるしかなかったでし。
子供が居なかった二人にとって、虎賁しゃんはとっても大切な存在で、
幼少の頃から大事に大事に、虎賁しゃんは育てられたでし。
10年ほど経ったある日、ようやく余裕ができたたかししゃんと花織しゃんは、
虎賁しゃんを引き取りに太助しゃまとシャオしゃまの元を訪れたんでしが・・・
虎賁しゃん自身は太助しゃまとシャオしゃまにべったり。
一生の恩をこの二人に感じて、決して戻ろうとはしなかったでし。
「仕方ないか・・・。俺達が虎賁を育てたわけじゃないしな・・・。」
「ごめんね虎賁ちゃん。七梨先輩とシャオ先輩のところで幸せになってね・・・。」
諦めて二人は帰っていってしまったでし。
『生んでくれた真実の親よりも育ててくれた親の方に、愛情も恩義も感じられる』という事でし。
「おいこら!」
めでたし、めでたし、でし。
「離珠!てめーなんつう話を作ってんだー!」
おや虎賁しゃん。いいじゃないでしか、これは解説なんでし。
「だからってこれはいくらなんでもあんまりじゃねーか!?なんでおいらがあの二人の子供なんだ!?」
いやぁ、離珠も話作りの貫禄が出てきたってことでしねぇ。
「絶対に違う!!」
「海を飲むようなものだ」でし
『とてもそれはできない仕事だということの例え』という事でし。
離珠とキリュウしゃんの、とても出来ないような事をやってみようコーナー!
早速海にやってきたでし〜。
「うむ!というわけで主殿、海の水を飲み干してもらおう。」
「それじゃあキリュウ、海へ流れ込む川の水まで飲むとは言ってないからな。
まずは川の流れをすべて止めてくれ。」
・・・いきなり語源の知恵を持ちこむとは、太助しゃまもやるようになったでし。
「主殿、それは無理な相談なのだが・・・。」
「だったら今回のこれはやめやめ!さぁ、海でのーんびりとするか。」
そ、そうでし!ね、キリュウしゃん。
「私は納得がいかないのだが・・・。」
「へへーん、こんな事もあろうかと水着を用意しといて良かった。
さ、シャオ、泳ごうぜ!!」
「まあ太助様、試練は終わったんですね?では!」
あっ、待ってくだしゃいよ。太助しゃまにシャオしゃま〜!
たたたたっと駆け出して行って、その場にぽつんと一人残されたのはキリュウしゃんでし。
「私の立場は一体・・・。」
「梅に鶯」でし
ふと見れば・・・ほのかに魅せる・・・小梅かな・・・。
というわけでキリュウしゃん!文しゃんの出番でしよ!
「離珠殿、文殿は鶯ではなくてだな・・・。」
つべこべ言うならば、今回特別に呼んでもらった天鶏しゃんに止まってもらうでし。
「・・・脅してまで無理矢理を行いたいのか?」
・・・それもそうでしね。
ともかく!『取り合わせの良いもの』という事でし。
折角梅を見たというのに、キリュウしゃんはケチ過ぎでし。
「いやそれより離珠殿・・・。あれは梅の花ではなくて梅干なのでは・・・。」
しゃらーっぷでし!
「占いは裏打つ」でし
たたりじゃあぁー!
「どわあっ!なんだなんだ!?」
ただいま離珠は翔子しゃんの家にお邪魔してるでし。軒轅しゃんも一緒でし。
出雲しゃんの家を訪ねたんでしが、留守だったの仕方なく
翔子しゃんのところへタカりに・・・もとい、遊びに来たんでし。
で、ついさっきまで離珠は覚えたての占いで翔子しゃんを占ってたんでし。
そしたら・・・
たたりじゃあぁー!でしー!
・・・というわけなんでし。
「ったくう、いきなり筆をぶんぶん振り回すとびっくりするじゃないか・・・。」
ぷう、だから翔子しゃん、たたりなんでしよ。
「はあ?・・・えーと、た・た・り・じゃ・あ?」
そうでし。しかし翔子しゃん、気にしてはいけないでし。何故ならば!
『八卦には反対が出ることも多いから、悪い占いが出たからといっても心配することはない』という事でし。
「つーかさあ、たたりじゃー、なんて占いじゃないだろ。なあ軒轅。」
こくこくこくこく
「ほら、軒轅頷いてるぞ。」
しょ、しょんな・・・軒轅しゃん!離珠の占いを否定しちゃダメでし!
こくこくこくこくこくこくこくこく
ふふーんだ。翔子しゃん、軒轅しゃんは離珠に同意したでしよ。
「おい軒轅・・・って、なんか顔色が悪・・・もしかしてさっき食ってた大福を喉につまらせた!?」
こくこくこくこくこくこくこくこくこくこくこくこくこくこくこくこく
ななな!?なんとそれは大変でし!!
「軒轅、しっかりしろ!」
・・・そんなこんなで。翔子しゃんの決死の救助活動により、軒轅しゃんは一命を取り留めたでし。
さっきの頷きは、喉につまって大変だーってのを示してたんでしね。
まったくもう、離珠は心配したでしよー。でもって翔子しゃん、ありがとうでし。
こくり
軒轅しゃんも、深々と一礼したでし。
「しっかし軒轅・・・頷いてアピールなんてしなくても・・・。」
「うらみ骨髄にてっす」でし
「例えば出雲が持ってきたお土産を・・・」
すとっぷでし!!太助しゃま、毎回毎回そんな例えでは芸が無さ過ぎるでし!!
「けど事実だろ?土産を勝手に食べられてたら絶対にうらむだろ。離珠もルーアンも。」
ぐっ・・・。
『人を恨む気持ちが強く、骨のずいにまでその恨みがしみこんでいる。
心の底からひどくうらむ』という事でし。
太助しゃま、離珠は怒ったでしよ〜!!
「いや、怒られてもなあ・・・。」
こうなったら、毎食太助しゃまの分を盗み食いしてやるでし!!
「そんな陰険なことはするな。」
いいや、するんでし!!離珠は太助しゃまのことをうらむでし〜。
「あのな・・・。」
「売家と唐様で書く三代目」でし
『金持ちの家も三代目になると貧乏になって家を売りに出すようになる』という事でし。
これは家柄を戒めたものなんでし。
唐様とは中国流の書風のことで、貸家には“かしや”とかなで書いて斜にはったけど、
売家は漢字で書く習慣があったんでし。
「・・・ああ、ああ、それで売家ってことね。」
わかったようで何よりでし太助しゃま。
「一瞬よくわかんなかったけど・・・っていうかこれ中国発祥なんだ?」
そうなんでしよ。昔ある時シャオしゃまがお仕えしたのは、とあるお金持ちのお孫しゃんで・・・。
つまりは三代目でしね。幾年かした時に家を売る羽目になって・・・
その主しゃまは、泣く泣く家に売家って書いたそうでし。
「へええ、そんなことが・・・ん?そうでしってどういうことだ?」
はうっ!?い、いや、離珠はシャオしゃまから後から聞いたんでしよ。
「作り話じゃないだろうな。・・・いや、多分そうなんだろうな。はあ、信じるんじゃなかった・・・。」
ちょ、ちょっと太助しゃま!勝手に一人で納得しないでもらいたいものでし!
「そうだよな、ぴったりなたとえがすぐあるってのも変だし・・・。」
太助しゃまってば〜!
「売出し三年」でし
その昔、とある城下町に、商人なりたての太助しゃまという人がいたでし。
故郷を飛び出して、都で一旗挙げてやる!と熱意をもってやってきたんでし。
一年目・・・。
声を張り上げ街の人によびかけるも、誰も振り向いてくれない・・・。
故郷を出る時に持ち出してきた貯金を食いつぶす・・・そんな日々が続いたでし。
途中、キリュウしゃんという少女だけは目をとめて太助しゃまに対してこう言ったでし。
「試練だ、耐えられよ・・・。」
たった一言だったそれでしが、太助しゃまには結構重くのしかかったでし。
ずーんと落ち込みながら・・・けど、今は耐える時期だと自分に言い聞かせたでし。
そんな日々を過ごしつつ、そのまま一年が過ぎたでし。
次に二年目・・・。
少しずつではあるんでしがお客らしいお客が来始め、売り上げは出るようになってきたでし。
けれども、その日をなんとかくっていけるのがせいぜいだったでし。
途中、ルーアンしゃんという女性が足をぴたっと止めたでし。
「あら〜、あたし好みの商人さんだわ〜。でも、売り物がイマイチねえ・・・。
もっと品を工夫したらどうかしら?ここで流行ってるのはねえ・・・」
おせっかいなのか、太助しゃまにぺちゃくちゃとこのごろ流行の事を教え出したでし。
素直な太助しゃまはうんうん、と真剣に頷き教授してもらい・・・
果たして、ルーアンしゃんの意見を参考にして、徐々にでしが太助しゃまの常連さんが増えだしたでし。
そして三年目・・・。
ようやっと一日も悠々と食うに困らないほどの売り上げを出し始めた太助しゃま。
とはいえ、店を大きくするにはもっともっと資金が必要。
しばらくは今のまま頑張るしかないかなあ・・・と太助しゃまが思っていたある日。
とおりの向こうが騒がしい。見ると、シャオしゃまという少女が、ワルワル軍団に囲まれていたでし。
どうやら、可愛いくて綺麗なシャオしゃまを、無理を言って連れて行こうとしているみたいでし。
居てもたってもいられなくなった太助しゃまは、“太助の店”と書かれたのぼりを持ち出して、シャオしゃまの元へ。
そして・・・そののぼりでワルワル軍団を見事追い払ったでし。
その最中、ひっぱられたりして怪我を負ってしまったんでしが、シャオしゃまが申し訳無さそうに、手当てを。
「でも・・・ありがとうございました、本当に。何かお礼をしたいのですが・・・。」
と、シャオしゃまが申し出たのは、太助しゃまのお店を大きくしようということ。
シャオしゃまがとっても懇意にしていた翔子しゃん財閥に相談してみるとの事でし。
いきなりの話に太助しゃまはびっくり、ぶんぶんと首を横に振って遠慮したんでしが、
シャオしゃまが太助しゃまの勇気ある行動にいたく感銘を受けたのか、是非にと譲らなかったでし。
こうして太助しゃまは・・・三年目にしておっきな店としての基盤ができて、
そしてシャオしゃまともいい関係になって、幸せに暮したそうでし。
『始めの何年かが辛抱のしどころだ』という事でし。
商いは開業して三年すれば基礎ができてかなりの店になるんでし。
「おーい離珠〜・・・。」
なんでしか太助しゃま。
「なんなんだこの話は・・・。」
ふふん、凄いでしか?凄いでしよね。太助しゃま、もっと驚いてくだしゃい!
「いや、あの、いくらなんでも無茶がありすぎなんだけど・・・。
それに、多分このことわざの意味ってこういう話を言ってるわけじゃ・・・。」
「瓜に爪あり爪に爪なし」でし
「乎一郎!今から太助の名前を黒板に書くから見ていてくれ。」
「うん。」
休み時間に解説を頼むと、たかししゃんは颯爽と字を書き始めたでし。
七・・・梨・・・大・・・助。
「たかしくん、それ字が違うよ。」
「おおっと、点が足りなかったな!」
犬・・・。
「たかしくん、それも違うって。」
「ははは、点を違う場所につけてしまったな。」
とまあこういう風に、『瓜という字と爪という字の違いを教える言葉。
漢字というものは一点一画の違いで別の字になるから覚えるのに苦労する』という事でし。
もちろん、この後に、瓜という字と爪という字もばっちり書いてもらったでし。
「くっそう、人の名前で遊びやがって・・・。」
太助しゃま、気にしちゃだめでし。試練でし。
「すっげー理不尽に感じるんだけど?」
「瓜の皮は大名にむかせよ柿の皮は乞食にむかせよ」でし
『ウリの皮を剥くときには厚く剥く方がよいし、カキの皮を剥く時には薄く剥く方がよい』という事でし。
更に・・・
「皮を剥かずに食べればもっといいのよ!」
という事なんでしよねー。
「ルーアンさん、それは本当ですか?」
「何よシャオリンったら。疑うのー?」
「だってルーアンさん・・・」
「えーいうるさーい!というわけで今夜のおやつは生のウリと生のカキそのまんまよー!
・・・と思ったけどやっぱり皮を剥いて頂戴シャオリン。」
「あ、は、はい・・・。」
おおっと!ルーアンしゃんいきなり心変わりでしー。
って!それだとこの後ルーアンしゃんが皮を剥かずに食べるめりっとを語れないじゃないでしか!
「でもルーアンさん、ウリもカキも今ありませんわ。」
「あらそうなの?だったら買ってきてよ。別にウリとカキでなくてもいいし。」
「あ、はい。わかりましたわ。」
ちょっとルーアンしゃん!それだと更に意味がないでし!
「瓜の蔓に茄子はならぬ」でし
ウリのつるにはウリしかならないし、ナスの木にはナスしかならないということで、
『血筋は争えない事のたとえ』という事でし。
「言われて見ればそうだよな。那奈姉が旅しまくってるのは、
親父みたいな放浪癖があるって事で・・・」
「おい太助、そりゃどういう意味だ?」
「いや、そのまんまだけど・・・。」
「・・・そうだよな、そうなんだよな。太助の場合どっちかつっと母さん似だしな。」
「性格とか?」
「いいや。誰かれ構わず人助けとか。」
「はあ?」
「太助ってさ、誰から好きとかって言われても即ことわるなんてできないだろ?」
「え!?そ、そんなことない!」
「あたしは母さんとこの家に戻ってきた時、この情けなさはなんだと思ったぞ・・・。
あのなあ太助。本当にシャオが好きなら好きで、態度はきっちりとっとけよ?」
「とってる!」
「つもりになってるだけじゃないのか?」
「・・・・・・。」
「と、まあそういうわけだ離珠。参考になったか?」
・・・途中から話がそれてなかったでしか?
「売り物には花を飾れ」でし
ここは購買部。出雲しゃんが何やら飾り付けをしているでし。
「おや離珠さん。どうです、綺麗でしょう?」
なんと花でし!一体どこから仕入れてきたのか、とってもいいかんじでし。
でも、どうしてそういう事をしているんでしか?
「ここは物を売る場所ですからね。飾りとかがあったほうがお客さんも気持ち良いでしょう。
そうすれば、ますます売上が伸びる事間違い無いですよ。」
なるほど、さすがは出雲しゃんでし。
『売り物は体裁良く飾り立てて売るのが上手な商売である』という事でし。
ところが、昼休みになると・・・。
「はいどうぞ。あなたは可愛いですからただでさし上げますよ。」
「うわあ、ありがとうございます!」
と、例のごとく無料でパンを配っているんでし。
お花に引かれてやってくる人は居るんでしが、大抵女生徒しゃんでし。
そんな女生徒しゃんには全部無料で商品を渡しているから、意味が無いような。
もしかしたら、出雲しゃん自体が飾りとなっているのかもしれないでし。
それにしても売上はどうやって伸ばしているんでしかねえ?
「雨鈴鈴曲」でし
『“亡き妻をしのぶ曲”で、唐の玄宗が愛する楊貴妃をやむなく殺したのち、
楊貴妃を悼んで作った楽曲』という事でし。
「で、これはどう解説するんだ?」
解説しないでし。
「・・・賢明だな。」
いやあそれほどでも、でし。
「でもこんな言葉を出してる時点で賢明じゃないかもな。」
そんなこと言う那奈しゃん嫌いでし。
「漆は剥げても生地は剥げぬ」でし
どこかの国のとある町に、たかししゃんというしょれはしょれは超がいっぱいつくほどの、
じぇんとるまんがいたしょうでし。
「やあお嬢さん。」
「あ、の、野村先輩・・・。」
「おやおや、傘が無くてお困りのようですね。よろしければ俺の傘をどうぞ。」
「ありがとうございます・・・ぽっ。」
と、雨降る中に雨宿りしてる花織しゃんの心を惑わしゅほどだったでし。
実は昔はたかししゃんはしょうじゃなかったらしいんでしが・・・。
しょの証拠に、友人である太助しゃまや乎一郎しゃんは、毎日のように・・・
「あいつ変わったよなあ・・・。」
「そうだよね。たかし君誰の影響受けたんだろう・・・。」
とか言ってたでし。
と・こ・ろ・が!
ある日、シャオしゃまという精霊のような人が現れたんでし。
シャオしゃまは美しく・・・たかししゃんはあっという間に一目ぼれしてしまったしょうでし。
しょの日からまたたかししゃんは途端に人が変わったように・・・。
「あああー!シャオちゃんシャオちゃんシャオちゃーん!!」
と、熱く熱く叫び出したしょうでし。
「昔に戻ったな・・・。」
「戻ったよね・・・。」
ぽそりと呟く太助しゃまに乎一郎しゃん。
一時たかししゃんを覆っていたじぇんとるまんおーらはなくなってしまったみたいでしね。
『メッキははげやすいがもって生まれた素質は変わらない』という事でし。
いくらたかししゃんがじぇんとるまんであっても・・・
やっぱりたかししゃんは熱い熱い男だったってことでし。
「ど、どういう話なんだこれは・・・。」
びっくりしたでしか虎賁しゃん。ふっ、離珠も凄くなったもんでしねえ。
「いや・・・離珠ってこんな意味不明な事たとえにもできるんだなあって・・・。」
ちょ、どういうことでしか!
「うろこ雲が出た翌日は雨」でし
その帰り道。翔子しゃんとシャオしゃまは一緒に歩いていたでし。
「お、うろこ雲だ。」
めざとく翔子しゃんが見つけたのはたしかにうろこ雲でし。
「あらほんとですわ。立派ですね。」
「シャオ、もうすぐ天気が悪くなるぞ。早く帰ろう。」
「え?そうなんですか?」
「そうだ。なぜかというと・・・。」
はーい、離珠の出番でしね。
『低気圧の前面にあらわれることが多いので、この雲が出ればやがて天気が悪くなる』という事でし。
「まあ、そうだったんですね。」
「ああそうだ。」
「では早く帰る事にします。」
「ああそうしよう。それにしても・・・。」
「どうしたんですか?」
「何の捻りも無い解説だなあ・・・と思って。」
なんてこと言うでしか翔子しゃん!
ちゃんと二人にうろこ雲を見てもらってるじゃないでしか!」
「けどまだ天気が悪くなってないしなあ・・・。」
「これからですよ翔子さん。離珠の本領発揮はこの後ですわ。」
シャオしゃまもそれはそれで何か違うでしよー!
「うわさをすれば影がさす」でし
学校。授業が終わって、ある休み時間の事でし。
席で乎一郎しゃんと談話している太助しゃまの所へ・・・
「おい七梨。」
と、翔子しゃんが険しい表情で話しかけたんでし。
「どうしたんだよ、そんな恐い顔して。」
「どうしたんだよじゃないだろ。那奈姉から聞いたぞ。」
「何をだよ。」
「シャオと全く進展がないそうじゃないか。そんなんじゃあこの先困るぞ。」
「何が困るってんだよ・・・。」
確かに今困ってるでしね。翔子しゃんに攻められて。
「まあまあ山野辺さん。」
「遠藤は口を挟むな。お前もお前でなんだあの体たらくは。
もうちょっとルーアン先生に対して積極的にだな・・・。」
今度は乎一郎しゃんへ矛先が向いたでし。
何故か太助しゃまも何も言えず。ただ黙ったままそれを見守っていたでし。
「・・・でも、僕は。」
「そうだぜ山野辺。乎一郎には乎一郎なりに・・・。」
「あのなあ、たまには積極性も必要だぞ?七梨を毎度訪ねてくる愛原を見ろ。」
「あたしがどうかしたんですか?」
「そう、愛原が・・・どわああっ!!」
翔子しゃんが花織しゃんの名前を口に出した途端、その花織しゃんが傍に!
「あ、愛原、いつからいたんだ?」
「さっき遊びに来たんです。折角の休み時間、先輩と遊ばなきゃ!」
その瞳は、真っ直ぐに太助しゃまをみつめて、遊ぶ気満々でし。
さて!『人の噂をしていると、たまたまそこに噂をされた本人がやって来る事が多い。
人の噂をする時は、よく注意する必要がある』という事でし。
「なあ離珠、あたしは愛原の噂なんてしてないんだけど。」
しかしでしよ、翔子しゃん。現に花織しゃんが来たじゃないでしか。
「考えてみれば休み時間になるたびに来てるじゃないか。
だいたいちょっと名前を出すのと噂するのと・・・って、七梨達が居ない!?」
気が付くと、花織しゃんも乎一郎しゃんも太助しゃまも姿を消していたでし。
それだけじゃなく、教室に残っていたのは離珠と翔子しゃんだけ・・・。
「あら?まだ教室に残ってらしたんですか?」
そこへひょっこり姿を現したのは、シャオしゃまでし!
「シャオ!みんなはどうしたんだ?」
「次は体育なので着替えに出かけましたけど。」
「あ、そういうことね・・・。」
なーんだあ、でし。
でもでも、最初に翔子しゃんは太助しゃまに話す時にシャオしゃまの事を!
これはやっぱり・・・。
「離珠、無理してそういうことは言わなくていいの。さあって、遅れるとまずいな。
じゃあいこっかシャオ」
「はいっ。」
ああっ、二人とも待ってくだしゃ〜い。
「生んだ子より抱いた子」でし
『生んだだけで育てない実子よりも、他人の子でも小さい時から育てた子の方が可愛い』という事でし。
離珠とキリュウしゃんの、他人の子でも小さい時から育ててみようコーナー!
「うむ。というわけで主殿、今回は育成しゅみれーしょんとやらを行う。」
「シュミレーションじゃなくってシミュレーションだろ。だいたい、何するつもりだ。」
本当の子供を使うと太助しゃまにとっても大変でしから、ゲームを利用するでし。
「そういうわけだ。子育てすると共にくいずを行う。何問も正解して見事子供を立派に育てるのだ。」
「そういう著作権にひっかかりそうな事やっていいのかよ・・・。」
いいんでし!
「なあに、これは試練だ。耐えられない事は無い。」
「なんかそれ違うし・・・。」
それに、太助しゃまにとって絶対ぷらすになるでしよ?
「そうだ。シャオ殿含めて子宝にめぐまれなければ、養子をとることになるかもしれない・・・。」
「なんだって!?」
だからあ、将来のための準備でしよ、これは。
「早速ぷれいするのだ主殿。そして私たちにえんでぃんぐを是非見せてくれ。」
「はあ!?更になんだって!?」
「離珠殿と私には難しすぎるのでな・・・。」
そうなんでしよねえ・・・やっぱりここは知識豊富な太助しゃまの出番でし。
「・・・なんかもう、どうでもよくなってきたな・・・。」
「何をいう。さあ主殿!」
太助しゃま!
「いいかげんにしろー!」
「膿んだ物は潰せ」でし
『うんだできものは潰すと治るが、世間のごたごたも
思い切って災いの元を切れば案外早く片付くものだ』という事でし。
「と、ゆーことはだ。離珠を始末すればこのことわざ解説はなくなるって寸法だな。」
ちょちょちょ、ちょっと虎賁しゃん!ななな、何を物騒な事言ってるでしか!!
「冗談だよ、冗談。けどな、離珠。理不尽な解説してるといずれそうなるぞ?」
そうでしねえ・・・困ったことでし。
「お、随分素直じゃねーか。」
皆しゃん、離珠の魅力に嫉妬しちゃうんでしね。あんまりことわざ解説が凄いから・・・。
「それは違う。断じて違う。」
むむむ、そこまで言うなら虎賁しゃん、虎賁しゃんが解説してくだしゃい!
「おいらはやだね。」
ほーらごらん、でし。やっぱり離珠にしかできないんでしよ!
そんな離珠を始末しようなんて言語道断でし!
「そうだよな・・・離珠くらいしかできねーよな、こんな無茶な解説なんて・・・。」
ん!?なんか言ったでしか!?
「な、なんでもねーって。」
「雲泥の差」でし
これはでしねえ、適当な二人を比べればすぐ分かるんでし。
ただ、誰と誰を比べるかが問題なんでしが・・・。
「それならこの俺と太助を比べればいい!!」
なんなんでしか、たかししゃん。
「この俺の・・・」
熱き魂なんてのは却下でしからね。
「・・・ちょっと待ってくれよ、俺にどうしろっていうのさ。」
自分から勝手に出て来たんじゃないでしか。
そうでし、キリュウしゃんとたかししゃんを比べてみるでし!
「ほうほう。引っ込み思案なキリュウちゃんに対して、俺はなんて積極的なんだろう!
という事だな、離珠ちゃん。そうだろ?間違い無いよな?」
ああー、もう五月蝿いでしー!
無口とよく喋るってので比べても良かったかもしれないでし・・・。
『二人の人や二つの物事の差が、大きくかけ離れている』という事でし。
・・・よく考えたら、解説の時に頼りになるのとならないというので良かったでしね。
「もちろん俺が・・・」
頼りにならないでし。
「おい。」
「運は天にあり」でし
『人間のことは一切天の命令によるものである』という事でし。
「なんか凄い言葉だなあ、これ・・・。」
そうでしね、太助しゃま。
「思えば、私達精霊も似たようなものかもしれませんね。」
そうでしね、シャオしゃま。
「なんかシャオ達はたしかに精霊なんだけど、色んな点が人間と似てるし。」
「そうですか?」
「そうだよ。だから、その・・・俺だって・・・。」
「はい?」
太助しゃま太助しゃま、ちゃんと言わないと伝わらないでしよ。
「う、うん・・・。・・・シャオの事可愛いって思うしさ。」
「そんな・・・ありがとうございます。」
・・・太助しゃま、しょれが言いたかったんでしか?
「離珠、どういう事なの?」
それはでしねえ、シャオしゃま・・・
「離珠っ、も、もういいだろ?シャオも、な?」
「でも、太助様・・・。」
・・・太助しゃまがこうも奥手なのも運命かもしれないでしね。
「運は寝て待て」でし
「そうか!一つわかりました野村先輩。」
「な、何がわかったの花織ちゃん?」
「運ですよ運。きっとあたし達が大抵失敗しているのは運が足りなかったんですよ!」
「何をそんな唐突に・・・。」
「というわけで一緒に寝ましょう!寝て運を待つんです!」
「ええっ!?・・・と驚いてみたがなるほど正論だ。
よっし!もっとも寝正月が似合う男野村たかし、寝て運を勝ち取るぜ!!」
「なんですかそれ・・・。」
えー・・・『物事が上手くいかない時には焦っても無駄である。
気長に運のむいてくるのを仕方ない』という事でし。
そして二人はお昼寝もーどに突入したみたいでしが・・・
果たしてそんなんで運がむいてくるもんでしかねえ?
諦めにも似てるっぽいんでしが・・・。
「失礼ね離珠ちゃん!これも立派な作戦の一つよ!・・・ぐー・・・。」
「そうだー!俺の寝勝負に敗北の文字はないー!!・・・ぐー・・・。」
・・・二人そろって五月蝿いでし。
って、今のって本当に寝言でしか?
戻るでし。