老子小話 VOL 815 (2016.06.25配信)

I may not agree with what you say,

but I will defend to the death

your right to say it.

(Voltaire)

 

18歳選挙権による参議院選挙が公示され、

英国では国民投票でEU離脱が選択されました。

民主主義の渦が話題をさらっていますが、

今回は、フランスの思想家ボルテールによる

民主主義を語る言葉をお届けします。

「私はあなたの意見に賛成できない。

しかし、それを発言するという権利は

命をかけて守りたい。」

初めて選挙をする若者は、政治はわからず

誰に投票してよいかもわからないと悩む。

しかし、大人の私ですら誰に投票すべきか

悩んでいる。

立候補している人間が政治的活動の実績が

あるのかないのか、公約を口だけでなく、

実行する意志があるかないかわからないからである。

意見は投票に反映されるが、選択できなければ

白票という意見を表すことができる。

ボルテールの言葉はそういう我々を勇気づける。

自分の意見が間違っているかもしれなくても、

それを発言する権利を与えているのが民主主義と

言っている。

政治がわからなければ、討論会を聞き主張を知り、

過去の実績をネットで調べ、誰を選ぶべきか考える。

有権者は、そういう票で発言する権利を放棄するなと

ボルテールは言う。

ナチスはドイツ国民が民主主義で選んだ独裁政権だった。

日本の軍人内閣も国民の選択だった。

理屈じゃなしにおかしいと思ったら、周りがどう

あろうとも自分の意見を発言する。

それが民主主義ということになる。

どんなに政治を理解している人も、全くわからない人

も同じ一票であるが、投票までのプロセスが将来を

決めることになる。

投票率のよいシルバー世代の意見が先行しないように

若者の意見を積極的に票で主張して欲しいものである。

誰を選ぶべきか大人だって悩んでおり、悩んだ結果、

自分なりの結論を表明するのが民主主義です。

 

有無相生

 

 

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