老子小話 VOL 998 (2019.12.28配信)

是が非でも、生きる時間を、生きぬくよ。

そして、戦うよ。

決して、負けぬ。

(坂口安吾、『不良少年とキリスト』)

 

令和元年最後のメルマガとなりました。

今回は、坂口安吾の言葉をお届けします。

太宰治の死への哀悼が込められています。

「人間は生きることが大事である」という

のが基本姿勢である。

「生きてみせ、やりぬいてみせ、戦いぬいて

みせねばならぬ。」

負けなくとも、決して勝つことはない。

誰に、何者に勝つというのか?

時間は無限にあるわけではない。

時間というのは、生まれてから死ぬまでの間。

その間は、疲れるけれども戦い続ける。

戦いといっても、色んな戦い方がある。

フルパワーで戦っていれば、いずれ消耗する。

ある時は全力で、ある時は手を抜いて休む。

最近の新聞で、霞ヶ関で月200時間を超える

官僚もいると書いてあった。

戦いすぎて命を縮めることがあれば元も子もない。

こんな戦い方を続けるのは、自殺行為であろう。

自殺は負けたことに等しいと安吾は言う。

いくら学問を積んで官僚になったとしても、

生きる大切さを学んでいなかった。

今の世の中、いじめ、パワハラと疲れる目に遇う

ことが多い。

そんな時、安吾の言葉を思い出してほしい。

生き抜くことが負けないこと。

戦う場所を変えて、思う存分戦えばいい。

あほな連中に付き合っている時間、自分の人生

を無駄にしているからである。

 

最後に、今年のご愛読を心より感謝申し上げます。

では、よいお年をお迎えください。

 

有無相生

 

 

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