老子小話 VOL 903 (2018.03.03配信)

People don’t realize how a man’s

whole life can be changed by one book.

(Malcolm X)

 

一冊の本に人生を丸ごと変えてしまう力が

あることを、みんな理解していない。

 

今週の驚きは、大学生の5割が一日の読書時間が

ゼロというものです。

その理由は、スマホに時間を取られるというより

幼い頃から読書習慣が身についていないためと

分析されています。

いまや中高生はスマホを持ちゲームに熱中するので、

読書する習慣など身につくはずもありません。

今回の言葉は、読書に関するマルコムXの言葉です。

マルコムXは米国の黒人公民権運動の旗手でした。

公民権とは人種差別撤廃し、白人と平等の権利を得る

ことです。

彼が学んだのは刑務所の図書館と独房です。

彼の人生を変えたのがどの本かは知りませんが、

刑務所内での読書が彼の出所後の人生を変えた

のは明らかです。

読書によって本と向き合うことで、本と対話し、

本から自分の生き方を問われることが、人生を

変えるきっかけになります。

刑務所の中では自由時間が限られるので、消灯後の

独房で読書したため、視力が2.0から0.2まで落ち

ました。

大学生にこのような必死な読書は求めませんが、

読書せずに人生を終えるほど残念なことはない。

よい本には、ひとの悩みの航跡が書かれていて、

その悩みを克服するためにどのように生きたかが

書かれています。

そんな知恵と向き合わずに、スマホで時間をつぶす

のはもったいない話です。

私事でいえば、「老子」「荘子」と出会うことで、

人生の師を得ました。

困難にぶつかったとき、彼らならどういって、どう

対処するかを思い浮かべました。

老荘により、自然の仕組みも体で理解できました。

水のような柔軟さが生命を保ち、皮膚が潤いを失い、

かさかさになると、外敵の侵入を防ぎきれなくなり、

生命の衰えが始まる。

学校教育は知識を詰め込むことではなく、読書する

習慣を身につけ、先人の苦労を知ることだと思います。

先人の苦労を知れば、今の自分の苦労なんて大した事

ないと思えてきます。

自分中心の生活だと自分の苦労が最大だと勘違いする。

マルコムXの言葉は、彼の人生そのものを語っており、

スマホ生活から抜け出す力を与えてくれます。

 

有無相生

 

 

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