老子小話 VOL 980 (2019.08.24配信)

將不可以慍而致戦。

合於利而動、不合於利而止。

(孫子、火攻篇)

 

将は慍りを以て戦いを致す可べからず。

利に合っして動き、

利に合せずして止む。

 

今回は、孫子から選びました。

「将軍は憤りにまかせて戦を始める

べきではない。

有利な状況であれば行動を起こし、

有利な状況でなければやめる。」

日韓関係の対立は、輸出規制から始まり、

安全保障上の協定の破棄に至っている。

この協定は、一年ごとに見直し、一方的に

破棄できる条件がついています。

このような条件付が、状況に応じて破棄を

前提にしている協定と考える事が出来ます。

孫子の言葉は、無駄な戦争はすべきではない

と教えます。

日本側から見れば、国として体をなしていない

韓国に対し、もう少し厳格な輸出管理をして

下さいとメッセージを投げた積もりです。

慰安婦、徴用工と韓国に裏切られ続けた挙句の

果ての策でした。

日本は、孫子に従い、有利な状況だからこの策を

打ったと考えられます。

ところが、韓国の大統領はプライドが先行して、

韓国の国益を守る方向に動かなかった。

来年の大統領選挙に向けて、反日運動を盛り上げて、

支持者を増やそうとする策に出ました。

日本の誤算は、韓国の大統領が国益を考えて動く

と判断したことです。

予想に反して、半ば自滅的な道を選択し、旧日本軍

のように徹底抗戦の玉砕戦の感があります。

日本は原爆投下により、玉砕は免れました。

今の状況は、最初に投げた厳格な輸出管理という要請

にも、韓国は満足に応えていません。

まだ、最初の策は日本の不満を相手に伝えただけで、

利を生んでいません。

次なる手を打つのか、最初の策の効力をしばし眺める

のか別れるところです。

ただ一つ言えることは、韓国民が、自国の利益を守り

将来を託せる真の指導者を自ら選択しないと、日本の

不満は永遠に続くと思われます。

孫子の言葉は、感情で反応する指導者は国を危うくする

というメッセージが込められています。

日韓の指導者が心しないといけない言葉です。

 

有無相生

 

 

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