◆老子小話 VOL
742 (2015.01.31配信)
When one's
expectations are reduced to zero,
one really
appreciates everything.
(Stephen Hawking)
期待値が「ゼロ」まで下がれば、
自分に今あるものすべてに、
間違いなく感謝の念が湧く。
ALSを発症した後も第一線で活躍されている
イギリスの宇宙物理学者の言葉をお届けします。
ALSは、筋萎縮と筋力低下を起こす運動ニューロン
の難病で、ホーキングさんは21歳のときに発症し、
50年以上にわたり闘病を続けています。
上の言葉のもとになったのが、
“My expectations were reduced to zero when I was 21.
Everything since then has been a bonus."
というインタビューでの言葉です。
「21歳のときに期待値がゼロになったが、その時以来、
あらゆることが天の恵みになった。」という実感に基づきます。
苦しいときには、何にでも積極的にあたれるようになる。
すべてがチャンスに見えてくる。
臆病になっているときは、まだ最悪の状態ではないようです。
私の経験だと、海外でバックごとパスポートを盗まれて、
2日後のフライトに間に合うように、再発行してもらうため、
翌日電車に乗りハーグの大使館までいった思い出があります。
現地の警察署に行き被害届を出したりで、悩む暇はありません。
お世話になった人々の親切がすべて、天の恵みに思えました。
ホーキングさんに比べたら小さな出来事ですが、どん底で
見えていなかった世界がぱあっと広がる思いをしました。
とにかく、期待値がマイナスになることはないので、
落ち着いて行動すれば、少しずつプラスに転じていく喜びを
味わうことができるでしょう。
有無相生