◆がんばれ たかはし! (全6話)



 麻琴~。
 何?愛ちゃん?
 ・・・・・・・・・・。
 ん??
 麻琴~。
 えっと、何?愛ちゃん?
 ・・・・・・・・・・・・・。
 んん???
 麻琴!
 だから何よ!愛ちゃん!!
 も~! 麻琴!麻琴!麻琴~!!
 だ・か・ら!何だってば!!愛ちゃん!!!
 うわ~ん(泣きながら走り去る)
 なんだ~???


第1話 終わり





 な~麻琴。
 あ、愛ちゃん?え・・・えっと、今度は何?
 去年のオーディションのことやけんどぉ。
 うん。(ほっ)
 うちらオーディションで3強って言われてたやんなぁ。
 え!?い、いやまぁ・・・そうだね(キョロキョロ)
 その3人のうち2人が受かって、1人は落ちちゃったんやけどぉ。
 う、うん・・・・(つんくさん今頃後悔してるのかなぁ)
 さて。その1人とは誰?
 はっ?愛ちゃん何言ってんの?そんなの知ってるでしょ。
 いいから答える!!
 何かわかんないけど・・・優樹菜だよね。
 ・・・・・・・
 何よ愛ちゃん、どうしたの?
 答えは?誰??
 いやだから、優樹菜。
 誰!!
 だ・か・ら~!優・樹・菜!!
 私の名前は!!!
 愛ちゃん!!!!
 うわ~ん(再び泣きながら走り去る)
 何だぁ?・・・・・・・あ、ころんだ。


第2話 終わり






 麻琴!
 げっ、愛ちゃん?
 げっ?
 い、いやいやいや違う違う。なんかげっぷが。コーラ飲み過ぎちゃったかな。
 ふ~ん。
 う、うん。(最近愛ちゃん変なんだよなぁ)
 麻琴に質問があります。
 え、そ、そうなんだ(ほら来た)
 人間にとって一番大切なものって何だと思う?
 ふあ?
 人が生きていく上で大事な事。さぁ何???
 え、え~と・・・・・・う~ん・・・・やっぱ『夢』か・・・な?
 惜しい!!
 惜しい??
 あ、や、そうじゃなくて・・・・・。ほら、夢も大事だけど、もっと大事なものあるじゃない?ほら、同じ漢字一文字で・・・・・
 うん?・・・・・あ、そっかわかった。
 本当!?
 『愛』だ!
 おお~!!!
 は?
 もう1回言って!
 だから・・・『愛』
 もう1回!!
 愛!!愛が一番大事だって言ってんの!!
 (ほわわわ~ん)しあわせ・・・・
 あ、あれ?どうしたの?
 むふふふふ・・・・・・
 (や、やばい。愛ちゃん目がどっかいっちゃってる。に、逃げよう)
 愛が一番大事・・・・愛が一番大事・・・・うふふふ・・・・・


第3話 終わり






 愛ちゃん。リハーサルはじまるよ。
 ・・・・・・・
 ん?愛ちゃん、リハーサルだよ。行くよ。
 ・・・・・・・
 愛ちゃんってば!!
 何で?
 えっ?
 何でなん??
 いや、いきなり何でと言われても・・・・・・やっぱりリハーサルは大事だと思うんだけど・・・・。
 そうじゃない!!
 へ??
 何で『愛ちゃん』なの!私は『麻琴』って呼んでるんだから、麻琴も『愛ちゃん』なんてちゃん付けはやめてよ。なんかよそよそしいよ。
 いや、そんな事言われても・・・・・ほら、愛ちゃんはやっぱ年上だし、呼び捨てはちょっと・・・・。
 年上!?何それ?そんなん関係ない!うちら一緒に5期メンバーで入ってきた同期やんか。何でそんな事いうの?
 あ、いやそういう意味じゃなくて・・・・。
 いいよ・・・・わかった。どうせ、麻琴は私の事なんか好きじゃないんだ。
 違うってば。愛ちゃんのことは好きだけどぉ・・・・・ほら、だってあれだよ。加護さんも愛ちゃんと同じ名前でしょ。だから『愛』って呼ぶとさぁ、なんか加護さんの事呼び捨てにしてるみたいじゃん。それはちょっとあれだと思うんだよね。ねっ。わかるでしょ。
 ・・・・本当?
 うん。本当本当。
 私の事好き?
 えっ!?・・・・・あ、も、もちろん。ははは。
 そっかぁ・・・うん。そうよね。そうに決まってるよね。わっはっは~。
 ・・・・・はは。
 そうと決まれば・・・・・そうか障害は加護さんか。ふっふっふ(キラン)
 (げっ!?なんか悪い事思いついた子供みたいな目してる)
 麻琴安心して。麻琴の想いはこのわたしが引き受けた!!
 えっ、ちょ、ちょっと愛ちゃん・・・・。
 この大石内蔵助にお任せあれ。殿中、殿中でござる~(そしてがに股歩きで去っていく)
 愛ちゃん・・・・・(殿中でござるって人をいさめる時の台詞なんだけど。あとあのがに股歩きはやっぱいつか注意した方がいいのかなぁ・・・・)


第4話 終わり






 加~護さん!
 あ、愛ちゃん。おはよう。
 加護さんにプレゼントがあります。
 え、本当?なになに?
 はい、肉まん。どうぞ。
 わ~!おいしそ~!え、本当にもらっていいの?
 どうぞどうぞ。実はこれさっき保田さんにもらったんですけど私お腹一杯で。
 やった!!加護さっきからお腹へってたんだ。じゃぁもらっちゃおうかな。
 はい、どうぞ(ふふふ・・・・・・)
 わお。ほっかほかだぁ。
 (悪く思わないでね加護さん。これも私と麻琴のためなの)
 じゃぁいただきま~す。 
 (これで娘。の中で『あい』という名前は私だけになる。麻琴も加護さんに気がねなく『愛』って私の事を読んでくれるようになるんだわ、うふふふふ・・・・)
 ちょっと待ったぁ!!!
 へ?
 その肉ま~~~ん!(ダダダダダと猛ダッシュ)
 わ!
 ののがいただき~!!!!(加護から肉まんを強奪!)
 あ、加護の肉まん~!
 いったらっきま~す!!!
 あぁ、だめ辻さん!その肉まんにはっ!!
 ぱく!!んぐんぐ・・・
 あぁ・・・・(馬鹿な辻さん・・・・・)
 んがっ!?
 (もうだめ・・・超強力100万倍辛子入り肉まんの威力で、辻さんの声はしばらくは・・・・・)
 ん、ん、ん・・・・・
 (辻さんを歌えないようにしてもしょうがないのに・・・・・)
 ん・・・うんめ~!!!!!!!!
 はっ!?
 何この肉まんめっちゃくちゃおいし~
 あ~ん、加護の肉まんだったのに~
 いや~愛ちゃんいい肉まん仕入れてきたね。今度またもってきてよ。じゃあね!(タタタ・・・・)
 もう、ののの馬鹿。
 ・・・・・・・・・
 おかしい・・・間違ったんかな。ちょっとなめてみよっと(ポケットから100万倍辛子と書かれた小瓶を取り出しなめてみる)・・・・・んギャ!?!!!!
 わっ!どうしたの愛ちゃん!!
 わにゃあ~~~~~~!!!み、みじゅ~~~~!!!!!!(そして泣きながら走り去る)
 ???


第5話 終わり






 加~護さん!
 あ、愛ちゃん。昨日はどうしたの?なんか急に走ってどっか行っちゃって・・・・。
 え、まぁまぁ気にしない。そんなことより、はいどうぞ。昨日の肉まんです。
 わぁ、また持って来てくれたんだ。ありがとお。おいしそ~。
 昨日は辻さんに食べられちゃったけど、今日はさらにパワーアップしたのを持ってきたんですよ。
 え、本当?もっとおいしいの?
 はい~。(ふふふ・・・・今日のは1億倍辛し入りやよ・・・・これで・・・・ふふふふふ)
 ・・・・・・・でも・・・・いいや。加護、食べない。ののにでもあげて。
 へっ!?何言ってるの加護さん?
 だって、最近ののばっかり、きれいになったきれいになったって言われて・・・・加護だって・・・。
 そんな・・・・加護さんきれいですよ。太ってなんかいませんよ。
 まだ太ってるなんて言ってないんだけど・・・・・。
 えっ・・・・・あっ・・やっ・・・・・。
 ふぅ、いいんだ。どうせそうだもん。だから肉まんいらない。
 そう言わずに、この肉まんものすごくおいしいんですよ。なんと言っても一億倍ですよ。さぁ食べた食べた。
 いらない。
 まぁそう言わずに。ねっ。ちょっとだけでいいから。
 いらないもん。
 いるとかいらないとかじゃなくて。食べてくれないと私色々と困るんですよ、ねっ。
 いらないってば!
 だ~か~ら~!食えって言うとるんや~(無理やり加護の口に肉まんを入れようとする)
 わぁ~、なになに、愛ちゃん何すんの~
 ほら、食え!食え!
 やだ~~どうしたの愛ちゃん~。

シュパパパ!
(手裏剣が飛んできて高橋の手から肉まんを吹き飛ばした音)

 そこまでよ!愛ちゃん!
 えっ・・・・・あ、あさ美ちゃん!?
 わ~ん、あさ美ちゃん助けて~。愛ちゃんがいじめるよ~(加護、紺野の背中に隠れる)
 もう大丈夫ですよ加護さん。
 あ、あさ美ちゃん・・・な、何その格好は?
 何って?ご存じない?「くのいち」ってやつだよ。さっきことミックで使ってたのをもらって来ちゃった。
 いやそれはわかるけど、なんでまた・・・・
 ほら手裏剣投げるのに私服っていうのも失礼かなと思って。それにどう?私の手裏剣。BSので習っただけあるでしょ。
 いや、なんというか、その・・・・・っていうかそんな事より!何で私の邪魔するんよ?
 愛ちゃん。愛ちゃんの気持ちはわかるけど、そんな理由で加護さんを亡き者にしようとするのはよくないわ。
 な、亡き者!?
 そ、そんな理由って・・・・・まさかあさ美ちゃん?
 そう、愛ちゃんの考えることなんてだいたい分かるよ。いいじゃない、「愛ちゃん」で。呼び方なんて関係ないよ。
 関係なくないよ!そんなよそよそしい呼び方やなの!何よ、自分はミュージカルで麻琴と同じチームだったからっていい気になって!私なんてね、一緒に牛の乳しぼったんだから!どうだっ!
 いや、どうだと言われましてもねぇ・・・・まぁでもそんなに必死なんだったら協力してあげてもいいよ。
 えっ!?協力?
 うん。私がまこっちゃんに言っといてあげるよ。ちょっとね、いい考えがあるんだ。
 本当?本当あさ美ちゃん?
 まぁ任しといてよ。
 わ~、ありがとうあさ美ちゃん。やっぱ頼りになるなぁ。そうだこれからは「あさ美」って呼んであげようか?
 いや、いい。


そして翌日・・・・

 愛ちゃん。
 あ、あさ美ちゃん、どうだった?
 ばっちし!まこっちゃんもOKだって。
 ほ、本当!?やったぁ~!!!
 あっ、ほらまこっちゃん来たよ。
 えっ、ほ、ほんとだ・・・・ど、どうしよう、ドキドキしてきた。
 さぁ話しかけてきなよ。
 う、うん・・・・・



 ま、麻琴・・・・お、おはよう・・・・。
 ・・・・・・
 あ、あの・・・・・
 うん。おはよう、高橋!
 はっ?
 今日も一日頑張っていこうね、高橋!!
 へっ・・・え、えと・・・・その・・・・
 さぁ楽屋に行くよ、高橋!!!
 ・・・・・・

 (よかったね、愛ちゃん)
 ・・・・・嬉しくないよぉ・・・・・





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