老子小話 VOL 848 (2017.02.11配信)

虚則静。静則動。動則得矣。

(荘子、天道篇第十三)

 

虚なればすなわち静なり。

静なればすなわち動く。

動けばすなわち得。

 

今回は荘子の言葉をお届けします。

禅寺の掛け軸に書いてあるような文句です。

荘子でも老子でも言葉が詩のように流れていく。

それがすうっと頭に入っていく理由です。

「虚心にしていれば心は静かであり、

心静かなら何事にも自由に動ける。

自由に動ければ、万事目的に達する。」

虚心坦懐のすすめともいえます。

心にいろいろなことが出入りする。

そうすると心穏やかでなくなる。

心が揺れ動くと自由に動けなくなる。

動けないと失うものが多くなる。

手短に言えば、「二兎を追う者は一兎をも得ず」。

一匹の兎を狙えばよいものを欲をかいて

二匹の兎を狙う結果、無に帰する。

心を動かすものは自分の外にありますが、

それにつられて揺れ動くのは自分の内に

あります。

外の変化に敏感に反応するのが日常ですが、

そこから心を隔離して、反応を一歩遅らせ

冷静に動けば、得るものはあるようです。

慌てないこと(Keep cool)はすべての基本。

そう荘子は言っているようです。

 

有無相生

 

 

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