5日間クエスト



 
 3日目。
 いい加減、だれてきた。
 もう荷物は一杯で、何かアイテムが取れたら安いものから捨てる、という状態になっている。
 狙いの弓なりの尾骨は3つ集まっている。あと一個取れたら、もう清水に引きこもろうかと思うのだが、なかなか出ない。
 「…あたし、もう飽きた」
 花びらをばっさばっさと切り刻んで、カーニャがうんざりと言う。まあ、3日もったのだから大したものだ。
 「うんうん、後一個尾骨を見つけたら、清水でキャンプしような」
 「赤石玉も忘れないでね。尾骨狙いで今は諦めてるんだから」
 炎属性で倒せば赤石玉が出る。ということは、逆に言えば尾骨は出ないってことだ。グレーテルは赤石玉狙いなのだが、一応レアアイテム優先で頑張っているのだ。
 何となく飛竜の巣にいるという緊張感まで薄れてきた気がする。人間、何にでも慣れるもんだなぁ、とぼんやり思いながら、ルークは次の獲物を探した。
 「…よし、火喰い鳥みっけ」
 「はぁ…今度こそ頼むわよ」
 火喰い鳥自体は、もう怖くも何ともない。攻撃が2発当たれば倒せる。
 そうしてさっくり倒しておいて、尾を探り…。
 「やったー!尾骨、ゲット〜!」
 グレーテルの報告に、思わずみんなで歓声を上げる。
 「はぁ、ようやくでありますか…意外と時間がかかりましたな」
 「後は、また鳥見つけて炎で焼くだけなんだ」
 「このあたりの火喰い鳥は結構狩っちゃいましたけどね」
 「それでも湧いてくるのが迷宮の不思議だよな」
 わいわい言い合っていたので、ちょっと気づくのが遅れた。
 「…あの〜」
 リヒャルトがぎこちない動きで片手を上げた。
 「なにやら…背後から強烈な殺気が…」
 ぎぎぎ、とみんなで軋むような音を立ててそちらを見る。
 きしゃー。
 …目が合った。
 「撤退…や、この位置だと、細道に逃げる方が早い!」
 ちょうど飛竜の巣の奥にいたので、入り口まで戻るとワイバーンに追いつかれそうだ。
 そこで巣の奥から延びる9階へと続く細道へと慌てて駆ける。
 立木でひっかき傷を作りながらも、全員何とか隠れ道へと逃げ込んだ。
 姿が見えなくなったせいか、それとも単に通れないからか、ワイバーンは何度か苛立ったような咆吼を上げたが、またのしのしと巣の中央へと戻っていったようだった。
 「…はぁ…助かった…」
 「まあ、また巣を通らないと帰れないんですけどね」
 さすがに気を抜きすぎていたのを反省して、今度はきっちり背後を通るようにしよう、と思って巣を覗き込んでいると、背後からグレーテルの嬉しそうな声が聞こえた。
 「あ、火喰い鳥発見!」
 どうやら小道の奥から火喰い鳥が覗きに来ていたらしい。
 「何!?…よーし、ワイバーンを気にしなくて良い場所だから、じっくりたっぷり焼いておやんなさい」
 「分かってるわよ!そぉれ、大爆炎!」
 一応カーニャが一発当てておいて、後はちまちまちまちま大爆炎で削っていって。
 「やったー!赤石玉、ゲット〜!」
 グレーテルが親指の先ほどの赤い玉を摘んで叫んだ。
 「はぁ…これでもう、この大荷物を背負ってうろうろしなくて済むのね…」
 「お疲れさま。あと2日は清水でキャンプして乗り切ろう」
 「今夜は焼き肉ですね」
 ふっくらした鳥の体から、わしわしと毛を抜き取ってアクシオンがおっとりと微笑んだ。その天使の笑みと、さっくり裂いた腹から内臓を取り出して縛っている様子が実に不釣り合いだ。
 結局、巣から脱出するときにもまた火喰い鳥がいたので、今度は依頼ではなく自分たち用にもう一つ赤石玉を取っておいて、2羽の鳥肉を下げて清水に戻った。
 かみつき草や花びらの残骸を集めて大爆炎で火を起こす。
 鳥肉を炙って食べると、それまでが味気ない保存食ばかりだったからかもしれないが非常に旨く、何だか久しぶりに人間の生活に戻ったような気がした。
 「はぁ…なかなか旨いものですな」
 「鳥肉にしては、ちょっと脂身が多いような気がしたけど」
 「まあ、見た目からしてふっくらしていて、歩いて移動している鳥ですからねぇ」
 残りはスープにしてやろう、と骨を適当な大きさに割って鍋に突っ込む。
 水を入れて、残り火に掛けていれば、明日の朝にもう一度温め直せば鳥のスープが出来ているだろう。
 「ま、ともかくお疲れさんでした。今日はもう寝て…ひょっとしたら、何もないのにあと2日過ごすって方が難題かもしんないが…ともかく何とか乗り切るぜっと」
 大人組はたいてい心配ない。リヒャルトは自己鍛錬に励むだろうし、グレーテルもややこしそうな文献を持ってきているので暇つぶしは出来るだろう。アクシオンが駄々をこねるところなど想像もつかないし…問題はカーニャだ。
 残り丸2日。
 まあ、なるようになるだろう。

 朝目覚めて、鳥のスープを食べ終わると、さっそくカーニャが主張した。
 「あたし、水浴びしたい」
 それまでタオルで拭いていたりはしたのだが、もっとちゃんと体を洗いたいらしい。まあ、女の子なのだから、当然と言えば当然だ。
 ただ、問題は。
 「本当なら、扉から出ていくのが良いのは分かってるんですが。…男3人放り出されると、扉の外で花びらにでも出会った時に危険なんですよねぇ」
 この3人では、花びらが1体なら倒せるが、2体目まで倒せる自信が無い。ハヤブサ駆けが花びらより先に発動すればいいのだが、確実とは言えないし。
 「…絶対、そっち振り向かないから、隅っこでいてもいいかなぁ」
 うー、とカーニャは唸った。
 年若い少女として、男性がいるところで水浴びなどは避けたい。
 が、実際問題として、この清水の空間以外の場所では敵が出てくる可能性があって、その時にリヒャルト、アクシオン、ルークの3人では非常に危険だということも理解している。全く、頼りないんだから、とカーニャはかすかな自負と共に頬を膨らませた。
 「…まあ…しょうがないわね。でも、絶対こっち見ないでよ!」
 「神賭けて、絶対に覗きなどという愚劣な真似はいたしません!」
 「大丈夫、女性の体なんて医学的興味以外ありませんから」
 「んー、俺もアクシー一筋だしぃ」
 完全に否定されると、それはそれで悔しいが。
 まあともかくは男性陣は部屋の隅っこで固まり、グレーテルとカーニャは水浴びをすることにした。
 さすがに皆が飲む切り株そのものに入るのは気が引けるので、水をかぶるだけにはなるが、それでも絞ったタオルで拭くだけよりは気持ちが良いはず。
 完全に衣服を取ってしまったカーニャの頭から、グレーテルが上の葉っぱを動かして7階からの水が直接滴り落ちるようにした。
 結っている髪も解いてぱたぱた落ちてくる水で洗い、その後体を擦っていく。
 男性陣はホントに向こうを向いているのかしら、とちらりと思ったが、そちらを向けば自分の体を晒すことになるので、背中を向けたままにしていた。
 泥や血の跡を完全に流して、乾いたタオルで拭いていく。
 「はぁ〜…気持ちよかった!」
 「じゃ、次、私ね」
 グレーテルが代わりにカーニャがいた位置に行き、カーニャはタオルを体に巻いて、グレーテルがしたのと同じように葉っぱを動かした。
 三つ編みを解いて水浴びをするグレーテルの体に、金髪がまとわりついて余計に肌の白さを際だたせる。
 最近筋肉が付いてしまってきたカーニャの体に比べると、ひたすら柔らかく気持ちよさそうな豊満な肉体に、カーニャは溜息を吐いた。
 「ん?どしたの?」
 「…べつに…何かね、悔しいというか…あたしも、もっとおっぱい大きくなるかしら」
 グレーテルは髪を掻き上げながら振り向いた。豊かな胸を隠しもせずに手を腰に当てる。
 「何言ってんの、カーニャだって胸はあるでしょ。結構なもんじゃない」
 「…そうかしら」
 正直、皮の衣装で寄せて上げて、で胸の谷間を作っている自分の体を見下ろして、カーニャはまた溜息を吐いた。
 「んー、そうねぇ、私が15歳頃なんてぽちゃぽちゃだったわよ。20歳頃から、急にウェストが締まってきて、こんなプロポーションになったけどさ。…これでも努力してんのよ、もうお肌の曲がり角過ぎてるし」
 はっはっ!と真っ裸で体操のように腕を振ったので、水しぶきが飛んできてカーニャは顔を顰めて少し体を離した。
 「にしても、カーニャも女の子ねぇ。好きな男でもいるの?」
 「い、いないわよっ!リーダーなんて、むさくるしくて不潔だし、リヒャルトは頼りないし…」
 「アクシオンは?」
 「あ、あれは女の子じゃない!…そりゃ…いつも冷静で、頼りになるな〜なんて思わないでもないけど…でも、ルークのものじゃない」
 もにょもにょと最後は小声になったカーニャに、あちゃー、とグレーテルは内心顔を覆った。
 世間が狭いカーニャがギルド内で好きな男を作るとしたら、まあ消去法とはいえアクシオンになるのも分からないでもない。
 が、女の勘としては、アクシオンは駄目だ。そもそも恋愛感情というものを発生させる素地があるのかどうかも分からない上に、ルークがいつもくっついている。燃えるような恋なんてものは一生縁がないかもしれないが、そのままなし崩しでルークとくっつくことも考えられる。少なくとも、カーニャと恋愛するよりはあり得る未来だ。
 まあ、まだ大丈夫だろう。
 カーニャも「3人のうちなら一番マシなのがアクシオンかなぁ」くらいの意識だろうし、まだまだ子供なのだ。そのうち、別のいい男が現れる可能性は高い。
 「ま、いつか現れる王子様のために、自分を磨くのは良いことだわ。いざって時に後悔しないよう、日々努力よ、努力」
 「王子様って…少女趣味〜」
 「悪かったわね」
 気を悪くした様子もなくグレーテルは笑ってタオルを体に巻いた。
 「ありがと、もういいわ」
 手を離すと、また葉っぱは元の位置に戻り、水が切り株へと落ち始めた。
 二人とも、防具ではなく普通の服を着て男どもに声を掛けると、戻ってきたリヒャルトが目を見開いた。
 「随分と軽装でありますな」
 「いいじゃない、後二日、気楽に過ごすんでしょ」
 ついでに防具も洗って干したのだ。
 まあ、そもそも錬金術師であるグレーテルは普段から布の服で大した違いは無いのだが。
 「そりゃいいな。俺もブーツ脱ごうっと」
 ルークも嬉々としてただの吟遊詩人的ひらひら服だけになる。アクシオンも基本的には白衣で、ごつい防具を身につけているのではない。
 リヒャルトは躊躇っていたが、苦笑して防具の留め具に掛けていた手を離した。
 「申し訳ありません。自分は鎧を脱ぐのは、裸で敵陣にいるような気分に陥りますゆえ…ご勘弁を」
 「や、自分が一番楽な格好になってればいいんだけどさ」
 そうして、各自のんびりとごろごろして。
 のんびりと言ってもリヒャルトは腕立て伏せだのスクワットだのに励んでいたが、まあともかく。
 昼寝も終わって穏やかに午後のお茶を飲みながら、ルークは一つ案件を切り出した。
 「まあ、大したことじゃないんだが…つーか、ただの気のせいかもしれないんだが」
 そう断っておいてから、執政院の長の話をする。
 自分が感じたことを包み隠さず話して、皆の意見を聞いてみる。
 「んー…それは、ルークの主観ですよね?」
 「ま、ねー。今度、誰か一緒に来てくれたら、複数で判断できるけどさ」
 「その時には、俺以外でお願いします。俺にそんな感情の機微を読むことは期待しないで下さい」
 あっさり言ったアクシオンに苦笑して、リヒャルトとカーニャの顔を通り過ぎてグレーテルを見る。
 「姐さん、何か眼鏡から噂を聞いたりするか?」
 グレーテルは魔物の生態やら何やらのために情報室に出入りしている。何か聞いていれば、と思ったが、少し考えてから首を振られた。
 「んー、単に、長は尊敬すべき人だ、くらいの感じね。今度、こっちから探りを入れてみるけど」
 カーニャは、何故ルークがそんな話題を持ち出したのかすらよく分からないらしい。鼻に皺を寄せて、呟いた。
 「えーと…それって、長に誉められなかったのが気に入らないってこと?」
 「ちーがーいーまーすー」
 ルークは苦笑して、どこまで説明するか悩む。ただの勘ぐりなら、余計な考えを吹き込まない方が良いのだが。
 「えーと。まず、基本的に、エトリアで長を悪く言う人はいませんよね?…そりゃ0ではないででしょうが、少なくとも俺は聞いたことがありません」
 感情に関することなので分からないなりにも、理論を詰めようとアクシオンが人差し指を立てた。
 「だな。エトリアの発展のためよくやってるって聞いてるわな」
 「基準は、<エトリアの発展のために>ってことですよね。…エトリアの発展…」
 ふむ、とその人差し指を顎に当てたアクシオンの代わりに、ルークが思うまま並べてみる。
 「エトリアは、昔は小さな街に過ぎなかったって聞いてるな。で、この世界樹の迷宮が見つかって、冒険者たちが集まるようになって、そいつら相手の産業が発展して…ここまででかくなったって経過だ」
 「尽きせぬ宝、見知らぬ魔物、果てのない迷宮。冒険者が望むものは揃っていますが…」
 だが、それも停滞していた。
 普通の真面目な職業よりも一攫千金、と夢見るには厳しい世界だったからだ。
 かくして、真剣に迷宮に挑む者は減り、1階でうろうろする木こりのような冒険者ばかりになり…夢もロマンも無いただの一職業となっていた。エトリアに向かう者も多かったが、失意の果てに帰る者もまた多い。
 ゆっくりと停滞し、衰退の気配を漂わせていた冒険者の街で、一つのギルドが誕生した。
 それは、のんびり気楽に探索する、やはり<真面目な冒険者>では無かったが、強大な魔物を倒し、下へと向かって行っている。
 そのメンバーが、決して浮き世離れした強者ではなく、自分たちと変わらない一般人であることから、「自分たちにもやれるかもしれない」と冒険者たちがまた真面目に探索に励み、また新しく訪れる冒険者も増えていっている。
 そこまでは、いい。
 それなら、単純に<ナイトメア>の出現は喜ばれるはずだ。
 「けれど…つまり、長は我々の進行速度が速いことを不愉快に思っているようなんですよね?」
 ギルドの存在そのものは歓迎されている。しかし、ワイバーンの卵を取ってくるのがやたらと早いと敵意を持たれ、特に目的もない暢気なギルドだと主張するのはお気に召している、ということは。
 「オレルスは、迷宮の謎を解き明かすことに燃えていたから、そういう気は無いと思うんだけど…」
 うーん、とグレーテルは腕を組んだ。
 しかし、上司と部下の思惑が違うことなど珍しくも無い。上司が説明しないのならなおさらだ。
 「ひょっとしたら、長は<終わり>を知ってるのかも知れませんね」
 「<終わり>?」
 「つまり、たとえば、ですよ?世界樹の迷宮の底は知れない、ということになっていますが、たとえば20階で終わり、と長が知っているのでは、ということです。少なくとも、この迷宮の売りの一つは、まだ誰も最奥まで到達した者がいない、ということですし」
 もしも<終わり>があるとしたら。
 そして、<誰か>がその最奥に到達して、もう迷宮の謎は全て解かれた、ということになったら。
 少なくとも一部の冒険者にとっては、魅力が色褪せることだろう。だったら、<その時>は先であればあるほどいい。
 「レンさんとツスクルさんは、もっと下へと向かっていて、更に長の手駒みたいですからねぇ。<終わり>を知っていても不思議ではありません」
 レンツスが最奥まで辿り着いても、本人たちが望まない限りそれは地上には知られることは無い。
 だが、<ナイトメア>の活動は、最早バードたちの連続物語とし確立している。宣伝する気はないが、それでも逐一皆に報告しているも同然だ。
 つまり、<ナイトメア>が仮に<終わり>を見たら、それはエトリア中に知られると思って間違いない。
 「じゃあ、何か?長的に一番良い状態ってのは…」
 「真面目に迷宮に挑み、なおかつそれなりに成果を上げる。それでいて、最後まで進むのは困る。…両立しませんね」
 困ったようにアクシオンは首を傾げた。
 いや、両立はする、とルークは体温が下がるのを感じた。
 <終わり>を見る前に、強大な敵に倒れる、あるいは行方をくらませる、という結果になればいいのだ。
 あの<ナイトメア>でさえかなわなかった強大な敵、あるいは謎が迷宮に!
 …ひょっとしたら、むしろ宣伝にすらなるのかもしれない。自分たちがそこまで重要だとはとうてい思えないが。
 「…もしも。もしも、だぞ?…長が『これ以上進むな』っつって妨害してきたら…お前ら、どうするよ?」
 ルーク自身に、この迷宮に拘る必要性は全くない。仮にこの迷宮で死んだ友の遺骨を拾うだの、遺言で指定されただのという理由でもあれば別だが、身も蓋もないがアクシオンに良い格好したいという理由でギルドを作っただけなのだから。
 「そうですな…自分としては、鍛錬できればそれでよろしいのですが…」
 「あたしもここでなくても良いんだけど…」
 「私も別に…ねぇ」
 3人とも、別に良い、と言いつつ、微妙な表情だ。
 まあ、アクシオンも、そう拘る理由は無かったはずだよな、と顔を見れば、柔らかく微笑んで言ってのけた。
 「そうですね、頭を地面に擦りつけて、みじめったらしく『どうかこれ以上進まないで下さい』って懇願されたら、ちょっと考えますけど」
 「…おい」
 さすがは天然S。…というか、最近は隠す気もなくなったのか。
 「そりゃ、この迷宮を無理に暴く必要性は持ってませんよ?…でも、暴くな、と言われて、素直に従う必要性も持ってませんし」
 うんうん、と3人も頷いた。
 まあ、ルークも実は同感だ。あんまり誘導するようにはならないよう言わなかっただけで。
 よほどの理由があれば別だが、そうでもないなら餌をちらつかせた責任は取って貰おうと思う。
 「んじゃあ、そういう方向でいいな。長が腹芸やってきても『わたーしそんなことしーらなーいねー』とひたすら下に向かう、と」
 腹芸じゃなく、直接はっきりと「下へ行くな」と言われたら…まあ、そのときのことだ。
 「そうですね。そうやって隠されると、むしろ全てを白日の下に晒してやりたくなりますよね」
 いや、それもS発言じゃないのか。もう慣れたし、ちょっと萌える気がしてきたので許すけど。
 「まー、もし邪魔されたら…その事実も広めてやろっと。バード同盟、舐めんな」
 もしも長が圧力かけてきたり何か仕掛けて来るようなら、思い切り噂を広めてやる。…こちらが生き残っていたら、の話だが。



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