◆老子小話 VOL
879 (2017.09.16配信)
神が人間を試されるのは、
人間に、自分も動物にすぎない
ということを見極めさせるためだ。
(旧約聖書、「コヘレトの言葉」)
キリストやモハメッドや釈迦が生まれる前に
すでにあった、永遠のベストセラーが旧約聖書です。
そこには人間が何千年もの間に蓄積した知恵が
書かれています。
ブリューゲルの絵でも有名な「バベルの塔」。
同じ言語を話していた人間は、自分の力を過信して、
力の証としての街と天に届く塔を築こうとした。
それを見た神が、互いの言葉を通じなくさせた。
その結果、人間は街作りも塔の建設も続けられず、
各地に散らばっていった。
人間は、文明の進化により万物の頂点に立ったと
思っていますが、死に直面したとき、自分も動物に
過ぎないことを思い知らされます。
戦場や遭難現場で飢餓に陥ったとき、人肉で飢えを
凌いだ話をよく耳にします。
食べ物と水がなければ動物は生き残れません。
原子力という「神の力」を手にしても、人間は
その使い方まで知る知恵はなく、放射能で汚染された
土地を封印するしかありません。
食べ物と水があっても、放射能で汚染されていれば、
動物は放射能で体内細胞を破壊され、死に直面する。
この時期、核兵器による威嚇が取りざたされますが、
核の使用後に味わうのは、神が言うところの、
「人間も動物に過ぎない」ことだと、旧約聖書は
教えてくれます。
有無相生