老子小話 VOL 777(2015.10.03配信)

七転八起

(禅語)

 

昨夜はヤクルト優勝を見届けるため、

久しぶりにTVに見入ってしまいました。

真中監督が7回胴上げされましたが、

本メルマガも777回を迎える運びになりました。

老荘メルマガも2000年から始めて15年目ですが、

ヤクルトも2001年以来14年目で7回目のセリーグ優勝

ということで、どこか因縁めいたものを感じます。

2年連続で最下位だったのが夢のような強さです。

そんなヤクルトに捧げる言葉として、「七転び八起き」は

ぴったりです。

七回転んでも八回起きるとは、挫折してもくじけず

這い上がることです。

七回転べば起きるのは七回ではないのか?という疑問を

持つひともいるようです。

そこでいろいろな解釈を考えてみました。

まずは、植木算方式です。

始めは起きていた状態で、そのあと転びと起き上がりを

7回繰り返せば、七転八起になります。

つまり始めの状態を最後には維持するというのが、

この言葉の意味で、原点に回帰することです。

自然の世界ではこの振り子運動が基本で、

生命は大地から生まれ大地に戻っていく。

もう一つの解釈は、

七回連続して転んでも八回目に起き上がるというもの。

一回転べば二回目は起き上がれるかというと、そんなに甘くない。

二回目も三回目も失敗続きで、さすがに七回連続して転ぶと、

もう立ち直れないのが普通である。

でもそれにくじけず挑戦したら、やっと八回目に起き上がれた。

スポーツやビジネスや科学技術の世界では、こちらの解釈が

当てはまります。くじけたら次はないという厳しいものです。

しかし、厳しさだけだと気が滅入ります。

植木算の解釈のように、大きい眼で見れば、放っておいても

いずれ起き上がると考えると、少し心が休まるでしょう。

嵐もいずれおさまるという原点回帰の思想が、老子の考えです。

振り子の周期は長短様々ですが、転起に一喜一憂せず、

ゆっくりと原点に戻すゆとりが、自然にあっているようです。

 

有無相生

 

 

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