老子小話 VOL 750 (2015.03.28配信)

もし、過ちを犯す自由がないのならば、

自由を持つ価値はない。

(マハトマ・ガンジー)

 

インド独立運動の父、ガンジーの名言です。

伊坂さんの小説にもガンジーの言葉が

出てきますが、これは載っていたでしょうか。

ガンジーさんは、非暴力でイギリスの植民地支配

からの自由を求めて戦いました。

戦い方についてはどれが正しいかわからないまま、

非暴力の道を信じ、過ちを恐れず突き進みました。

自由の本質は執着からの解放とするなら、失敗により

解放運動が頓挫する不安に囚われていては、自由を求める

意味はないと考えたのでしょう。

過ちを犯す自由も自由のうちであると。

なかなかの名言です。

過ちを犯す自己を正当化する発言ではなく、自由の本質を

捉えた言葉といえると思います。

人間の最大の執着は、生への執着です。

別の場所でガンジーは、

「死ぬ覚悟が出来ていれば、人は自由に生きられる。」

とも言っています。

武士道にも通じる言葉ですが、生への執着を棄てる覚悟が

できていれば、失敗を恐れず何にでも挑戦できます。

生への執着は人間性の根源ともいえるので、自由というのは

それなりの覚悟を持って臨まなければ得ることはできません。

自由は誰かが与えてくれるものではなく、自らが執着を棄て、

勝ち取るものだとガンジーさんは教えてくれます。

挑戦に失敗するのも自由のうちというのは、勇気付けの言葉に

なりませんか。

 

有無相生

 

 

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