老子小話 VOL 934 (2018.10.06配信)

ネコと飼い主の関係は、

この親子関係である。

といっても人間とネコはじつの親子関係

ではありえないから、その関係は

「擬似親子」関係になる。

(日高敏隆、「ネコはどうしてわがままか」)

 

10月に入って初回は動物学者の日高先生の

言葉です。

イヌは飼い主を自分の群れのリーダーだと

思っているから、飼い主に従う。

ネコは単独で暮らしたいので、飼い主の

いうことを聞かない。

そのわがままさの理由を日高さんは考えた。

そのわがままなネコでも親密なのが親子関係。

親といっても、母親との関係である。

子ネコが鳴けば母親は跳んでくるが、

母親が鳴いても子ネコは跳んでこない。

えさが欲しくて鳴けば、飼い主はえさを与える。

飼い主は、母親ネコと同じと分析する。

ネコにとっての母親は、行きたいとき行けば

いいだけの存在で、飼い主も同じとされる。

わがままでいられるのは、自分に無償の愛情を

注ぐ相手に対し、絶大の信頼を置いているから。

子ネコが大人になっても、擬似母親を求める。

そこがネコのいじらしさのように思えます。

君は信頼しているとネコに言われると飼い主は

ほろっときます。

ネコを飼うということは、相手のわがままを

受け入れることで、相手に何かを求めては

いけない。

これは器の大きい人間でないとネコは飼えません。

ネコを飼うことで自分が成長するともいえます。

 

 

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