VERTU



Vertu


繊細にして豪放、華もあれば実もある素晴らしいジャズロック作品です。 
リターン・トゥ・フォーエバー、マハヴィシュヌ・オーケストラもそこのけ!いや、それ以上に素晴らしいんですね。 RTFでその名を売ったスタンリー・クラーク(b)、レニー・ホワイト(ds)の熟年コンビが今再びRTF的な音楽の創造に立ち上がった訳だが、誰がこれほどまでの凄いアルバムを作れるパワーが残っていると予測出来ただろうか? マクラフリンの最近の作品を聴いても往年の凄みは無く、寂しい限りなのに・・・・。  13年ぶりにグループを結成した二人だが、ギターリストに元ポイズンのリッチー・コッツェン、ヴァイオリンのカレン・ブリッグス、キーボードにレイチェル・Zという編成でマハヴィシュヌ・オーケストラと同じ編成である。 
さて音のほうは簡単に言ってしまうとRTFとマハビシュヌと足してさらにハードにというところだ。 冒頭からハードでタイトなノリノリ、ビシバシ痛快な曲で文句無し!入れ替わり立ち代りメンバーそれぞれのソロの披露大会となる。 2曲目”レイン”ファンキーな出だしで何だ?と思うのも束の間でシンフォなキーボードが絡んでギターが感情を刺激してきて、さらにヴァイオリンが絡んで凄まじいアンサンブルで聞き手の五感を刺激するのである、そして緩やかな情景へ、そして又メインテーマへ戻り・・・ヴァイオリンの穏やかなソロで淡々と流れて行くのかと安心していると、又ハイテンションのヒステリックな高速ソロへ・・・一丸となって曲はクライマックスという具合である(笑) とにかく曲を予測出来ない面白さがあって愉快である。 3曲目の”アノック”は穏やかなバラードかな?と淡々とは終わらないんだなあ・・・これが、エモーショナルなハードなギターソロに胸が締め付けられ、ヴァイオリン、ピアノのソロへバトンタッチする訳だが切なくキリキリに締め上げるフレーズは快感である。 女性の囁く声がセクシー(笑)。 4曲目”ザ・コール”はファンキーな乗りだが、ハードなギターワークが印象に強く残るも、押したり引いたりと大変ですねえ(笑) ギターとヴァイオリンのバトルでリズム隊が淡々と・・・面白い、 メインテーマの合間のバトル、ユニゾンにマッチョなハードなギターリフでキメを演出するなんぞ美味し過ぎるというものだ。  5、6曲目は2パートで構成された”トパシオ”は、哀愁漂うハードエッジなギターワークが冴えるはバラードで聴かせて、イケイケ・スイング曲へと変貌して行くのであるが、ロックかと思えばジャズか?とリッチー・コッツェンの何でもござれの素晴らしいセンスに脱帽だ、ヴァイオリンとのユニゾンも心地良い。 
全曲つらつら説明するのも疲れるので・・・8曲目はリッチー・コッツェンの唄物が突如出て来るが、なかなかセクシーに歌い上げるバラードで感動的である、バックでスタンリーがブリブリやってるのが印象に残った。  10曲目はメランコリックなイントロでヘヴィなベースがブリブリと絡み、やがて怒涛のアンサンブル・・・ハード・リフのギターワークにスネアがスコン、スコンとビシバシ決めるドラムと何となくクリムゾンを思い出す・・・後は忙しい展開は説明するの及ばずだろう・・・。
今、再び素晴らしいジャズロック作品に出会えるとは夢にも思わず初めて聴いた時は驚喜したものだ・・・それも過去の人となったのかと思っていたベテランがやってくれました! それもこれもリッチー・コッツェンの参加が功を奏したと言って良いだろうし、あとの女性2人のメンバーも引けはとってはいない・・・素晴らしいアンサンブルを聴かせるメロディック・ハード・ジャズロックを聴かせてもらって感謝だ。 大推薦! 99年