『私のある朝の自転車通学日記』


いつもどおりに自転車に乗って家を出る。時間はだいたい9時40分ぐらい。

今日は2コマめからだからこの時間に出れば十分間に合う。見慣れたのどかな風景が辺りに広がっている。

これで向かい風じゃなけりゃなー。そう、今は冬だから北風がきつい。朝は必ずと言っていいほど向かい風に悩ませられる。

でも、別に夏になったって、行きが追い風、帰りは向かい風っていうだけであんまり変わり無いけど。

5分ぐらいは、ひたすら周りが田んぼに囲まれている道を進む。今は冬だから水は張ってないけど、

落ちるとやっぱりえらいことになる。でも今まで田んぼに落ちたことはない。えっへん。(当たり前だって)

しばらくして勝浦川の土手に出た。ちゃんと歩道と車道と分かれているけど、私は車道の端を進む。

だって歩道は道が悪いし・・。すぐに国道との交差点に到着した。国道側の信号は青。国道の左車線側の歩道を自転車で走る。

橋の上は心なしか風が強く感じられる。でも、吉野川ほどひどくは無いし、橋もそんなに長くない、楽なもんだ。

橋をわたり終えてしばらく行くと赤信号に引っかかった。最初の3つのうち、必ずどれか1つには赤に引っかかるのだが、今回はここか。

大学はむこう岸だが、ここで渡る気はしない。南へ行く車によって、向かい風がますますひどくなるから。

信号が青に変わった。ここから先は信号もほとんど無い道がしばらく続く。何も考えずに自転車をこげるいい時間だ。

さてさて、今日はどんな空想をしようか。待てよ、今日は何曜日だっけ。うーん最近は曜日の感覚も無くなってきてるなあ。

授業は何だったかなあ。ああ数学だ、って全部数学だよな・・・。そういえば今日オケの練習あったっけ。

あれ?よく考えたら今日って週刊のサンデーが並ぶ日か?それじゃ火曜日か。いろいろ考えていると、赤信号に引っかかった。

横を見てみると、2台ほど車が通り過ぎただけで、その後にくる気配は無い。それでも、律儀な私は信号無視などしない。

だって信号が赤だということは渡るなってことなんだから。まもなく青に変わり、再び自転車をこぎはじめる。

しばらく進むと、再び赤に引っかかった。距離が結構離れているから、珍しくひっかかったわけだ。

信号のむこう側に『作業服ビッグタイガー』とかいう看板が見える。世の中にはいろんな店があるもんだね。

さて、ここから先は5分ぐらい本当に信号の無い道だ。もう一度ゆっくり考え事でもしようかね。

と思っていたが、1分もしないうちに歩道まで車を飛び出させて国道に出ようとしている光景が目に入ってきた。

幸いこちらに気がついたのか、慌ててバックして車を引っ込める。ま、当たり前だよな。及第点でもやるか。

左側から、田んぼが広がっている風景が目に入ってくる。5分などあっという間だ、早くも次の信号が見えてきた。

青だったのでそのまま難なく通り過ぎる。小さな橋を越えてしばらく行くと、すぐさま次の信号が見えてきた。

これも青だ。再び橋を越えて(今度は中くらい)またもや青の信号を渡る。この先から、考え事をしながらの自転車こぎは難しくなる。

信号が多いのはもちろんだが、なんと行っても、人と車が段違いに増えるから。

しばらく行くと、赤信号が見えてきた。とまらねば、と思いブレーキをかけるが、止まった瞬間に青に変わってしまった。

しまった、フェイントか。くそー負け1だな。気をとりなおして自転車をこぎ始める。

すると、少し前のほうに、高校生らしい二人組が自転車で並んで進んでいるのが見えてきた。

それにしても遅い。最近の中高生って、どうしてあんなにとろく自転車をこげるんだ?よくこけないなあ。

あっという間にその2人に追いついた。私はベルを鳴らすのはあんまり好きじゃないので少し広めの場所で強引に横から抜いてゆく。

すると少し先で赤信号に引っかかった。当然私は止まる。しかし、さっきの二人組は信号無視をしてあっさり私を抜いていった。

とろいくせに信号無視してんじゃねー!信号無視していいのは急いでるやつだけだー!!

しかし、私はやはり青になるのを待って自転車を進める。やれやれ次に赤で引っかかったらむこう岸に渡るか。

次の3つ目の信号で再び赤になった。さて、向こう岸に渡るとしよう。方向転換を素早くして、反対車線へと移る。

あの二人組はどうしたかって?あんなのはとっくに抜いちゃってるよ。まったく邪魔なやつらだ。

向こう岸を見ると、あの二人はこちらには渡ってこないようだ。やれやれ一安心だな。信号が青に変わったのを見て渡る。

(実はちょっと違うんだけどそれについては後で言うことにしよう。)

ようやく小山助学館が見えてきた。まったく、あいつらのせいでとんだ時間のロスになった。

その本屋のすぐそばの赤信号で再び止まった。すると、父親と子供二人の3人が赤信号を渡っていく。

おいおい、親がそんな事でどうすんだよ。信号を守るって事ぐらい教えろよな。

しばらくして青に変わる。その3人は歩道の真ん中に並列になってあるいてやがる。普段の私なら、

歩道の歩行者に対してベルを鳴らすことは絶対にしないのだが、このときは違った。

「ジリリン!」(私の自転車のベルはこんな音がする。)不機嫌そうに鳴らしたベルの音に子供の1人が気がついて端へ避けた。

まったく、次からはちゃんとして欲しいぜ。センチュリープラザホテルの前をとおって進んでいくと、急に横道から車が飛び出してきた。

急いでブレーキをかける。しかし車の運転手は私に気づかず、徳島方面を見ながら、国道へと走り出していった。

ふ・ざ・け・る・な!てめえ、車を運転してんならそれなりの自覚を持って運転しろ!右見て左見ては小学生でも知ってるぞ!

めげずに先へ進む。『うなぎの山口屋』の辺りで、またもや駐車場から急に飛び出してくる、うつけものの運転手に出会った。

やはりこちら方向は気にもしていない。仕方なく駐車場側に回って車の後ろからすり抜ける。

あのなあここは歩道だろう?おまえら運転手が自由にやっていい場所じゃないんだぞ、まったく・・・。

しばらくは、何の障害も無く自転車は進んでゆく。本当はこうでなくちゃいけないのに。

ようやく県庁が見えてきた。ガソリンスタンドの前の信号に足を止める。

実はここの信号がくせもので、絶対に次の信号に引っかかるようになっている。だれが設定したんだか。

それを南からくる大半のやつは知っているのか、中高生の連中のほとんどは信号無視をしていく。気持ちはわからなくも無いが、人が信号待ちをしている横で

堂々と渡っていくのを見るとやっぱりむかつく。中には、車が曲がってきているにもかかわらず、平気で行こうとしているやつがいる。

車がちゃんと止まっているのを見ると、「ひき殺せー!」とか思ってしまう。うーん、少し危ないな。

青に変わったので自転車をこぎだす。もちろん急ぎはしない。どうせすぐ赤に引っかかるんだし。

県庁の前(正確には前ではないが)の信号で止まる。私の定位置は信号よりほんの少し手前の植え込みと植え込みの間だ。

ふと植え込みを見ると、きれいに刈られている。誰かがやっぱ刈っているんだろうな。でも本当は刈らずにおいとけば、

もっともっと長生きできたかも知れないのにな。少し考え事をして、国道と交わっている道の側の信号を見る。

赤になった。よしそれじゃ行こうか、と勢いよくこぎだす。私の信号の渡り方はだいたいこんな感じで、

別道の信号の赤を確認してからゆくのである。もちろん赤になったから行くというわけではない(ここが重要)。

自分側の信号が青になる瞬間に横断歩道を渡り始められるように行くわけである。断っておくが、青で行っているわけだから、

これは信号無視ではない。(と私は思う)

とりあえず私より早く飛び出したやつはいなかった。まあいつものことだな。いつものようにかちどきばしの上から河口のほうを見渡す。

川面に移る空を見るのは気持ちが良いもんだ。川はやはり汚いけど。先にゆっくり進んでいる自転車を難なくかわしながら進んでゆく。

しばらくして、立体交差へ向かう交差点の1つ手前の信号に引っかかった。いつもどおりだ。

とまっていると、1人信号無視をして先へ進んでいったやつがいた。ここで急いでもどうせ次の信号ですぐにとまんなきゃいけないってのに、

分かっちゃいないね、まったく。

信号が変わったのを見て自転車をこぎだす。案の定次の信号でさっきのやつは止まっていた。ほーらやっぱり。

青になった瞬間そいつを追い抜いて自転車をとばす。ここで自転車を早くこいでおかないと、『和光』の前で引っかかるからな。

なんとか引っかからずに、橋のところの信号で止まる。ようやく徳大のそばまで来た。ふーやれやれ。

青を確認し、南門のへは行かず、正門の方へ向かう。授業は専門しかないし。

しばらくしてようやく校内に到着。総科棟の前へ自転車をとめた。もちろん鍵をかける。さーて、いくとしようか。今日もなんか疲れたなあ・・。

後書き:とまあ、いつも朝はこんな感じです。やっぱ徳島は自動車マナーが悪いですね。

ひどいときだと、5回は車にひかれそうになります。やっぱ車には乗りたくないな。

それにしても文句たらたら、批判ばっかり書いてますね・・・。
書いたのは・・・1998年12月頃です。