「M」
あとがき
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世の中には文庫本などをあとがきから先に読むという人が多いらしく、最近の文庫本のあとがきは必ずネタバレをしないか、するにしても、これからネタバレしますよと注意書きをしなかればならないという約束があるようです。
なんだか変な約束だよなぁと思うのですが、世の中そういうものらしいので、このあとがきもそれに従います。というか、最後までネタバレしません。
とりあえず、最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。この場を借りて御礼をば。
薄めの文庫本くらいの長さがあるので、最後まで読むには相当の時間を費やしてもらったはずです。そんな貴重な時間を使ってもらえたことにはただただ感謝です。
まだ読んでない方は、お暇な時にでもちょびちょびと読んでいただければ嬉しいのです。
で、何から書こうかなと思うのですが、まず一つ書いておきたいのは、この小説はなっちのミュージカル「おかえり」とは関係ないですからね。って読んだ人じゃないとわからないことですが。
そもそもこの小説を書き始めたのは去年の12月ごろで、12月中にはほとんどプロットは固まっていて、プロローグとエピローグはだいたいできていました。なので、あのミュージカルから生まれでたかのようなシーンが一部あるのですが、それはミュージカルとは全然関係ないんですよと。はい。なんか言い訳っぽいな(笑)。でもまぁ書いておきたかったんで。それが嫌だってわけじゃないんですけどね。むしろそういう偶然が起きるってのがおもしろいというか嬉しかったです。ファン同士の以心伝心。都築さんもファンみたいなものでしょきっと。
で、先に書いたように、去年の12月ごろにはプロットはできてました。なのになんで後半年もかかったかというと、まぁ単にさぼってたからです。やっぱり目標がないとなかなか筆もすすまなくて。
でも7月にMBSのラジオドラマのCDが出るって聴いて、よしじゃぁそのCDの発売日までに完成させようって決意してからは、一気に筆がすすみました。なんていうか、ラジオドラマのシノプシス募集に入選して作品にしてもらったとはいえ、やっぱり僕が書いたのはあらすじに過ぎなかったわけですよ。所詮原稿用紙2枚。それがなんか賞をもらったりCDになったり褒めてもらえたりする中で、それはもちろん嬉しいんだけど、でも自分自身ではそんなに自慢できることでもないよなぁって気持ちがあって。嬉しいんだけど、でも正直なところ、脚本が自分じゃないのが悔しいっていうか。
だから自分で全部作った話を、そのCDの発売日までに作り上げて、自分なりに溜飲を下げたいなってのがあったのです。だからもしラジオドラマの件がなければ、この小説はまだ全然できていなかったような気がします。
まぁそんな感じで書き上げたんですけど、一番影響を受けたのはやっぱ「ブレーメンの音楽隊」。
あの作品のそこかしこに散りばめられた伏線ってのは素晴らしくて、その影響を受けて、伏線を忍ばせるってことにかなり凝ることになりました。まぁ少々がんばりすぎて、ひょっとしたらわけわかんなくなってる部分とか、結局書ききれなかった部分とかも多少残っちゃったんですけれども、でもそういう伏線に気がついてもらえてたら嬉しいなと思います。
ここでそういう伏線をいくつか種明かししようかとも思っていたのですが、やっぱりそれは興冷めかなぁと思ったので止めておきます。ここで説明して初めて気がついてもらっても何の意味もないですし。読んでもらって気がついてもらえてれば嬉しいなと。
あとこの小説の中で、伏線を貼ること以外で自分なりに大事にしたことが、実際の娘。のエピソードを、物語の中に上手くはめ込んでいくということでした。一つ軽くネタバレして書くと、例えば矢口の沖縄のハエ事件。FUNかなんかで一度話があっただけだと思うのですが、沖縄に仕事で行った時矢口にハエがたかってきて、それを中澤たちが「矢口臭いんちゃう」ってからかってたら、矢口が号泣しだしたっていう本当のエピソードがあります。そのエピソードを、この物語の設定とうまくあわせて(こじつけて)、この小説の中で必要なエピソードに仕立て上げることが出来ました。それは、なんかパズルのピースがぴたっとはまった感じがあって、自分で書いていてとても楽しいものでした。
そもそも僕は、こういう実際にあったエピソードを小説の中に組み込むことこそが娘。小説の醍醐味だと思ってます。キャラクター設定を借りて来れるっていう、ある意味「楽ができる」分は、そこでちゃんと返さないとというのが、ある意味娘。小説のマナーと言ってもいいんじゃないかと。
それから、この小説で一番苦労したことというと、やはりあのシーンの描写ですかね。ネタバレしないと書いたから詳しくは書かないですが、ちょっと読む人が辛く思うだろうなぁってシーンがあるのです。実際にそんなことがあったらって想像するといたたまれないっていうシーンが。
そこはそういう事件が起こるということを小説として回避するってことも考えました。もっと違う方法もあるかなと。でも色々考えた末、やはりそのまま行こうと思い、でもできるだけ描写や表現に気を使って書くことにしました。やっぱりそこが一番苦労したかな。
最後に配役の件。
基本的に矢口以外は、例えばこの小説を映像化した際に、誰がこの役をやると映えるかなぁってのを想像してこうなりました。特に石川と亀井。あの役ができるのはこの2人しかいないと思います。
さて、この小説を書き上げてネットにアップして今日で約一週間なのです。
結構な人に読んでもらえたみたいで、感想も色々もらうことができました。おかげでがんがんモチベーションが上がって、さっそく次の小説を書き始めてたりします。
今度はもう少し短くて読みやすいものを3ヶ月後くらいには完成させたいなと思っています。その時にまた読んでもらえれば幸いです。
それでは。
※自分の書いたものを気軽に発表できる場がある。そのこと自体すごく恵まれてることですよね。一昔前だったら絶対に考えられない状況だった。そんなことにも改めて気がつかせてもらえたいい機会だったと思います。
※う〜ん・・・なんか固い文章になっちゃったな。ですます調で文章を書くのはやっぱ苦手だ(笑)
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