老子小話 VOL 959 (2019.03.30配信)

天長地久。

天地所以能長且久者、

以其不自生、故能長生。

(老子、第七章)

 

天は長く地は久し。

天地の能く長く且つ久しき所以の者は、

その自ら生ぜざるをもって、

故に能く長生す。

 

4月1日に新元号が発表されます。

老子の言葉から選ぶとすると、

この言葉になると思いました。

残念ながら、すでに平安時代の

後朱雀天皇の代の元号にありました。

「天も大地も永遠である。

その理由は、天も地も無心であり、

自分で生き続けようとしないから、

結果的に長生きする。」

人間だけが必死に老化を防ぐ研究を

して、自生しようとしています。

長生きは結果であり、無心に生きる

ことが、自然が教える大切な言葉だと、

「長久」は語ります。

確かに周りの長生きされているご老人

を見ていますと、それぞれに長生きして

いる理由があります。

それは、その人個人の生き方であり、

他人はそれを真似できません。

適度な栄養と適度な運動。

適度な刺激と適度な休息。

ひとそれぞれ適度の程度は異なり、

更に老化や病気やいろんな事件が

身の回りに起きるので、それを

乗り越え、無心に生きることは

並大抵ではありません。

これらの事件を波にたとえるなら、

波に正面からぶつかっていては、

体が持ちません。

波に体をあずけて、波をやり過ごす

生き方が無心にさせてくれるかも

しれません。

ボケるというのは、浮き輪のように

波をやりすごす道具のようです。

波に対する感情の起伏を和らげ、

心を安定状態に保つ手立てです。

安倍政権の継続を願って、安久に

なるという説も出てきましたが、

どんな元号になるか楽しみですね。

 

有無相生

 

 

戻る