老子小話 VOL 977 (2019.08.03配信)

学而不思則罔

思而不学則殆

(論語、為政第二)

 

学びて思わざれば則ち罔(くら)し。

思うて学ばざれば則ち殆し。

 

今回は、論語為政第二より有名な言葉を

お届けします。

学ぶことは、知識を習得すること。

思うことは、その知識をもとに考えること。

「学んでも考えなければ、核心にたどり着けない。

考えても学ばなければ、独断に陥り危険である。」

ネット検索で知識は増やせるが、自分の頭で

考えないと、何が問題の核心なのかわからない。

一方、何の知識もなく、自分の頭の中で、

世界を想像しても、その世界と現実世界との

隔たりは大きく、実世界では生き辛くなる。

実際は、学ぶことと思うことが連鎖して初めて、

知識は意味を持つ。

知識を習得することは、知識を頭に入れること

と、その知識をもとに考えたことを行動に

移すことの両方の側面があると思われる。

従って、学ぶことは知識を体得することになる。

知識は体験に裏付けられ、身につく。

最近昆虫の数が激減しているそうである。

これは知識である。

人間による自然生態系の破壊が原因と知ること

も知識である。

これらの知識から、我々が何をすべきか考える

のが思うことである。

しかし、いくら考えても行動しなければ、知識

は活きていない。

つまり、学ぶことは知識を受け入れるという

受動性と、考えたことを行動するという能動性

からなっていることがわかる。

PDCA(Plan-Do-Check-Action)は品質管理の基本

だが、計画(Plan)と結果分析(Check)は考える

プロセスで、行動(Do)と改善(Action)は学びの

プロセスでもある。

思考と学びの連鎖が事態を改善の方向に持っていく。

論語のお教えは、品質管理のサイクルを言っていた

とは驚きでした。

 

有無相生

 

 

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