老子小話 VOL 732 (2014.11.22配信)

真空不空。執相非真。破相亦非真。

 (菜根譚)

 

真空は空ならず。執相は真に非ず。

破相もまた真に非ず。

 

Eテレ「100分de名著」で菜根譚をやっているので、

便乗して、お言葉を拝借しました。

「諸法の実相である真空は単なる空(無)ではない。

現象に執着し、それを実在とするのは真実ではない。

反対に現象を否定して、全くの虚妄とするのも真実でない。」

何だか哲学的でよくわからない言葉で、

お釈迦様はどのように説かれたかというと、

「在世出世」といいました。

世間に身を置き、世間から離れるのがよいと。

世間に居れば、誘惑や欲望の虜になって苦労するが、

世間から離れて、誘惑や欲望を断ち切るとそれも

苦しみを招くと。

禁煙をしようとしている人が、いきなり煙草を止めると

禁断症状で苦しむので、煙を直接吸うのでなく、常に煙を

嗅げる状態に身を置けば、両方の苦を断ち切れるようなもの。

ゼロか一かの選択ではなく、つかず離れずの状態に身を置き、

誘惑や欲望にソフトに付き合うのが、真の空の状態だといいます。

この話は、至る所で耳にします。

男と女の関係でも、いつもべったり寄り添うより、

つかず離れずの方が長続きするともいい、卒婚はまさにそれです。

政治家も、選挙のためには支持者に寄り添うことも必要ですが、

国の未来に必要な政策は、支持者の反対があっても決断を求められます。

今回の解散総選挙は、国民のアベノミクス支持を確認するためなのか、

いまいち目的がわかりません。

アベノミクスで放った矢に自信を持っているなら、選挙に頼らず、

そのまま突っ走って欲しいものです。

国民は首相の矢数の成果を待っており、選挙で時間を浪費するのは

堪えられません。

 

有無相生

 

 

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