老子小話 VOL 979 (2019.08.17配信)

人生減省一分、便超脱一分。

(菜根譚)

 

人生は一分を減省せば、

すなわち一分を超脱す。

 

今回は、菜根譚から選びました。

「生きていくときに、余分なことを

少しでも減らそうとすれば、その分

世俗の悩みから抜け出ることができる」

この言葉に続いて例を挙げており、

一つは友達づきあいを減らせば、

いざこざから抜け出ることができる。

発言を減らせば、その分過失も減り、

思案を減らせば、精神的ストレスは

減る。

最近、竹田真砂子氏の「美しき身辺整理」

を読み、減らすことで身軽になることを

痛感しました。

とにかく身の回りのモノを減らさないと、

死ぬに死ねない。

最後は、自分の葬儀費用だけ残して、

裸一貫で死ぬのが理想だと思います。

世俗の悩みは多くのものを自分が

抱えることで生まれてくる。

老子は、「絶学無憂」と表現しました。

知識の量が増えてくると、その知識に

影響されて悩みが増えてくる。

悩みというのは、頭の中で生まれる。

頭の中に入ってくる知識や情報が、

悩みを生み出す。

余分なのは、身辺整理では身の回りの

モノですが、人生においては、知識や

情報ではないかと思います。

スマホ時代になると、SNSでの発言が

反感を生み、反感の発言が悩みを生む。

これからは、情報が入ってくる経路を

どのように絞っていくかが悩みを減らす

鍵になってくるようです。

 

有無相生

 

 

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