≪い≫でし!(その1)


「言うは易く行いは難し」でし
「うおおお!!これだ!これでシャオちゃんのハートは俺のものー!!」
休み時間、相変わらずたかししゃんは騒がしいでしねえ・・・。
ちなみに太助しゃまとシャオしゃまは、どこかへ出かけて教室にはいないでし。
とそこへ、花織しゃんが遊びに来たでし。
「あれ?七梨先輩いないんだ。せっかく遊びに来たのに・・・。
あーあ、あたしの『七梨先輩のハートは私の物』計画が・・・。」
花織しゃんも相変わらずでしね。二人はしょっちゅうそんな事を言ってるでしが、
さっぱり成功した事がないでしよね。
『どんな事でも言うのは簡単だが、実行するのは難しい』という事でし。
それでも、あきらめずに頑張る姿は素敵でし。
やっぱり二人ともそうでなくっちゃ、でしね。


「意気揚々」でし
「うわあああ!!!」
叫んでる太助しゃま。
「ひゃああああ!!!」
踊ってる太助しゃま。
「おっしゃー!!」
ガッツポーズの太助しゃま。というわけで・・・
『得意になって気持ちが昂ぶっている様子。元気いっぱいな様子』という事でし。
「し、試練やってる時に何やってるんだ離珠ー!?」
ことわざの解説でし。
「というか、それって意味が違・・・って危ないから離れてろってばー!!」


「行く行くの長居り」でし
ぴんぽーん
お客さんでし。日曜日といってもゆっくり出来ないでしねえ。
「やれやれ。はーい、誰・・・。」
太助しゃまが出迎えると(離珠は肩に乗ってるでしよ)そこにいたのは出雲しゃんでし!
「こんにちは、太助君。シャオさんはいらっしゃいますか?」
「いや、いないよ。」
「嘘をついてませんか?私一人だからって・・・。」
「もしいたら離珠がここにいる訳無いだろ。」
そう言いながら離珠を指差す太助しゃま。まあ確かにそうでし。
いくらなんでも家にいる間中つきっきりなんて事はしなくていいでしからね。
「どうしてもお話しておきたい事があって・・・待たせていただけませんか?」
「あのな・・・。まあいいや、その手土産を持ったまま返したらルーアンにどやされるし。
それに離珠だって上がってほしそーにしてるしな。」
「・・・なるほど。」
はうっ、目をきらきらさせていたのがばれてしまったでし。
まあそんな訳で家に上がった出雲しゃんだったんでし。
で、みなしゃんで手土産を戴いている間にシャオしゃまが帰って来たんでしが・・・。
「心配しなくてもほんの一分も話をすれば帰りますので。」
「まあ、それだけの為にわざわざ。すいません、待たせてしまって。」
「いえいえ。それでお話というのは・・・。」
と、早速出雲しゃんは語りだしたんでしが・・・。
「・・・というわけで、是非ともお祭りの際には宮内神社へ、と。」
「はあ。でしたら皆さん一緒に・・・」
「いえいえ、シャオさんお一人で十分な仕事ですので。それで・・・。」
とまあ何十分も経過。他の皆しゃんは呆れ顔でし。
「おい太助、宮内の奴は早く帰るんじゃなかったのか?」
「俺に言われてもなあ・・・。」
「たー様ったら甘すぎるのよ。あのおにーさんがあっさり帰る訳ないじゃない。」
「・・・試練だ。」
そのうちひそひそと話をしだしたでし。
その間にも出雲しゃんは“すみません、もうすぐ帰りますので”
なんてことを言いながら、シャオしゃまといろいろ話をしてたでし。
もう、シャオしゃまもちゃんと話を聞きすぎでし。もうすぐ夕飯の時間なのに・・・。
「・・・という訳です。ありがとうございました、シャオさん。」
「い、いえ。」
「それでは・・・。」
話が終わった様で、出雲しゃんがすっと立ちあがったんでし。
誰もがホッとした瞬間・・・
「ああ、そうそう、実は購買部がですねえ・・・。」
と、座りなおしてまたもや話をしだしたんでし!
出雲しゃん、いくらなんでもそれは・・・。
『また来るそうそうから、すぐ帰るという人が、なかなか帰らないものだ』という事でし。
結局出雲しゃんは夕飯をうちで食べてから帰って行ったでし。
その後の皆しゃんの疲れた顔といったらなかったでしよ。


「異口同音」でし
楽しい楽しいお夕食の時間がやってきたでし。
ちなみに今日はたかししゃん達がいるんでにぎやかでしよ〜。
「たく、毎度毎度たかりに来て・・・。」
「いいじゃないのたー様。その分量が増えて嬉しいじゃない。」
ともかくみなしゃんでそろってリビングでし。キッチンでは狭くて食べられないでしからね。
「なあ翔子。例の作戦、いい案は浮かんだか?」
「それがさあ、まだまだ・・・。キリュウ、どうだ?」
「そんなものは私は初めて聞くのだが・・・。」
おっと、何やら怪しい会議が開かれているでし。
太助しゃまとシャオしゃまの仲を深めようという作戦でしか?
「毎度毎度山野辺さんって色々考えてるね。」
「そうですね。那奈さんまで加わって・・・。」
「んな事より飯だ飯!!シャオちゃんのとびっきりの料理!!!」
たかししゃんが叫んだ所で、丁度準備が整ったでし。
そして皆しゃんが手を合わせて・・・
≪いただきます!!≫
はーい、というわけで、
『大勢の人が口をそろえて、同じ言葉を言う』という事でし。
「離珠ちゃん、そんなの当たり前じゃ無いの。食事の時くらいは・・・。」
ちっちっち、甘いでしよ花織しゃん。ちゃんと続きがあるんでし。
「皆さん、お味はどうですか?」
この時のメニューはコロッケだったんでし。すると・・・
≪美味しい!!≫
という声が!という訳で、
『また、人々の意見や考えが、まったく同じになる場合にも使われる』という事でし。
「なるほど、上手い例えね。うーん、あたしも頑張らないと!」
でしね。
「ところで、あそこでがつがつ食ってるルーアン先生は違うみたいだけど?」
一人くらいはどうって事無いでしよ。
「ま、それもそうかぁ。」


「懿公のつる」でし
昔々、春秋時代に衛という国があって、そこの国の王懿公しゃんはつるを大切にしていたそうでし。
「はははは。文殿は可愛いな。」
毎日毎日、車に乗せたりなんかして人間よりも可愛がっていたそうでし。
そんなある日・・・。
「さあ遠藤君、いくわよ!衛の国をおとすのよ!!」
「は、はいっ!」
なんと、北方の国が攻めてきたんでし!!
「これは一大事だ!皆、武器をとって戦ってくれ!」
懿公しゃんは国を守るために家臣や人民しゃん達に戦うことを命じたんでしが・・・。
「やだね。王様が可愛がってるそのつる達に戦ってもらいなよ。」
「私達はあなたのためには戦えませんわ。」
と言って、誰も戦おうとしなかったそうでし。
こうして、懿公しゃんは北方の軍に殺されて、国は滅びてしまったそうでし。
『動物も可愛がりすぎて夢中になると、間違いの元となる。
大切なことを忘れて失敗してしまう』という事でし。
ちなみにキャストは、懿公しゃんがキリュウしゃんで、つるは文しゃん。
そのほかの皆しゃんは略、でし〜。
「離珠殿、この例えはあんまりだ・・・。」


「石臼を箸にさす」でし
シャオしゃまが台所でお料理していると、ルーアンしゃんがやって来たでし。
「さあて、今日のおかずはなにかしら〜?」
「今日は麻婆豆腐ですよ。」
するとルーアンしゃんは少し考え込むと、こんな事を言い出したんでし。
「ねえシャオリン、すんごく辛くって甘くって、美味しい様に作ってくれない?」
「ええ?」
そんな無茶苦茶な・・・。仮にできたとしてもキリュウしゃんが嫌がりそうでしねえ。
少し無言のままで居ると、ルーアンしゃんがとんでもない事を言い出したでし。
「作ってくんなきゃルーアン暴れちゃうから!」
「わ、分かりました。なんとか作ってみます・・・。」
なんなんでしか、暴れるなんて・・・。まるで子供でし。
『だだをこねる、無理を言う』という事でし。
で、なんとかシャオしゃまはそれを作り上げたんでし。
あんな注文通りに仕上げるなんてさすがはシャオしゃまでし!
しかも、キリュウしゃんは美味しい美味しいと言って食べてくれたんでしよ。
もちろんルーアンしゃんも超御機嫌でそれを食べてたでし。
もしかしたらシャオしゃまは料理の極意を知ってるんじゃないでしか?


「石が流れて木の葉が沈む」でし
じゃじゃーん!!
見てくだしゃい、虎賁しゃん。支天輪でし!!
「げっ!?なんでお前がそんなもんもってんだ!?」
これから離珠がしゅごい事をやるんで見ててくだしゃいでし。
「おい、質問に答えろって。それに月天様はどこに・・・。」
そのシャオしゃまをこれから離珠が呼び出すんでしよ!!
すらすらと絵に描いて答えると、虎賁しゃんが驚きの表情になったでし。
「な、なんだって!?月天様を!?」
・・・来々、シャオしゃまっ!!!
離珠が支天輪の傍で念じると、それがぴかっと光ったでし。
そして中からすうっとシャオしゃまが・・・。
「あら虎賁、驚いた?離珠が私を呼び出したのよ。」
驚きのあまり口をパクパクさせている虎賁しゃん。作戦大成功でし!!
『自然なのが逆の現象になる、物事が逆さまになる例え』という事でし。
実はわざわざシャオしゃまに頼んだんでしよ。
事情を説明して、虎賁しゃんはやっと落ち着いたみたいでし。
「まったく・・・すごい事やるなあ。月天様も・・・。」
「すごいでしょ。」
えっへんでし!


「石地蔵に蜂」でし
『いたくもかゆくもない。なんとも感じないことの例え』という事でし。
「なあ離珠、どうやって解説するつもりだ?」
虎賁しゃん、心配しなくても蜂を使うなんてまねはしないでし。
それに石地蔵しゃんの知り合いもいないでし。
「そりゃそうだけど・・・だったらなおさらどうする?」
ふっ、大丈夫でしよ。軍南門しゃんに協力してもらうんでし!
「軍南門〜?・・・なるほど、庭に既に呼んであるな。」
そうでし!ここで離珠や虎賁しゃんがあた〜っく!!ってやればいいんでし。
「・・・おいらはやらないぞ。」
何を言ってるんでしか。既にやるって離珠が決めたんでし!
「人の都合も聞かずに勝手にんなもんきめんな!!」
・・・で、それでも結局二人でやったんでしよ♪
さっすが軍南門しゃん、びくともしなかったでし。
「いくら言っても聞かねー離珠も似たようなもんだ。」
ん?なんか言ったでしか?
「別に。」


「石に花咲く」でし
『実際には起こりえない事の例え』という事でし。
離珠とキリュウしゃんの、起こり得ない事をおこしてみようコーナー!
「うむ!という訳で主殿、庭に一つの石を用意した。これに花を咲かせられよ。」
「・・・本気で言ってるのか?そんなもん出来るわけ無いって!」
花を咲かせたら、部屋に飾るでしね。
「だが、他から取ってきた花を差したりなどという事は却下だ。
しっかりと石に花を咲かせられよ。」
「だから無理だって言ってるだろ!?俺は手品師じゃ無いんだ!!」
夕飯時にその石をテーブルに置くのがいいでしね。
「作った花ではなく、本物の花を咲かせられよ。」
「二人とも人の話を聞けー!!」


「石に判」でし
さて太助しゃま、実例をお願いするでし。
「ここに石も用意したんですよ。」
でんとテーブルの上に置かれた小さな石。でも固いでし。
「・・・なあシャオ、離珠。これをやる意味は何だ?」
もう、判子を手に持ってるくせに今更そんな事言わないでくだしゃい。
「ささっ、太助様。」
「あ、ああ・・・。」
納得行かないながらも、太助しゃまは石にぽんっと判子を押したでし。
紅色の、七梨マーク。うん、完璧でし!
『絶対間違いの無いこと。判は確実なことの証拠に押すのだが、
その判を石に押すというのだからかたい上にもかたい』という事でし。
「良かったですわ。早速これを渡してきますね。」
「まったシャオ。渡すって、誰にだ?」
「それは那奈さんですわ。話したら、判を押した後にその石持ってきてくれ、ですって。」
離珠の知らない間にそんな約束が交わされてたんでしねえ。
「・・・ちょっとそれ見せてみな。」
「ええ。」
太助しゃまへと手渡される石。
しげしげと見つめてた太助しゃまだったでしが・・・何か文字を発見したでし。
あまりに小さすぎて、近くで見ていた太助しゃまにしかわからないものだったんでしが・・・。
「那奈姉えええ!!!」
「ど、どうしたんですか?太助様。」
「こんなとんでもないもんに判子押させるなー!!!」
「太助様ぁー。」
引き止める暇もなく、太助しゃまは石を持ったままリビングを飛び出してしまったでし。
後に残されたのは、もちろん離珠とシャオしゃま、でし。
「どうしたのかしら、太助様。」
多分あの文字が原因と思うんでしが・・・一体何が書いてあったんでしかねえ?


「石橋をたたいて渡る」でし
シャオしゃまを連れて皆から逃げる太助しゃま。
キリュウしゃんの試練を受ける時の太助しゃま。
または、試練を与えているキリュウしゃん。
・・・とまあだいたいこんなもんでしかね。
『用心の上に用心をする』という事でし。
あ、もう一人いたでし。それは翔子しゃんでし!というわけでどうぞでし。
「あのなあ、あたしは別に・・・。まあいいや、とにかくシャオのためになることはどんどんやらないとね。
それに周りの連中は結構鋭かったりするからしっかり計画を立てないと。
というわけで、用心するならあたしを負かせるぐらいにする事だな。」
はい、どうもでし。うん、これぐらい説明すれば十分でしね。


「石部金吉金兜」でし
「万象大乱。」
「どわああ!!?」
どがーん!!と勢い良く音をたてて崩れる教室の壁。ここは学校でしー。
ちなみに大きくしたのは椅子、でし。
「ちょっとキリュウ!!今は授業中よ!!」
「試練を受けながら授業を受ける。これも試練だ。」
「んな無茶な〜!!」
「・・・万象大乱。」
どがーん!!今度は机でし。吹っ飛ばされた太助しゃまは廊下へと・・・。
「う、うう・・・。」
「まだまだだな、主殿。」
「あの、キリュウさん。何も今試練を行わなくても・・・。」
「いかなる時も試練に耐える。これもまた試練だ。」
「は、はあ・・・。」
顔色一つ変えずに試練を行うキリュウしゃん。
みなしゃんの説得もまるで聞く耳持たず、でし。
「キリュウちゃんって真面目だよなあ。ちょっと堅すぎる気もするけど。」
と、たかししゃん。まあそうでしね。
『堅すぎるくらい堅く真面目、融通のきかない人』という事でし。
「もうっ、たー様がちゃんと聞いてくれないと授業する意味が無いのに〜。」
ルーアンしゃん、それはなんだか違うでしよ。


「医者の不養生」でし
どたばたどたばた、とっても騒がしいでし。
ルーアンしゃんが太助しゃまを追っかけてるんでし。
ちなみに、シャオしゃまとキリュウしゃんはお出かけして留守でし。
「あーん、たー様ったら待って―ん。」
「だからひっつくなってー!」
「もう、たー様の幸せのためよ―。」
相変わらずのルーアンしゃんに太助しゃまは、全然幸せそうでないでし。
このように、『立派な事を言っておきながら、行動が伴っていない』という事でし。
ルーアンしゃんが太助しゃまを幸せにできる日は、いつくるんでしかねえ。


「以心伝心」でし
太助しゃまに冷蔵庫を開けてもらう為に、離珠はお絵かきしてるでし。
でも、ちっとも伝わらないんでし。もう何枚も絵を描いているのに・・・。
「悪い、離珠。もう一回別の絵を頼む。」
もう、これで十枚目でしよ!そのとき、虎賁しゃんがそばにやって来たでし。
「ぼうず、離珠は冷蔵庫を開けて、アイスをとってくれって言ってるんだよ。
一つ目の絵でばっちり解るだろ、まったく・・・。」
さっすが虎賁しゃん。離珠感激でし。
『言葉には出なくとも、心が良く通じ合う』という事でし。
その後、虎賁しゃんと仲良くアイスを食べたでし。おいしかったでしよー。


「いたれりつくせり」でし
これはシャオしゃまの事でし!ね、太助しゃま。
「ああ。家事はきちんとこなしてくれるし、いっつも優しい笑顔とか見せてくれるし。
なんつーかな、こう、女性の鏡って気がするんだよなあ。
おまけに可愛いし、ぽけぽけなんてのもそこがまた可愛いっていうか・・・」
ああー、もうストップストップでし。
「なんだよ、まだまだ言い足りないよ。
主である俺がもっと懸命にアピールすれば更にシャオの良さが・・・」
おのろけはまた今度にしてくだしゃい。いつからそんなに言うようになったんでしか・・・。
『心をこめて物事をしたり、世話をしたりする事。
何から何まで充分に行き届いて、申し分の無い様子』という事でし。
「“ハイ太助様、あーんですう。”なーんちゃってちゃってー!!!」
・・・太助しゃまが壊れてしまったでし。


「一押し二金三男」でし
今回は三人のゲストに登場してもらったでし!!
まずは出雲しゃんでし!!
「どうも・・・。私が色男であるというのはまあ暗黙の了解でしょうね(ふぁさぁ)」
「相変わらずキザだな、おにーさん・・・。」
お次は翔子しゃんでし。
「・・・離珠、あたしは不満だ。確かにあたしんちは・・・まあいいや。
とりあえず御金持ちの例が欲しかったんだろ。つーかさあ、七梨でいいじゃんか。」
駄目でしよ。確かにルーアンしゃんみたいな大食漢を抱えていながら、
平然と毎日を送っているのは御金持ちなのかもしれないでしが・・・。
「はいはい、分かった分かった。あえて了承してやるよ。
あたしは女だけどな!!!」
「まあまあ山野辺、落ち着けって。離珠ちゃんの必死な気持ちも汲んでやれよ。」
「なにぃ〜?」
しょ、翔子しゃん、本当に落ち着いて欲しいでし。
おろおろしていると出雲しゃんがすっと・・・。
「落ち着きましょう、翔子さん。適役が居なかっただけの事だと考えれば。
別に翔子さんを男だと見ているわけじゃないのですから。」
「分かってるよそんな事・・・。」
・・・つ、次にたかししゃんでし!
「おっしゃー!!!離珠ちゃん、よくぞこの俺を選んでくれた。
世界一熱い魂を持つ男、野村たかしだ〜!!!」
え〜と、以上でし。
『女をころりと参らせるには、
第一に押しの強い事、第二に金がある事、第三に男前の順序である』という事でし。
「・・・よくよく考えたら、無理にあたし達が来る必要は無かったんじゃ。」
「まあいいじゃありませんか。たまにはこういうのも。それでは帰りましょうか。」
「ちょ、ちょっと待てよー!!!俺がまだアピールし切れて無いってばー!!!」
もういいんでし。とにかくここでおしまいでし。
ちょっと手を抜いてしまったでしね・・・。
「ちょっとどころじゃないと思うのですが・・・。」
出雲しゃん、そんな事言わないでくだしゃい。


「一工面二働」でし
「以前野村君がいい男改造講座などというものをやっていたと聞きました。」
そうでし。乎一郎しゃんが付き合わされてたみたいでしね。
「やっていた内容とは、ただひたすらに体育会系の行動。つまりは運動だったと聞きます。
他にも色々あったみたいでたしかに気合十分ではありますが・・・。」
出雲しゃんの目から見れば、どうでしか?
ふぁさぁ
「率直に申し上げますと、工夫が見られませんね。
女心をつかむとはどういう事か。努力も必要ですが、それとは別なものも必要でしょう。」
『無茶苦茶働くだけではうだつが上がらない。
世渡りには工夫が第一で、勤勉は二の次である』という事でし。
色々と面倒事があるんでしねえ。
「そういうことです。
あの講座はたしかに野村君らしい、とだけ言っておきますかね。」


「一言半句」でし
キリュウしゃん!!
「・・・なんだ?」
ふう、絵を描き描き、袖を引っ張り引っ張りしてやっと反応してもらえたでし。
『ほんのちょっとした短い言葉』という事でし。
これぞまさに普段のキリュウしゃんにぴったりでしね♪
「・・・ふむふむ、私があんまり喋らないからという事で例えに出されたわけか。
しかし離珠殿、それは違うぞ。私だって喋る時は喋る。不必要な事は喋らないだけだ。」
しょんな事いってももう遅いでしよ。最初の“なんだ?”ですでに終わったんでし!
「そうか・・・。」
ほらまた!わーい、でし。
「・・・・・・。」


「一誹二笑三惚四風邪」でし
『くしゃみの数による占いで、くしゃみを一つすれば誰かが悪口を言っている証拠だし、
二つなら笑っているし、三つならば惚れられ、四つならば風邪をひく前触れだ』という事でし。
「はくしょん!」
おおっと!そうこうしているうちにリビングに居る太助しゃまがくしゃみを一発!
けれども疑問でし。太助しゃまの悪口を一体誰が・・・
「たくもう、たー様のケチ・・・。一皿くらい余分に食べたっていいじゃないのお。」
台所でぶつぶつと、ルーアンしゃんでし!
なるほど、この前出された食事制限法に文句を言ってるわけでしね。
「はくしょん!」
再びくしゃみでし!という事は誰かが太助しゃまを笑って・・・
「はははは!でさ、翔子。
この前ゲームやった時の太助の顔っていったら・・・ぶはははは!!」
電話中の那奈しゃんでし!話し相手は翔子しゃんのようでしね。
なるほど、かなり馬鹿にして笑ってるみたいでし。
「はっくしょん!」
またもやくしゃみ!誰かなんてのはもう決まってるでし!
しゅたたたた、っと庭に行くとシャオしゃまが。
「はあ、太助様・・・。」
シャオしゃま、どうしたんでしか?
「あ、り、離珠?う、ううん、なんでもないの。
ちょっとボーっとしてただけで・・・。」
顔がなんだか赤いでし。
「そ、そう?熱でもあるのかしら・・・。」
ちょっと慌て気味でしが、まさにそうでしね。
「はっくしょん!」
むむ、四回目でし!
急いでシャオしゃまを連れてリビングに行くと、そこにはずぶ濡れになった太助しゃまが。
「キリュウ・・・なんで水なんか使うんだよ・・・はっくしょん!」
「つい手がすべったんだ。・・・まあこれも試練だ、耐えられよ。」
だめでしよっ!太助しゃまは風邪でし!
「そうなの離珠?太助様!早く着替えておとなしく横に!!」
「な、何をあせってんのさ。これくらいは大じょ・・・はっくしょん!」
「ほらあ!はやくはやく!!」
そんなこんなで、太助しゃまは自分の部屋で安静にしてたでし。
・・・もしかして最初から風邪だったなんてオチは無いでしよね?


「一富士ニたか三なすび」でし
『初夢に見ると縁起が良い、と言われているものを並べた言葉』という事でし。
「という訳で!なすびをあたしが用意してくるわ。」
「それでは私は文殿をたかに見たてるとしよう。」
「じゃあ私は寝ている間に軒轅と太助様と一緒に富士山へ。」
シャオしゃま達が何やら相談しているでし。
さっそく太助しゃまに夢を見させようという作戦らしいでしが・・・。
「それじゃあいくわよ!」
「うむ。」
「はいっ!」
それぞれが散っていったでし。ぽつんと残された離珠のもとにやって来たのは那奈しゃん。
「あれ?さっきまで話し声がしてたと思ったんだけどな。」
那奈しゃん、実はかくかくしかじか・・・。
懸命に絵を書いてその旨を伝えると途端に呆れ顔になったでし。
「初夢ったって今は五月なんだけど?」
それもそうでしよねえ・・・。
その晩、太助しゃまの部屋から何か悲鳴が聞こえたでし。
その声に目を覚ますと隣で寝ているはずのシャオしゃまが居なくて・・・。
離珠は何も聞かなかった事にして再び眠ったでし。
翌朝、無事に三つの夢を太助しゃまは見ることが出来たと言っていたでし。
良かったでしね、太助しゃま。
「全然良くない・・・。」


「一姫二太郎」でし
身近な例がばっちり居るでしね。離珠感激でし〜。
というわけで那奈しゃん、太助しゃま、どうぞでし。
「確かにあたしら姉弟はそうだけど・・・。」
「俺らに何を解説しろってんだ。」
なんでもいいんでしよ。とりあえず語ってくれればそれが解説でし。
「そうか?うーん・・・まああたしは姉として太助の面倒を色々みたなあ。」
「まあ・・・俺が小さい時に母さんが世界へ旅立っちゃったもんな。」
この辺でOKでしね!
『子育てに慣れる為に最初に育てやすい女児を生んで、次ぎに後継ぎの為に男児を生むのが良い。
また、上に女児が居ると、下の子の面倒や家の手伝いをしてくれるのでこの順の方が良い』という事でし。
「ちょっと待てよ、あんなちょっと語っただけで解説になってんのか?」
「那奈姉の言う通りだ。確かに合ってる気もするけど・・・。」
もう、細かい事はいいんでしよ!!
とにかく姉の那奈しゃん、その弟の太助しゃまって事だけで十分なんでし!!
「つまりは例、ってだけか・・・。」
「それってさぼってないか?」
失礼な!!離珠はさぼってなんかいないでし!!
身近な例をちらっと見せるだけで解説が終わる〜♪なんて喜んでいないでし!!
「「・・・・・・。」」


「一目瞭然」でし
「宮内はロリコンだ、以上!!」
・・・那奈しゃん、なんなんでしかそれは。
「宮内はシャオに惚れてるらしい。だが、シャオは見た目明らかに年下だ!
だから・・・あ、そうか、シャオは宮内よりかなり年下に見える!
これでばっちりだな。」
・・・・・・。
『一目見ただけで、すぐによく分かる事。
また、物事がはっきり分かる事。明らかな様子』という事でし。
ちなみに“瞭”とは、瞳が澄んではっきりしている様子という事なんでしよ。
「澄んでる、かあ・・・。宮内の目って多分にごってるよなあ。」
もう終わりでし!!


戻るでし。