老子小話 VOL 926 (2018.08.11配信)

暑き日を海に入れたり最上川

 (芭蕉)

 

今日8月11日は何の日?

答えは「山の日」で国民の祝日。

「海の日」があれば山の日も欲しいと

いうことで制定されたそうです。

海の神は日本では、わだつみ。

ギリシア神話では、ポセイドン。

でも山の神はあまり聞かない。

航海の船や漁船が海難に遇わない様に

海の神に祈ります。

海開きがあるように山開きもある。

遭難事故がないよう祈る、山の神も

きっといらっしゃるのでしょう。

前置きが長くなりましたが、今回も

俳句で暑中お見舞いです。

赤々と燃えるような太陽を海に入れたら、

暑い日もきっと涼しくなるでしょう。

その太陽を海に運んでくれるのが最上川。

芭蕉のイマジネーションは雄大です。

太陽を運べる水量を最上川から感じます。

西に沈む太陽を見て、まるで最上川が海まで

運んだかの印象をもったのかもしれません。

太陽の赤と川の水色のコントラスト。

太陽が沈む光景とそれを映す洋々とした川の流れ。

暑かった一日が清涼感を以って終わる。

雄大な自然の光景をながめながら、一日を終える

旅人のこころの安らぎが溢れます。

「暑き日を海に入れたり」は、どんな光景なんだろうと

想像してみるだけで涼しくなりませんか。

 

有無相生

 

 

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