◆ゴロッキーズ殺人事件

 『ゴロッキーズ殺人事件』





(紺野)わ〜い。現場現場〜♪
(吉澤)まったく、殺人事件なんて久々じゃないか。わくわくするね。
(亀井)わ〜ん、麻琴お姉ちゃ〜ん(泣)


(藤本)刑事(デカ)長、害者の名前は小川麻琴。16歳。私立岡村女子学園高等部に通う高校生です。現在死因を調査中ですが、目立った外傷は見当たりませんね。


(吉澤)この娘は仏の妹か?
(紺野)は〜い正解。絵里ちゃんっていうんだって〜。
(亀井)お姉ちゃんのお尻踏むな〜。わ〜ん(泣)


(田中)刑事長、これを見てください。害者の最近のスナップ写真のようなのですが、どうも変でして。
(吉澤)どれどれ・・・・・むっ!これはっ!?


(吉澤)田中君、これは別人だよ。体型がまるっきり違うじゃないか。しっかりしたまえ。
(田中)し、しかし刑事長。確かにMakotoOgawaと書いてありますし、それによく見るとかすかに面影もありまして・・・。
(吉澤)むむ、そう言われれば確かに。たった数ヶ月でここまで変わるというのか・・・・恐ろしいものだな。
(田中)(あんたが言うなよ)

(紺野)刑事長、これあげる!
(吉澤)げっ!こ、これは!?

(吉澤)うぉ〜やめろ紺野君!私はこの物体が大嫌いなのだ!!
(紺野)え〜、せっかくベッドの下から見つけたのに〜。
(吉澤)見つけた?この部屋でか?どれ見せてみなさい・・・・んっ!?なんだこの体重計の裏の紙は。


(吉澤)ふふふ・・・・謎は解けたよワトソン君。犯人は・・・・・絵里っ!!お前だ〜!
(亀井)え!?・・・・・な、何を言うんですか?
(吉澤)絵里。お前は体重計を姉にプレゼントし、それに乗った姉が体重計の値を見てショック死するように仕向けたのだ。そうだろう?
(亀井)ち・・・違います・・・私はただお姉ちゃんにもうちょっとだけ痩せて欲しいなぁってそれだけで。
(吉澤)ではこれはなんと説明するのかね?


(紺野)あれ〜。誰も乗ってないのに60kgになってるよ。
(吉澤)その通り。つまり彼女は初期値を調整した体重計を姉にプレゼントしたのだ。そしてこれに姉が乗れば・・・・体重計は軽く100kgを超える値を示すはず。
(紺野)こわ〜い。
(吉澤)きっと、ひとたまりもなかったろう。


(亀井)ばれちまっちゃぁ、しょうがねえな。
(吉澤)動機はなんだね。
(亀井)ふん。この馬鹿姉貴はよぉ、私のギャグを寒いっていいやがったんだ。最高におもしろいギャグを見せてやったのにだぜ。それが・・・許せなかったんだ。
(吉澤)それはどんなギャグ・・・・・いや、やめておこう。田中君、彼女を連行しろ。

後日・・・・
(吉澤)なんとも悲しい事件だったな。
(紺野)あのね、あのあと絵里ちゃんにそのおもしろいギャグを教えてもらいにいったんだけど、黙ってひざをカクカクさせてるだけで、何にも教えてくれないんだよ。
(吉澤)そのギャグはきっと、絵里にとっては姉への最後のプレゼントになったんだ。われわれが知る権利のないものなのさ。

終わり





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