◆老子小話 VOL
774(2015.09.12配信)
民の飢うるは、
その上、税を食むことの多きを以って、
是を以って飢う。
(老子、第七十五章)
消費税10%引き上げに際し、軽減税率の提案が
財務省から出され、与党が検討している。
しかし、その提案は国民の立場を考えるどころか
お役人の立場むき出しのように見える。
税を取り立てれば、あとは還付申請があった者だけに
還付するという、返すほうは手間をかけさせる。
申請を忘れれば、もらい得になる。
マイナンバーカードを忘れれば、ポイントはつかず、
還付申請すらできない。
お店には読み取り器が必要になり、システムを準備するため
の投資も必要になる。
国民に手間隙かけさせ、自分だけが得をする提案となる。
財務省は、税収入が足りないからと税徴収に躍起になる。
老子はいう。
「国民が飢えるのは、官僚が税金を沢山取り立てるため。」
最近、官僚の税の無駄遣いについては取りざたされない。
2020東京五輪では、新国立競技場やエンブレムの再見直し
は、責任者不在のまま、無駄に無駄を重ねている。
一等の案がだめなら二番目の案で行けばよいものを。
なぜお祭り騒ぎでイベントを重ねるかわからない。
そもそも家計なら、収入よりも支出が多ければ、支出を抑えて、
借金の増加を抑えるのが当たり前である。
官僚は、支出を抑えず、徴税で収入を増やすことに知恵を絞る。
そもそも官僚は収支が悪くても解雇も倒産もない。
軽減税率も食料品にしか適用なく、書籍や他のサービスに適用されない。
他の国が手間なく実現できているシステムが実行できない。
官僚を甘やかしてきたのは、与党自民党と公明党だが、
今回の財務省案に対して、彼らが国民の視線でどこまで修正できるか
注目したい。
老子の時代から、税は国民を飢えさせると考えられてきた。
税金を払っておいてよかったと思える時代がいつの日か
くるのであろうか。
有無相生