「ARIA The NATURAL 遠い記憶のミラージュ」 所感

※はじめに…
“記憶”と書いて“ゆめ”と読む〜。
このページは、PS2専用ソフト ビジュアルノベルゲーム
「ARIA The NATURAL 遠い記憶のミラージュ」のプレイ後の所感を綴ったものです。
最初は、プレイ日記などを書こうとか思ってましたが、ちっと挫折。
(というよりは、なんかそこまで細かく書くのがだるくなってきた)
というわけである程度プレイしての感想を中心に綴ってゆきます。
そう、あくまでも感想であるので、こいつが世間の意見だとかいうことを
言うつもりは毛頭ありませんので、そこだけはお忘れなく(まぁ、ネットの常識やろうけど)
さて、感想は主に6つのカテゴリにわかれております。以下のような感じ。
・初:ビジュアルノベルの……いや只の前書きについて色々
・文:ビジュアルノベルの命でもある、文章面について色々
・絵:ビジュアルノベルを彩るCGとかそんな類について色々
・音:ビジュアルノベルを賑わせる音楽と音声について色々
・他:ビジュアルノベルのシステムや他の感想について色々
・総:ビジュアルノベルのまとめ……要は総括について色々
そうそう、言うまでも無いとは思いますが、
当然ネタバレ含みまくりです。
そこらへんは注意して読んでくだされば、と思います。
あと…相当に抽象的な感想になっているかと思います。そこは諦めてください(蹴)
ちなみに、あらすじとかいうのについては……
他のページやらアルケミストさんのページやらで十分かと思うので省略。

その11回クリアーした辺りの所感(06/09/30)
その22回〜3回クリアーした辺りの所感(06/10/02)
小休止1簡易な攻略法(通常ルート編)(06/10/05)
その34回クリアーした辺りの所感(06/10/05)


その1「灯里さんはせんせいさん」

初:
 とりあえず滑り出しはいい感じ。主人公があまりにも優柔不断っていうか意見いわなさすぎっていうか、 どこまで流されとんじゃー!ってくらい。…ま、そんなことはいいんですよ。 申し訳ないんですが、ギャルゲーという言葉からは逃れ切ってないように思いました。 いや、あえてそういうゲームにしてるのか?だとしたらとんでもねーなー…。
 そうそう、この話ならではでしょうか。灯里が先生となって指導をします。 これはなんとも美味しい設定ではないでしょうか。 TVアニメでやるにもアイちゃんはまだ無理でしょうし。 ただ、肝心のその場面はありませんが…(残念だなぁ、これ)
…って、これ前書きかいな。ま、いーやそんなとこで。

文:
 一見すると普通のビジュアルノベル、なのでしょうが、表現が多少…甘い(贅沢?) 某所の二次創作を読む方がよほど臨場感あるってものです。 まぁそれはそういうものだと置くとしてもだ。 アル君に一度も会ってないはずなのに、レデントーレでいきなり親しげに挨拶交わしてるのが、非常に違和感。 また、所々誤植っていうか誤りがあります(青年の一人称のくせに、“彼女と青年は”みたいな言い回しとか) あと、後じさり、ってのは初めて聞いたのですが…(後ずさりの間違いではないの?) ともあれ、選択肢がよろしくなかったのかもしれませんが、 もうさっぱりさっぱり、消化不良状態で終わった気分でした。 猫の王国に執着しないように、っていうのは大事なのね… ってぇ!だったらあんなにごろごろ選択肢出すなー!。

絵:
 単純な話、綺麗です。可愛く描けてます。立ち絵も、アリア社長も。 (寂しそうな表情が微妙に気に入らないのですが<謎) まぁね、いいんですよ。人物は。けどね…景色を描いたのをもっと入れてほしかったと、思うわけです。 だって、ARIAのある種見せ所でもあるわけですから、背景って。 希望の丘の開けた風景ってのをもうちょい…とかとか。いやまぁ何が言いたいかって、 とにかくキャラ絵が大半しめすぎなんじゃー!

音:
 音楽は、まだ慣れてません。耳に残る曲を探している状態ですね。というわけで音声。 青年の声がなんだか小さく感じました。環境のせいかな?けどモノラルにしてもあまり変わらなかったような…。 ちょっと原因を探るとかまたはそのうちなれるまでしょうがないでしょう。

他:
 システムの話でもしましょうか。ARIAのWebラジオにて西村ちなみさんが仰ってました。 「ああ、ちゃんと声に沿って文章が流れてくねぇ」って(正確には忘れましたが、こんな感じの) まさにこれはその通りで、結構研究されたんじゃないかと感じました。 オートモードで、文章のスキップ感覚をカスタマイズすれば、 本当にビジュアルノベルの雰囲気はちゃんと味わえます。ぼへーっとコントローラから手を離して、 寝そべったりしながら鑑賞できるのはいい感触です。 というわけで、新規文章のとこは、大体そんな感じで読んでました。

総:
 ARIAを知らない人にはきつい!という事につきます。これは入門にはできない…。 各イベントにしても、レデントーレも微妙に薄い気がしました。何かこう…膨らませられなかったのかな? ただまぁ、希望の丘についてはちょっと特殊なのでその分面白かったです。 (アリスちゃんを連れていくとは!っていうか無理に隠そうとしてまで連れていかなくても…<苦笑) あと、個人的つっこみどころの特異点(謎)として二点ほど。 主人公の青年と、ヒロイン…ああ、そうそう、このヒロインってのがねぇ…。 EDリストで、“ヒロイン”って記述があるんですよ。ヒロインですよ、ヒロイン。 あんたそりゃギャルゲーを意識させまくりやがな!って。ほとほと呆れたものでした。
 …話がそれましたな。青年とそのヒロインの関係。 もうね、後半は終始、恋仲を意識させすぎってくらいに。 (後の話になりますが、藍華ルートはかなりよろしくないと思いました) いやいや、そうじゃないでしょうに。「クレセントノイズ」の高野響&橘生徒会長といった関係のような、 そういうのにしてくださいよ。という事をしきりに思ったのでした。 まぁ、友情度が深くなってあんな反応ってのは100歩譲って見れなくもないが…。  もう一点。さよならじゃなくて、またね、ってのを、「浪漫倶楽部」第23話のSNOW DRIFTを意識して台詞まわしを…! ってやってもらいたかったのはただのわがままかもしれませんな(爆) けどさぁ、折角ゲーム化するんだったら、そういう他の天野作品からの引用を(もちろん原作知らなくても分かるような) やってもよかったと思うんだよねぇー。…とまぁ、今回はそんなとこで。


その2「アイネがやっと喋ったよ」

初:
 いや、猫さんの声ばっかりで……ようやく言葉を喋ったのを聞きましたってことですわ。 それにしても…まぁ社長のキャストがありながら、まだ一度も遭遇してないのはどういうことなんでしょ、 とかなりあせあせです(レデントーレのCGにちょこんといたりいますが…) だいたい、ヒメ社長に対しても何の説明もないんだけど!?

文:
 さて、二週目以降をやってて思ったのですが……文章サボりすぎです。 何度同じくだりの文を、しかもまるでコピーのを読ませれば気が済むんだ!ってくらいに。 しかも、整合性とれてるならまだいいのですが、ところどころ整合性がとれてない……。 (一番顕著だったのは、初プレイ時のアル君登場の部分ですね。 レデントーレでようやく出たと思ったらこれかよ!って。あれはねぇ、本当に……) ビジュアルノベルの要でこんな調子なのは、かなり興ざめです。 未読シーンの部分はUPDATEマークがつくのはいいのですが、これはあんまりですわぁ……。 折角の作品なんだから、もっと工夫とかしてほしかったなぁ……。

絵:
 キャラ絵が多い。まぁそれはもう譲るとしましょう、そういうゲームなのだろうから。 けれどですね、女の子と急接近!なんて構図は要りません(汗) 特に、灯里とゴンドラで揺れで倒れてしまうシーンとか、アリスに飛びつかれてるシーンとか、 色んな点で違うものを描いてしまうってものです。男女の友情を、と思うには、 あまりにも意識させすぎな描き方ではございませんでしょうか!? なまじ丁寧なだけに、そこが腹立たしい……。

音:
 耳に残る音楽がところどころで始めてきました。まぁそれよりもですね、声優さん、ですわ。 全般的に、演技は非常にしっくりきてます。アニメの影響ってのもあるのかもしれないですが…… 本当に、アニメのワンシーンを見ているような、それくらいにキャラが立ってます。 慣れて……という言葉で片付けるのもあれですわなぁ。とにかくぴったり、名演技、であると。 そこはあえて断言しておきたいです。……だからその分、ねぇ……。 反面、ちょっと効果音がうるさいかも。徐々に消え行く……とか強弱を自然につけるってのは無理だったのかな……。

他:
 文のとこに本来は書くべきなのでしょうが、なんとなくここに。 とりあえず、その文もそうなのですが、さすがARIAの作品というか、 “何気ないこと”と意識できるものが、ゲーム中のそこかしこに散りばめられてます(意識できるのは少ないけど) こういうのはやっぱりいいなぁ、と思うわけですね(そりゃあ、あるのは当たり前の話だけどさ) 特に、“楽しむ”という事。希望の丘に向かう際の途中にあるイベント、難しい事について、 灯里ちゃんの「楽しんじゃえばいいんですよ」って言葉は、非常に好きなのです。 …簡単に言ってますけどね。なかなかそれができる人は居ないとは思うんだけどなぁ… けれども、それができれば、本当に恐いものなしというか、日常が幸せというか… 結局は原作のグランマの言葉に通ずるものでしょうけど、ここは大いに意識しておきたいところです。

総:
 数回プレイしてると、進め方のコツが多少わかるようになってきました。 が、やっぱりメッセージ読みで面倒な気もします。UPDATE探しに囚われそうなのが…。 ただし、クイックセーブ機能はかなりやりやすいですね。やたらにセーブされまくりですが、 簡単に分岐から開始できるとか、あまりセーブデータ残しは意識しなくてよさそうとか、 慣れればすすいっとやりやすいという感はあります。
 そしてED。一応三人分を見ました。やはし納得いかないのは… 灯里はともかく、何故に藍華&アリスまでが青年にそこまで感情移入する?というのは、でっかい違和感です。 もうちっとイベントをやって、話を長くしてもよかったのではないかなぁ。 (後に色々あるみたいですがね。静かなる変化の伏線も多少出てるし) とりあえず個人的には…無理にネバーランドのイベント出さなくても…!とは思いました。 狙ってるとしか思えなくて(もう一つ、レデントーレ最中の個別イベントCGと<汗)
 最後にもう一つ。青年は、ケット・シーをいつ認識したの? (初見のはずなのに、“ケット・シー”と分かってるみたいな口ぶりだったし……)


小休止1「簡易な攻略法」

 折角なので、ちょっとした攻略ルートのご紹介をいたしましょう。 手前読んでれば分かる話ですが、通常ルートには、灯里・藍華・アリスのルートが存在します。 それぞれ、どう辿り着くかというと……ボッコロの日に花を渡すイベントがあります。 その際に、渡した相手のルートに入ります。簡単ですね。
 ただし、その後の歌姫は誰だ?において、誰のゴンドラに乗って猫の王国へ行くかによって、 ルートが入れ替わる可能性もあります。 また、レデントーレのお手伝いで誰を選ぶかによっても変わるようで……。 とりあえず、それくらいをおさえておけば、グッドエンドへは簡単に辿り着けるでしょう。 (本当に簡単だな、これ……<これくらいわかりやすいのがいいかもしれんが)
 ……とは思っていたのですが、手前の選択肢によっては色々と変わるらしい…… って、shortcutで出てくるから多分問題はないんじゃないかと私は勝手に思ったりしてますが…… 果たしてどうなんでしょ。(とりあえず最初はあまり猫の王国に執着しないこと、かな?)


その3「みらーじゅってなんだろう」

初:
 ここから、若干真のネタバレになります(謎)アルケミストさんのHPにあります、 プレイムービーその3(置かれてるのは別サーバーさんですが)を見ればわかることですが、 前述のグッドエンド3人分を見ると、Mirageモードというのが追加されます。 つまりはこれが真のルート。簡単に言ってしまえば、解決編(?)という事です。
 この真ルート、まずは回想(?)から始まりますが、 何故か青年は再びアクアに戻ってきてしまいます。灯里ちゃんたちと出会う前の状態で。 いや、青年はその事をすべて覚えてるのですが、灯里ちゃんたち側は初対面。 つまりは、前の時間に戻ってきた、ということです。これは一体どういう事なのか、 この真ルートにおいて、いよいよアイネの謎が明らかになってゆきます。 そしてまた、アクアに起こっている変化の正体とは……。
 果たして、このルートはあるべきだったのか、無いままがよかったのか…… プレイし終えた私といたしましては、微妙な気持ちです。理由は……総、辺りにて。 そうそう、灯里ルートの感想がメインなので、念のため。

文:
 違和感の正体が徐々に明らかになってきました。いや、作中の設定じゃなくって、文章ね。 青年の行動理念がなんかおかしいです。アイネと確信しながら、未だ「アイネか?」と疑ったり。 ウンディーネの仕事に対して、相当に理解と意識を持ったにも関わらず、 まだ職業を侮辱してるような行動もとるし。……成長があまり見られないのですが? しかも、真ルートにおいて、真相を明かしたいのか隠したいのかどっちやねん。 プレイヤーの選択肢はまったくもって無視かって話になります。 思うに……場面ごとに、書いてる人が極端に違くない?と思えて仕方ない。 細かいことですがついでに……暁、暁くん、暁さん、と三通り何故か呼び方が出てきます(汗) 呼称くらいちゃんとチェックしようぜ……。
 さて、真ルートの終盤が近づくにつれて、“血のような”とか“死なないでー!”とか“殺さないで” とかっていう、ARIAらしからぬ物騒な単語が飛び交い始めます(まぁ、三つ目のは成り行きで出た言葉だけどさ<汗) シーンの都合上しょうがないとはいえ、これはどうよ?って思うのですよ。 まぁ……もういいや、これ以上は。もちっとログ読みしてから色々と。

絵:
 ……今更言うこともないよなぁ(ぇ なんて、そんなことは決してありません。 今までなりを潜めていた、灯里ちゃんの奥の手がついに登場です。個人的に好きなのです、逆漕ぎ。 もっとはよ出せよって状況でもったいぶって出てきたそれですが、このCG好きだわ〜♪ もうこれで、思い出いっぱい胸いっぱい(いいのかそれで)
 そうそう、グランマの立ち絵がありました。これも好きです。思えば…… あの大変な時、彼女はどうされてたのかなぁ……と、ふと(汗)

音:
 真ルートのEDまで辿り着いて、ムービーおよび音楽がすべて埋まりました。 (ムービーって3つしか無い上に予想通りっていうか……なんだかなぁ、力入れ損ねてない?) 鬼気迫った曲がちょっと増えました。うわーい、アクアが大変だ〜♪ ……それにしても、終盤ずっと恐い音楽ばっか流れてるんですけど……何かの嫌がらせでしょうか。 つーか、こんなシナリオにしたの誰だよ!(汗)

他:
 この真ルート、通常ルートの終盤にあったギャルゲー色が、嘘のように消えてます。 特定の人物と仲良くなってどうこうじゃなくて、本当に親友と位置づけるくらいの描き方、だと思いました。 そういう意味で、この真ルートは好きなんですがね。そういう意味では。 ただ、相変わらずやってて思ったのは、 これら見ている文章の大半が共通で使われるんだろうなぁ……というとこ(通常ルート経てるとねぇ<汗)
 あと、設定の話ではあるんだけど……組合じゃなくて、協会じゃないのかなぁ……。

総:
 自然を完璧に制御なんてしてはいけない。人間の傲慢を津波がすべて流してくれた。……まぁ、色々あります。 総じて言いたいことは、もっと自然との調和をとかそういう事なんでしょうが……。
なんでアクアでそういう話をやるの?
というのが大きな疑問です。だってさ、アクアの人達って、別に気候完全制御だとか そういう傲慢な思いって持ってないはずでしょう? (だから、マンホームと違うここに暮らしているんだし。 と、少なくとも原作やアニメを見てて私はそう思うんだけど……) だから、作中で灯里ちゃんが「浮島に頼んで雨を降らせてもらう」発言をした時、かなり違和感を感じました。 その時、『そうか!ここは何かしら人々が変わってしまった悪しき世界で、 主人公はそれを修正するために時間を戻してまで連れ戻された?』とまで思いました。実際は違ってたけど。 たしかに、アクアはテラフォーミングされて水の惑星となりましたが、 そこに住む人々は、決してマンホームのように気候を完全制御だとかいう傲慢さは持ってないと思いますがね。 曖昧な気候の中、不便さと共に暮らす人々が居て……そんな星に、青年は惹かれていって…… という話ではなかったのでせうか?(汗)
 ただし、真ルートにおいて、アイネさんはこう言ってたっけ。「ご主人さまに、気付いてほしかった」 だっけかな?……つーことはあれですか、異常気象とか大洪水とかそういうのって、
主人公に大切な事に気付いてもらうためにアクアを巻き込んだ一大事件
を起こしたってことなのよね?……と思ったのだけど、解釈間違ってないよね、これ。 絶対これ、そう思うってば!……以上。
 そうそう、災害イベントについては、これも一つも話作りかな、という感じで特に、まぁ、いいですよ。 ええ、二次創作だしね、やっぱり(爆)



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ちなみに、背景がこれなのは何かを示唆してると思われ