老子小話 VOL 853 (2017.03.18配信)

Technology is dominated by two types of people:

Those who understand what they do not manage.

Those who manage what they do not understand.

(Murphy’s Law)

 

いつの時代のどんな技術にも当てはまる言葉

をマーフィの法則に見つけました。

「技術は2種類の人々によって支配される。

その技術の限界を理解している人々と、

限界を理解せずに扱う人々によって。」

例をあげるなら、スマホで使っているWifi技術。

私も去年から格安スマホに換えて、今は電車の中で

音楽を聞いています。

でも電車が込み合ってくると、音楽が途切れます。

Wifiは、無線でルータを介してインターネットに

接続する技術です。

電車のルータの接続回線には限界があるので、

回線にぶら下がるスマホが多くなると

通信速度を落として対応するようになり、

音は途切れてきます。

Wifi技術の限界を知れば、音楽をオフラインで

聞くか、スマホの電源を切って一眠りします。

限界を知らずに接続を続けるとイライラが募ります。

今話題のAI(人工知能)なら、コンピュータが自分自身で

学習し知の集積を行い、統計処理で判断する技術です。

囲碁や将棋で人間が負けるほど、そのレベルは上っています。

人間の思考は時々非論理的な判断を行うので、AIの方が

見落としやポカは少ないかも知れません。

監視カメラの画像から人を特定するのもAIの力によります。

では、AIが創造力を発揮できるかというと限界があります。

美しいフラクタル図形はコンピュータが描きますが、その

アルゴリズムは人間が考えました。

AIは大量のデータからある法則性を導くことができますが、

その法則性に意味づけを与えるのが創造力です。

なぜを考えるのが人間の創造力です。

AIの限界を知らずにAIを妄信すると、機械の奴隷になります。

技術を支配しているようで技術の奴隷になることは避けましょう。

技術の限界を知ることは、それを補う人間の能力を再認識させます。

治療薬の限界を知ることで人間本来の免疫力の向上に努めるか、

その限界を知らずに薬漬けになるか、どちらを選ぶか。

結果は大きく違ってくるようです。

 

有無相生

 

 

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