ほろ苦い思い出

 

その15.信じる者は救われる?
まず最初に、私は「全く霊を信じていない」という事を断言しておきます。

それはもう、「霊感が強いとか弱いとかって全然意味わかんねぇよ。」位の勢いで信じていません。

「かまいたちの夜」という、私が昔とてもハマったテキストゲームがあり、

殺人事件を主とした内容だったのですが、

話の分岐を違った方向へ進める事で、霊の話になる場合があります。

このゲームでの殺人事件に恐怖しながらプレイしていた私は、

霊の話になってしまう展開になった時、とてもガッカリしてしまった記憶があります。

そんな私の心情を踏まえた上で、以下の、私が実体験した唯一の怪談話を読んでみて下さい。

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私が中学生だった頃。当時はバスケ部に所属していたので、

毎日汗だくのヘトヘトで家に帰って来ていた。

そして、眠る前には必ずと言っていい程に、

「身体は寝ているのに頭だけが起きている」

という、俗に言う”金縛り”にあっていた。

部活があった日は、本当にほぼ毎日金縛りにあっていたので、

正直何の恐怖も感じず、金縛りの最中であっても、

「今日もかよ。面倒だな。早く解けないかな。もう寝たいんだよ。」

程度の感情しか沸いていなかった。

そんなある日の夜。

深夜1:00前。寝床に着くと、いつものように金縛り。

「まただよ。俺は早く寝たいんだよ。早く解けろよ。」

とか考えていたら、何だか今日の金縛りは、いつもよりも時間が長い。

「長すぎだよ。まだ解けないのか?」

などと思いつつ、唯一動く目線(視線)を、何気に自分の足元辺りに向けてみる。

と、そこには見ず知らずの赤ちゃんが。

仰向けに横たわっている私の足元辺りから、ハイハイしながら私の顔へ向かって徐々に昇ってくる。

これは流石に焦る。しかし、身体は指一本たりとも動かない。逃げられない。

なんだコレは? どうすりゃいいんだ?

そんな私の焦りなどお構いなしに、その赤ちゃんは既に私の腹部辺りにまで近づいている。

これか。これが霊なのか。俺は、この赤ん坊に呪い殺されるのか。

ついにこの赤ん坊は、私の首にまで到達。

もうダメだ、俺はヤラれる。何故、見ず知らずの赤ん坊にヤラれなきゃならんのだ。

.....っていうか、アンタ誰?(汗

そう思った瞬間、ふっと赤ん坊は消え、金縛りが解ける。

汗だくの私。そして、辺りは耳に痛い程の静寂。時計は深夜1:00を過ぎていた。

金縛りの時間は、約5分間程度だったようだ。

一体、あの赤ん坊は何だったのか。理由もわからずに、次の日の朝、母にその恐怖を伝えてみた。

母「あぁ、それってもしかしたら、アンタの兄弟だったのかもしれないね。」

この日、初めて私と3つ下の妹の間に、流産してしまった兄弟がいた事を知らされた。

その、結局生まれず仕舞だった弟(妹)の出産予定日は、昨日だったらしい。

本当は、自分という存在があったんだという事を、兄の私に伝えたかったのであろうか。

昨夜の出来事で、願いは叶ったのだろうか。成仏出来たのだろうか。

そう考えている内に、私の中から昨夜の恐怖が少しずつ消えていった。

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人生を始める事され許されなかった、まだ見ぬ弟(妹)へ。

貴方の分まで頑張って人生を歩んでいけたら、

なんて簡単な台詞じゃ言い切れる事じゃないのかもしれないけれど、

それでも2人分の人生と呼べるくらいの「濃い人生」を、

今までも、そしてこれからも歩んでいこうと思っている。

それは、決して貴方の納得しない人生なのかもしれないけど、

共に楽しく謳歌していけたら素敵だな、と、兄として素直に思うよ。

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以上、”この件”に関して以外では「霊を全く信じていない」ガリぞうでした。

この季節には、こんな涼しい話も良いでしょ。

今でも思い出すと少しだけ怖くなるけど、

全て実話であり、私の唯一最初で最後(?)の霊体験です。