老子小話 VOL 898 (2018.01.27配信)

事有急之不白者、寛之或自明。

(菜根譚)

 

事、之を急にして白(あきら)かならざるものあり。

之を寛くせば、或いは自ずから明らかならん。

 

今回の言葉は、菜根譚よりいただきました。

「ものごとは急いでも明らかにならない

ことがある。ゆっくりやって自然に

明らかになることもある。」

短く言えば、事態の成り行きを見て、

結論を早く出さないということでしょうか。

その反対に、成り行きを見ているだけで

判断が遅れるとチャンスを失うとこともある。

最近話題の仮想通貨(ビットコイン)を考えます。

通貨価値が急騰することで、投資対象として

人気が急騰しています。

慌てて投資して、資産を失う人も出てきています。

昨日、580億円分の仮想通貨が不正流失したニュース

がありました。

ネットアクセスで金庫を開けれるので、セキュリティ

の危うい取引所は海外のハッカーの標的になります。

儲け幅が大きいからといって、すぐに飛びつくと

やけどする可能性が大きいと菜根譚は教えます。

仮想通貨は、国家が通貨価値を保証するものでは

ないので、取引所が破綻すると預金者は泣き寝入り

せざるを得ません。

仮想通貨のもろさは今後も露呈することになるので、

成り行きを見ていた方がよいでしょう。

ということで、ものごとは素性が明らかにならない

うちは、手を出さないに越した事はありません。

 

有無相生

 

 

戻る