老子小話 VOL 928 (2018.08.25配信)

濃艶的滋味短。

清淡一分自悠長一分。

 (菜根譚)

 

濃艶の滋味は短かし。

清淡なること一分なれば、

自から一分を悠長にす。

 

今回は、菜根譚に助けを求めました。

「濃厚な味のうまさは長続きしない。

ちょっとだけあっさり味にすれば、

自ずとその分だけうまさは長続きする。」

含蓄のある、なかなかいい言葉です。

ラーメンで言えば、こってりとした

濃厚スープでは続けて食べる気にならない。

そこで、すこしだけ酸味を加えて爽やかさ

を増すと、美味しさは長続きする。

人間の舌の感覚は、あるレベル以上刺激すると

麻痺して、刺激を受け付けなくなる。

激辛ラーメンはあまりに辛すぎると、

味覚が飽和して、美味しさは味わえない。

舌の感覚を適度に刺激することで、美味しさは

長続きする。

人間関係でも言える事で、濃厚な関係はちょっと

したもめ事で破局を迎える。

ある程度距離を置いて付き合うことで、長続きする。

これが国と国の関係になるとそうは行かない。

安保条約で米軍基地まで置いている日本は、米国と、

世界で一番濃厚な関係にある。

朝鮮半島の国のように過去にとらわれる国なら、

原爆投下した国を許せるわけがない。

その濃厚な関係が長続きしている。

その関係があるが故に、湾岸戦争に参加し、今回の

イラン制裁でも同調せざるを得ない。

米国と距離を置いて付き合うことはどういうことなのか

あらためて考えさせる、菜根譚の言葉でした。

 

有無相生

 

 

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