老子小話 VOL 929 (2018.09.01配信)

誠者物終始。不誠無物。

 (「中庸」、第十四章)

 

誠は物の終始なり。

誠あらざれば物無し。

 

製品の品質データが改ざんされるという

品質不正の企業が後を絶ちません。

公がわからなければ、不正を続ける。

製品は、自動車や飛行機に使われたり、

官庁に納品されたりしている。

商いの基本は誠実である。

お客様の、品質とサービスへの信頼と期待を

裏切らないことである。

それを真っ向から否定する不正を一流企業

がやってのける。

不正をしている自覚がなかったと開き直る

企業もあった。

官庁までが、障害者雇用のデータ水増しまで

している。

「中庸」に言われるまでもなく、誠実は

すべての基本で、誠実がなければすべてが

成り立たない。

誠は、「言」と「成」の結合といったのは、

「武士道」の新渡戸先生です。

言葉によって成立したものは、何があっても

守り抜く。

「武士に二言はない」という。

うそや言い訳は同じ日本人から見て見苦しい。

今の日本社会が失ったものは、「武士道」精神

という日本人の誇りのように思えてきます。

経済を優先させた影で、相互信頼の基本となる

道徳を軽んじてきた。

その浮ついた精神が、首相のモリカケ問題の

発端になっていると思われます。

火のない所に煙は立ちません。

 

有無相生

 

 

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