老子小話 VOL 935 (2018.10.13配信)

三人行則損一人。

一人行則得其友。

(周易、下経 損)

 

三人行けば、則ち一人を損す。

一人行けば、則ち其の友を得。

 

今回は易経より言葉を拾いました。

秋は旅のシーズンです。

一人旅だと必ず気の合う友達ができるが、

三人で旅すると、その各々にとって自分と

組み合わせになるべき相手に迷う。

従って、3人のうち一人を減らさないと、

しっくりした旅ができない。

易の言葉でいえば、陰と陽の2つが引き合う

ことで万物が安定することを暗示している。

恋愛の三角関係がうまくバランスを保つこと

が難しいのと似ている。

ところが原子の世界になると、陰の電子と

陽の陽子以外に中性子という第3の存在が

原子核を支えている。

電子とも陽子とも引き合わない中立的な存在

が万物を支えていることになる。

人間関係や国家関係も、利害関係で結びつく

ことが多いですが、利害関係を度外視した

中立的な存在が2者間の力のバランスを保つ

ことがある。

まさに無私であり無為である透明な存在が

対立軸とは異なる次元で光を放つ状態です。

そういった存在が今後の世界に求められて

いるように思われます。

 

有無相生

 

 

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