老子小話 VOL 952 (2019.02.09配信)

雪後始知松柏操

事難方見丈夫心

(禅語)

 

雪後に始めて知る松柏の操

事難くしてまさに見る丈夫の心

 

日本列島が雪の雲に覆われる予報なので

雪に関わる禅語を選びました。

大雪の後でも松や柏の木は葉を落とさない。

それと同じように、困難をくぐり抜けた時

その人が大人物かどうかわかる。

雪降る厳しい寒さのの中で、松や柏が葉を

つけたまま困難に耐えている姿を操(みさお)

という言葉で表現しています。

今は死語になっているような言葉です。

「男の操」という演歌が昔ありました。

辞書で引くと、「自分の主義主張を誘惑や

圧迫に負けないで貫くこと」とある。

生きとし生けるもののが、大自然の厳しさに

負けず生き抜いている姿を見ていると、

人間は勇気を与えられる。

3.11大震災で発生した津波に耐えた、

陸前高田のあの一本松のように。

物事が順調に行っている間は、どんな人も

何とかやって行ける。

しかし、大災害とか大恐慌が襲ったとき、

どんな人も一度は慌てます。

しかし、その苦境をしのげるか否かで、

その人の力量が試される。

心が折れないで持ちこたえることを「操」

や「丈夫」で表わす。

操という漢字を見れば、葉を広げる木に

触れる手を表わしているようです。

困難に直面したとき、人間は自然の姿から

勇気をもらえることをこの禅語は教えます。

 

有無相生

 

 

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