老子小話 VOL 884 (2017.10.21配信)

君者舟也、庶人者水也。

水則載舟、水則覆舟。

(荀子、王制篇第九)

 

君なる者は舟なり。庶人なる者は水なり。

水は則ち舟を載せ、水は則ち舟を覆す。

 

台風の中の衆議院選投票日になりそうです。

今回は荀子の言葉をお送りします。

民主主義を一言でいえば、この言葉になります。

選挙で選ばれるのは、舟のような議員さん。

選挙で選ぶのは、水のような国民。

水は舟を浮かべるため、大雨の中、投票に行く。

選んだ議員さんがしっかり仕事をするか見定める。

選挙演説のときは頭を下げて、ひたすら一票をお願いする。

当選後は水のことなど忘れて、党利党略に埋もれる。

そんな舟をひっくり返すのも国民の役目です。

投票は何をなしたかで決めるのではない。

何をなそうとするかで決める。

何をなしたかで決めると、与党が有利になる。

しかし、何ができるか考えると、国会で多数になる

意見がすべてを決めていくので、投票の力は大きい。

あらゆる意見を戦わせて、有意義な議論をしてもらう

には、一党独裁(一強)では困る。

中国を見てもロシアを見ても、反対意見は粛清される。

うまく党力のバランスを取らせて、民主主義が機能する

ように投票するのが、水たる国民の役割のようだ。

日本人は急進を好まない。

しかし、日本を確実に変えていく力が着実に育つ方向に

応援したい。

投票日の嵐の前に、どこに投票するかじっくり考えたい。

 

有無相生

 

 

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