老子小話 VOL 999 (2020.01.04配信)

故有之以爲利、無之以爲用。

(老子、第十一章)

 

故に有の以って利を為すは、

無の以って用を為せばなり。

 

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。

原点に帰り、老子の言葉をお届けします。

「何かがあることで利益がもたらせるのは、

何もないことが根底で働いているから。」

一番わかりやすいのは、食べ物を美味しく

いただけるのは、空腹がその前にあるから。

日中働けるのは、夜間に睡眠をとるから。

からだを休める時間の効用は重大で、疲労が

蓄積するとうつに陥るおそれも出てくる。

精神を集中するときも、頭を空っぽにする

必要がある。

邪念で頭の中が支配されると集中できません。

このように有が効果をあげるには、無が

根底で働かなければならない

お金のありがたさは、無一文の時の苦労が

根底で支えている。

有を生命と考えれば、生きている利益は、

死という無の恐怖と空しさが心の底で働く

から生まれる。

有のありがたさは、根底で働く無のお陰

という老子の言葉は、いかなる場面でも

成り立つようです。

 

有無相生

 

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