≪あ≫でし!


「相惚れ自惚れ片惚れ岡惚れ」でし
『好きになり方にも色々ある。相愛の相惚れ、ひとりよがりの自惚れ、
片思いの片惚れ、憧れの岡惚れなど…』という事でし。
「仕方ないな。ここは人生経験豊富なあたしが解説してやろう。」
翔子しゃんなんだか偉そうでし・・・。
離珠は那奈しゃんと間違えそうになったでしよ。
「ま、那奈ねぇの受け売りも混じってるが・・・それは置いといてだな。
まず相愛は七梨とシャオ。文句はないだろ?」
・・・無いでし。
「ひとりよがり。これはなかなか難しいが、野村で我慢しよう。文句無いな?」
我慢・・・でしか?
「でもって次は片思い。ばっちり愛原でいこう。」
勝手に進まれたでし・・・。
「そして憧れだけど、遠藤が近いかな・・・。うんそういうわけだ。」
・・・翔子しゃん。翔子しゃんのたとえだと微妙に違ってこないでしか?
「何が違うってんだ。ばっちりだろ?さあて、終わりだ!」
うう、離珠の立場がまったく無いでし・・・。


「会うは別れの始め」でし
例えとして、シャオしゃまほど適任な人は居ないんでしが・・・。
「離珠、遠慮しなくていいのよ。私が説明するからね。」
シャオしゃま・・・。分かったでし、お願いするでし・・・。
「ありがとう。私は守護月天。今までいろんな主様に出会い、別れを繰り返してきました。
どんなに守っても、主様との別れは必ず訪れるもの。それは仕方の無い事。
やっぱり、出会いがあるからには、別れは有るものですからね。
でも、私は・・・」
シャオしゃま、ここまで言えば十分でし!
『会ったものは、いつかは必ず別れなければならない』という事でし。
それがわかっているからこそ、太助しゃまの事をシャオしゃまは・・・。
いつの日か、そんなつらい別れがなくなるといいでしね。


「青菜に塩」でし
「うおおおお!!」
たかししゃんがものすごい速さで廊下を走っているでし。
相変わらず元気でしねえ。何をそんなに走ってるんでしか・・・。
その次の瞬間!たかししゃんは“ドーン”と誰かにぶつかったでし!
勢いあまって倒れる2人。
「こらー!!廊下は走っちゃいかーん!!」
相手側は恐い教頭先生だったみたいでしね。
こっぴどくしかられて、たかししゃんはしずしずと廊下を歩いていったでし。
『急に元気がなくなる』という事でし。
でもたかししゃんがしずしずと歩くと、なんだか怖いでし・・・。


「青は藍より出でて藍より青し」でし
例えば・・・
「キリュウ、試練だ!」
「うむ!」
ってな羽目になったらまさしくそうでしね。
「あのさあ離珠。いくら七梨が頑張ってるからってそれはないと思うぜ。」
どうしてでしか、翔子しゃん。
「何でキリュウが試練を受ける必要があるのかって事と、
なんで七梨がキリュウに試練を与える必要があるかって事があるじゃないか。」
前者はともかくとしても後者は難しそうでしねえ・・・。
それだったら、太助しゃまがキリュウしゃんに試練を与えられるくらいまでになったらOK!とするでし。
「・・・誰がそんなの見極めるんだよ。」
くっ・・・翔子しゃんも言うようになったでしねえ。
“別にいいんじゃないの?”はどうしたんでしか!!
「それは関係ないと思うけどな〜。」
と、とにかく!
『教えを受ける学生が一生懸命勉強して、その先生より優れた人になる』という事でし。
「さて、ちゃんとした例えは?」
こ、今回は調子が悪いのでお休みするでし。
「じゃああたしが代わりに言ってやろうか?でもめんどくさいからやだな〜。」
別に頼んでないんでしが・・・。


「悪事千里を走る」でし
シャオしゃまが、そしてルーアンしゃんが学校にやって来た時の事を考えて見るでし。
大騒ぎになったのはもちろんでしが、その元凶という事で・・・
「まさか学校中にそれが広まったとか言うんじゃ無いだろうな。」
ぎくっ。た、太助しゃま。
「そんなの当たり前だろ?学校で騒ぎを起こしてるのに。」
え、えーとえーと・・・そ、そうでし、鶴ヶ丘町でし!!
「そんな噂は俺は聞いた事無いなあ。」
え、えうー・・・とにかく!
『良い行いは広まりにくいが、悪い行いや悪い噂はすぐに人々に知れ渡る』という事でし。
太助しゃまが離珠をいじめたでし〜。すぐに広まるでしよ〜。
「今のをいじめたって言われても・・・。」


「悪女は鏡を疎む」でし
『誰も自分の弱みに触れる事は好まない事の例え』という事でし。
同じ様な例えの人は居ないって事で、他の例えを・・・。
「で、なんでおいらなんだ?」
虎賁しゃんはちっちゃいから、身長測定機を嫌うでしね。
「お前も似たようなもんだろーが!」
り、離珠は嫌ってなんかいないでし〜。
「うそつけ。目がそう言って無いぞ。」
えうー・・・。
「じゃあこういうのはどうだ?キリュウ姉は冷蔵庫に近付かないって事で。」
虎賁しゃん、それはそれですっごく無理があるでし・・・。


「朝雨は女の腕まくり」でし
『女は腕をまくって威張ってみてもすぐにへこたれてしまうが、
朝の雨も同じで、降ってもすぐあがるから恐るるにたらぬ』という事でし。
「雨に関してはそういうのを他によく聞くけど、女性の方は絶対違うと思うな。」
どうしてでしか?乎一郎しゃん。
「太助君の周りにいるみんなを見れば良く分かるじゃない。
特にルーアン先生は頑張ってるもの!」
そうでしね。もうこの言葉は古いもので・・・
「ルーアン先生こそ腕まくりして、輝いてるよ!
絶対カッコいいよね。」
そ、そうでしね。
「そうだ!今ここで更に実演してもらった方がきっと解説も良くなるよ!」
い、いや、そこまではしなくていいでし。
「早速呼んでくるね。ルーアンせんせ〜い!!」
こ、乎一郎しゃーん!


「朝寝八石の損」でし
「以前私が寝坊した時の事だ。」
ふむふむ。
「時計を見ると、主殿達はとっくに学校へ行っている時間で、那奈殿しか家に居なかった。」
ふむふむ。
「がっくりきていると、那奈殿が朝(?)御飯を差し出してくれた。
朝に食べているかどうか怪しいというような意味合いからだろうな。」
ふむふむ。
「こんな珍しいものを食べられて、なかなかに得をしたというわけだ。」
ふむふむ。
「以上だ。」
ふむふむ・・・って、これじゃあ例えにならないでし!!
意味が全然違うでしよ!!!
「試練だ、気にされるな。」
だああ!寝坊している第一人者だから頼りにしてたんでしよお!?
「・・・それは嫌味か?私が起きられなかったのは目覚ましが起動しなかったせいだ!!」
威張って言う事じゃないと思うんでしが・・・。
ともかく!『朝寝坊はどうみても損だ』という事でし。
しょうがないのでルーアンしゃんに聞いてみるでし。
「朝ごはんが食べられないとか答えるだけだと思うのだが。」
それもそうでしね・・・。


「朝油断の夕かがみ」でし
朝食時。
がつがつがつがつ
「・・・はっ!朝こんなに食べちゃうと夕方食べられなくなるじゃないのー!!」
というわけでしね。
『朝なまける者は夕方になって困り果てる』という事でし。
「ぜっっっっっっっっったいに違うわよ、ごみチビ。」
か、軽いつかみでしよ。
「つかみにもなってないんじゃないかしら?
素直に相談すればあたしがいいたとえを出してあげたのに。」
な、なんでしと!?・・・ルーアンしぇんしぇい、お願いするでし。
「珍しく頭をさげてきたわね。おっし、出してあげましょう!!」
わーいっ、でし。
「実は朝ね、職員会議をサボってたらね・・・
日直を無理矢理押し付けられちゃったのよー!!」
・・・・・・。
「というお話。」
・・・なるほど、参考になったでし。
ついでに付け足すと、無理矢理押し付けられるのは当然の結果だと思うでし・・・。


「足元に火がつく」でし
「あーん、たー様待って〜ん。」
「いちいち休み時間に引っ付いてくるな〜!!」
「ルーアンさんやりすぎです!」
どたばたどたばたと、教室で暴れまわってる人が三人でし。
太助しゃま争奪戦。珍しくシャオしゃまが加わってるんでし。
ちなみに他多数として陽天心と星神しゃん達が・・・とと、離珠は除くでしよ。
「まったく、毎度毎度よくやるよなあ。」
椅子に座って傍観してる翔子しゃん。翔子しゃんもいつもいつもよく平気で見てるでしねえ。
他の生徒しゃんは巻き添えを食らわない様に必死になっているというのに。
「ま、あたしの運は並じゃ無いからな。」
しかしでしねえ、翔子しゃん・・・。
とかやってるうちに、その騒ぎの元の太助しゃまがこちらにやって来たでし。
当然ながらシャオしゃまとルーアンしゃんを含むでし。
「たー様ーん!!」
「うわあー!!!」
「た、太助様ー!」
何やらただ事じゃ無い様子でしね。
・・・って、なんかこの状況はまずくないでしか!?
「うっ、さすがにこの位置で居るのは危険かも・・・。」
いそいそと翔子しゃんが逃げ出そうとしたまさに其の時でし!
どがしゃーん!
陽天心と星神、そして三人の巻き添えを翔子しゃんは真正面から食らった様でし。
幸いにも保健室送りのみで済んだんでしが・・・。
『自分に関係無いと思っていた危険や災いが突然自分の身に迫る。
また、身近で悪い事や危険な事が起こる』という事でし。
「うむ、たしかに翔子殿の運は並ではないな。」
「キリュウ五月蝿い・・・。」
ご愁傷しゃまでし、翔子しゃん。


「小豆で豆腐」でし
『作れるはずが無くありえないもの』という事でし。
豆腐は大豆で作ったもので、小豆では豆腐にならないでしね。
そこで!離珠とキリュウしゃんの、作れるはずがないものを作ってみようコーナー!
「うむ!というわけで主殿、小豆で豆腐を作ってもらおう。」
「おい、作れないと宣言してる傍から何言ってんだ。」
それを乗り越えてこそ試練でし!
「これができればおそらくシャオ殿をも超える料理人になると私は確信しているぞ。」
「そんなんでなれるわけないだろ?だいたい小豆が・・・
ってキリュウ、何してる。」
見てわからないでしか?
「せめてもの助力として、小豆を大豆なみの大きさにしているんだ。
これで主殿もやりやすく・・・」
「なってたまるか!!」


「小豆は馬鹿に煮らせろ」でし
『小豆は煮えにくいものだから気長に煮る。怠け者や馬鹿が煮ると
火がついたり消えたりでゆっくりと煮るので丁度良い加減に煮える』という事でし。
さて、実際に煮てみるでし。
「おい太助、お前が煮ろ。」
「なんで俺が・・・。」
「そうよ!おねー様。」
「主殿、これも試練だ。」
「太助様をそんなに扱うなんて許せませんわ!!どうしてもと言うのならこの私が!!」
「シャオはだめだ!!シャオに煮させてしまったらこの家の者全員駄目になっちまう!!」
「うっそお!?それはかいかぶりすぎよおねー様!!」
「少なくともルーアン殿より上だと思うが?」
「なんですってー!?」
「やめろ二人とも!言い争った所でどうにもならないだろが!」
「こうなったらあみだくじで決めましょう!たかしさんからサンプルをもらっています!」
自信満々にシャオしゃまがそれを取り出したんでし。
意外な提案に皆しゃんビックリしたんでしが、結局はそれを行ったんでし。
その結果・・・
ぐつぐつぐつぐつ
「頑張ってるー?ちゃんと煮なさいよ、馬鹿ちゃん。」
「あみだに当たっただけではないか!!
第一、だれが煮ようとこんなガスの火が消える訳無いだろう!!」
キリュウしゃんの言う通りでしねえ。一体だれがこんな言葉を考え出したんでしかね。
「それを解説しようとするごみチビもごみチビよ!!ま、別にいいけど。」
「よくないー!!」


「明日の百より今日の五十」でし
ここはリビング!今壮絶な争いが行われているでし!!
「ごみチビ!半分残った饅頭はあたしのものだからね!!」
何を言うでしかルーアンしゃん!!これは離珠のものでし!!
「毎度毎度あたしに張り合ってくるとはいい度胸してんじゃない!!」
そっちこそ!でし!!
・・・とまあ、そういう事でし。横ではらはらしながら見ているシャオしゃま。
無言のままお茶をすすっている那奈しゃんとキリュウしゃん。
そして一人太助しゃまが仲裁にはいってきたでし。
「まあまあ二人とも。明日日曜だからさ、多分出雲のやつがお土産を持ってくるよ。」
「なるほど♪じゃあごみチビ、あんたにはその半分あげるから。
けど明日いずぴーが持ってくるお土産を食べちゃ駄目だからね!!」
しょんな、ルーアンしゃん非道いでし・・・。
「そういわけで決まり!!お〜っほっほっほ。明日はたっぷり食べましょうっと。」
高笑いしながらルーアンしゃんは去って行ったでし。無理矢理決められたみたいでし。
仕方なく離珠はお饅頭の半分を一人で全部食べるでし・・・。
「まあまあ離珠、そんな悲しそうな顔するなって。」
「那奈殿の言う通りだ。第一、明日宮内殿が来るなんて聞いてないし。」
「あれ?太助様、約束なさってたんじゃなかったんですか?」
「いや、別に約束なんかしなくてもしょっちゅう来てるじゃないか。だから・・・。」
そういう事でしよ、シャオしゃま。多分明日・・・。
・・・ということで次の日。果たして出雲しゃんは来なかったでし。
一応翔子しゃんが来たんでしよ。
「ちょっとー!!いずぴーはどうしたのよー!!」
「さあ。あたしはただここへ来ただけだし。」
「なんですってー!?あたしのお饅頭はぁー!?」
「あたしはそんなもん持ってないって。」
「ルーアン、翔子に突っかかるなって。ま、早く上がれよ。」
「ああ。お邪魔しま〜す。」
悔しそうな顔をするルーアンしゃん。陰で見ていた離珠はなんだか気分が良かったでし。
『明日の事は果たしてどうなるか当てにならないから、少なくても今日手に入る方が価値が有る』という事でし。
その後、ルーアンしゃんは宮内神社まで押しかけて行ったとか。
出雲しゃんも大変でしねえ・・・。


「当たるも八卦当たらぬも八卦」でし
『占いは当たる事もあれば外れる事もある。占いの結果は良くても悪くても気にする事は無い』という事でし。
とりあえず占いをする必要があるので・・・危機一髪!!八穀しゃん占い!!
というわけで、八穀しゃんに来てもらったでし。
え?何を占いに使うのかって?
もう、分かってるくせに。八穀しゃんが背負っているその御箸でしよ。
手を伸ばそうとする離珠に対して、八穀しゃんが後ずさりして首を横に振ったでし。
これはそんなものに使うものじゃ無い?
ちょっとだけでいいんでしから・・・。
更に離珠が手を伸ばそうとしたその時。
「八穀〜、何処に居るの〜?今からお買い物に行くから付いて来て。」
と、シャオしゃまの声が。
これ幸いとばかりに八穀しゃんはその場から素早く立ち去ってしまったでし。
くうう、なんて事でしか・・・。こうなったら、帰ってきてからもう一度やるでし!


「暑さ寒さも彼岸まで」でし
『秋の彼岸の頃になると暑さもおさまり、春の彼岸の頃になると寒さが緩む。
それぞれの彼岸を過ぎれば、しのぎやすい季節になる』という事でし。
キリュウしゃんにとってはありがたい言葉でしよねー。
「・・・・・・。」
どうしたんでしか?キリュウしゃん。
「彼岸を過ぎた後、だんだんと暑くなる、寒くなるなどと考えると苦痛になってな。」
そんなしょうも無い事を考えてたら身がもたないでしよ。
「それもそうだな。素直に彼岸による緩和力を喜ぼう。」
緩和力ってどういうことでしか・・・。


「暑さ忘れりゃ蔭忘れる」でし
みーんみーんみーん・・・
せみがうるさく鳴いてるでし。
お日様ぎんぎん、とっても暑い日。
「大丈夫?離珠。」
へ、平気でしっ。
「でも汗でいっぱいよ。おうちで休んでれば良かったのに・・・。」
シャオしゃまと一緒にお買い物、なんでし。
帽子をかぶってるシャオしゃまも、肩に乗ってる離珠も、暑くて暑くてたまんないでし。
「ちょっと休憩しようか?」
離珠のことを心配そうに見ていたシャオしゃまが公園へ寄り道、でし。
おっきな木陰でふうと一息。ふう、涼しいでし〜。
さてさて、意味をいくでしー。
『暑さを避けるために物かげで休んだ者が、暑さが去って涼しくなるとかげのありがたさを忘れる様に、
苦しい時がすぎると、その時うけた恩を忘れる』という事でし。
つまり!この木陰から出た後に・・・
「木陰さん、ありがとう。」
そう!そんな感謝の気持ちももたずに・・・って、シャオしゃまぁ!?
「どうしたの、離珠。」
な、なんでもないでし。
・・・とまあ、シャオしゃまみたいな人じゃない人の事でしね。
「さて、お買い物を早く済ませて帰りましょ」
はいでし。


「熱火子に払う」でし
むむむ、難しいでし・・・。
離珠にこれの解説をするのは無理でしよ。
「な〜に深刻な顔になってんのよ、ごみチビ。こんなの一発じゃない。」
何が一発なんでしか、ルーアンしゃん?
「簡単よ。シャオリンは守護月天で今はたー様を守ってるでしょ。
だからシャオリンが自分が遭いそうになった災難をたー様にすっ飛ばせば一発じゃない。」
なるほど・・・って、シャオしゃまはそんな事しないでしよ!!
「何いきりたってんの、例えよ、例え。うだうだやらずにそれで納得しときなさい。」
くうう、分かったでし・・・。というわけで、
『自分に降りかかる災いを、自分がかばってやるべき立場のものに転じる』という事でし。
うう、ほんとはシャオしゃまを例えになんか出すのは間違ってるのに・・・。
「あ、別にたー様じゃなくっても、星神達でも良いわよね。」
ルーアンしゃん!そこまでにするでしっ!!


「あつものにこりてなますをふく」でし
≪いただきま〜す!!≫
待ちに待った、美味しい御料理を食べる時間がやって来たでし。
今日シャオしゃまが作ったのは・・・鍋焼きうどん。
シャオしゃまのレパートリーも結構増えてきたでしねえ。
で、皆しゃんおいしそうに食べてたんでしが・・・
「熱いっ!!」
熱いものを口に入れて、キリュウしゃんが思わず叫んだ様でし。
「キリュウさん、慌てて食べなくても。」
「いや、つい・・・。今度からは気をつけて食べる。」
そして傍に置いてあったお漬物をじいーっと見つめていたかと思うと、
“ふうーっ、ふうーっ”と息を吹き始めたんでし。
「・・・キリュウ、何やってんだ?」
那奈しゃんが尋ねると、真剣な顔をしてキリュウしゃんはそれに答えたでし。
「先ほど大火傷をしたからな。同じ過ちは繰り返したくない。」
「だからって、もともと冷めてるやつに息を吹かなくっても・・・。」
呆れた顔の那奈しゃん、そして太助しゃまにシャオしゃま。
ルーアンしゃんはもちろんがつがつと食べまくっていたでしよ。
『一度の失敗に懲りて、必要以上に気をつける』という事でし。
・・・とまあ、こういう使い方が一般的でしね。
「離珠殿、そういう誤解されるような話作りは止めてもらいたいな。」
いいじゃないでしか。キリュウしゃんなら多分そうするでしよ。
「何処からそんな根拠が出てくると言うんだ・・・。
私は冷めているものに息を吹いたりし無い。」
キリュウしゃん、これは例えでしよ。だから気にしちゃあダメなんでし。
「しかしだな・・・。まあいい、これからは必要以上に離珠殿に注意を払うようにしよう。」
そういう事をされると困るんでしが・・・。


「痘痕もえくぼ」でし
「いっけない!!」
お料理をしているシャオしゃまが突然叫んだでし。何事かと思って駆け付ける太助しゃま。
「どうしたんだシャオ!!」
「それが、おなべを焦がしてしまって・・・すいません。」
見ると、確かに真っ黒のおなべが。シャオしゃまが失敗するなんて珍しいでしねえ。
「気にすんなよ。たまに失敗してくれるとなんだか安心する。
やっぱりシャオも普通の女の子なんだって。」
「太助様・・・。」
そういうもんなんでしかねえ?でも怒らない所はさすがは太助しゃまでしね。
と、キッチンで和んでいるとルーアンしゃんがやって来たでし。
「ちょっとたー様。あたしが失敗した時にはいろいろ言って来るくせに・・・。
なんでシャオリンの時はそんなにやさしいのよ!」
「へ?あ、ああ、それは、その・・・。」
そんなの決まってるでし。シャオしゃまにいっつもやさしいからこそ、でしね。
『ひいき目で見れば、短所までもが長所に見える』という事でし。
ちなみに、シャオしゃま以外の人にも太助しゃまはそれなりにいろいろ言わないみたいでし。
やっぱりだれかれ構わずやさしいんでしねえ。


「家鴨が文庫を背負う」でし
『背が低くて尻が大きい女の醜い事を嘲笑した言葉』という事でし。
「なんという事でしょう!!離珠さん!!」
は、はいっ!・・・なんでしか?出雲しゃん?
「こんな言葉が存在していいものでしょうか!?
こんな意味が存在していいものでしょうか!?」
しょ、しょんなに興奮しなくても・・・。
「美しい女性を醜いだなんて・・・酷いにもほどがあります!!
しかもアヒルが何故に関係が!!?」
とにかく落ち着いてくだしゃい、出雲しゃん。
「人は外見ではありません!・・・そりゃあ、美しいものを好むのは当然ですが、
わざわざこの様な言葉があるなんて!!」
お、収まりしょうにないので無理矢理終わりでしっ。


「阿呆の三杯汁」でし
『汁のお代わりは二杯目までは良いが、三倍目になると馬鹿だと言われるから慎め』という事でし。
そういうわけでルーアンしゃん、あんまりお代わりしすぎるのは良くないでし。
「うっさいわねえ・・・。大体その言葉の根拠はなんなのよ!!」
さ、さてと・・・。
「逃げんじゃないわよ。ちゃんと説明しなさいよね!?」
うっ・・・。


「甘い物に蟻がつく」でし
『利益のある所には人がたかってくる』という事でし。
例えば壊れた物には羽林軍しゃんが・・・
シャキーン!!
はっ!いつのまにか道具を構えているでし!
しょ、しょんな怖い顔しなくても、じょ、冗談でしよ、これは!
ダダダダダダダ
きゃー!でしー!!
「おーい離珠。結局ことわざの解説は・・・。」
あっ、虎賁しゃん!こうなったら虎賁しゃんがやってくだしゃいっ!!
「そうだな・・・。饅頭をばらまいとけば離珠があちこちからたかってくる、と。」
ななな、なんて例えを出すでしかー!!!


「雨だれ石をうがつ」でし
今日は離珠一人でお留守番でし。
でしが、気が付けばおやつが戸棚の中・・・。
シャオしゃま〜、おやつはちゃんと取り出してから出かけて欲しかったでし。
こうなったら離珠一人で頑張るでし!
戸棚の扉の前に攀じ登って、扉を開くでし。
“ぎぎぃ”と少しだけ開いたでし。えうー、結構重い扉でしね。
うんしょ、うんしょ。“ぎぎぃ”とまたもや少しだけ開いたでし。
いい調子でし、このまま全部開けるでし。
“ぎぃー”やったでし!見事扉が全開。
これでおやつが食べられるでし。万歳でしー。
『力の弱い者でも、根気よく行えば成功する』という事でし。
その日のおやつはいつもと比べてすごくおいしかったでし。
努力する事は良い事でしね〜。


「雨晴れて笠を忘る」でし
雨が降っている時はかさのあるおかげで助かったのに、
晴れるとかさのありがたさを忘れて、どこかに置いて帰ったりした事はないでしか?
これが人間の身勝手さというもので、
『生活が楽になると、苦しい時に助けてくれた人のことをも忘れたりする』という事でし。
くれぐれもそれを当たり前にしちゃあ駄目でし!


「雨降って地固まる」でし
「いいかげんにされよルーアン殿!!」
「なによー!あたしはたー様のためを思ってやってるのよー!!」
大変でしー!キリュウしゃんとルーアンしゃんが大喧嘩してるでしー!
ルーアンしゃんは家中の家具に陽天心をかけてキリュウしゃんを攻撃してるでし。
でもキリュウしゃんはその攻撃を次々かわしているでし。
さらにキリュウしゃんも万象大乱で応戦してるでし。
さすが、普段太助しゃまに試練を与えているだけの事はあるでしね。
何時間かの死闘の末、喧嘩がおさまったでし。
「ふう、ふう。やるわね、さすが万難地天・・・。」
「ルーアン殿もなかなか・・・。私にとってもいい試練になった。」
なんだか二人とも笑っているでし。
仲直りしてさらに仲が良くなったみたいでしね。
『揉め事があった後に以前より良い状態になる』という事でし。
ちなみに離珠は物陰に隠れていて、運良く助かったでし。
もう一つついでに、ルーアンしゃんとキリュウしゃんは、
太助しゃまに大目玉を食らって、後片付けをさせられていたでし。
一緒にお掃除をして、二人とも、
ますます仲が良くなったような良くなってないような・・・でし。


「あやまちては あらたむるにはばかることなかれ」でし
「ぐはぁー!!1+1は3じゃなくて2だったぜー!!」
というたかししゃんみたく・・・
『自分のした間違いに気がついた時は、周りを気にしてためらったり恐れたりしないで、
すぐ直さなければいけない。間違いは誰にでもあるものなのだから、
その間違いをすぐ直せる人こそ立派な人である』という事でし。
“あらたむる”は直す。“はばかる”は恐れる、ためらう、という事なんでし。
「なあ離珠ちゃん・・・。」
なんでしか?
「俺がなんであんな計算を間違えなきゃいけないのさ。」
まあまあ。それも解説のため、ただの演技じゃないでしか。
「もうちっと難しいものにしてくれよ。カッコ悪過ぎだぜ?」
そう言うのなら・・・このシナリオでお願いするでし。
「ふむふむ・・・よし。
うおおおー!!なんでシャオちゃんはシャオちゃんなんだー!!
って、これは違うってば!!」
はいっ!そこで改めるでし!!
「うえっ!?う、うーん・・・俺はあったかい魂じゃなくて熱い魂だったんだ〜!!」
・・・もういいでし。この解説はここで終わりでし!
「くっ、失敗か・・・。」


「嵐の前の静けさ」でし
『嵐が来る前は、雨や風が少しの間やんで静かな時がある。
大事件が起こる時は、その前に無気味な静けさがやって来るというたとえ』という事でし。
「そう、正にこれは支天輪がやって来る前の状態だな。
そうかあ、其の事に気付いていたら今頃は・・・。」
「あの、太助様?」
「あ、ああシャオ。いや、シャオに出会えてほんとに良かったと思ってるよ。
だからその、俺が言いたいのは・・・。」
「分かってますわ。」
そして何も言わずに太助しゃまに寄り添うシャオしゃま。
太助しゃまも太助しゃまで、赤い顔のままそれを受け入れたでし・・・。
とまあ、いい雰囲気なんでしが、絶対このままで終わるはずないでし!
「心配するな、あたしとキリュウがしっかりガードしてる。」
さっすが那奈しゃんでし〜。
「別に私は反対では無いが、しかし・・・。」
「五月蝿いぞキリュウ、何をぶつぶつ言ってるんだ。」


「ありの穴から堤も崩れる」でし
「万象大乱!」
しゅいーんと大きくなるソファー!しかし・・・
がくん!
「う、うわああー!!」
ずしーん!!
とまあ、あしが欠けていたのか大きく倒れてしまったんでし。
おかげで大怪我を負った太助しゃま。
皆の冷たい視線に、キリュウしゃんはとってもすまなさそうな顔をしていたでし。
『小さな失敗や不注意から、思いもかけない大きな事件や災いを引き起こす事がある。
どんな小さな事でも用心しなければいけない、と戒めた言葉』という事でし。
キリュウしゃん、次からはちゃんと大きくする物の安全も確かめてくだしゃい。
「うむ・・・って、やはり私の不注意が原因なのだろうか?」
たまには家の中で、なんて言い出した太助しゃまにも問題ありでしかねえ・・・。
ええい!こうなったら離珠がびしばし鍛えるでし!
「何を鍛えるというんだ・・・。」


戻るでし。