北海道旅行記(ラストプレゼント、パコダテ人ロケ地巡り) (2004/8/4〜8/9)

1日目



東京17:56発の東北新幹線はやて25号にのって出発。 東北新幹線なんぞ何年ぶりだろうか?

なんとも遅い時間の出発だが、もちろん理由がある。
今回の行きの旅程は、「ラストプレゼント」でなっち演じる雨宮京子が亡き恋人・吉郎の思い出を訪ねて向かった北海道への道筋を正確に辿ろうと思ったのだ。
(「ラストプレゼント」・・・去年の暮れにNHKで放送された、安倍、石川主演によるドラマ。舞台は主に北海道で、とても良質で雰囲気のよいドラマだった。)

ドラマの中で京子は、すっかり日も暮れてから東京を出発し、まずは東北新幹線で北上していた。そして青森を22時45分に出発する急行「はまなす」に乗車している。そしてその旅程ならば、行きの新幹線はこのはやて25号になるはずなのだ。
うむ。旅は最初が肝心。幸先のよいスタートと言える。
ただ残念ながら京子が乗っていた座席を確保することはできなかったが。
 2号車3D


ドラマでは冗長になるので描かれていないが、東北新幹線は八戸までしかいかないので、新幹線から直で青森発である急行はまなすに乗り換えることはできない。なので八戸で特急スーパー白鳥にのりかえ、それで青森まで行く必要がある。白鳥に乗って約一時間でで青森に到着。


  青森駅での乗り換えシーン
こういうところの絵があるかないかでドラマの雰囲気作りというのは大きく左右される。
その点、このドラマの雰囲気作りは見事であったと思う。
 白鳥からはまなすへの乗り換えのため、確かにこの連絡橋は必ず通る必要があるのだ。


そしていよいよ急行はまなすに乗車。
そして「はまなす」といえばカーペットカー。これだけは譲れない。この急行はまなすのカーペットカーに乗ることは、この旅の主要目的の一つだったと言ってもよかったくらいである。
実はもともとはこの日の前日に旅行に出発する予定だったのだが、その日はカーペットカーが空いていなかったので一日後ろにずらした。そこまでして乗りたかったのだ。

 この車両に

 二人が立っていた辺りの場所から。

ロケ地巡りだねぇという感慨が早くもわいてきた。一緒だ一緒。
京子(なっち)と今日子(石川)が寝ていた5番6番ではなかったのが残念だったが、それでもその近くのカーペットに寝そべり、ドラマでのこの車両内でのシーンを思い浮かべるのは楽しい。上の段の客に怒られたりしてたんだよなぁ。

 石川がポテチ食ってもいたな。

 少し種類が違うけど

なっち、石川みたいな女の子はいないかなと見回してみたり。
いるわけがない。

ちょっと落ち着いた後、車内をふらふらとみて回る。
 ドラマにでてた販売機と全く同じ商品ラインナップが嬉しい
 京子が使ってた洗面台
 佇んでいたタラップ

いいねいいね。ドラマの中でみた光景がたくさんある。

 
ただ残念ながらこの乗務員室のドアの凹みがなかったので
同じ車両ではなさげだった。まぁしゃあない。

消灯後就寝。カーペットカーはなかなかに寝心地がよくてすぐに寝れた。
例えばB寝台だと6300円もするのに、カーペットカーなら250円ですむのだから、これは絶対的にカーペットカーがお薦めである。まぁ当然のように人気があるので、取れないことも多いようだが。

しかし、久しぶりに夜行というものに乗ってみたが、やはりなんともいえぬ旅情がわいて楽しいものである。列車が奏でるカタンコトンという音は、旅にとって最高の前奏曲であると思う。



2日目

起きたら札幌駅に着いていた。もうみんな降りかけてんの。ぐっすり寝すぎ。
急いで荷物を整理して降車する。

 はまなす降車ホーム

 やっべぇ朝から超楽しい。

そしてこのあとも、2人のルートを追っかける。
まずは普通列車に乗って小樽へ。そして小樽で乗り換えて南下して比羅夫へと向かう。
これで比羅夫までは、2人のルートと時間を正確にトレースしたはず。比羅夫到着は9時44分。札幌から約2時間半。吉郎、遠いよ君の故郷は。

 この早朝っぽいイメージもドラマの雰囲気作りに貢献。
 本当なら10時近いんだけど、朝っぽいほうが夜行列車で朝に着いたってイメージが印象付けられるから

 よくもまあこんなところまで
 一応無人駅周りは本当に何もない

さてドラマで2人はこの比羅夫で降りたけれども、ここで降りてもなにもないのでとりあえず今はスルー(後で戻ってくるんだけど)。そして一駅先のニセコで降りた。
このニセコ駅でレンタカーを予約しておいたので、レンタカーでこの辺り一帯を移動しながらロケ地巡りというのが今日の予定。

さてとりあえずは、いろんなドラマや映画のロケ地を紹介しているホームページさん(※1)にのっていた情報を元に当面の行動を開始。
まずはニセコ役場。

 
 

ここが、2人が吉郎の学校の場所を尋ねに来た役場である。
ちなみに役場の中に入ると、ドラマの中で使われていた役場の中の光景と一緒だった。
 これがあった
なるほど、全面撮影協力なわけね。(みなさんお仕事中なので写真は取れなかった)

あと、この役場はニセコ駅からならば歩いて15分程度だが比羅夫からならば多分1時間半くらいかなぁという距離。つまり、
石川演じる今日子の「もうっ!駅からここまで一時間半も歩いてきたのよっ!!」という台詞は実は正しい。ただ降りる駅を間違えただけという解釈もできなくはないのだった。
 そりゃ歩き疲れるわ。


次に向かったのは吉郎の通っていた小学校であり、ドラマのラストのクリスマスイベントのシーンの舞台となった学校。
蘭越町立湯里小学校。
ドラマでは廃校になったという設定だけど、実際最近廃校になったらしい。スタッフもよくもまぁそんなロケ地を見つけたものだと感心する。
そしてここは本当に遠い。ニセコから車で20分くらいかかったかな。車無しではいけないような場所にあった。
最寄り駅はニセコのさらに隣の駅である昆布駅だけどそこからも歩いていけるような場所ではない。えらいところまで来たもんだ。

 「ここだぁ、ビデオの小学校」という今日子の声が聞こえてくるよう

さて、グラウンドに行って、例のクリスマスツリーをみようと意気揚々と学校の裏手へと向かう。
だけど・・・・あれ?




・・・・木がない。

 この木があるはずなのに・・・・

木が立っていた場所には何もなかった。そして上の写真でわかるかもしれないが、気が立っていた場所の土が少し盛り上がっていた。
切られちゃったのか、それとも撮影用に木を植えたのか?
どちらにしてもすごく残念だった。こういう風に景色が変わってしまうということは当たり前のことなんだけど、なんか寂しかったりもした。
(帰ってきてから聞いたのだが、軽川さんぽ道。さん(※2)が去年の冬撮影直後に行かれたときも木はなかったらしい。となるとやはり撮影用に植えたのだろう。大掛かりなことだ)
気を取り直して、しばらくは京子と今日子よろしくグラウンドをうろちょろとして雰囲気を感じ取る。
10ヶ月ほど前はこの小さなグラウンドが撮影隊で一杯だったんだよなぁなどと思いにふけりながら、この人気のないさみしいグラウンドを後にした。


お次は吉郎のお父さんの家(書道教室の家)へ。
これも前述のロケ地全般の情報ページさんの情報を元に現場へ向かったのだが、ここはさらに遠い。
学校から車でさらに30分ほどニセコから遠ざかる。最寄り駅もさらに遠く目名とかいう駅。もっとも「最寄り」って表現はふさわしくないけれど。

で、やっとのことでその近辺に来たのだけども・・・・・・ないっ!!
そんなものは全然見当たらない。
その近辺の道を車でしらみつぶしにさがしたけれども全然ない。
ぐは!ガセネタ??
いやでも、雰囲気はそれっぽいしなぁ・・・・・。

ここまで来たら意地なので、この近辺を車でひたすら走り回った。
そして30分くらい経過し、ほとんど諦めかけたころ・・・・・

 あったー!!見覚えがある道!!
 


 おう!!


いやはや、ここまでほとんど苦労せずにロケ地を見てきてたので、今回の旅行ではじめて苦労の末見つけたって感じでちょっと感動だった。うむ、これもロケ地めぐりの醍醐味だ。
ちなみにこの辺りはまるで人気がない。このあたりで20分ほどお散歩してたのだが、人っ子一人会わなかった。

そして吉郎のお父さんの家もわりと近くにあった。ちゃんと上の写真の道を京子たちが歩いていた方向に。このあたり適当でもいいのに、合わせれるところは合わせてしまうところがこのドラマのスタッフの恐ろしいところだと改めて思った。



この吉郎のお父さんの家はなんか普通の民家っぽくて、人が住んでいる気配があったので、これ以上は近づくのはやめておいた。石川と同じ場所で転んでみたかったんだけどな。でもま、マナーも大事にしなくてはねと。


しかしまぁ、とんでもない場所にここはあった。 主要道路からも結構離れてて、こんなんスタッフに知り合いがいるとかじゃないと見つかるわけがない。
なお、前述のロケ地全般の情報ページさんが地図に示していた場所とは多少離れていたのだけど(これは多分町名だけで地図に印をつけたからなんだろうな)、まぁでもその近辺っちゃぁ近辺にはあるので、車でその近辺をぐるぐる回ればそのうち見つかるかなと。でもかなり注意深く見ながらじゃないと厳しいかな。
歩きで見つけるとかはまぁ無理。


さて、情報を元にさがせる場所は一通り見つけたので、あとは情報のない以下の場所を 車でひたすら探しまわった。




3時間くらい車で闇雲に走り回った。風景をチェックしながらしらみつぶしに道をつぶしていく。
・・・・だけど、結局発見できず。もう車を運転するの疲れたので諦めてニセコに戻る。残念。

 似たようなのはあるんだけどね。

吉郎のビデオの最初に有珠山が映ってたので、この草原はひょっとしたら有珠山の方にある可能性もある。でも、撮影の手間を省く意味でも、やっぱ今回車で走り回ったニセコ近辺だったとは思うんだけどなぁ。
探し切れなかった道のどこかに眠っているような・・・・・気がする。う〜悔しい。


あと、車を運転中にいくつか見かけた、非北海道民には珍しいものたち。
 これが噂のきらら397か
 路肩を表示する矢印
 なんかわからんが大げさなガード施設

北海道はやっぱちょっと違うなぁと時々感じる。

さてニセコに戻ってレンタカーを返却し、再び列車を使って比羅夫へと戻る。
そう、今日の宿は比羅夫駅。ここは日本で唯一、駅舎がそのまま宿になっているという場所なのである。(※3)
この宿についてはまた明日。



3日目

この日、起きたのは早朝の5時。
この日は蝦夷富士とも呼ばれる羊蹄山に登ることにした。標高1898m。まぁたいした高さではない。富士山に比べれば楽だろうくらいなピクニック気分だった。

 後ろに見えるのが羊蹄山確かに蝦夷富士だ。

駅の宿のオーナーの方に真狩登山口まで送ってもらい、朝の6:30ごろから登山開始。

 真狩登山口

富士山の場合はひらすら瓦礫の中を登っていくという感じでほとんど緑がないのだけど、この羊蹄山は緑だらけ。前半はひたすら森の中を登っていく。

 最初はこんな感じ。

暑い。とにかく暑い。木陰を登っていることが多いとはいえ、それでも暑い。誰だ北海道は涼しいとか言ってたのは。昨日も思ったけど、東京とたいして変わらない。(あとで聞いたが、今年の北海道の暑さも異常なんだそうだ)
汗がだらだらでてきて、Tシャツやリュックがあっという間に汗だらけになった。
おまけに結構急できつい。
ごめん、蝦夷富士をなめてた。
スニーカーにGパンというのはさすがになめすぎだった。とくにGパンに汗がしみこんで突っ張ってしまい、登りにくいことこの上ない。何度Gパンを脱いでトランクスいっちょで登ろうかと思ったことか。
でもときどき他の登山者に追いついてしまうのでそうもいかず、我慢して登る。

 登れ登れ

それでも5合目を過ぎたくらいからは、高度が上がってきたおかげでさすがに涼しくなってきて登りやすくなってきた。

この羊蹄山を登っていておもしろいのは、登るにつれて周りの木や植物が徐々に変わってくる所。高度による植物分布の違いを肌で感じることが出来るのだ。これがとても楽しかった。これは富士山なんかでは体験できない経験。
そして8合目あたりからはほとんど木はなくなって低い植物ばかりになる。高山植物がたくさん咲いていて見ていて飽きない。

 こんなのが一杯咲いている


結局3時間ちょいで山頂に到着。思ったよりきつかった。きつさ的には富士山とそんなに変わらないかもしれない。まぁ5合目から頂上まではノンストップで登ったってのもあるかもしれないが。
休憩しなかったのは別に僕が体力があるわけではなく、6,7,8合目に僕がついたときにはいつも集団がそこで休んでいて、「どうぞ先に行ってください」とその集団のおじさん、おばさんに言われてしまい、休みたいのに休めなかったとういのがその理由。
そしておじさん、おばさんに追いつかれるのも嫌なので(変なプライドが発動中)途中で休むこともできず、気がついたら頂上だったという感じ。
おかげで予定よりもずいぶん早く登ってしまった。普通に休憩入れながら登れば、平均で4時間半ほどと聞いていたので。

 山頂

やっぱ苦労して山を登りきったときの嬉しさというのは格別。登山っておもしろいなぁ。
ちょっとこれからも頻繁にやってみようかなとも思った。
 噴火口
 地上方向を眺める
 山頂の景色は雄大でいい

2時間ほど山頂で外輪山をまわったりしてまったりしたあとで下山開始。
例えば登山というものが、最初に下りでその後登りだったりしたら、誰も登山なんかしないだろうなぁと思った。
「おっ、いいことに気がついた」とそのときは思ったが、今考えてみれば当たり前のことだな。

下山はほとんど休憩をとらずたったか、たったかと降りる。たったかといっても、傾斜が結構急なので精神的に大変。なんども転びそうになった。足やひざも痛くなってくるし。
「足痛〜い、もう歩けな〜い」とラストプレゼントにおける石川のものまねを下山中に100回くらいはしたと思う。
あと、やばかったのが水不足。
持って登ったのが500mlのペットボトルで3本半だったのだけど、行きがあまりにも暑かったのでどんどん飲んでしまい、結果、山頂で持参した弁当を食べた後に残ったのがペットボトル半分。
もちろん補給なんかできない。
そして下山するにつれてまたどんどん暑くなってくるのでのどが渇く渇く。
結構セーブはしてはいたんだけど、それでも5合目付近で完全に水がなくなり、あとはひたすらのどの渇きと戦いながらの下山。すれ違う下山者になんどか水くれと頼もうかなとも思ったけど、やっぱ恥ずかしいので我慢しながら頑張った。

そんなこんなで無事下山完了したのが2時ごろだったろうか。もうこれ以上のどがかわいたことは今までの人生でないってくらいな状態だった。
登山口の近くに喫茶店があったのでそこに入って、コーラを注文。
まずは冷たい炭酸を味わいたかったので、出てきた水には手をつけず、注文したコーラが出てくるまで待つ。
この時間のなんと長かったことか。

そしてついにでてきたコーラ。

・・・・・いままで生きてきた中で飲んだもので、一番おいしかったかもしれない。
このコーラの味を一生忘れないような気がする。



その後、なんだかんだでまだ元気だったので、比羅夫の隣にある倶知安の市内に行き、町をうろちょろ観光したあと(観光ってほどのものはなく、結局ただ喫茶店で漫画を読んでいた)、比羅夫の駅舎に戻りこの駅舎にて連泊。
そしてそうそう。この駅の待合室がラストプレゼントでも使われていたのだ。

 このドラマでもっとも好きなシーンの一つ

 大きなポスターが貼り変わってるけど後は一緒

ええ、ええ。同じ場所に座って文庫本読んだりしてましたよと。

しかしながら、こういうロケで使われた場所に泊まるってのはなんとも楽しい。
高橋の写真集で使われた宿に泊まったこともあるけど、なんか、身近に空気を感じれるというか、自分の一部に取り込めた感覚があるというか・・・・う〜ん表現は難しいのだけどとにかく独特の気配を感じることができる。暇がある人には是非、この駅の宿に宿泊することをお薦めしたい。
宿がプラットフォームの上にあるっていうのも、鉄道好きにはきっとたまらないんだろうね。汗でぬれた服を乾かすために、プラットホームの中の柱に服を立てかけちゃったするのも楽しかった。列車に乗ってる人から見たら、なんだこりゃって感じなんだろうなって。
(なお、駅舎の中にはなっちと石川のサインも置いてあった)

あと、この宿と言えばこいつだ!
 れいにゃ・・・ではない

 同一猫物

なっちのひざの上に座ってた猫ね。
名前はしま太郎。この駅舎の飼い猫である。
(その場で見つけた猫を、臨機応変かつ効果的に使えてしまうってところもすごい事だと思う)

「お前か〜」、というわけのわからない親近感がわきあがる。
なでなでしたり、晩御飯をあげたりして手懐けるのが楽しかった。
そしてその気持ちが通じたのか、夜に駅舎のベンチに座ってたらこいつの方から勝手に僕のひざの上にのぼってきた。
完全になっち状態。
そのうち強制的にでも抱きかかえてその状態になろうと思っていたんだけど、向こうから上ってきてくれたのがものすごく嬉しかった。
なんだこの感動は。
こんなことに感動してるばかばかしさに頭の中では気がついていつつも、それでも感動。
この状態で猫の背中をなでてる時間が、この旅行の中で一番幸せな時間だったかもしれない。



4日目

さて比羅夫でできることはもうやったので、移動開始。まずは早朝の列車で南下して長万部へ。
そして車内で東の室蘭へ行くか、西の函館へ行くかで悩む。
函館にはどのみち行くつもりだったのだけど、まず室蘭に行ってからでもいいなとは思っていた。ただ室蘭に行くと函館を観光できる時間がなくなりそうだったので、どっちにしようか悩んでいたのだ。
結局長万部についても決心がつかなかったので、早く汽車が着いたほうにしようというむちゃくちゃな選択をする。
結果、函館行きが先に着たので函館方面へ。
(無計画にもほどがある)

さて、函館には午前11時ごろに到着。そして駅の近くでレンタカーを借りてまずは大沼公園へと向かう。
大沼公園というのは函館から北へ30kmほど行ったところにある大きな国定公園。なんでこんなところへ行ったかというと、石川の写真集「 I 」の湖のシーンがここかもしれないという情報があったからである。
相変わらずな行動パターンを頑なに守りつつ、一時間ほどのドライブの後に、公園に到着。この近辺には大沼、小沼、じゅんさい沼と3つの沼があるので、それらを順に探索。

結果としては・・・・・はずれ。
ただ、はずれと言っても、見つけられなかったというだけであって、ロケ地としてはやはりここなのかもしれない。と言うのは、背景の雰囲気とかがいかにもそうだったから。
写真集自体を今回持ってきていなかったので(そもそもここに来ることになるとはあまり思っていなかった)、大沼公園の一番にぎやかな場所(貸しボートやみやげ物屋が集まっている場所)をある程度回って、そこで見つからなかったのであっさり諦めたと。
だから沼のちょっと奥の方に車で回り込んでいったりすれば、あるような気がしなくもない。

 じゅんさい沼

写真集持ってきてればもう少し気合入れて探したのになぁとちょっと残念だったが、まぁでも公園で買ったとうもろこしがとても美味だったり、じゅんさい沼の探索がなんか冒険気分を味わえたりとそれなりに楽しめた。
じゅんさい沼では、湖に浮かんでる板の上に乗ったら、板が腐りかけててミシミシ音がして、湖落ちそうっていうスリルが楽しかったりしたのだ。そんなことを人気のない湖のふちでやってドキドキできる体験なんてそんなにないしね。


そして函館市内に戻る。今度はパコダテ人のロケ地めぐりを開始。
パコダテ人って言うのは、宮崎あおい主演の函館を舞台にした映画。映画のタイトルからわかるように全編函館ロケの映画なので、ロケ地は函館市内に腐るほどある。今回はその中の主だったものだけ巡ってみようと思っていた。(なお、パコダテ人のロケ地の判定には、この映画の脚本を書いた「いまいまさこ」さんのホームページを参考にした ※4)


で、まずは映画で使われた回転寿司屋である回鮮やすけ石川店へ。おっとここでも石川。まぁそんなことはどうでもいいとして、とりあえず行ってみたもののその店がなくなっていた。が〜ん。
建物自体はあったのだが、別の回転寿司のチェーン店に変わっていて、建物もすっかりリフォームされていたのだ。
たしかにもう3年も前の撮影だしな・・・・・こういう瞬間はなんともわがままな寂しさがこみ上げてくるものである。

やむなくこんどはラッキーピエロ人見店へ。
ラッキーピエロというのはまぁなんでもありのファーストフードショップ(ラーメンやカレーも売っている)なのであるが、コンビニ兼弁当屋のハセガワストアと並んで函館の名物的な存在。(函館に来たらラッキーピエロとハセガワストアには顔を出しておかなければならないものらしい。ちなみにマクドナルドがラッキーピエロには勝てず函館から撤退したというからすごい)
で、さすがにラッキーピエロだけあってこっちは顕在。

 有名なベイエリア店じゃなく人見店ね。

 じゃん!

映画でみたのとまったく同じ外観、そして内装にほっとする。

そして運命的なことに(ただの偶然)、映画の中で宮崎あおいが座っていた席

が空いていたので、迷わずゲット&シットダウン。
幸せ・・・・・なんかつい昨日も同じようなことをしてたような。

 
ラッキーピエロ名物のチャイニーズチキンバーガー。まぁからあげをハンバーガーにはさんでるだけといえばそうなんだけど、でもうまいしお腹一杯になる。



さて、このあたりでいい加減疲れたのでレンタカーを返して、とりあえず適当に駅前のビジネスホテルへ。そしてチェックインして30分ほどまったりする。
が、ここで一日を終わらせない元気さが今回の旅行ではあったので、また外出。
市内を走る市電にのって、今度はパコダテ人のメインの舞台(宮崎あおいの自宅)である大正湯へ向かった。

 映画と一緒だ

昭和2年築の歴史的建物であり一応観光名所でもあるのであっさりと見つかる。
銭湯としてちゃんと営業中ということで、ちゃっかり銭湯用具も持って来たので370円払って入場。銭湯なんて久しぶりだ。
この銭湯の中も映画で使われていたので(っつうか、この映画はスタジオ撮りは多分していなくて、家の中のシーンとかも全部この大正湯を借りてやってたように思う)、映画の中のシーンを思い浮かべながらの入浴はなかなかにオツであった。そういえば宮崎あおいもここの湯船に入っていたなぁとか思ったり。
 まぁ当然女湯だけど。

湯から上がった後は、瓶のフルーツオーレを飲んだり、アイスを食べたりして、銭湯の醍醐味も満喫。楽しい楽しい。
(ちなみに銭湯の中には、パコダテ人の出演者8人のサインや写真も飾ってあった)


その後は世界三大夜景の一つといわれる函館の夜景をみるために函館山に登ろうかなとも思ったが、アジアカップの決勝がこの日だったので、ホテルに戻って観戦。
さて夜景はどうしようかな、しょせん人口30万程度の決して大きいとはいえない街の夜景がそれほどとも思えないし。明日東京に帰ってもいいなとも思いつつ就寝。



5日目

やっぱせっかく函館まで来たんだから夜景はみて帰ろうと思い、同じホテルにもう一泊することにする。

で、けっこうのんびりとした朝をホテルの部屋の中で過ごした後(さすがに疲れてきてたので)函館の朝市へ。いくら丼がうまいと聞いていた「きくよ食堂」へ行っていくら丼(1200円。いくら山盛り)を食べてみる。
う〜む、確かにうまい。いくらが違う・・・・ような気がする。(まぁ味音痴なんでね)
でも、この文章書きながら思い出してたら腹減ってきた。また食べたいなぁ

しかしこの朝市ってところはカニが気持ち悪いくらいにいる。各店の店頭にならんだ気持ち悪いほどの数のカニカニカニ。店先に、水槽の中に、生簀の中にてんこ盛り。なかなかの光景ではあった。ただ客引きが少々うざいのが難点。

次に朝市から歩いて金森倉庫群へ。
ここはまぁ函館で一番の買い物スポットなのかな?元町という名の通り、いかにも港町っぽいおしゃれなたたずまいの町である。

 カモメがいっぱいいた

ちなみにこの写真を撮った場所の柵の部分は、石川の写真集「 I 」で夜石川が座っていた場所。
 丁度真ん中の看板(カモメに餌をやるなと書いてある)の辺りが石川が座ってた場所

あと、パコダテ人でも使われた場所である。
 ロケ地のダブルミーニング


もう今日は特に行くところもなかったし、このあたりで夕方までまったりとすごす。ゆっくり買い物したり、石川が座ってた場所の横の机のところで娘。小説書いてたり(こんなところまできて何やってんだか)。

そして夕方になって函館山へ。
徒歩で登っても2時間弱ということだったが、さすがにもう登山はお腹一杯だったので、ロープウェーで登る。
所要時間は約3分。あっという間。

 昼の函館

風がビュービュー吹いて寒い中、日が暮れるのを待つ。
そして夜。

 まぁこの写真じゃわからんけども

しょせん地方都市とか馬鹿にしてごめんなさい。確かにきれいだった。
あれだね、海岸線の具合とか、オレンジ色が多い光とかがいい感じに夜景をひき立ててるんね。これなら見る価値があった、うん。
ただ難点があって、それは函館山の上はすごい人だかりだってこと。人が多すぎてなかなか視界をクリアにすることができないという、なんだよここは横浜アリーナの後ろのほうでライブステージ見てるのかよみたいな状況でもあったりした。(まぁ行った日が盆前の日曜なんていう、いかにも混む日だったからしょうがないんだけど)
それでもまぁなんとか夜景を楽しんだ後、ロープウェーに乗って戻る。

函館山を降りて、「龍園」っていうわりと有名なラーメン屋さんで塩ラーメンを食べる。うん、これもうまい。函館は飯がうまいってのは確かに本当だと思った。
あと思ったんだけど、函館の店ってなんかやたらと有名人のサインを飾ってある店が多い。
この龍園にしてもそうだし、ラッキーピエロ、ハセガワストア、きくよ食堂、大正湯と、僕が行った店にはたいていたくさんのサインが飾ってあった。
思うに函館人ってすごくミーハーな気質があるんじゃないかな。
そしてミーハーだからこそ、芸能人をたくさん輩出しているんじゃないだろうか。



6日目

朝、函館を出発して東京へと帰路につく。
5泊6日というと結構長いんだろうけど、やっぱり短かったような印象がある。行き足りないところも多かったし。
でも、ロケ地巡りあり、登山あり、普通の観光ありで、すごく楽しめた。北海道は特にそういうロケ地というやつが多いので、僕みたいな人間にはすごく楽しみがいのある場所だった。
今度は道央の方にもいって見たいなと思う。室蘭とか美瑛とか花畑牧場方面とか、行ってみたい場所がまだたくさんあるし。そういえば札幌なんかただ通過しただけだったな。

まだ明るいうちに千葉の自宅に到着。
最初にやったことはメールチェックとサイト巡回。今までと変わらない日常があっという間に戻ってきた。


(旅行記おしまい)


参考リンク
※1 全国ロケ地ガイド ドラマ、映画全般を扱う最大手のロケ地巡りサイト。ラストプレゼント情報もある。
※2 軽川さんぽ道。 ハロー系テキストサイト。「聖地巡礼記」と去年の12/24辺りの過去ログを参考にさせてもらった。
※3 駅の宿ひらふ ひらふ駅舎をそのまま使った民宿。ラストプレゼントのロケ地巡り用としては絶対的にお薦め。
※4 いまいまさこカフェ パコダテ人の脚本の人のページ。パコダテ人撮影情報がたくさん。


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