老子小話 VOL 794 (2016.01.30配信)

以五十歩笑百歩、則何如。

(孟子、梁恵王章句上)

 

五十歩を以って百歩を笑う。

すなわちいかん。

 

今回は、「孟子」よりお届けします。

ことわざのもとになっているお話。

「戦場から50歩逃げた兵士が、

100歩逃げた兵士をいくじなしと笑う。

その違いはいかがでしょうか?」

「五十歩百歩」は、戦場以外でも至る所で

見受けられます。

10キロオーバーでスピード違反して捕まった

ドライバーが40キロオーバーで通り過ぎる

車を見て、「あっちを捕まえるべきなのに、

なぜ自分だけ捕まえるんだ」と警官に食い下がる。

スピード違反したことを棚に上げて、超過スピード

の大小を主張する。

今は受験シーズンで、五十歩と百歩の間に合格点が

存在すれば、五十歩と百歩の差は、受験生にとっては

一大事です。

しかし、長い人生にとってはその差は出発点の差であり、

その後の努力いかんで遅れは取り返せるので、大した差に

なりません。

視点のスケールを短くすれば、五十歩と百歩の差は

大きく見えますが、視点のスケールを長くとれば、

その差はないに等しくなります。

マラソンレースと短距離走の違いです。

つまり、「五十歩百歩」の差を考える視点が大切に

なります。

無駄な物を10%引きで買うか20%引きで買うか悩んで

いないか反省すべき点は日頃多々あります。

 

有無相生

 

 

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