≪い≫でし!(その2)


「意中の人」でし
太助しゃまにとってのシャオしゃま!
シャオしゃまにとっての太助しゃま!
「それが一番わかりやすいな。なあ翔子。」
「ああ。那奈ねぇの言う通り!そして離珠、見事にぴったりな例えだな。」
えへへ、でし。
『自分が心の中で密かに思っている人。または恋しいと思っている人』という事でし。
「ちなみに翔子にとってのそんな人は?」
「あたしが言う前に那奈ねぇから言えよ。」
「別にいないな。」
「じゃああたしもいない。」
はーい、おつかれしゃんでした〜。
「「そんな事より離珠は?」」
ひ、秘密でし。


「一を聞いて十を知る」でし
学校で、シャオしゃまが翔子しゃんに相談してたでし。
「・・・というわけで、太助様に何か為になるものは無いでしょうか。」
「シャオ、本当に自分の普段の感謝の気持ちだけなんだな?」
「え、ええまあ。」
なるほど、シャオしゃまが太助しゃまに贈り物をするんでしね。
「でもさ、本当は違うんだろ?太助へ贈るプレゼントは、
もちろん感謝の気持ちも有れば良いし、試練にもなりゃ良いし・・・。
とにかくみんなで贈るってんなら、いろんな要素が混じってた方が良いんだろ?」
「は、はい、そうです。」
なんだ、そういう事でしか。シャオしゃまだけじゃなくてみんなでするんでしね。
「とりあえず那奈姉のねらいなら、そうだな、何がいいかな・・・。」
「あの、翔子さん。どうして那奈さんのねらいだと?」
「そんなの、シャオの言い方を聞けば分かるよ。
七梨家に住んでる家族で、太助にまとめてプレゼントを贈ろうって事だろ?」
「はい、その通りです。」
ほええ〜、そうなんでしか。離珠、ちっとも気付かなかったでし。
『ほんの一端を聞くだけで、すぐに全部を悟る』という事でし。
結局最初の説明だけで、翔子しゃんにはすべてが分かっていたみたいでしね。さすがでし。


「一騎当千」でし
『一人の騎馬武者が、千人の敵を相手に戦えるほど強い。
また、勇気のある人を表わす言葉』という事でし。
騎馬武者といえばこの人!!梗河しゃんでし〜!
(梗河しゃんが黙ったまま深深とお辞儀。)
まあ馬じゃなくて熊なんでしが、そんな事は関係ないでし〜!
(また梗河しゃんが黙ったまま深深とお辞儀。)
対人攻撃用星神。とにかく強いんでしよ〜!!
(またまた梗河しゃんが黙ったまま深深とお辞儀。)
何度もシャオしゃまの危機を救ったりと、戦乱の世には大活躍でし!!
(更に梗河しゃんが黙ったまま深深とお辞儀。)
実際にその強さを示したいんでしが、今の世には一千もの敵しゃんなんて居ないでし。
(相変わらず梗河しゃんが黙ったまま深深とお辞儀。)
そこで!離珠は考えたんでし。チラッとでも敵しゃんを用意しようと!!
(驚きながらも梗河しゃんが黙ったまま深深とお辞儀。)
ルーアンしゃんの陽天心!!
じゃあいろいろ厄介なので、支天輪からこそっと星神を呼んだでし!
(なるほど、と梗河しゃんが黙ったまま深深とお辞儀。)
最強の攻撃用星神!!北斗七星しゃんでし〜!!
(おおっ、と梗河しゃんが黙ったまま深深とお辞儀・・・しないでそそくさとどこかへ・・・。)
さあ北斗七星しゃん!・・・って、梗河しゃんは何処へ行ったんでしかー!!
「離珠!!かってに北斗七星と梗河を・・・何処に居るの!!」
びくう!!シャオしゃま!?なんでばれたんでしか?
・・・え?北斗七星しゃんのうちの一人が喋った?何てことするんでしか!!
怒ったシャオしゃまがどんなに恐いか北斗七星しゃんも良く知ってるはずでし!!!
(確かに、と北斗七星しゃんが黙ったまま深深と頷くでし。)
「離珠!!こんな所に居たのね!!!」
うわああ!!けど、それでも梗河しゃんを連れ出した離珠は勇気があるでし〜!!
(違う違う、と北斗七星しゃんが黙ったまま顔を横に振るでし。)
こ、これにてことわざ解説は終わりでし〜!!


「一挙手一投足」でし
これは是非乎一郎しゃんにやってもらいたいんでし。
という訳でお願いするでし。
「うん、分かった。」
離珠が合図すると、ずりおちたメガネをくいっと上げる乎一郎しゃん。
「こんなもんかな?」
ばっちりでしー。
一度だけ手を上げたり足を動かしたりするという意味から、
『ほんのわずかな努力や骨折り。ちょっとした細かい動作』という事でし。
「別に僕がこんな事やら無くってもさあ。」
何を言うでしか。これを無くして何を語れと言うんでしか!
メガネをくいっと上げる動作なんて、乎一郎しゃんくらいにしかやってもらえないでし!
「そう強調されても・・・。」


「一刻千金」でし
『わずかな時間でも千金の価値がある事。
楽しい時間、大切な時間が過ぎて行く事を惜しんだ言葉』という事でし。
「これは使えるかも・・・。」
と、なにやら思案した太助しゃま。
そして日曜日に、例のごとく遊びに来た皆しゃんにどーんと看板を掲げたんでし。
「なになに、無駄に時間を使うたびに罰金を・・・おい太助、なんだこれは。」
「見ての通りさ。いっつもうちに来て騒いで・・・。
たまの休みくらいゆっくりさせろって事だ!」
「何を言うんですか七梨先輩。たまの休みだからこそ、遊べる絶好のチャンスなのに!」
「愛原の言う通りだぜ。学校がある時は落ち着いて色々できないだろ。」
「わざわざ持ってきた薄皮饅頭もここぞとばかりに食べられるのですから。」
「太助君だけの時間じゃ無いんだよ。」
えー、とまあ、皆しゃんにぐちぐち言われて、見事太助しゃまの作戦は砕け散ったようでし。
「確かに俺だけの時間じゃ無いけど・・・俺の時間ってのは無くてもいいのかよー!?」
「試練だ、主殿。」
「こうなったら試練を受けてストレス発散だ〜!」
「そういうのはあまり感心できないが・・・。」
というわけで、日曜日は試練をする日という事になったみたいでし。


「一進一退」でし
『少し進んだり、少し戻ったりする事。
また、病気の症状や周りの情勢が良くなったり悪くなったりする事』という事でし。
という訳で虎賁しゃん!
「なんだよ。」
是非綱引きをやろうでし!
「嫌だ。」
シャオしゃまお手製のお弁当つきでしよ〜。
「なっ!?いつのまにそんなものを・・・って、ほとんど無いじゃないか。」
当然でし、離珠が取り出して作ったんでし。
「それは月天様お手製と言わないんじゃ・・・。」
まあまあ、他にも色々用意してるでしから。
「それならやってやろうか。」
ただし、綱引きで離珠に勝ったら!でし。
「やっぱりやめた。」
えうー、冗談でしよ〜、虎賁しゃん〜。
・・・とまあこんな調子で色々やったでし。
「結局綱引きはしなかったけどな。」


「一寸の虫にも五分の魂」でし
この前虎賁しゃんが、
「なんでおいらってこんなに小さいんだろう。」
とか言って悩んでたでし。
でも離珠はその事をあんまり気にしなかったでし。
そう、離珠は虎賁しゃんよりもおっきいんでし。
ちょっと得意になっていると、こう言ってきたでし。
「でも、大切なのは心。真の大きさってのはそれで決まるもんだ。」
虎賁しゃん、そんな事言うぐらいだったら、別に悩まなくてもいいじゃないでしか。
でも離珠だって、虎賁しゃんみたいにそういう心を持っているでし。
『どんなに小さいものにも魂があるように、小さいからといって馬鹿にしてはいけない。』
という事でし。小さくても、虎賁しゃんも離珠も頑張ってるでしよ!


「一朝一夕」でし
『「ひと朝、ひと晩」のことで、わずかな時間、短い期間、短い年月』という事でし。
ことわざを解説するに、これだけではできない!というわけでし。
「とか言ってるうちにそれで終わったんじゃねーのか?」
はうっ!虎賁しゃん、そんな非情なツッコミは遠慮してほしいでし。
「おいらは事実を言ったまでだ。」
そうでしか・・・。それならば虎賁しゃんが教える球技、とでもすれば良かったでし。
「なるほど、いい誉め言葉だな。」


「一長一短」でし
『長所があったり短所があったりということ。
良い所もあれば悪い所もある』という事でし。
どういうことかというとでしね・・・
「離珠のことわざ解説。それはたしかにたくさんの言葉を意味はなかなかに正確に書いてある。
そして、こんな言葉があるんだと知る事も出来る。
しかしだ!解説が非常にわかりにくい。はっきり言って謎なのが多い。異常だな。」
ちょ、ちょっと翔子しゃん!勝手に何を例にしてるでしか!
しかも異常ってなんでしか、異常って!!
それを言うなら以上でし!!
「分かったよ、言い直す。移乗だ、委譲。」
・・・もういいでし。
「すぐに諦めるなよ。くらいつくのはいいとこだけど、
そうやって諦めるってのは悪いとこだぞ。」
そんなこと言われたってどうしようもないでし!!


「一刀両断」でし
え〜とでしねえ、これは・・・
「離珠!!あたしが解説してやろう!!」
な、那奈しゃん・・・。
そんな訳で、抵抗する間もなく離珠は那奈しゃんに連れられて台所へやって来たでし。
そこで那奈しゃんは離珠を肩に乗せると、ぎらんと光る包丁を取り出したでし。
「離珠、この大根をよおく見てろ。」
見ると、なるほど、まな板の上に大きな大根が乗っているでし。
まだ調理する前の、洗っただけっていう状態でしね。
もしかして那奈しゃんは・・・。
「はーっ!!」
ズシャッ!!
やっぱりでしい!!気合を入れた声を上げて包丁を振り下ろし、大根を真っ二つに。
その勢いはものすごく、まな板まで切れてしまいそうだったでし。
「どうだ!!これで完璧だろう。思いきってやって解説も終了!!
いやあ、よかったよかった。」
たからかに笑う那奈しゃん。確かに二つ同時に解説してるでしねえ。
『刀をまっすぐに振り下ろして、真っ二つに物を切る。
また、強い決意を持って、思いきりよく物事を解決する』という事でし。
・・・とまあそういうわけでし。那奈しゃんて思いきりのいい人でし。


「井戸の端の童」でし
「水槽のふちに離珠、これで決まりだ。」
な、なんて事を言うでしか!!
虎賁しゃんだって似た様なもんじゃないでしか!!
「おいらは離珠みたいに、金魚に助けてもらったりしねーよ。」
うっ・・・。く、な、なんてことでしか・・・。
とにかく、『危ない事の例え』という事でし。


「犬の糞に手裏剣」でし
『つまらない事に貴重なものを使う事の例え』という事でし。
離珠とキリュウしゃんの、つまらない事に貴重な物を使ってみようコーナー!
「うむ!という訳で主殿・・・」
「絶対に嫌だ!」
まだ何も言ってないでし。
「人の話は最後まで聞くものだぞ。それに拒否は許さないぞ。」
「一体なんだってんだよ・・・。そうか、短天扇を投球練習に使うんだな!」
なるほど!なかなかいい案でし。
「なんだと!?そ、そんな事は許さない。第一、既に私は考えてあって・・・」
「よーし決まり!早速たかし達も呼んで、短天扇投げをやろうか。
ルールはいたって簡単。飛んだ距離を競う!さあやろうか。」
そうでし!
「何を勝手に進めているんだ。私はやらないー!」
「別にキリュウはやらなくてもいいよ。俺達がやるんだから。」
そうでしね。
「やめてくれー!!」


「犬も朋輩鷹も朋輩」でし
ある休み時間のことでし。翔子しゃんがシャオしゃまに尋ねたんでし。
「なあシャオ、ちょっと聞いていいかな?」
「はい。なんですか、翔子さん。」
翔子しゃんはなんだか難しい顔をしてたでし。
「今まであんまり気にしてなかったけどさ、シャオとルーアン先生って宿敵同士なんだよな?」
「え?ええ、昔はそうだったと思いますけど・・・。」
そういえばそうだったでし。そんな事はすっかり忘れてたでしよ。
「宿敵同士でも仲良くやってるよな?どうしてだ?」
「だって、太助様という同じ主様に仕えているんですもの。
だから私はルーアンさんと争わないで、仲良くしていこうって決めているんです。」
「なるほどねえ。確かに争ってたんじゃ守ったり幸せを授けたりなんか出来ないよなあ。」
それもそうでし。太助しゃまのためにも仲良くしないといけないでし!
『同じ主人に仕えるものは、例え性格が違っていても、
お互いに同僚として仲良く目的を果たさなければならない』という事でし。
近頃はルーアンしゃんもそれがわかっているのか、
最初に比べると少しはおとなしくなっているみたいでしね。


「命あってのものだね」でし
『命があってはじめて何でも出来る。命が無くなれば、何もかも終わってしまう。
無理して危険な事をしようとしている人を戒めた言葉』という事でし。
例えば!!燃えている宮内神社に・・・
「離珠さん、そういう例えはやめてください。」
なんででしか出雲しゃん!これを言わずして離珠は和菓子を語れないでし!
「だからそんな事をしなくても・・・。
例えば、炎の中に飛び込むスタントを行ってシャオさんにアピールする野村君、とか。
命をかけてまでアピールしてどうするんだ、って事で。」
なるほど・・・。しかし!離珠は、離珠は・・・!!!
「落ち付いて下さい。とりあえず家に来て母特製のいも羊羹でもどうですか?」
・・・ちゅわっ、いただくでし♪


「命長ければはじ多し」でし
『長生きをすればするほど、なにかにつけてはじをかく事が多くなる』という事でし。
・・・というわけで、ルーアンしゃん。お話をお願いするでし。
「・・・あんたねえ、人に頼ってないで自分でやんなさいよ。
あたしじゃなくたって、あんたも長生きしてるでしょ?」
ダメでし。これはルーアンしゃんじゃ無いと・・・。
「どういう意味かしら?あたしはそんなに恥をかいた覚えはなくってよ。」
ふむ、恥を恥と思わない人は恥をかかないでしね。
「今なんつった・・・。そういう事言ってるとシャオリンに怒られるわよ。」
うっ・・・。離珠としたことが・・・でし・・・。
「これも恥の一つね。良かったじゃない、例が出て。」
こんなの例でもなんでもないでしよ〜。


「命は法の寶」でし
『ありがたい仏法が聞けるのも命があればこそ』という事でし。
翔子しゃんのありがたい嘘が聞けるのも、生きているからでしね。
「・・・そういうたとえはどうかと思うけど。」
またまたぁ。翔子しゃんってば謙遜しなくていいでしよ。
「こんなんで謙遜してもなぁ・・・。」
「翔子さんは照れ屋さんでシュね〜。」
長沙しゃん、そういう事だったんでしか?
「だから違うっての。って、なんで長沙が・・・?」
それはもちろん!命に関係があるってことで・・・。
「看護の星神だからでシュよ。」
「あ、そ・・・。」


「いばらにとげあり」でし
「シャオリンの事よねー。あの子、きれると恐いから。」
ルーアンしゃんは違うんでしか?
「あたしは刺なんて持って無いもの。でも美しいのよ。」
それは絶対嘘でし・・・。
「はっ、そういえばそうよねえ。この美貌だけでも恐ろしいわよねえ。
ああ〜ん、ルーアンって罪な女。」
・・・と、とにかく、
『美しいものは、必ず恐ろしいものを持っている』という事でし。
よくよく思い返してみれば、シャオしゃまを引き合いに出されたのはなんだか許せないでし。
「きれるとやばいってだけで十分じゃない。」
ルーアンしゃんも十分恐いでし。
「そうよねー。なんたってあたしは美しすぎて・・・。」
はいはい、もう分かったでし。


「韋編三たび絶つ」でし
『一冊の本を何度も繰り返し読む』という事でし。
ちなみに“韋編”というのは、中国の古い本の事を言うんでし。
文字を書いた木や竹の札を皮のひもであんで作ってあるんでしよ。
しかし、しかしでし!
離珠の周りには本を熱心に読んでそうな人があんまり居ないんでし!
「何をそんなに焦ってるんですか、離珠さん。」
出雲しゃん!出雲しゃんは本をたくさん読むでしか!?
「本ですか?・・・ふむふむ、今回はそういうことわざなんですね。」
そういえばお寺には経本というものがあるってたかししゃんが・・・
出雲しゃん!その経本とやらを見せてくだしゃいでし!!
「だから何度も言うように、うちはお寺じゃなくて神社なんですけど・・・。」
えうー・・・。
「それはそれとして、小さい頃に読んでた本などを探してみてはどうでしょう。
ことわざと意味は違えど、思い入れの深さという点で参考になると思いますよ。」
あ、ありがとうでし。


「意味深長」でし
「例えばシャオが誰かに“好き”と言ったとする。
しかし、太助に対してのそれと他の人とのそれとはまた違うんだよな。」
「またそういうこと言って・・・。那奈姉は他に言うこと無いのかよ・・・。」
「無いね。」
「・・・・・・。」
えっと、『人の言葉や行動、書かれた文章、周りの状況などが複雑で、
深い意味を含んでいる、また、解釈の仕方がいろいろできる』という事でし。
「それよりも太助、お前からたとえは出さないのか?」
「出すまでもなく世の中に溢れてるだろ。
こうやってしてる何気ない会話でも、人によっちゃあとんでもないものに聞こえると思うぜ。」
ほほう、しょはどんなでしか?
「那奈姉が出した例え。下手すりゃ俺がシャオに嫌われてるとも取れる。
他の人に対してが本気の好きだったり、又は俺への好きが皮肉を込めた好きだったり・・・
とまあそんなとこかな。」
「嫌なたとえだな・・・。」
離珠が解説してるたくさんのことわざも、曲解とかされてなければいいんでしが。


「陰々滅々」でし
これはでしねえ・・・
「太助だな。」
那奈しゃん。太助しゃまは明るいでしよ?
「いや、以前宮内がモーションをかけてきた時あっただろ?
あの時の太助の暗さっていったらもう・・・。」
えーと『非常に暗くて陰気な様子』という事でし。
「とにかく!いつまでもいつまでもうじうじうじうじ・・・。
そんなのはふざけんななんだよ!好きなら好きでしっかりしろってんだ!」
今はしっかりしてるでしよね。
「いいや、まだ足りない。そう、もっとこう積極的なアプローチが。」
結局行き着くのはそこなんでしね・・・。


戻るでし。